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墓っ地・ざ・ろっく!

Technical

SikTh 『Opacities』

Artist SikTh
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EP 『Opacities』
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Tracklist
01. Behind The Doors
02. Philistine Philosophies
03. Under The Weeping Moon
04. Tokyo Lights
05. Walking Shadows
06. Days Are Dreamed

復活 ・・・2001年にイギリスはワトフォードで結成された6人組のSikThは、2002年にEPの『How May I Help You?』で鮮烈なデビューを飾り、2003年には1stフルアルバム『The Trees Are Dead & Dried Out Wait for Something Wild』を発表、そして2006年に傑作と名高い『Death of a Dead Day』をリリースし、その破天荒で複雑怪奇な展開とラップ&ハイトーンのツインボーカルを駆使した、言うなればハチャメチャごった煮エクストリームおっぱいサウンドでリスナーのド肝を抜き、一瞬にしてその名をアンダーグラウンド・メタルシーンに轟かせた。しかし2008年に解散。今なお一部のフアンの中ではカルト的な、一種のレジェンド的なバンドとして崇拝されている。そんなドチャクソ変態クソ野郎が解散から約7年の時を経て、かのPeacevilleから奇跡の復活作となるミニアルバム『Opacities』を発表した。



音合せ ・・・幕開けを飾る#1”Behind The Doors”からして、Textures顔負けのグルーヴィなヘヴィネスを乗せてメタルコアっぽく始まり、ドレッドヘアをチャームポイントとするミキー・グッドマンのラップとバンドの中心人物であるジャスティン・ヒルによるエモいハイトーンボイスが奇妙奇天烈に絡み合い、転調を効かせた中盤以降の展開もSikThらしさに溢れている。次の#2”Philistine Philosphies”では、俄然USヌー・メタル的な縦ノリグルーヴを効かせたモダン・ヘヴィネスとミキーのアヴァンギャルドなラップ、そして今世紀最大のエモーションをブチかますジャスティンの超絶ハイトーン・ボイスに胸を打たれ、そして全盛期のSikThがカムバックしたような転調以降のテクデス然とした展開は、これは紛れもなくシクス、変わらないシクスの完全復活を宣言するかのよう。その後も、今作をリリースした直後に来日公演を行うほどの親日家ぶりを垣間見せる#4”Tokyo Lights”を織り込みながら、初期のマスコア的な要素とアトモスフィアを取り入れた#5”Walking Shadows”、バンドの新機軸を予感させるPost-的要素を取り入れた#6”Days Are Dreamed”まで、流石に復活前のメカニカル感やドが付くほどぶっ飛んだ変態度こそ薄いが、全盛期のシクスと比べると比較的素直というかマジメなグルーヴ・メタルやってて、でも中には新しい試みを垣間見せたりして、そう遠くない未来に出るであろうフルアルバムに俄然期待を持たせる、この全6曲トータル27分に凝縮された音から次作を無限大に妄想させるような一枚だ。というより、彼らにとってこのEPはあくまでも顔合わせ、すなわち音合せ(サウンドチェック)程度の実力に過ぎないのかもしれない。

元祖 ・・・解散から7年の間、この手の界隈には様々な変化が起きた。中でも筆頭なのはDjentの台頭で、シーンを代表するUSのペリフェリーやUKのテッセラクトをはじめ、この手のジャンルやテクデス界隈のバンドでシクスの影響を受けていないバンドなんてこの世に存在しないんじゃないかってくらい(その影響は日本のマキシマム・ザ・ホルモンにまで及ぶ)、スウェーデンのメシュガーとともにDjentの元祖であり、Djentの原型を作り出した偉大なバンドである。彼らが冬眠する間、ペリフェリーやテッセラクトがシーンを牽引し、共に3作目でこれまで"アンダーグラウンド"なジャンルだったジェントを"メインストリーム"にブチ上げることに成功した。もはやシクスが産み落とした子(後継者)が親から授かった使命を貫き通し、切磋琢磨し合いシーンの『未来』を切り拓いていく姿に、子が親という偉大な存在を超えていく姿に、僕はマシュー・マコノヒーばりに咽び泣いていた。

