Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

Instrumental

CHON 『Grow』

Artist CHON
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Album 『Grow』
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Tracklist

01. Drift
02. Story
03. Fall
04. Book
05. Can’t Wait
06. Suda
07. Knot
08. Moon
09. Splash
10. Perfect Pillow
11. Echo
12. But

ハルヒ「キョーーーーーーーーン!!」 011404

「・・・呼んだ?」
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キョン ・・・正直このネタやりたかっただけ、みたいな所ある。まぁ、それは兎も角として→近頃賑わいを見せはじめているインスト界隈、いわゆる"オシャの会"に新しく入門してきた、カルフォルニア州はオーシャンサイドを拠点に活動するサンディアゴ出身の三人組、キョンSumerian Recordsからリリースされた1stアルバム『Grow』がメチャクチャオシャい件。
 
ポストtoe ・・・自分の中で、インストって聞いて真っ先にイメージするのは、USのScale the Summitみたいな、いわゆる"プログレ・メタル"をベースにしたインストバンドが多い中で、このキョンがやってる音楽性っつーのは、その手のメタル系のインストとは一線を画した、日本を代表するインストバンドtoeの影響下にあるマスロック然としたインテリジェンスな変拍子を組み込んだインストで、いわゆるオシャ会の中では最もオシャンティなインストバンドと言える。

インスト界のホープ ・・・まずオープニングを飾る#1を皮切りに、まるでオシャ化したProtest the Heroばりのオシャピロな幕開けから始まる#2”Story”は、まるで傷心した心の傷跡を小指で上からなぞるような、少しくすぐったい甘味な胸きゅんメロディとマスロック然としたリズム感が心地よい音空間を形成し、途中にジャズ/フュージョンライクなソロワークを織り込みながら、そしてシャシャシャシャーンというシンバルからの中盤以降のインプロ感溢れるポストロッキンなパートは日本のtoeさながらのリリカルな展開力を披露。イントロからマスロック然とした変拍子を駆使したグルーヴを弾ませる#3”Fall”は、転調以降のCynicExiviousばりに瞑想不可避なオシャ夢想に癒やされる。それ以降もジャズ/フュージョン志向のオシャンティなマスロックが続くのだけど、その中でも特に目を見張るものは、やっぱりハイライトを飾る#5”Can't Wait”や#11”Echo”などのボーカル入りの楽曲で、特に#5はサンディアゴ自慢の西海岸のビーチに吹き込む浜風を運んでくるかのような、toeの山崎氏リスペクトなボーカル主体の甘酸っぱくてちょっと切ない、新しい学園生活に馴染めないでいるティーンエージャーの刹那的かつ純真無垢なキモチを謳った青春オルタナソング。#10の”Perfect Pillow”は、今作で一番エッジの立ったScale the Summit系のインストで後半の絶妙なアクセントを施している。 初期toeの魂を受け継ぐかのような無垢で繊細で素朴なメロディセンスは、彼らキョンの最もたる魅力の一つで、そらスメリアンも黙っちゃあいないよなって『納得』させるほど、とにかくインスト界のホープと呼ぶに相応しい一枚となっている。
 
Grow
Grow
posted with amazlet at 16.03.12
Chon
Sumerian Records (2015-04-06)
売り上げランキング: 5,987

Intervals 『The Shape of Colour』

Artist Intervals
バルス

Album 『The Shape of Colour』
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Tracklist
01. I'm Awake
02. Sure Shot
03. Fable
04. Sweet Tooth
05. Black Box
06. Slight Of Hand
07. Meridian
08. Libra

バルス! ・・・カナディアンジェント、Intervalsの2ndアルバム『The Shape of Colour』。2014年に発表したデビュー作A Voice Withinは、現Raunchyのボーカリストでex-The Haarp Machineで知られるマイクのUKメロコア然としたハスキーでエモーショナルなボーカル・パフォーマンスと、ジャズ/フュージョンやPost-系をはじめ多彩なアレンジを効かせたオシャンティなプログレッシブ系ジェントが高次元で融和した、それこそ2015年に解散を発表したUKエモ/ポストハードコア界のレジェンドFuneral for a Friendをジェント化したような、すこぶる良質なジェントコア作品だった。

