Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

mathcore

Every Time I Die - Radical

Artist Every Time I Die
A-299868-1635160248-3100.jpeg

Album 『Radical』
R-20697637-1634981025-7045.jpeg

Tracklist
01. Dark Distance
02. Sly
03. Planet Shit
05. A Colossal Wreck
06. Desperate Pleasures
07. All This And War
09. Hostile Architecture
10. AWOL
11. The Whip
12. White Void
13. Distress Rehearsal
14. sexsexsex
15. People Verses
16. We Go Together

ニューヨークはバッファロー出身の5人組、Every Time I Dieの約5年ぶり通算9作目となる『Radical』の何が凄いって、シンプルに「曲がいい」←この一言に尽きる。本当にこの一言に尽きるから他に言及する事がない。要するに、いわゆるエピタフ系ならではのカオティックな“コアさ”を極め尽くした強度の高い楽曲の連続。

それこそ、Knocked LooseVeinなどの今勢いに乗る新世代メタルの作品に携わっているウィル・パットニーが前作に引き続きプロデュース/エンジニアを担当しているだけあって、アルバムの幕開けを飾る#1“Dark Distance”からして、最近のKORNさながらのヌーイズムを感じさせるグルーヴィなリフでカオティックに展開すれば、PTHばりの狂騒曲的なアレンジとソリッドに刻むリフでゴッリゴリに畳みかける#2“Sly”、イントロからETIDとともに二大エピタフ系の一角を担うConvergeや初期のMastodonが光の速さで衝突した破天荒なロックンロールの#3“Planet Shit”、サザンロッカーとしてのブルージーな側面をチラ見せしながらダイナミックに展開するマヨマヨレーションなメロディック・パンクの#4“Post-Boredom”、打って変わってサノバビッチでカオティックなマスコア~ハードコア・パンクの#5“A Colossal Wreck”、メタルコアらしい強烈なブレイクダウンが炸裂する#6“Desperate Pleasures”、ニッコー・ヤマダ擁するアトランタの'68とコラボしたノイズコアの#7“All This And War”、クリーンボイス主体の哀愁のサザンロックを繰り広げる#8“Thing With Feathers”、ETIDの本領発揮とばかりのウネリを効かせたグルーヴィなリフを擁する#9“Hostile Architecture”、スラッジーなヘヴィネスをもって牛歩戦術を成功させる#11“The Whip”、初っ端からスラッシーな轟音リフで猪突猛進しながらケイオスがケイオスを呼ぶ#13“Distress Rehearsal”、【sex×3=3P】した過ぎて咽び泣いてる俺の煩悩が具現化したような#14“sexsexsex”、もはやGojira級のヘヴィネスを叩き込むドラマティックな#15“People Verses”、終始勃ちっぱなしのヘヴィネスの全てをぶっ放す#15“We Go Together”まで、なんだろう(飲んだことないけど)バイアグラを飲んだような気分に(錯覚)させる捨て曲なしの傑作です。

総合的に、過去イチでヘヴィ/メタリックかつガッツリとソリッドに刻んできているのでメタル耳にも馴染むし、前作比では彼らのアイデンティティの一つであるストーナーやサザンロック特有の南部臭が薄まり、それらを飛び越えてスラッジ級の重厚感溢れる鬼ヘヴィネスを轟かせる一方で、台頭する新世代メタルに負けじと芸歴20年を超えるベテランの意地を見せつけるような強靭なリフに次ぐリフの応酬が、ド頭からドン尻までポテンシャルを維持しながら終始勃ちっぱなしなのがEDとは無縁そうで素直に羨ましくなった。

Frontierer - Oxidized

Artist Frontierer
A-4714032-1628207865-9992.jpeg

Album 『Oxidized』
a3907809601_16

Tracklist
01. Heirloom
02. Corrosive Wash
04. Death/
05. Disintegrative
06. This Magnetic Drift
07. LK WX
08. Southern Hemorrhage
09. SVVANS
10. Stereopticon
11. Removal Of The Copper Iris And The Lightning Pill
12. Motherboard
13. Daydark
15. The Damage And The Sift
16. /Hope

