Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

Slowcore

deathcrash - Return

Artist deathcrash
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Album 『Return』
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Tracklist
01. Sundown
02. Unwind
03. Horses
04. American Metal
05. Matt's Song
06. Wrestle With Jimmy
07. Metro I
08. Slowday
09. Was Living
10. What To Do
11. Doomcrash
12. The Low Anthem

UKはロンドン出身のdeathcrashの1stアルバム『Return』が掘り出し物で凄い。いわゆる90年代のemo(イーモゥ)の影響下にある寂寥感むき出しのアルペジオ・リフと内省的という概念を超えた衰弱した小動物のように弱々しい倦怠感むき出しのボーカルが支配するウェットな雰囲気、一方でポストハードコアならではの感情的な側面、そしてポストロックならではのリリシズムを内包したセンチメンタルなスロウコアを展開しており、例えるならスコットランドのレジェンドMogwaiの名盤『Rock Action』あたりの作品に精通するハードコアmeetポストロックをスロウコアmeetエモ寄りに振り切ったようなイメージで、その90年代のオルタナ愛に溢れたサウンド・プロデュースは1stアルバムにして既に非凡な才能を開花させている。

モグワイ顔負けのポストロック~スロウコアラインのローテンポな気怠い雰囲気から、ギア転調を繰り返してエモ~ポストハードコアラインへとプログレスに場面を切り替えていく自己紹介がてらの#1“Sundown”を皮切りに、常にローテンションの陰キャが全力で腹から声出した結果みたいなUKバンドらしいエモいボーカルメロディをフィーチャーした#2“Unwind”、オルタナ志向の強い#3“Horses”、ゴリゴリのアメリカンメタルと見せかけてゴリゴリリカルなポストロックの#4“American Metal”、ローファイ宅録系アコギ男子みたいな#5“Matt's Song”、内側に溜まりに溜まった鬱屈した感情を外側に全て吐き出すかのようなハードコア然とした咆哮すらも存在感(影)の薄い#6“Wrestle With Jimmy”、Bennett Theissenなる人物のボイスを導入した#7“Metro I”も実にモグワイ的というか、あるいは後期のana_themaを彷彿とさせるし、これが本当のアメリカンメタルとばかりのポストメタル然としたヘヴィネスと静寂パートのコントラストに面舵いっぱい切った#9“Was Living”、2010年に自ら命を絶ったUSインディロック・バンドSparklehorseのマーク・リンカスの(自死の引き金となった“Gun”のワードを捉えた)肉声インタビューを収録した#10“What To Do”、彼の自死に対する孤独と哀しみに苛まれるセンチメンタルな序盤から一転、この終わりのない悪夢のような世界に絶望するドゥームメタル然としたヘヴィネスを叩き込む後半の流れは何とも示唆的で、それは同時に彼らの内に秘めた危うさをも浮き彫りにしている。

一見、陰キャのイギリス人男性ならではのヒョロガリ系オルタナサウンドとは裏腹に、それこそバンド名のdeathcrashや“American Metal”はもとより、#11の“Doomcrash”というタイトルが示す絶望感に苛まれた重厚感溢れるメタル然としたサウンドも陰キャを構成するアイデンティティの一つで、そのモグワイ的なノイズ/ハードコアネスおよびオルタナイズムの繊細かつ内向きな側面と、90年代に活躍し2020年に復活を遂げたUSオルタナのHum40 Watt Sunを連想させるドゥーム/ポストメタル的な破天荒かつ外向きな側面が表裏一体化した、そんな彼らなりの存在証明が記された傑作です。見方によってはHumの亜種として認識できなくもないし、同じく初期のドゥームメタルを経て新作でスロウコア化した40 Watt Sunと聴き比べたいタイムリーな逸品。間違いなく今年の年間BEST級。

40 Watt Sun - Perfect Light

Artist 40 Watt Sun
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Album 『Perfect Light』
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Tracklist
01. Reveal
02. Behind My Eyes
03. Until
04. Colours
05. The Spaces In Between
06. Raise Me Up
07. A Thousand Miles
08. Closure

90年代から00年代にかけて活躍したUKトラディショナル/ドゥーム・メタルバンド、Warningの中心人物であるパトリック・ウォーカーのソロプロジェクトとして始動した40 Watt Sun。彼らが2011年に発表した伝説のデビュー作『The Inside Room』といえば、古巣のWarningを基にした古典的なドゥームメタルの系譜にありながらも、USテキサスのTrue Widowを彷彿とさせるスロウコアやシューゲイザー的なノイズ要素、そして90年代に一斉を風靡したUKフューネラル/ドゥームメタル然とした内省的かつ叙情的な泣きのメロディをクロスさせた名盤で、その5年後には2ndアルバム『Wider Than The Sky』を発表すると、そこではドゥームメタルから足を洗い、俄然スロウコアの方向性に舵を切ったサウンドを展開していた。