雇われ ・・・オワコンと囁かれる昨今のジェント界を盛り上げるウレピー出来事といえば→界隈を牽引するUKのTesseracTが”ジェントは雇われ”というオキテを忠実に守り、目出度くダニエル・トンプキンス君が復帰したことだ。そんな追い風を受けて、そのジェント界で引っ張りダコの雇われ系男子ことMichael "Mike" Semesky擁するIntervalsの新作には俄然期待がかかる。まず1曲目の”I'm Awake”から、現代のギターヒーロートシン・アバシ率いるAnimals As Leadersをソフト&カジュアルにしたような、スタイリッシュなリフ回しで聴かせる爽やかなインストで、次の曲に期待がかかる。2曲目の”Sure Shot”は、前作でも垣間見せた静と動のコントラストを効かせたソリッドなインストで、次の曲に俄然期待がかかる。3曲目の”Fable”は、いわゆる「3度目の正直」ということで、今度こそマイクの歌声が入ってきた思ったらケニー・Gもビックリのサックスだった。4曲目の”Sweet Tooth”は、バケツ野郎ことBuckethead顔負けのユニークなギターの中にアコースティックなアレンジが光るインストで、次の曲に期待がかかる。5曲目の”Black Box”は、メロデスばりのハモリを見せる叙情的なツインギターが聴きどころのインストで、次の曲に期待がかかる。6曲目の”Slight of Hand”は、再び音のメリハリとアコギを取り入れた、そして見せ場のGソロからのアウトロの美メロという繋ぎの展開が見所のインストで、次の曲に期待がかかる。7曲目の”Meridian”は、まるで真っ白なキャンパスにアー写のようにカラフルな絵の具をぶち撒けたようなドチャクソエピカルなインストで、次こそはボーカル入の曲に期待がかかる。ラストを飾る”Libra”は、中盤のアトモスフェリックな音響パート以降の展開が素晴らしいインストで・・・

「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」

バルス

オシャの会 ・・・気づくのおせーよって?へへへ。とにかく、またしてもジェントのボーカルは雇われの身であることを裏付けるような脱退劇で、しかもボーカルのマイクだけに留まらず他のメンバーも脱退し、残るは中心人物であるギタリストのアーロンただ独り。今作は、そのアーロンによるインストアルバムで、言うなればScale the Summitをはじめ、ジャニーズ系インストのPolyphiaPomegranate Tiger、今作にもゲスト参加しているPliniSithu Aye、そしてCHONなど、近頃賑わいを見せ始めているこの手のインスト集団、すなわち"オシャ会"の仲間入りを果たした一枚であると同時に、歌なしのインストでもイケちゃうバルス!のポテンシャルを垣間見せた一枚でもある。まるで十人十色ならぬの百人百色な図形が積み重なって、シャープなデザインと現代的な音像をもってカラフルなモダンアートを、それはまるで希望の虹を白いキャンパスに描き出し、そして万華鏡の如し無限に輝き放つ。とにかく純粋で前向きなメロディ、とにかく明るい安村ばりのメロディ重視のメロコア系インストで、確かにジェント成分は控えめだが、オシャフレーズや前作で随所に垣間見せていた流麗なソロワークを織り交ぜながら、約34分一気に駆け抜ける様は爽快感しかない。それもそもはず、Protest The Heroで知られるベーシストとex-Periphery現Darkest Hourのドラマーという実績のあるメンツをスタジオメンバーとして迎えているだけあって、音のグルーヴやアンサンブル、キレと疾走感を生み落とすその演奏技術にはぐうの音も出ない。正直なところ、ジェント界の良作請負人またの名をジェントクラッシャーことマイクがバンドを去って、一時はどうなるかと思ったけど、いざ蓋を開けてみると「安心してください、普通にカッコええインストやってますよ」。