新世界の神 ・・・テッセラクトのフロントマンことダニエル君が『惑星ポラリス』の中で「俺がジェント界の夜神月だ」とシーンに宣言したこのタイミングで、夜神月の「新世界の神」となる『野望』を阻止するため、ニアとメロのツインボーカル率いるシクスは復活したんだ、という風に考察すると俄然この手の界隈が面白く見えてくるかもしれない。ともあれ、このEPは「フルいけるやん!」と確信させるような、文句のつけようがない復活作です。
 
Opacities
Opacities
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Sikth
Imports (2015-12-11)
売り上げランキング: 21,096

Intervals 『A Voice Within』

Artist Intervals
Intervals

Album A Voice Within
A Voice Within

Tracklist
01. Ephemeral
02. Moment Marauder
03. Automaton
04. The Self Surrendered
05. Breathe
06. The Escape
07. Atlas Hour
08. Siren Sound
09. A Voice Within

【インターバルス!】・・・Djent界のアイドルことスパイスボーイズもといTesseracTの元ボーカルダニエル・トンプキンズ君の出戻りや”ターバンおじさん”ことAbdullah Al Mu'min率いるThe Haarp Machineの件を見ても、あらためてDjent界のボーカリストはDTもビックリの”使い捨て”すなわち”雇われ”だと再確認した次第で、そのThe Haarp Machineから脱退した元ボーカリストMichael "Mike" Semesky擁するカナダはトロント出身の4人組、Intervalsの1stフル『A Voice Within』がレーベル無所属とは思えないほどのクオリティしてる件。

【歌モノ系かと思いきや】・・・その音楽性としては→何といっても、The Haarp Machineでもお馴染みのVoマイケルのFuneral for a Friendを筆頭としたUKメロコアバンド風の爽やかな”歌える系”のボーカル/コーラスを中心とした、音はジェント・リーやマスいリズム刻むテクニカルなリフ回しを組み込んだモダンなプログレッシブ・ヘヴィで、一曲目の”Ephemeral”や三曲目の”Automaton”を聴く限りではメロディックでキャッチーな”歌モノ系”だと断定できるが、The Haarp Machine直系のテクニカルなリフと雰囲気のあるジャジーなメロゥパートが靭やかに交錯する#2”Moment Marauder”や大作の#4”The Self Surrendered”sleepmakeswavesばりの多幸感に溢れたポストロッキンなATMSフィールドを展開する#7”Atlas Hour”やクライマックスを飾る#9”A Voice Within”で聴けるような、いわゆる”静と動”の緩急を駆使したシアトリカルでスケール感のあるベッタベタな展開を、「ちょっと通りますよ」ってレベルじゃないくらい恥ずかしげもなくブッ込んでくる大胆不敵な”意外性”もある。一方で、ALCEST顔負けのポスト-系インストの#5”Breathe”で光り輝く確かなメロディセンスも忘れちゃあならない。このポスト-系に通じる【ATMS系】のメロディこそ、彼らの大きな持ち味だと言っても過言じゃあない。とにかくクセのないボーカル主体のメロディアスなDjentではあるが、どの曲にも一捻りが加えられた(ニヤリ)とさせるフレーズや「おっ」と耳を惹く展開、そして遊び心も感じさせる叙情的なソロワークなどが聴きどころとして存在している。プログレ・メタルとしての”メタル感”を意識しつつも、一方でDjentとしてあるべき最低限の要素を全て兼ね備えている、そのバランス感覚も秀逸。わかりやすく言えば→ソフトタッチなThe Human Abstractといった感じで、カナダ出身だけどボーカルのエモいメロディがモロにUKバンドのソレだから全体的にUKバンドっぽさある。

【化ける可能性】・・・正直、第一線で活躍するDjentlmenと大差ない、少なくとも楽曲面の及第点は優に超えている。しかし、Djent界の貴公子ことトシン・アバシ率いるAnimals As LeadersThe Joy of Motionを聴いて脳が活性化された後では、どうしてもミックスや音作りに脆さを感じてしまう。そこが唯一の難点。それこそ、スメリアンあるいはProsthetic Recordsから声がかかれば大きく化ける可能性大だし、そのポテンシャルは既にこのアルバムで証明している。今年のDjent界ではアニマルと合わせて聴いといて損はない一枚だ。
 