パトリック以外のバンドメンバーが全員脱退し、名実ともに完全なるシンガーソングライターの立場から放たれる本作の3rdアルバム『Perfect Light』は、愛用のエレキギターを窓からぶん投げて、代わりにアコースティック・ギターを手にしたフォーク・ミュージックmeetスロウコアと称すべき作風となっており、音数を最小限に抑えたミニマルスティックな曲調と90年代にUKドゥーム御三家の一角として活躍した(Kscope時代の)ana_themaの影響下にある耽美的なポストロックが邂逅した、美しくも儚いメランコリックな天上の音楽を繰り広げている。まるで慈悲を乞うかのように、ただ繰り返されるだけの和音のアルペジオと優美なピアノが織りなす、聖水のごとし浄化作用を内包したアトモスフェリックなフォーク・ミュージックと、言わば“宅録系おっさんSSW”として震える声を絞り出すように歌い上げる、その中年くたびれ親父の背中から加齢臭と共に滲み出る情熱的なパッションとあゝ無情なエモーション、そんな中年オヤジの激シブな姿にただただ男泣きすること請け合い。

確かに、本作において鳴らしている音楽性にはドゥームメタルの片鱗も残されていないが、アイデンティティである初期のドゥームメタル時代に培った泣きメロの資質そのものは不変で、むしろ今回アコギを主軸とした事により一層その泣きメロにリソースを全振りしている印象。そもそも、伝説のデビュー作の時点でスロウコアをはじめとするミニマル・ミュージック寄りの気質を持ち合わせていた事を考えれば、今回のアコースティックなスタイルへの変化はごく自然で、あくまで流動的な変化でしかない。それこそ過去二作のアルバムジャケットが示すように、嵐の如く暗雲に覆われた荒涼感と死臭を醸し出すジャケの魑魅魍魎がクリーンに浄化されて徐々に光が差し込んでくる様は、まさに40 Watt Sunがこの10年の間に歩んできた音楽性の変遷を視覚的にメタしている。また、パトリックは今年のRoadburn FestivalにてロサンゼルスのSSWことEmma Ruth Rundleとのコラボを予定しており、メタルシーンのみならずオルタナ界隈からも高い支持を得ているのがわかる。

40 Watt Sunが1stアルバム→2ndアルバム→3rdアルバムで歩んできた音楽的変遷は、それこそドゥームメタル→オルタナ→ポストロックという風な音楽的変遷を辿ったana_themaを彷彿とさせ、中でもana_themaが過去作をアコースティック・アレンジで再構築した『Hindsight』のサウンド・スタイルが最もシックリくる。特にこの『Perfect Light』を象徴するかのような、ポストロック然としたアルペジオ・ギターと後期ana_themaに直結する耽美的なATMSフィールドがリリカルに、しかしドラマティックに広域展開する#2“Behind My Eyes”、ミニマリストを極め過ぎたギタリストが奏でる和音のアルペジオとアンビエント・ポップ的なピアノが至極シンプルに美しい#5“The Spaces In Between”、中期Anathema的なオルタナ味を感じる#7“A Thousand Miles”は本作のハイライトと言える。個人的に、この手の癒やし系アコギ作品と言えば、知る人ぞ知る伝説のフォークバンドことTrespassers Williamを要所々々でフラッシュバックさせる本作の凄みったらない。

Cigarettes After Sex 『Cigarettes After Sex』

Artist Cigarettes After Sex
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Album 『Cigarettes After Sex』
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Tracklist

01. K.
02. Each Time You Fall In Love
03. Sunsetz
04. Apocalypse
05. Flash
06. Sweet
07. Opera House
08. Truly
09. John Wayne
10. Young & Dumb

今年の5月、22年ぶりに奇跡の復活作を発表したシューゲイザー界のレジェンドことSlowdive。そのSlowdiveが90年代以降の音楽シーンに与えた影響は計り知れず、2014年作の『シェルター』ニール・ハルステッドとコラボしたAlcestネージュもその内の一人だが、このブルックリンにもスロウダイヴからの影響を隠しきれない「スロウダイバー」が存在するのをご存知だろうか。2012年に発表されたデビューEP『I.』が瞬く間に話題を呼ぶやいなや、収録曲のNothing's Gonna Hurt You BabyがYoutubeで4000万再生を記録し(現在は6200万)、そして今年の5月には初来日公演を果たした、【テキサス出身】と【ブルックリンを拠点に活動している】こと以外全てが謎に包まれたバンドが今世界中から注目を浴びている。その名もCigarettes After...