Widek 『Outside the Universe』

Artist Widek
Widek

Album 『Outside the Universe』
Outside the Universe

Tracklist
01. The Space Between Us
02. Above The Sky
03. Spiral
04. Galaxy
05. Aries (feat. Gru)
06. Stargaze
07. Orion
08. Cosmic Ocean (feat. Tomas Raclavsky)
09. ION
10. Saturn (feat. Sithu Aye)
11. Celestial
12. Falling Universe (feat. Gru)
13. The Last Day on Earth
14. Ursa Major (feat. Gru)
15. Enter Through The Sun (feat. Matthieu Romarin & Gru)
16. The Astronaut

【ジェント界のオールスター】・・・いわゆるDjentっつージャンルって、開祖Meshuggahをルーツとする正統派からプログレ・メタルに歩み寄ったDjentから女ボーカルのkawaii-Djent、メタルコアを乗っ取ったDjentからスパイス・ボーイズ系のikemen-Djentまで、一見アンダーグラウンドでニッチなジャンルのようで実はとっても幅広くて奥深いジャンルなんだけど、このポーランド出身のWidekはアンビエント/アトモスフェリック系の独りDjentで、アトモスフェリック×ポストメタルなDjentといえば真っ先にフランスのUneven Structureを彷彿とさせるが、このWidekの1stフル『Outside the Universe』は、そのUneven StructureのボーカルMatthieu Romarinや同郷のGruやビルマ(ミャンマー)出身のSithu Ayeなどの著名なDjentlmenをゲストに迎えた、ある意味でジェント界のオールスター的な作品となっている。

【Shoegazer×Djent=Shoedjent】・・・オープニングを飾る#1”The Space Between Us”から、スウェーデンのCarbon Based Lifeformsを思わせる超宇宙なアンビエント空間の中で、Hammockを思わせるポストロック流れの情緒感あふれるリリカルなメロディが華やかに美しく、そして力強くエモーショナルに咲き乱れる曲で、この時点でWidekのアトモスフェリック・ミュージックや”ポスト-系”に対する意識の高さが伺える。更に次の#2”Above The Sky”では、このWidekがやっぱりタダモノじゃない事を痛感することになる。AmbientとDjentの組み合わせは”Ambidjent”と呼ばれるくらいには有名だけど、この曲はShoegazerとDjent=Shoedjentという今までにありそうでなかった珍しい組み合わせ...というより、ジェント界隈の人間がシューゲっぽい曲やってる事にまず「シュゲー!!」って驚く。・・・で、再びポストロック流れのミニマルでエピカルなメロディをフューチャーした#3”Spiral”なんかは、それこそOGのsleepmakeswavesがジェント化したような感覚すらあって、続く#4”Galaxy”のジェント然としたガーガーガーガーガーニキガーニキガーニキ的なリフを耳にして初めて→「あっ、これってジェントだったんだ!」ってなるくらい、そのアンビエント/ポストロックの流れを汲んだ淡く繊細なメロディセンスは、少なくともこのジェント界隈では頭ひとつ抜きん出ている。

【スペースノイドマン】・・・その後も→”Stargaze”やや”The Astronaut”などのアンビエント系から、”Orion””Cosmic Ocean”などのGod Is An AstronautもしくはAtomaがジェント化したような曲、TesseracT風のアルペジオを駆使した”ION””Saturn”など、時に夜空に煌めく星のように、時に天体観測からの「あっ!あれオリオン座じゃない?」と独り言いってみたり、時に宇宙の果ての銀河に放り出されて→「あたしサンドラ・ブロック、ガチで宇宙空間を漂流中」を再現したり、かと思えば一転して深海の神秘に惹き込まれたり、時に夢のようにシネマティックな音世界を独り旅してみたり、時に独りで『惑星ソラリスとの交信』をしてみたり、時に映画『地球最後の日』あるいは『メランコリア』の壮絶なラストシーンを疑似体験させたりと、孤独死不可避な喪男だからこそ捻り出せるそれらのキモーショナルなメロディを自在に操る、まるでNHK宇宙チャンネル『コズミックフロント』を観ているかのようなサウンド(ドリーム)スケープを目の当たりにしたら最後、気づくと私はスペースノイドと化していたのだッ!・・・(続く)