A Voice Within
A Voice Within
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Intervals
Imports (2014-04-10)
売り上げランキング: 25,175

Cyclamen 『Ashura』 レビュー

Artist Cyclamen
Cyclamen

Album 『Ashura』
Ashura

Track List
1. 破邪顕正 (Haja-Kenshou)
2. 紫電一閃 (Shiden-Issen)
3. 百折不撓 (Hyakusetsu-Futou)
4. 臥薪嘗胆 (Gashin-Shoutan)
5. 悲歌慷慨 (Hika-Kougai)
6. 夢幻泡影 (Mugen-Houyou)
7. 余韻嫋々 (Yoin-Joujou)
8. 疾風怒濤 (Shippu-Dotou)
9. 神武不殺 (Shimbu-Fusatsu)
10. 空即是色 (Kusoku-Zeshiki)

『偶然』・・・最近、ふとCyclamenって今ナニしてるんだっけ?もしシクラメンがBiSに楽曲提供なんかしたら面白いなぁ...とかいうしょーもない妄想に耽っていたそんな矢先、当ブログにシクラメンの創設者である今西勇人氏から直接「新譜がリリースされた」というコメントを頂き、こんな偶然もあるもんだなぁ...と少し驚きながらも、さっそく新譜を聴かせてもらった、というお話の流れ。

『Sikth is God』・・・その前に、あの伝説のUKバンドSikthのメンバーが参加し話題を呼んだデビュー作のSenjyuといえば→まさにSikth直系のブルブルブルータルなテクデスをベースに、マスロックやポストロックに通じるメロゥなインテリズム、今西ニキの刹那的な感情を吐き散らす激情HC直系のカオティックな咆哮やエモーショナルなロキノン系クリーンボイス、そして【怒りと悲しみ】...【絶望と希望】が込められたメッセージ性の強い歌詞が、まさしく『千手観音』の如くエクストリーム合体した結果だった。もはやコレを聴いてない奴はモグリだと断言できるぐらい、それこそCloudkickerBeaconsに匹敵する、これぞ知る人ぞ知るDjent界の隠れた名盤と言える。自分自身、これを期に久々に聴いてみたんだが→コレってやっぱクラスト系ハードコアパンク勢だったり、マスい複雑な変拍子を組み込んだエッグい轟音ギターが波状攻撃のように襲いかかる、この破天荒なハチャメチャ感は初期のProtest the Heroに通じる部分あるよなぁ...と、あらためて謎の感動をおぼえたほど。

『Cyclamen-Sikth=Djent?』・・・そんな、衝撃のデビュー作から約三年ぶりとなる待望の新作、その名も『Ashura』なんだけど、今作でもシクラメンの持ち味であるブルータルな暴虐パートと、『希望』に満ち溢れた感情(エモーション)をエモい歌詞に込めて解き放つ、それこそ”シクラメン”という名の希望の花を咲かせるクリーンパートの対比は建材・・・と言いたいところだが、今回はSikthのメンバーが関わっていないという事もあって、やはり前作とのギャップを感じる。その前作の大きな特徴である、Sikth直系のガッチガチな音質面やメロディのあるクリーンパートに関しても、この『Ashura』では前作を象徴するそれらの要素が消え失せてしまったせいか、とにかく前作よりも”ダーク”で”ヘヴィ”、そして”アグレッシヴ”な作風だなぁ・・・という第一印象を持った。わかりやすい話→前作のような、Sikth直系のデロデロレロレロガッガガッガガッガガッガ...的なバカリズムを刻むテクデス/ジェントというよりは、ほのかにテクニカルなプログレッシブ系メタルコア/デスコア的なアプローチを強めた作風で、その結果→ポストロック/ポストメタル/マスロック成分の減退に繋がっている。