UKはスコットランド出身の5人組、Frontiererの3rdアルバム『Oxidized』の何が凄いって、いわゆるTDEPの系譜にあるカオティック/マスコアやジェント以降のモダン・ヘヴィネスを効かせた急転直下型のブレイクダウン、マシンガールコード・オレンジ譲りのバッキバキのグリッチ/ノイズや打ち込みを大胆に取り入れたイマドキかつエクスペリメンタルなアプローチ、そしてUK新世代メタル界の新星PUPIL SLICERにも通ずるエモバイオレンスな激情的かつ叙情的なメロディを、テクデス顔負けの暴虐性をもってエクストリーム合体させたハチャメチャなメタルコアやってる件について。極端に言えば、コード・オレンジに光の速さでPUPIL SLICERを投げつけたらこうなった、みたいな。


それもそのはず、このFrontiererのメンバーには同郷のメタルコアバンド=Sectionedのギタリストで知られるPedram Valianiがエンジニア兼プロデュースを担当しており、他ならぬ彼は今年のメタルアルバムにおけるマスターピースの一つであるPUPIL SLICERの1stアルバム『Mirrors』のプロデュースを手がけた張本人である。確かに、その最高にハイにキマっちゃってるカオティックなテンションはまんまPUPIL SLICERだし、ジェント以降のモダン・ヘヴィネスの音作りもまんまSectioned譲りのゴム毬みたいなヘヴィネスを踏襲しており、そう考えたら確かに二番煎じ感は否めないけど、正直ここまで20年代を象徴する新世代メタルのテクスチャを起用に切り抜きしているバンドもなかなかお目にかかれないのも事実。よって彼らは旧世代のTDEPではなく、ボストンのveinコード・オレンジ、そしてカナダのSpiritboxあたりの新世代メタル/ハードコアと同じ文脈で語るべきバンドだと言える。少なからず、本作の『Oxidized』コード・オレンジに対するスコットランドからの回答である事は確かです。何故なら、彼らが2015年にリリースした1stアルバムのタイトルはOrange Mathematicsだからw

神激こと神使轟く、激情の如く。は「アイドル界のIwrestledabearonce」なのか?

shingeki_0507-thumb-700xauto-77528

PassCode
のシャウト担当ちゆなの勇退、BABYMETALのLEGEND(ライブ)封印の発表をトリガーに、世はまさに大ラウドル時代に突入するかしないかは知らんけど、それはそうと先日「何このアイドル版Iwrestledabearonce」って笑ったのが、神激こと神使轟く、激情の如く。の今年リリースされたシングルの“BAD CAKE”という名の神曲だ。それこそ次世代を担うラウドルとして当然のようにラップ担当のメンバーが在籍し、これまたラウドルとして当前のようにスクリームボイス担当のメンバーとクリーンボイス担当のメンバーが在籍、楽曲は楽曲で当前のようにパスコの平地もビックリの転調やブレイクダウンを繰り返す、そんな急転直下型かつ予測不能系のメタルコア/マスコアをベースとしたエクストリームかつプログレッシブ、そして超弩級で超スペクタクルな次世代アイドルがこの神激である。


MVもMVで、それこそIWABO私は一度、熊と格闘したことがあります。的なわけのわからない変態的なノリを継承するかのような、名斜め上に突き抜けた個性しかないMVでサイコーなんだけど、そんな事よりもアブノーマル過ぎる曲のド変態っぷりに注目してほしい。可愛いJ-POPみたいな冒頭から一転、急転直下でIWABOばりのカオティックかつブルータルなヘヴィネスとスクリーム担当涙染あまねの獣性むき出しのシャウトが織りなす地獄のカーニバルが開演したかと思えば、中盤からはラップ担当二日よいこによるイマドキのフロウを交えたソロラップから、再びDIR EN GREYリスペクト(知らんけど)な涙染あまねのグロウル、クリーン担当TiNAのソロパート→ジャズい生牡蠣いもこのソロパート、それぞれ各メンバーの個が活かされた奇々怪々なキラーチューンとなっている。