【Djent化したCBL】・・・一概にジェントと言っても、基本は短尺(約3分)の曲で構成されたチルいインストアルバムで、しかしインストに感じないくらい豊富なメロディの洪水にはぐうの音も出ない。現にUneven Structureのボーカルをゲストに迎えた”Enter Through The Sun”を聴いて、ようやくこのWidekがインストだという事に気づいた(おそ)。まぁ、それは冗談だけど→ジェントには”必ずしもボーカルは必要でない”という事を証明するかの如く、孤独感に苛まれた喪男の腐敗した心を浄化するような聖なる清らかなメロディに満ち溢れ、それはまるで地球外生命体すなわちエイリアンが繭の中で孵化していく絶望的でありどこか神秘的な姿を映し出すかのよう。もはや、あのSadistik”ヒップ・ホップ化したCarbon Based Lifeforms”だとするなら、このWidek”ジェント化したCarbon Based Lifeforms”だ。メロディ以外の面では、ヘタにジェントジェントしたリフを多用するのではなくて、あくまでもマスいリズムに重きを置いた一種のポストメタルあるいはモダンなヘヴィロックとも取れるリフ回しを得意としている。 今年、ジェント界におけるオモテのBESTアルバムがAnimals As LeadersThe Joy of Motionならば、このWidekの1stアルバム『Outside the Universe』はウラのBESTアルバムと言っていい。それほどまでに、今や星の数ほど存在するDjentlmenの中でも、このWidekはペリフェリーをはじめとしたジェント界の重鎮にも決して引けをとらない、実はもの凄く先鋭的なDjentを体現しているスーパーDjentlmenなんじゃあないかって。
 

Animals as Leaders 『The Joy of Motion』

Artist Animals as Leaders
Animals as Leaders

Album 『The Joy of Motion』
The Joy of Motion

Tracklist

01. Ka$cade
02. Lippincott
03. Air Chrysalis
04. Another Year
05. Physical Education
06. Tooth And Claw
07. Crescent
08. The Future That Awaited Me
09. Para Mexer
10. The Woven Web
11. Mind-Spun
12. Nephele

【スーパー中学生バンドの親玉】・・・Djent界の第一人者ことミーシャ・マンソーすなわち”Bulb”の盟友であり、ソニーと一億円で大型契約したスーパー現役中学生バンドの親玉こと、インテリ系ギタリストトシン・アバシ率いるAnimals as Leadersの約三年ぶりとなる3rdアルバム『The Joy of Motion』は、今最もイケイケな新鋭レーベルとして知られるSumerian Recordsへ移籍しての第一弾。

【二作目のジンクス】・・・何やら昨今のDjent界には”二作目のジンクス”という言葉が流行っているらしく(当ブログ調べ)、2009年にセルフタイトルの『Animals as Leaders』で鮮烈なデビューを飾った彼らも例外でなく、2011年にリリースした2ndアルバムWeightlessがミニマルでエレクトロニックなアプローチを強めた”Post-Djent”な作風で、ジェント大好き通称Djentlmenの間で賛否両論を呼んだ。最近では、そのジェント界に蔓延る呪いを乗り超えたTesseracTの傑作Altered Stateが記憶に新しい。そのTesseracTAnimals as Leadersは一緒にツアーを回るほどの親友であり、一方で良きライバルでもある。