『変化』・・・それらの”変化”もしくは”違和感”は、この『阿修羅』の幕開けを飾る#1”破邪顕正”から顕著で、イマニシ氏によるリアルスクリーモばりにリアルな咆哮や凶暴な低音グロウル、そして全てを焼き尽くすように猪突猛進するシンフォブラばりに邪悪なオープニングから、前作Senjyuとの”違い”をその一瞬で明確化してみせる。と同時に、この曲を聴いた時→「あれ?音がDjentじゃない?ギョンギョンしてない!?」という、漠然とした違和感を感じた。ポストメタル的な立体感のあるソリッドな音だった前作のイメージが強く耳に残っていたせいか、率直な意見として→「これ、音悪すぎない?」って。なんというか、最近のTriviumみたいに、エッジを削がれたモコモコ感のある篭もり気味の音というか・・・。少なくとも、ジェントというジャンルの鉄則すなわちオキテである”音で聴かせる音”ではない、どちらかと言えばオーガニックな音。しかし、今作に対するイマニシ氏のインタビューから『Ashura』のコンセプト/テーマを知り、その作風を理解ッしたらスグに”納得”が生まれ、そして→「これはジェントではない・・・」という結論に至った。なんつーか、Peripheryの1stから2ndまでの”変化”を想像してもらうと分かりやすいかもしれない。

『コンセプトは”怒り”』・・・ジャケからイメージされるように、前作の『Senjyu』が”祈り”もしくは”希望”をコンセプトとした作品ならば、今作の『Ashura』は”怒り”をコンセプトとした作品で、その”怒り”を一点に込めて激昂する今西氏の咆哮中心のボーカルパートを筆頭に、とにかく曲展開からリフまで全ての音エネルギーが、それこそ『阿修羅』の如く憤怒し、激しく怒り狂っている。そのエゲツナイ音の塊が映し出す絶望的な光景は、まるでガンツの仏像編を読んでいるかのようだ。それはオープニングを飾る#1”破邪顕正”をはじめ、フュージョン系のGソロやリフからジェント的な匂いを感じる#2”紫電一閃”、前作譲りのカオティックなハチャメチャ感のある#3”百折不撓”、そしてエモくて力強い歌詞が聞き手に訴えかける#4”臥薪嘗胆”までは、いわゆるオペにゃんを長としたプログレッシヴ・ヘヴィ直系の殺傷力の高いリフで曲を組み立てていく。それ以降は、前作の”Hope”の続編と言っていい#5”悲歌慷慨”やメッセージ性の強い#6”夢幻泡影”、特に本作のハイライトを飾る#9神武不殺のようなインテリ感のある曲は前作を彷彿とさせたりして、これこそ”俺たちがシクラメンに求めていた”と言える名曲だし、Cloudkickerを彷彿とさせるアコギをフューチャーしたラストの#10”空即是色”までシッカリと聴かせる。さすがに三部作というだけあって、前作との関連性や対比を要所で垣間見せながら、今作のコンセプトである”怒り”を厳格に、生々しく表現している。また、曲のタイトルが仏教語となっているところも、この作品のコンセプト、そのメッセージ性をより強く表している。

『NoDjent』・・・確かに、音のプロダクションを含めて全てが”Djentそのもの”だったSenjyuのようなSikthリスペクトな作風を期待すると肩透かしを食らいそうだが・・・しかし、”日本のベン・シャープ”こと今西勇人氏を中心とした、激情と静寂の間で揺れ動くエモーショナルな歌と極楽浄土のブルータリティ、そして仏教の教えに沿った”生と死”を深裂に映し出す歌詞まで、全てにおいてスケール感が増した現代的なヘヴィネス、計算されたプログレスに納得ッさせられる一枚。もはやジェントだ、いやジェジェジェ!?だ、いやジェントじゃないはどうでもいい、それぐらい総合的な完成度では前作を凌ぐ勢いがある。

『三部作』・・・現在はタイで活動していると言う今西氏のインタビューによると、既に次回作のタイトルは『AMIDA』と決まっていて、どうやら三部作として繋がっているらしく、物語的には『ASHURA』から『SENJYU』に進んで、次の『AMIDA』が最終章という構成、とのこと。何にせよ、DIY精神をもって音楽に取り組む今西氏の姿勢にあらためて感銘を受けたし、Sikthが解散してしまった今(なにやら復活するという噂もあるが)、彼らの精神と音を受け継ぐ存在となり得るのは、唯一このシクラメンしかいないと勝手に思っているので、是非ともシクラメンにはCloudkickerのBen Sharpニキとの対バンを日本で実現してもらいたいです(願望)
 