そもそも、「神奏曲」と題した主語のデカい良い意味でダサい事を全力でやってのける感じはメタル以外のナニモノでもなくて、それこそ「神奏曲」シリーズとしてつい先月リリースされた最新シングルの“神奏曲:インフェルノ”は、DIR EN GREYの超絶駄曲でお馴染みの“インフェルノ”の名を冠するだけあって、冒頭から最期まで一貫してPassCodeのちゆなの正統後継者を襲名するかのような涙染あまねのシャウトを主演にエクストリームなメタルを繰り広げる。そして、涙染あまねと並び“もう一人のスクリームボイス担当”こと三笠エヴァオラオラオラオラ無駄無駄無駄無駄!!という露骨にジョジョ要素がブチ込まれた新曲が発表されたタイミングで、“DNAレベルで日本一のジョジョヲタ”である僕が神激と引かれ合ったのは、果たして偶然だろうか・・・?いやいや、シャウト系アイドルの開祖みたいなPassCodeのちゆなが勇退したタイミングで、神激のあまね&エヴァというスクリームコンビが目の前に降臨するという(謎のジョジョ要素含めw)、これがホントの“神”展開w


その「神奏曲」は「神奏曲」シリーズでも“インフェルノ”とは少しテイストの違う今年の2月にリリースされたシングルの“神奏曲:ガイア”は、“BAD CAKE”では地味系青メガネだったリーダー兼クリーン担当の実久里ことのを一番にフィーチャーしたMVで花魁に扮している点もDIR EN GREYというか実にヴィジュアル系的で、その花魁衣装とメタルゴッドちゃんばりの革ジャン衣装が表現する“二面性”は曲の内容とリンクしており、つまり花魁アイドル然としたキャッチーなポップさとメタルゴッドちゃんらしいモッシュッシュ推奨のブレイクダウンを軸にした鬼ヘヴィネスの“二面性”、そのギャップ萌えを極め尽くしたようなミクスチャー・ポップ・メタルコアで、ここでもあまね(シャウト)とよいこ(ラップ)のバトルを織り交ぜつつ、主語のデカいスケール感を誇示するアウトロまで何から何までメタル。そして、さっきの“インフェルノ”ではオラオラオラオラ無駄無駄無駄無駄!!アピールしてたエヴァは、今度は波動拳太陽拳気円斬かめはめ波をブッ放すという謎の二次元要素を再確認。というかこのMV、実久里ことのの花魁似合いすぎ問題はもとより、あまねの花魁姿がリアル吉原に在籍してそうな本職の嬢に見間違えるほど似合ってるというか(“神”だけに神宿の塩見が闇堕ちしたイメージw)、あまりに似合いすぎて「オメーぜってー普段からたぬきに入り浸ってるバンギャだろwww」とツッコミ不可避w


上記のシングルとは一番テイストの違う、昨年末リリースのシングル“生まれ変わっても自分になりたい”は、嘘偽ない真っ直ぐな歌詞を乗せた(シャウトもラップもない)アイドルらしい爽やかなギターロック系J-POPで安心したのもつかの間、7人目のメンバーであるマニピュレータ担当のGODちゃんが突然「無音」ぶっ込んでくるからこのグループほんと怖い・・・。このコンマ数秒に過ぎない、ほんの一瞬の「無音」だけでいかにこのグループが“普通”ではない“異端”で“アブノーマル”なアイドルであるかをメタ的に暗喩している。


アダルティなジャズ~シャッフルソング的な、それこそAcid Black Cherryみたいな冒頭からして→「やっぱこいつらたぬきに入り浸ってるバンギャじゃんwww」と確信する「神奏曲」シリーズの“神奏曲:アブソルートゼロ”は、神激らしい転調を駆使した無駄にドラムがカッコいい急転直下型のミクスチャーで、この曲のエヴァはアタタタタ百裂拳!カッカカカッカ界王拳!を打ち込んできて笑ったというか、この手のネタっぽく感じる部分をよいこのバチクソにイカしたラップと絡めてカッコよく昇華させからブレイクダウンさせる作曲者MTRの才能にただただ感心する。あと、このMVのあまねが終始Lynch.の悠介くんに見えてしょうがない(はいV系w)。