【原点回帰】・・・そんなわけで、かのスメリアンに移籍しての3rdアルバム『The Joy of Motion』はどうだろう。本作の幕開けを飾る”Ka$cade”から、脳幹を活性化させるようなキレ味鋭いスリリングで知的な高速リフ回しやトシン・アバシによるオシャンティなソロワークを中心に、展開力というよりスケール感のある複雑かつ緻密な構成力で聴かせる実にAaLらしいバカテクナンバーで、その強烈な幕開けからスウェーデンのVildhjartaを彷彿とさせるミステリアスなキーボードと沈み込むような極悪ヘヴィネスに圧倒される”Lippincott”GTA5の舞台でもあるアメリカ西海岸から朗らかで爽やかな風を運んでくるかのような癒し系メロディをフューチャーした、と同時にスラッジーな轟音ヘヴィネスをも取り込んだミニマリズム主体の#3”Air Chrysalis”や続く#4”Another Year”では、『Carbon-Based Anatomy』CynicCloudkickerリスペクトなジャズ/フュージョン・パワー全開のチルいインストゥルメンタルを、まるで”ビッグブリッヂの死闘”ばりの勢いで繰り広げている。ここまで序盤の流れを聴けば、今作は1stアルバムを踏襲した作風だという事が理解できる。今回、その1stへ原点回帰した主な要因としては、やはりその1stを手がけたPeripheryミーシャ・マンソーが作曲に大きく関わっている所だろう。それ以降も→まるでTesseracT顔負けのブッリブリなベースラインのウネりを効かせた#5”Physical Education”、ゲーム音楽にも精通するエレクトロニックなテクノ・ミュージックを介した#7”Crescent”、1stアルバム屈指の名曲”On Impulse”をルーツとする#8”The Future That Awaited Me”、【アコースティック×ジェント】という新機軸的な側面を垣間みせる#9”Para Mexer”、再びスケール感あふれるダーティな鬼グルーヴを見せつける#10”The Woven Web”、再びトシン・アバシの超絶ピッキングを披露する#11”Mind-Spun”、ゴッリゴリに鬼ヘヴィなリフの応酬とアバシの流麗なソロワークとチルいメロディが大胆に交錯するラストの#12”Nephele”まで、1stへの原点回帰と新機軸的な要素を組み込んだバラエティに富んだアルバムで、曲それぞれのアレンジが凝ってて最後まで飽きさせないポテンシャルの高さは前作の比じゃない。そして、ミーシャ兄貴が関わりを持つ持たないでこうも変わるもんなのかと、あらためて彼が”Djent界の第一人者”たる所以を痛感した。まるで”二作目のジンクス”なんて存在しなかったような最高傑作だ!

【ジェジェジェント!!】・・・あらためて、ペリフェリー”Bulb”VolumesDiego Fariasが作曲に携わっているだけあって、そして何よりもスメリアンに移籍した影響か、レーベルメイトのBorn Of OsirisVeil Of Maya、レジェンドCynicやスウェーデンのVildhjartaを連想させる、時にミステリアスに、時にアトモスフェリックに、時にチャラい近未来感あふれるピコピコキラキラテケテケ系キーボードのメロディに、そこはかとないキッズ感とキャッチーな色気を出してきた大衆性の強い作品だ。ところで・・・人間の脳ミソは約10%しか使われていないと言うが、このアルバムは人間の脳のリミッターを解除し、一時的に脳ミソのCPU使用率を100%にアップコンバートするかのような、その奇跡体験アンビリーバブルなジェント沼にハマったら最後・・・

「ジェジェ!?ジェジェジェジェジェ~~~ッ!?」


Joy of Motion
Joy of Motion
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Animals As Leaders
Sumerian Records (2014-03-20)
売り上げランキング: 3,317

sleepmakeswaves 『Love of Cartography』

Artist sleepmakeswaves
Sleepmakeswaves

Album 『Love of Cartography』
Love of Cartography

Tracklist
01. Perfect Detonator
02. Traced In Constellations
03. Singularity
04. Emergent
06. The Stars Are Stigmata
07. A Little Spark
08. How We Built The Ocean
09. Something Like Avalanches
10. Your Time Will Come Again

