Artist YUKIKA
mini album 『timeabout,』
Tracklist
01. Leap forward (Intro)
02. Insomnia
03. Love Month
04. TIME TRAVEL
05. Secret
06. PUNG!
韓国で活躍中のYUKIKAが所属事務所との契約を終了したと知った時は素直に残念だった。というのも、昨年その事務所からリリースされたデビューアルバムとなる『Soul Lady』は、昨今海外のインフルエンサーをキッカケに世界中でバズった松原みきの“真夜中のドア”を皮切りに、再び世界的に注目され始めている80年代の日本でブームを起こしたシティ・ポップ、そのステレオタイプもいいとこのシティ・ポップのコンセプトが貫かれた作品で、現に自分も『Soul Lady』に影響されてつい最近まで出勤前にシティ・ポップ界を代表する竹内まりやの名曲“プラスティック・ラブ”を毎朝リピートして、まるで気分は昭和のOLとばかりに自分の中でプチ・シティ・ポップブームが巻き起こっていた。
そんなYUKIKAの前所属事務所での最後の仕事というのが、若手二大俳優の浜辺美波()と吉沢亮が出演する「ロッテガーナチョコレート」のCMソングってのが驚きで、このCMソングは日本の作曲家を迎えた80年代テイスト溢れる“日本語詞”の楽曲だった。しかし、この曲を聴いて改めて「やっぱりYUKIKAは韓国のクリエイターと仕事すべき」と思ったのも事実(この音源は正規リリースされていない模様)。というか、あの浜辺美波()が出てるCMソングに大抜擢されるって普通に考えたら凄いことだと思う。もちろん、明治ではなくロッテのCMってのが韓国で活動するYUKIKAが抜擢される理由として、十分に納得できる話ではあるけど。ちなみに、このCMに関して僕は浜辺美波のチラリと映る足裏にしか興味ない模様w
mini album 『timeabout,』
Tracklist
01. Leap forward (Intro)
02. Insomnia
03. Love Month
04. TIME TRAVEL
05. Secret
06. PUNG!
韓国で活躍中のYUKIKAが所属事務所との契約を終了したと知った時は素直に残念だった。というのも、昨年その事務所からリリースされたデビューアルバムとなる『Soul Lady』は、昨今海外のインフルエンサーをキッカケに世界中でバズった松原みきの“真夜中のドア”を皮切りに、再び世界的に注目され始めている80年代の日本でブームを起こしたシティ・ポップ、そのステレオタイプもいいとこのシティ・ポップのコンセプトが貫かれた作品で、現に自分も『Soul Lady』に影響されてつい最近まで出勤前にシティ・ポップ界を代表する竹内まりやの名曲“プラスティック・ラブ”を毎朝リピートして、まるで気分は昭和のOLとばかりに自分の中でプチ・シティ・ポップブームが巻き起こっていた。
そんなYUKIKAの前所属事務所での最後の仕事というのが、若手二大俳優の浜辺美波()と吉沢亮が出演する「ロッテガーナチョコレート」のCMソングってのが驚きで、このCMソングは日本の作曲家を迎えた80年代テイスト溢れる“日本語詞”の楽曲だった。しかし、この曲を聴いて改めて「やっぱりYUKIKAは韓国のクリエイターと仕事すべき」と思ったのも事実(この音源は正規リリースされていない模様)。というか、あの浜辺美波()が出てるCMソングに大抜擢されるって普通に考えたら凄いことだと思う。もちろん、明治ではなくロッテのCMってのが韓国で活動するYUKIKAが抜擢される理由として、十分に納得できる話ではあるけど。ちなみに、このCMに関して僕は浜辺美波のチラリと映る足裏にしか興味ない模様w
その大仕事を最後に、前事務所を退所したYUKIKAは、過去に一緒に働いていた元マネージャーが設立した新事務所と新たに契約を結び、前作の『Soul Lady』から約8ヶ月ぶりとなる1stミニアルバムの『TIMEABOUT,』でカムバックするに至る。そのようにして新たなる船出を選んだYUKIKAだが、しかし一方で『Soul Lady』時代のシティ・ポップ路線は一体どうなるの?という率直な疑問が浮かび上がったのも事実で、伝説の1stフルアルバム『Soul Lady』を傑作たらしめる最大の要因となった、K-POPガールズグループ=LOONA(今月の少女)文脈のMonoTreeやESTiなどのプロデューサーやクリエイターとの関係が絶たれてしまった事に一抹の不安を憶えたのもまた事実。
オープニングSEの#1“Leap forward”からして、前作『Soul Lady』の延長線上にある古き良きシティ・ポップサウンドを展開、そして星空のように綺羅びやかで幻夢的なシンセを駆使したリード曲となる#2“Insomnia”を耳にすれば、さっきまでの不安は単なる杞憂に過ぎなかった事を思い知らされる。90年代のJ-POPを想起させるキラキラシンセをフィーチャーした、記念すべき新体制初となるファーストシングルの#3“Love Month”は、段階的に怒涛に叩き込まれるフックを効かせたアッパーなサビが底抜けに気持ちいいシティ・ポップチューンで、これまたフックに富んだノスタルジックなメロディが炸裂する#4“TIME TRAVEL”、その傍らK-POPガールズグループ系のバブルガムなメロディをフィーチャーした#5“Secret”、ラストはシットリ系の#6“PUNG!”まで、なんだろう、確かにアレンジは前作『Soul Lady』の名残を感じさせる部分が大半で、十分その延長線上にあるものとして聴けなくはないんだけど、しかしそれ以上にあくまでも再出発を果たしたYUKIKAという一人のソロアーティスト、その等身大の彼女にフォーカスした作品となっている。
前作の『Soul Lady』では、当時のシティ・ポップに故意に寄せた昭和感に溢れた歌い方だったり、ステレオタイプの楽曲アレンジだったりしたけど、このミニアルバムにおけるYUKIKAはより自然な歌い方というか、同時に本来のYUKIKAの持ち味を活かす楽曲アレンジに重きを置いているというか、とにかく前作と大きく違うところは「YUKIKAを中心に動いている」ということ。前作のようなシティ・ポップというイチ音楽ジャンルにフォーカスした作品ではなく、それこそ「歌手だけでなく女優としてもマルチに幅広く活躍させたい」という新所属事務所の思惑とYUKIKAに対する期待感が如実に現れたような、あくまでも“YUKIKAを中心”とした一枚となっている。事実、このままシティ・ポップ路線一本で行ったところで、いずれ頭打ちになることは目に見えているので、わりと早い段階でシティ・ポップのステレオタイプから脱却できたのは、今後の彼女にとっても結果的に良かったと言える一連の行動と選択だと思う。もちろん、その個性や楽曲/アルバムのコンセプトという点では、“シティ・ポップ”という世界的なリバイバルブームを狡猾に狙い撃ちした『Soul Lady』のが断然上であるのも確かだし、その辺りのYUKIKAを象徴するアイコニックな作品とのギャップをどう埋め、どう打開していくのかが今後の課題となってくると思う。
洋楽メインストリームのトレンドを取り入れている、女優に歌手とマルチに活躍する先輩のIUと、一方でブームが一周回ってリバイバルを起こしているシティ・ポップをコンセプトとするYUKIKA、そのメロディ、そのプロダクション、そのアレンジ、どれをとっても違うその2つのトレンドを昇華し、同じK-POPの枠組みとして聴かせるKポならではの面白さ、また魅力の一つであることを再認識させる。