こう一通り最新シングルから遡って聴いてみただけでも、その楽曲の突き抜けた個性はもとより、同時に(GODちゃん含む)各メンバーのキャラ立ち(位置)が十二分に理解できた。楽曲では、やっぱ一番最初に聴いた“BAD CAKE”が(MV含め)群を抜いて完成度が高いと思う(アイドル版Iwrestledabearonceとして)。グループ内の人気も、歌詞担当の生牡蠣いもこを中心に、シャウト担当のあまねとラップ担当よいこの三人で人気を分け合っているんだろうなってのはわかる。個人的に推しメンを挙げるとするなら、(最新シングルが“インフェルノ”的な意味でも)DIR EN GREYをリスペクトしてそうなバンギャの涙染あまねしかないでしょ(←だから勝手にバンギャ認定すんなw)。なんだろう、ちゆな勇退のニュースでめっきり傷心しきってたタイミングで、突如目の前に現れたシャウト界の始祖ちゆなの生まれ変わりであるあまねというシャウト界のバンギャもとい女神にガチ恋したわ(神宿の塩見とデュエット組んでほしいw)。なんだろう、こう言ったら怒られるかもしれんけど、「パスコにあまね加入してくれ!」って懇願したくなるくらいには、ちゆなの後釜として最善いやベストな選択だと思っちゃったんだからしょうがないけど、そんな事は神激ファン以上にメンバーが許さないだろうね。でも、冷静に考えたらバンギャのあまねがパスコのメンバーとしてやっていくには、いかんせんキャラが濃すぎることに気づいたw

冗談じゃなしに、自分のようにちゆな勇退で心にポッカリと風穴が空いたパスコのオタクを半数は引き抜いてこれるだけのメンバースキルと個々のポテンシャル、また楽曲派のみならずメタルゴッドちゃんばりに硬派なメタラーもヴィジュアル系オタクも「虜」にするだけの寛容性の広い楽曲と変態的なビジュアルイメージ、そして何よりシンプルに「日本一カッコいいアイドル」を称するに相応しい本物の次世代ハイブリッドアイドルが、この神激こと神使轟く、激情の如く。なんですね。冒頭にも書いたけど、正直このラウドル界に亀裂が生まれ、その亀裂から漏れ出したパスコのハッカーやベビメタのメイトを迎え入れる受け皿として、今の神激は引くくらい“立ち位置”が完璧過ぎる。恐らく、我儘ラキアなんかより全然売れると思うし(売れなきゃおかしい)、というか既に2022年に武道館公演を発表しているのも全然納得だし、恐らくラキアよりも先にサマソニ出演すると思う。だから、お前ら今のうちに古参アピールしとけ!っつーか、神激のライブ観た過ぎて泣くw

SikTh 『Opacities』

Artist SikTh
new_6a16f8b94d6c4607c6820fb96846ca0f

EP 『Opacities』
jpeg

Tracklist
01. Behind The Doors
02. Philistine Philosophies
03. Under The Weeping Moon
04. Tokyo Lights
05. Walking Shadows
06. Days Are Dreamed

復活 ・・・2001年にイギリスはワトフォードで結成された6人組のSikThは、2002年にEPの『How May I Help You?』で鮮烈なデビューを飾り、2003年には1stフルアルバム『The Trees Are Dead & Dried Out Wait for Something Wild』を発表、そして2006年に傑作と名高い『Death of a Dead Day』をリリースし、その破天荒で複雑怪奇な展開とラップ&ハイトーンのツインボーカルを駆使した、言うなればハチャメチャごった煮エクストリームおっぱいサウンドでリスナーのド肝を抜き、一瞬にしてその名をアンダーグラウンド・メタルシーンに轟かせた。しかし2008年に解散。今なお一部のフアンの中ではカルト的な、一種のレジェンド的なバンドとして崇拝されている。そんなドチャクソ変態クソ野郎が解散から約7年の時を経て、かのPeacevilleから奇跡の復活作となるミニアルバム『Opacities』を発表した。