【2011年度BESTアルバム】・・・正直なところ、あの時は「マイナーな新人バンド挙げてドヤ顔するぜ!」っつー思惑もなきにしもあらずだったから、2011年にリリースされたsleepmakeswavesのデビュー作...and so we destroyed everythingをその年のBESTに入れた時点では、今やKarnivoolDead Letter Circusと並んでオーストラリアを代表するバンドにまで成り上がるなんて思いもしなかった。その1stアルバムから約三年ぶりとなる待望の2ndフル『Love of Cartography』がリリースされた。

【光の地図】・・・今年はsukekiyoといいANATHEMAといい、そして本作のアートワークを見ても分かるように、どうやら今年のトレンドは映画『ゼロ・グラビティ』サンドラ・ブロック状態らしい。まぁ、それは冗談として→オープニングを飾る”Perfect Detonator”から首都高を勢いよく駆け巡るような65daysofstaticばりの近未来感あふれるエレクトロニカ、Epic45ばりのエピックなメロディ、RosettaあるいはRussian Circlesばりの轟音ヘヴィネス、If These Trees Could Talkばりのアトモスフェリックな空間形成、そして持ち前のプログレスな感度を交えたリリカルかつドラマティックな展開力は不変で、それはまるで眠らない夜の街と街を繋ぎ合わせる光の残像が紡ぎ出す音のプラネタリウム、それこそ映画『愛のカートグラフィ』をシネマティックに描き出している。つまり、今こうしている内にも全国各地で夜の営みが行われているという現実に今にも打ちのめされそうになる童貞の激情的な感情を姿形にしたのが、この『Love of Cartography』というわけだ。



【ポストロック界のANATHEMA(妙な矛盾)】・・・このsleepmakeswaves、いわゆるポストロック四天王を代表とする王道的な普通のポストロックとは一味違って、時にシネマティックでノスタルジックなメロディ、時に繊細で耽美なメロディ、時に希望に満ち溢れた恍惚感あふれるメロディと煌めくようなエレクトロニカと轟音ヘヴィロックが高らかにオーバードライブし、ぶつかってはハジけぶつかってはハジけ飛ぶ宇宙規模のサウンドスケープを生成していく壮観な姿は、ここ最近のANATHEMA、それこそDistant Satellitesを彷彿とさせる。つまり、彼らはある種の”メタル系ポストロック”だと僕は解釈していて、その”メタル”に通じるビッグなスケール感は今作で更なるレベルアップが図られ、それを証明するかのように#4”Emergent”や#8”How We Built The Ocean”ではロシアのPowder! Go Awayばりに超絶epicッ!!な、それこそプログレ・メタル顔負けのダイナミックな展開力を発揮している。いい意味で初々しくて粗削りだった前作と比べると、展開に俄然メリハリが出てきて音も洗練された感じがする。65daysリスペクトなキッレキレのエレクトロニカをはじめ、ピアノ/シンセ/キーボードによる虹色に輝く多幸感あふれるラヴリィなメロディが大きな鍵を握る本作品、それは中盤の”Great Northern””The Stars Are Stigmata”、そして本作のハイライトを飾る”Something Like Avalanches”からの”Your Time Will Come Again”を耳にすれば明らかだ。特に打ち込み系の”Your Time Will Come Again”は、ANATHEMA”Distant Satellites”に匹敵するドラマティックなキラーチューンで、まるでビッグバン級の超エネルギーを放出する怒涛の展開に度肝抜かれる事うけ合いだ。

【2014年度BESTアルバム】・・・しっかし、またしても自分の審美眼を褒めたくなるくらい、このアルバム『Love of Cartography』における目覚ましい”進化”には素直に驚かされた。もはやANATHEMAと一緒にツアーしてもおかしくないレベルに達してるというか、ANATHEMAをサポートするに相応しいバンドになったと思う。少なくとも今のオーストラリア生まれのバンドで一番キテるのは確かです。

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