Ashura
Ashura
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Realising Media (2013-10-13)

Misery Signals 『Absent Light』 レビュー

Artist Misery Signals
Misery Signals

Album Absent Light
Absent Light

01. A Glimmer of Hope
02. Luminary
03. Reborn (An Execution)
04. Carrier
05. Shadows And Depth
06. Lost Relics
07. Two Solitudes
08. Departure
09. The Shallows
10. Ursa Minor
11. Everything Will Rust

USはミルウォーキー出身の五人組、Misery Signalsの前作Controllerから約五年ぶりとなる待望の新作で、ミキシングにはTDEPの作品で知られるSteve Evetts、マスタリングには重鎮アラン・ドーチェスを迎え、ギタリストのRyan Morganと新メンのGreg Thomaによるセルフプロデュース作となる通算四作目『Absent Light』なんだけど、わかりやすい前置きとして→前作をリリースした後に所属するFerret Musicを離れてから「やっべw 新譜作る金がねぇ・・・」と気づき→「くっそ!こうなったら乞食の出番や!」と自身のHPでカンパを募った結果→「ファッ!?10万ドルも集まったンゴ・・・やったぜ。」というお話。で、プロデューサーにデヴィン・タウンゼンド総裁を迎えた2008年作の3rdControllerはメタルコア界屈指の名盤だったが、待ちに待った新作でセルフリリース(Basick)となる本作の作風としては、メシュガニキやゴジラにも通じるゴッリゴリなブルータリティや独特のマシナリー感を帯びた、マスいリズムをタイトに刻んでいく無機質なテクニカル・メタルコアをベースに、ポストロックにも通じるアート/オルタナ成分や叙情派ナントカスクールHC直系のメロディセンス、そして今のDjent界隈にも多大な影響を与えたであろうカオティックなポリリズムやキング・クリムゾンでも予測不可能な未知なる展開その構成力の高さにはやはり驚かされるし、とにかく音の根幹にある漢クサい硬派なハーコー精神は相変わらずかっこ良くて、間違いなくここ数年の中では一番刺激的なメタルコアだと言い切れちゃうほど、そこらのメタルコアとは比べものにならないぐらいの”格”の違いを見せつけるような、それこそ五年も待ち望んだ甲斐が本当にあった力作となっている。

 とりあえずオープニングを飾る#1”A Glimmer of Hope”からして、(あぁ...遂にコイツらもスクリーモ化してしまったか・・・)と勘違いするぐらい超絶エモーティヴッ!!なイントロの美メロや立体的な空間を形成する荘厳なオーケストラ、そしてフロントマンKarl Schubachの獣性むき出しの獰猛な咆哮が織りなす、まるで「ABRよ、これが10万ドルのストリングスだ」と言わんばかりの、激しくも美しい壮麗なサウンドスケープを目の当たりにした僕たちは自然と胸がepicッ!!に高まる。その流れからMSらしい複雑怪奇(カオティック)な展開を見せる#2”Luminary”や#3”Reborn (An Execution)”での優美なストリングスを擁したドラマティックかつダイナミックな展開は圧巻の一言だし、本作のハイライトとなる#5”Shadows And Depth”ではスラッジーな激重ヘヴィネス、#7”Two Solitudes”ではエレクトロニクスな【ATMSフィールド】、#9”The Shallows”ではToolスキーなexperimentalismを発揮したりと、これまでにはなかったようなインスト面での新しい試みが多く、要するにその”新要素”と今までの”MSらしさ”が絶妙なバランスで共存した結果の傑作というわけ。だから、近頃のメタルコアというジャンルに対して嘆かれる”マンネリ”という言葉は、この今のMisery Signalsには一切通用しない。けど、今回は起伏のある大胆な展開やシンフォニックなアプローチを強めて音にスケール感を持たせた分、少なくとも前作みたいなDjent直系の変拍子を多用した”リフリフアンドリフ”でゴリ押していく感じのインテリ作品ではないし、あのScale the Summitにも通じる癒し系メロディも最小限に抑えられてる感じだから、その辺は好みが別れそうな予感する。なんつーか、過去最高に”プログレ”に対する意識が高くなってる感スゴい。あと#4,#6,#11にはそれぞれゲストVoが参加。

 確かに、傑作『Controller』特有の”いともたやすく行われるえげつない冷徹さ”を纏った、緊迫感のある鋭くモダンな空間は薄くなっているし、ほぼ曲間なく一気に畳みかける勢いは前作ほどではないけれど、今作は曲単体の濃密度が高く、音の広がりや幅もあって、これ以上ないってほど”メタルコアの中の漢のメタルコア”を存分に堪能させてくれる。さすがに、より俄然Djent大好きな作風かつ知的なインテリ系メタルコア気取ってた前作を超える衝撃というのはないけど、過去最高に自身のexperimental性を高めた今作もその前作を凌ぐレベルの完成度で、またしてもメタルコア界を代表する一作がココに誕生したと言っていい。なんかもう【メタルコア界のTool】とでも呼んじゃいたいぐらいだ。これは文句なしにオススメだけど...このジャケだけは謎、ホント謎。
 
Absent Light
Absent Light
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Misery Signals
Basick Rec (2013-07-30)
売り上げランキング: 3,260

Hacride 『Back to Where You've Never Been』 レビュー

Artist Hacride
Hacride

Album 『Back To Where You've Never Been』
Back To Where You've Never Been

Track List
01. Introversion
02. Strive Ever To More
03. Synesthesia
04. Overcome
05. Edification Of The Fall
06. To Numb The Pain
07. Ghosts Of The Modern World
08. Requiem For A Lullaby

フランスの西部はポアティエ出身の四人組、Hacrideの約四年ぶりとなる最新作で、ノルウェイの王手Indie Recordingsからリリースされた通算四作目『Back To Where You've Never Been』なんだけど、同郷のKloneと並び”Gojiraのフォロワー”として知られる彼らだが、前作『Lazarus』までのボーカルとドラマーの二人が脱退したとはいえ(新メンにKloneのドラマーFlorent Marcadetを迎えている)、オープニングの#1”Introversion”のオリエンタルな神秘性やUSグルーヴ/モダンヘヴィネスそして新ボーカリストLuiss RouxによるUSハーコー勢リスペクトな縦ノリ系の雄叫び、#2”Strive Ever To More”での変拍子を多用したエクストリーム・プログ/テクニカルなスタイルを耳にする限りでは、十分に本来の”Hacrideらしさ”を感じる実にダイナミズムかつexperimentalismに溢れた作風ではあるし、しかも#3”Synesthesia”では初期The Oceanもしくは初期Cult of Lunaを彷彿とさせるスラッジーな轟音ヘヴィネスを大地にズッシーンズッシーン轟かせていて、(あれっ?コイツらこんな音楽性だったっけ?イケるやん!)と度肝を抜かれた。そして中盤のインストがヤケにカッコイイ#4”Overcome”、Toolishなオルタナティブ・ヘヴィ成分およびDjent成分配合の鬼グルーヴが凄まじい#5”Edification Of The Fall”、インスト主体の#6、再びジェントライクなゴリゴリなリフ&モダンヘヴィネスを擁しながら怒涛の展開力を見せる#7”Ghosts Of The Modern World”、再びトゥーリッシュなラストの#8まで、いわゆる【大作志向】で全7曲トータル約1時間という妙な冗長さを感じた前作とは違い、全8曲トータル約42分というコンパクトに凝縮された作風かつ今時のDjent成分配合のシンプルでモダンなエクストリーム・メタルやってる本作すき。なんつーか、前作みたいなネットリ感のある混沌とした雰囲気は薄くなって、存外サッパリとした音に変わったというか、#6を筆頭にCynicTexturesそしてToolを連想させるオルタナ/プログレ成分配合のスペーシーな音響系【ATMS】空間の形成に意識を向けた作品、そんな印象。要するに、その手の好き者にグッと訴えかけるナニかがある。まぁ、この手の”流行り”の音に合わせてくる辺りは流石のIndie Recordingsといった所。良作。
 
Back To Where You’Ve Never Been
Hacride
Indie Recordings (2013-04-29)
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