音合せ ・・・幕開けを飾る#1”Behind The Doors”からして、Textures顔負けのグルーヴィなヘヴィネスを乗せてメタルコアっぽく始まり、ドレッドヘアをチャームポイントとするミキー・グッドマンのラップとバンドの中心人物であるジャスティン・ヒルによるエモいハイトーンボイスが奇妙奇天烈に絡み合い、転調を効かせた中盤以降の展開もSikThらしさに溢れている。次の#2”Philistine Philosphies”では、俄然USヌー・メタル的な縦ノリグルーヴを効かせたモダン・ヘヴィネスとミキーのアヴァンギャルドなラップ、そして今世紀最大のエモーションをブチかますジャスティンの超絶ハイトーン・ボイスに胸を打たれ、そして全盛期のSikThがカムバックしたような転調以降のテクデス然とした展開は、これは紛れもなくシクス、変わらないシクスの完全復活を宣言するかのよう。その後も、今作をリリースした直後に来日公演を行うほどの親日家ぶりを垣間見せる#4”Tokyo Lights”を織り込みながら、初期のマスコア的な要素とアトモスフィアを取り入れた#5”Walking Shadows”、バンドの新機軸を予感させるPost-的要素を取り入れた#6”Days Are Dreamed”まで、流石に復活前のメカニカル感やドが付くほどぶっ飛んだ変態度こそ薄いが、全盛期のシクスと比べると比較的素直というかマジメなグルーヴ・メタルやってて、でも中には新しい試みを垣間見せたりして、そう遠くない未来に出るであろうフルアルバムに俄然期待を持たせる、この全6曲トータル27分に凝縮された音から次作を無限大に妄想させるような一枚だ。というより、彼らにとってこのEPはあくまでも顔合わせ、すなわち音合せ(サウンドチェック)程度の実力に過ぎないのかもしれない。

元祖 ・・・解散から7年の間、この手の界隈には様々な変化が起きた。中でも筆頭なのはDjentの台頭で、シーンを代表するUSのペリフェリーやUKのテッセラクトをはじめ、この手のジャンルやテクデス界隈のバンドでシクスの影響を受けていないバンドなんてこの世に存在しないんじゃないかってくらい(その影響は日本のマキシマム・ザ・ホルモンにまで及ぶ)、スウェーデンのメシュガーとともにDjentの元祖であり、Djentの原型を作り出した偉大なバンドである。彼らが冬眠する間、ペリフェリーやテッセラクトがシーンを牽引し、共に3作目でこれまで"アンダーグラウンド"なジャンルだったジェントを"メインストリーム"にブチ上げることに成功した。もはやシクスが産み落とした子(後継者)が親から授かった使命を貫き通し、切磋琢磨し合いシーンの『未来』を切り拓いていく姿に、子が親という偉大な存在を超えていく姿に、僕はマシュー・マコノヒーばりに咽び泣いていた。

新世界の神 ・・・テッセラクトのフロントマンことダニエル君が『惑星ポラリス』の中で「俺がジェント界の夜神月だ」とシーンに宣言したこのタイミングで、夜神月の「新世界の神」となる『野望』を阻止するため、ニアとメロのツインボーカル率いるシクスは復活したんだ、という風に考察すると俄然この手の界隈が面白く見えてくるかもしれない。ともあれ、このEPは「フルいけるやん!」と確信させるような、文句のつけようがない復活作です。
 
Opacities
Opacities
posted with amazlet at 16.02.20
Sikth
Imports (2015-12-11)
売り上げランキング: 21,096

Misery Signals 『Absent Light』 レビュー

Artist Misery Signals
Misery Signals

Album Absent Light
Absent Light

01. A Glimmer of Hope
02. Luminary
03. Reborn (An Execution)
04. Carrier
05. Shadows And Depth
06. Lost Relics
07. Two Solitudes
08. Departure
09. The Shallows
10. Ursa Minor
11. Everything Will Rust