『SEX』



よく「SEXの後のタバコは格別にウマい」って話を聞くけれど、しかし俺たち「童貞」には一生理解できないその謎の価値観と疑問に、音楽という名の疑似SEXを通じて「童貞」にも理解できるようにレクチャーしてくれるのが、このもはや「究極の童貞煽り」みたいなバンド名を冠した、フロントマンのグレッグ・ゴンザレス率いるCigarettes After Sexだ。実は彼ら、2011年にも同じようなセルフタイトルを冠したフルアルバムをリリースしているが、今はその存在自体が完全になかったことになっている。この度、再びセルフタイトルのアルバムを出したということは、これが彼らの本当の姿だという二度目の正直的な意味が込められているのかもしれない。

このCigarettes After Sex(セックスの後のタバコ)「Sex=セックス」に対して、いわゆる主にベッドの上で行われる「Sex=セックス」を想像した奴は間違いなくほぼ100パーセント「童貞」だ。何故なら、ここでのこの場合のこのバンドでの「Sex=セックス」は、パスポートなどでお馴染みの「性別」という意味で使われる「Sex」を表現していて、それはバンドの中心人物であるグレッグ・ゴンザレス「性別」の垣根を超えた女性的かつ官能的な歌声を聴けば分かるように、つまり彼らの奏でる音楽には「Sex」≒「Gender」すなわち「ジェンダーフリー」の精神が宿っており、そのグレッグのセンチメンタルなウジウジ気分にさせる内向的な歌声をはじめ、女々しくて女々しくて辛すぎるメロマンティックな歌詞世界、スロウダイヴ直径のシューゲイザー/ドリーム・ポップ然としたアトモスフィア/フィードバック・ギターが奏でる魅惑のリフレイン、そしてスロウコアならではのミニマルなサウンド・スケープならぬドリーム・スケープを、Cigarettes=煙草のケムリのようにモクモクと展開していく。あのスロウダイヴを「天上の音楽」と表現するなら、このCigarettes After Sexはまさに映画『コーヒー&シガレッツ』のような雰囲気映画ならぬ雰囲気音楽、すなわち「ベッドルームの音楽」だ。


彼らは、幕開けを飾る一曲目の”K.”からこの世のものとは思えない官能的な「Slowsex」を披露する。それこそスロウダイヴ”Altogether”を彷彿させる、儚さちょちょ切れるようなイントロのリフレインから「スロウダイヴ愛」に満ち溢れたスロウナンバーで、今のLGBT時代を象徴するようなジェンダーレスかつフェミニンなグレッグの歌声とギターの「Slowsex」の如しメロゥなリフレインとアコギが織りなす、セクシャルでハラスメントな、ムーディでアダルティな世界観をミニマルに描き出していく様は、もはやSlowdiveではなく「Slowsex」と呼称すべき音楽だ。昭和の歌謡曲やテレサ・テンばりに哀愁よろしゅうなキーボードのメロディと可愛げのあるグレッグの甘味な歌をフィーチャーした#2”Each Time You Fall In Love”、再びギターのメランコリックかつミニマルなリフレインをフィーチャーした#3”Sunsetz”と#4”Apocalypse”、トリップホップ感を醸し出す#5”Flash”、タイトルどおり甘いSexのようなメロディに溺れる#6”Sweet”、白昼夢を彷徨うかのようなリヴァーヴィなアトモスフィアが広がる#7”Opera House”、アメリカの映画俳優ジョン・ウェインの名を冠した今作のハイライトSexを飾る#9”John Wayne”、リア充過ぎる歌詞に耳を塞ぎたくなること請け合いなラストの#10”Young & Dumb”まで、もはや「儚くも甘味なグレッグの歌声とコク旨なギターのリフレインがあればそれでいい」みたいな、それこそ22年ぶりに本家のスロウダイヴがセルフタイトル作で奇跡の復活を宣言したこのタイミングで、その約一ヶ月後に最高のスロウダイバーが最高のSEXミュージックを最初から最後まで一貫して繰り広げるセルフタイトル作で最高のアルバムデビューを飾るという神展開。これ聴き終えたら「童貞卒業」したも同然です。それくらい、「いま最も童貞にオヌヌメしたい最高のSEXミュージック」だ。

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Cult of Luna 『Vertikal II』 レビュー

Artist Cult of Luna
Cult of Luna

EP 『Vertikal II』
Vertikal II

Track List
01. O R O
02. Light Chaser
03. Shun The Mask
04. Vicarious Redemption [remix by Justin K. Broadrick]

本作はそのタイトルどおり、スウェーデンのインテリ頭脳派集団Cult of Lunaの約七年ぶりとなる新作で、SF映画の傑作『メトロポリス』を題材としたコンセプトアルバムVertikal続編に当たるEP『Vertikal II』なんだけど、まずはオープニングの#1”O R O”を聴けば心で理解ッできるように、どうやら『Vertikal』の中でも異質な存在感を放っていたPassing Throughが完全に今回の伏線()だったみたいで、その”Passing Through”を踏襲したミニマムな遅漏リフとFredrik Kihlberg君による憂鬱な歌声が、ほのかにメランコリックな塩梅をもって仄暗~いムードを演出しながらユラリと交錯する、要するにTrue Widow直系の幽玄なダウナー系スロウコア/トリップ・ミュージックを展開している。確かに、『Vertikal』のようなメタリックな重厚さや現代プログレッシブ的な感覚は皆無に近いが、Earthにも通じるミニマリズムを発揮しながら知的なATMSフィールドを広域に展開していく、実にCoLらしいインテリ度MAX!!なダーク・ミュージックを繰り広げている。で、#2”Light Chaser”ではJohannes Persson君のドスの効いた獰猛な咆哮と鍵盤奏者Anders Teglund君による近未来都市計画的なメロディが繰り返し鳴り響き、徐々に徐々に謎のトリップ感を醸し出しながら、ドラムや咆哮という名の暗黒物質が混沌と蠢くATMSフィールドを形成していく。実質本編ラストで約12分ある#3の”Shun The Mask”は、このEPでは一番バンドらしい音使いと適度なプログレ性を合わせ持ち、Kayo Dotを彷彿とさせる狂気的なアヴァンギャリズムやインテレクチュアリズムをむき出しにしたような、サイケデリックかつマッドサイエンティストな暗黒世界を見せつけている。そして、ここまで続いた『ヴァーティカル・プロジェクト』の終幕を飾るのは、Jesuジャスティンがリミックスを担当した『Vertikal』の名曲”Vicarious Redemption”で、これがまた本編の存在を食っちゃってるんじゃねぇか?ってぐらいの完成度で笑う。CoL自身も→本来は収録される予定じゃなかったけど、あまりにも良すぎたので本編に入れた結果→このヴァーティカル・プロジェクトの終わりに相応しい曲となったと語るのも納得の出来。もはや(あれ?原曲ってどんなだったっけ?)ってなるほど、あの超暗黒星がリミックスでこうも麗しく耽美に化けるものなのか・・・と素直に驚いた。なんかGod Is An Astronaut的な謎のepicッ!!感すらあるし、あのwoob woobなダブステ成分もうまい具合に消化してる所はサスガだと。全然関係ないけど、なんかDIR EN GREYのライブの会場BGMとして流れてきそうな雰囲気ある。
 
 全4曲トータル約35分。なんというか、それこそ一見手抜きに見えてしまうジャケのように、『Vertikal』という名の月面の裏側その深層部分をピンポイントでフォーカスしたような、言うなれば”Bサイド”的な作品であると同時に→なにか以前にTrue WidowCult of Lunaの関係性について書いたような気がするけど、それこそ今回の『Vertikal II』でCoLがTrue Widowっぽい事やってみせた、まさに先ほどの関係性その”回答”であるかのような作品で、なんか本当に面白いなぁって。ちなみに、この『Vertikal II』の楽曲は『Vertikal』とほぼ同時期に書かれたものらしく、急遽決まったものではなくて、元からこの続編をリリースする予定だったらしい。そんなわけで、これにて約七年間の構想(冬眠)により誕生した『ヴァーティカル・プロジェクト』は一旦完結し、そしてCult of Lunaは再び数年間の深い眠りにつくそうです。おやすみー!
 
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Cult of Luna
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True Widow 『Circumambulation』 レビュー

Artist True Widow
True Widow

Album Circumambulation
Circumambulation

Track List
01. CREEPER
02. S:H:S
03. FOURTH TEETH
04. NUMB HAND
05. TROLLSTIGEN
06. I:M:O
07. HW:R
08. LUNGR

USはテキサス州ダラス出身の三人トリオ、True Widowの約二年ぶりとなる3rdフル『Circumambulation』なんだけど、お話の前置きとして、当ブログの2011年度BESTにもランクインした前作のAs High As the Highest Heavens and From the Center to the Circumference of the Earthとかいうクッソ長いタイトルが各メディアに正しく評価された結果→この度目出度くあのRelapse Recordsからのリリースが決まったようで、これには散々ウチのブログでゴリ押してきた甲斐があったというか、三作目にしてようやく彼らの音楽性が(ピッチ厨含む)あらゆる界隈に正しく評価された結果で、個人的に大変嬉しく思っている。

 このTrue Widowといえば→【Stoner×Shoegazer=Stonegaze】を最大の売りとしているバンドで、通算三作目となる本作でも、これまでと同様に”仄暗い水の底からコンニチワ”みたいなダウナー系インディ・ミュージックを展開しているんだけど、まずオープニングを飾る#1”CREEPER”からして毒々しいまでのウネリとグルーブを効かせた中毒性の高い低音リフがミニマルに反復しながら、ダン・フィリップス(Vo,Gt)の気ダル~い歌声と共に未知なる狂気と不安が精神的に迫りくるこの感覚・・・それこそ宗教絵画風のアートワークの如し暗黒微笑世界に迷い込んだかのような、この独特のトリップ感こそTrue Widowの音だよなぁ...と再認識させる。そして前作譲りの幽玄な【ATMSフィールド】を展開する#2”S:H:S”、仄暗い水の底から紅一点のNicole Estill(Vo,Bass)によるヤンデレ少女系ボイスとダンの絶妙なコーラスが織りなす、キャッチーでありながらも独特のハーモニーが”これぞTrue Widow”ってな感じで病みつきになる#3”FOURTH TEETH”、まるでAlice in Chains顔負けのグランジーなリフがネットリと体にまとわり付き、それこそナニかに取り憑かれたor洗脳されたように無感情で歌うニコルのようなリアルヤンデレ状態になること請け合いの#5”TROLLSTIGEN”は、まさにTrue Widow然としたトリップ・ミュージックの真骨頂であると同時に本作のハイライト。で、ミニマルなリフで展開するインストの#6”I:M:O”、再びダンの歌とニコルのコーラスハーモニーがハッパ草い湿った香りを充満させる#7”HW:R”、これまでとは打って変わって感情が芽生えたニコルの歌を中心に展開する#8”LUNGR”まで、全8曲トータル約44分の幽玄な低音世界を堪能させる。特にニコル作曲の#5は本作に潜む恐怖を体現したかのような名曲。
 
 個人的には、紅一点のNicole Estillをメインに携えた前作を素直に踏襲して(それこそ近年のKylesaのように)、より薄明るくキャッチーな方向性に向かうと予想してたんだけど、ご覧のとおり結果は真逆で、過去最高にディープな暗黒暗黒アンド暗黒を超越した先にある漆黒の世界を構築しながら、ミニマリズムを含んだ泥臭い遅漏リフと共にダンとニコルによる憂鬱なハーモニーが暗闇の奥底で反響する、まさに”TWらしい”としか他に言いようがないアヘアヘミュージック・・・これはもう聴きながらアヘアヘと笑うしかない。しかし、2008年作の1st『s/t』の頃にあったドゥーミッシュな重い感覚は薄く、感覚的には2ndやEPI.N.O.で確立したヤンデレ路線を更に深く、更に仄暗い底を極めた結果が本作といった感じ。今思えば、当ブログの2011年度BESTの時にWhirrTrue Widowが一緒にランクインしたのは伏線()だったというか、今年偶然にもWhirrとTrue Widowの新譜が重なってリリースされたのは俺得以外のナニモノでもなかった。

 本作を聴いてあらためて、自分でも不思議なくらいTrue Widowの音楽性がドツボなんだという事を再確認した次第で、まぁ、単純に”俺の感性”を象徴する音そのものっちゃそのものだから...ね。少なくとも、今の時代にドヤ顔しながらシューゲ聴いてる奴でこのTrue Widowを聴いてない奴がいるとするなら、そいつは紛れもなくミーハー以下のクソムシだって、はっきりわかんだね。あとやっぱり、このインディっぽさとメジャーっぽさの境界線で揺れ動く絶妙な立ち位置から放たれる彼らの音楽って、それこそピッチフォーク厨が”Earthの後継者”だという風に挙って持ち上げちゃうほどの、それすなわち俺たちファッション・サブカル系男子御用達の音楽なんだと思いました(適当)



Circumambulation
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True Widow
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