USはミルウォーキー出身の五人組、Misery Signalsの前作Controllerから約五年ぶりとなる待望の新作で、ミキシングにはTDEPの作品で知られるSteve Evetts、マスタリングには重鎮アラン・ドーチェスを迎え、ギタリストのRyan Morganと新メンのGreg Thomaによるセルフプロデュース作となる通算四作目『Absent Light』なんだけど、わかりやすい前置きとして→前作をリリースした後に所属するFerret Musicを離れてから「やっべw 新譜作る金がねぇ・・・」と気づき→「くっそ!こうなったら乞食の出番や!」と自身のHPでカンパを募った結果→「ファッ!?10万ドルも集まったンゴ・・・やったぜ。」というお話。で、プロデューサーにデヴィン・タウンゼンド総裁を迎えた2008年作の3rdControllerはメタルコア界屈指の名盤だったが、待ちに待った新作でセルフリリース(Basick)となる本作の作風としては、メシュガニキやゴジラにも通じるゴッリゴリなブルータリティや独特のマシナリー感を帯びた、マスいリズムをタイトに刻んでいく無機質なテクニカル・メタルコアをベースに、ポストロックにも通じるアート/オルタナ成分や叙情派ナントカスクールHC直系のメロディセンス、そして今のDjent界隈にも多大な影響を与えたであろうカオティックなポリリズムやキング・クリムゾンでも予測不可能な未知なる展開その構成力の高さにはやはり驚かされるし、とにかく音の根幹にある漢クサい硬派なハーコー精神は相変わらずかっこ良くて、間違いなくここ数年の中では一番刺激的なメタルコアだと言い切れちゃうほど、そこらのメタルコアとは比べものにならないぐらいの”格”の違いを見せつけるような、それこそ五年も待ち望んだ甲斐が本当にあった力作となっている。

 とりあえずオープニングを飾る#1”A Glimmer of Hope”からして、(あぁ...遂にコイツらもスクリーモ化してしまったか・・・)と勘違いするぐらい超絶エモーティヴッ!!なイントロの美メロや立体的な空間を形成する荘厳なオーケストラ、そしてフロントマンKarl Schubachの獣性むき出しの獰猛な咆哮が織りなす、まるで「ABRよ、これが10万ドルのストリングスだ」と言わんばかりの、激しくも美しい壮麗なサウンドスケープを目の当たりにした僕たちは自然と胸がepicッ!!に高まる。その流れからMSらしい複雑怪奇(カオティック)な展開を見せる#2”Luminary”や#3”Reborn (An Execution)”での優美なストリングスを擁したドラマティックかつダイナミックな展開は圧巻の一言だし、本作のハイライトとなる#5”Shadows And Depth”ではスラッジーな激重ヘヴィネス、#7”Two Solitudes”ではエレクトロニクスな【ATMSフィールド】、#9”The Shallows”ではToolスキーなexperimentalismを発揮したりと、これまでにはなかったようなインスト面での新しい試みが多く、要するにその”新要素”と今までの”MSらしさ”が絶妙なバランスで共存した結果の傑作というわけ。だから、近頃のメタルコアというジャンルに対して嘆かれる”マンネリ”という言葉は、この今のMisery Signalsには一切通用しない。けど、今回は起伏のある大胆な展開やシンフォニックなアプローチを強めて音にスケール感を持たせた分、少なくとも前作みたいなDjent直系の変拍子を多用した”リフリフアンドリフ”でゴリ押していく感じのインテリ作品ではないし、あのScale the Summitにも通じる癒し系メロディも最小限に抑えられてる感じだから、その辺は好みが別れそうな予感する。なんつーか、過去最高に”プログレ”に対する意識が高くなってる感スゴい。あと#4,#6,#11にはそれぞれゲストVoが参加。

 確かに、傑作『Controller』特有の”いともたやすく行われるえげつない冷徹さ”を纏った、緊迫感のある鋭くモダンな空間は薄くなっているし、ほぼ曲間なく一気に畳みかける勢いは前作ほどではないけれど、今作は曲単体の濃密度が高く、音の広がりや幅もあって、これ以上ないってほど”メタルコアの中の漢のメタルコア”を存分に堪能させてくれる。さすがに、より俄然Djent大好きな作風かつ知的なインテリ系メタルコア気取ってた前作を超える衝撃というのはないけど、過去最高に自身のexperimental性を高めた今作もその前作を凌ぐレベルの完成度で、またしてもメタルコア界を代表する一作がココに誕生したと言っていい。なんかもう【メタルコア界のTool】とでも呼んじゃいたいぐらいだ。これは文句なしにオススメだけど...このジャケだけは謎、ホント謎。
 
Absent Light
Absent Light
posted with amazlet at 13.07.30
Misery Signals
Basick Rec (2013-07-30)
売り上げランキング: 3,260
記事検索
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 累計: