Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

Industrial

KFC Murder Chicks - KFCMC

Artist KFC Murder Chicks
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Album 『KFCMC』
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Tracklist
01. Dune (feat. Anna Pest)
02. Half Life
03. Id (feat. Sam Shadow)
04. Halo
05. KFC GOD (feat. Voiddweller)
06. My Ballz
07. Soylent
08. Nuclear Age
09. Tsundere 2.0

USはウェストバージニア出身のDJ Rozwellとカナダのモントリオール出身のAsh Vestalによるインダストリアル・メタルプロジェクト、その名もKFC Murder Chicksの2ndアルバム『KFCMC』の何がヤバいって、ニューヨークのMachine GirlやデトロイトのThe Armedに肉薄するデジタル・ハードコアを基本ベースに、いわゆるメロディック・メタルコアの影響下にあるブルータルな殺傷リフやNirvanaに代表される90年代のグランジやヌーメタル的なダウナー系のヘヴィネス、そしてカナダのインダストリアル界を代表するBlack Dressesさながらのグリッチ/ノイズの打ち込みと、マニュエル・ギャノー率いるインダストリアル・メタルバンドのZeal and Ardorが光の速さで出会ってしまったような、さながら「ハイパーポップ化した20年代のグランジ」とでも称すべきバグった音楽性がとにかくヤバい。

さしずめ「ハイパーポップ化したZeal and Ardor」の如しインダストリアル・メタルコアの#1“Dune”からして、メタルコアの常套手段であるブレイクダウンの代わりに癒し系のメロディパートをブチ込むギャップ萌えな演出力の高さを垣間見せたかと思えば、90年代のヌーメタルが10年代のエレクトロ/EDMを大きく飛び越えて20年代のハイパーポップにグリッチして現代に転生したかのような#2“Half Life”、DJ Rozwellの嗜好が溢れ出すドラムンベース的なビートとハイパーポップならではのカオティックなシャウトがエゲツない#3“Id”、さしずめハイパーポップ化したグランジの#4“Halo”、その「Halo」の伏線回収となるNirvanaの名曲“Smells Like Teen Spirit”をサンプリングした曲で、『DOG BOY』ことZillaKami精神溢れる90年代グランジ/ヌーメタルの#5“KFC GOD”、Black Dresses顔負けのインダストリアル/ノイズミュージックの#6“My Ballz”や#7“Soylent”、条件反射で身体をガンガン揺さぶってくるRozwellのDJプレイが炸裂する#8“Nuclear Age”、再びグランジならではの倦怠感溢れる内省的なボーカルと悪魔的なシャウトがエクストリーム合体した#9“Tsundere 2.0”まで、端的にノイズ/インダストリアル~グランジを往来するバンド的な意味では、サンディエゴのAuthor & Punisherに通じる部分もあるかもしれない。少なくとも、この手の音楽が好きなら聴いて損はないです。

Author & Punisher - Krüller

Artist Author & Punisher
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Album 『Krüller』
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Tracklist
01. Drone Carrying Dread
03. Centurion
04. Maiden Star
05. Misery
06. Glorybox
07. Blacksmith
08. Krüller

カリフォルニアはサンディエゴ出身のトリスタン・ショーンによるワンマンプロジェクト、Author & Punisherの約4年ぶりとなる6thアルバム『Krüller』の一体何が凄いって、UKのJesuGodfleshの系譜にある無機的なインダストリアルデザイン、オーダーメイドの特殊な精密機械から生成されるドローン/ノイズが内在したThou顔負けのスラッジ/ドゥームメタル然とした邪悪ネス、Nirvanaに代表される90年代グランジの鬱々とした内向性を破滅的にクロスさせながら、そしてDeftones(†††)やパラロスを連想させるゴシックな耽美性(エロティシズム)を醸し出すダークシンセのミステリアスな旋律が無機質な世界をアーバンに彩る、ありがちなインダストリアルミュージックにとどまらない、全く新しい現代ポストメタルの形を提示している件について。

そんなA&Pのオルタナティブな側面を裏付ける、USオルタナレジェンドTOOLのベーシストであるジャスティン・チャンセラーが参加した曲で、ホラー/サスペンス映画のサントラばりに不気味なシンセと機械的な打ち込みが織りなす#3“Centurion”や同じくドラマーのダニー・ケアリーが参加した#5“Misery”を筆頭に、幻想的に煌めくシンセをフィーチャーしたドローンmeetポストメタルの#4“Maiden Star”、Portisheadのカバー曲の#6“Glorybox”、Ulverがエレクトロに傾倒し始めた『Perdition City』をグリッチ/ノイズまみれに魔改造してバグらせたような#7“Blacksmith”、そしてDeftonesのチノ・モレノ顔負けの中性的な歌声を擁しながら官能的かつダークアーバンな世界観を形成する表題曲の#8“Krüller”まで、いわゆる90年代初頭から後半に黎明を迎えたオルタナ/グランジやニューメタルなどの当時のヘヴィロックを、(マシズモほとばしる前衛的なジャケが示唆する)実験的なアプローチをもって現代的なポストメタルにアップデイトさせたような作品。それこそTOOLが2019年に発表した『Fear Inoculum』を足がかりに、2020年にDeftonesが発表した『Ohms』に象徴される“20年代のヘヴィネス”を別路線から合流してきたイメージ。例えば、20年代以降のThouEmma Ruth Rundleのコラボアルバム『May Our Chambers Be Full』Humの復活作『Inlet』とはまた少し方向性の違ったアヴァンギャルドでオルタナティブなヘヴィネスとして。

Dana Dentata - Pantychrist

Artist Dana Dentata
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Album 『Pantychrist』
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Tracklist
01. Birth
02. pantychrist
03. Church Hooker
04. Spit
05. I Know What You Did Last Summer
06. Flesh Prison
07. Happy Family
08. Manic Monday
09. Free
10. Like a Preyer
11. I.U.D
12. Apology
13. Dstock '99

いわゆるトラップ・メタルと呼ばれる新興ジャンルって、主に白人のGhosteManeや黒人のZillaKamiに代表される野郎のラッパーだけにとどまらず、この度は大手レーベルのロードランナーに見出された、カナダはトロント出身のフィメールラッパーDana Dentataの1stアルバム『Pantychrist』は、ダークエレクトロ~インダストリアル/ノイズな無機的な打ち込みをフィーチャーしたヒップホップを基調としながら、ハードコア/パンクをバックグラウンドに持つDentataのシャウトをはじめ、トラッピーなビートやヘヴィなギターなどのトラップ・メタル然としたアプローチは、さしずめ“闇堕ちしたPoppy”とでも言うのだろうか、Poppyがメルヘンチックなkawaiicoreなら、Dentataはさしずめ不気味でホラーなkowaiicoreといったところか。


それもそのはず、本作のプロデュースにはレーベルメイトのUnto OthersGhosteManeの作品にも携わっている気鋭のエンジニア=アーサー・リザークをはじめ、ex-Whirrの二代目ボーカリストで知られるクリスティーナ擁するサンフランシスコ産ポストメタルバンドのKing Womanを迎えている点からも色々と察しがつくし、この屈強な制作陣がバックにいる時点で半ば成功が約束されているというか、それこそUnto Othersに代表される若手メタルバンドの発掘のみならず、この手の第二のPoppyじゃないけど女トラップメタルにも触手を伸ばし始めるとか、とにかく今年のロードランナーの攻めた動きの面白さを象徴する作品の一つです。

Code Orange 『Underneath』

Artist Code Orange
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Album 『Underneath』
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Tracklist
01. (deeperthanbefore)
03. In Fear
04. You And You Alone(~タダヒトリ~)
05. Who I Am
06. Cold.Metal.Place
08. The Easy Way
09. Erasure Scan
10. Last Ones Left
11. Autumn And Carbine
12. Back Inside The Glass
13. A Sliver
14. Underneath(~アノヒトヲサガシテ~)

皆さんこんばんちわ、稲川淳二です。最近の私ですねぇ、世間ではコロナヴィルスが流行っているっていうんでね、お仕事の怪談活動を暫く自粛しまして、久しぶりに家でゆっくり音楽を聴こうと思いまして。でもって、何やらメタルシーンで“20年代のバンド”として注目されているバンド、アメリカのCode Orangeっていうのを聴いてみたんです。するとねぇ、アメリカのピッツバーグ出身のバンドなのに、曲の途中に男の声でただ独り・・・」や「あの人を探して・・・」という日本語がどこからともなく聞こえてきて、うわぁ〜イヤだなぁ〜怖いなぁ〜って、今流行りのコロナヴィルスよりも怖いなぁ〜成仏できない幽霊の声かな〜って、そして遂には「お前だけの✕○△□」って叫び声が聞こえてきた瞬間・・・私ねぇ、気づいちゃったんですよ。

あぁ、あたしAloneなんだって
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PassCodeはCode Orangeって、Convergeカート・バロウをエンジニアに迎えてかのDeathwishから出てきた時は、「まーたアングラからヤベーの出てきたな」感あって、次にRoadrunnerに移籍して2ndアルバム『Forever』を出してきた時は、「おっ、今度は【カート・バロウ×ウィル・イップ】の黄金コンビを迎えてオーバーグラウンドに進出してきたな?」と思って、そして約3年ぶりとなる3rdアルバム『Underneath』からリード曲の“Swallowing The Rabbit Whole”、その映画『アナイアレイション ー全滅領域ー』を彷彿とさせる深淵の精神世界あるいはダークウェブに存在する見たらアカン系のMVを見た瞬間、まるで稲川淳二が階段を語る形相でダメだダメだダメだ、こいつダメだ、こいつ怖い、こいつ危ないと恐怖に慄いた。


そんな20年代のメタルを背負ってたつ彼ら、Code Orangeがどれだけヤバい存在なのか?その理由を順に追って書き記していきたいと思う。

  • ビジュアルがヤバい
古くはキッスに始まり、ハードロック界ではLordiGWAR、ブラックメタルにおけるコープスペイント、この日本におけるヴィジュアル系、そして近年ではSlipKnoTGhostに代表されるように、実はハードロック/ヘヴィメタルシーンほどいわゆる“かぶり物”や独特のメイクアップを施してステージに立つ、ある意味で“ビジュアル系”と呼べるジャンル/文化って他に類を見ない。先ほどの“Swallowing The Rabbit Whole”のMVを見てもわかるように、メンバーの見た目がイカレサイコなボーカル/ドラム、見るからにヤベー女ギター、ポケモンのロケット団として出てきそうな胡散臭いエスパー系の研究員(プログラマー)、ネオナチパワー系のベース、ダークウェブに入り浸ってそうなネトウヨ系のギター、みたいな、これはあくまで個人の勝手な“イメージ”でしかないのだけど、まず音楽性がどうこう以前に、そのティーンエイジャーの厨二病精神をくすぐる強烈なビジュアルセンス、このように各メンバーのキャラが立ち過ぎているのもバンドのしたたかなプロデュース能力の高さを伺わせる。とにかく、こいつらのまず何がヤバいって、マスク2枚やメイク云々じゃなしに(見るからにヤベー女ギターはノーメイクなんじゃねぇか的な意味でも)“素”でこれだからw

  • 音楽性がヤバい
その強烈なビジュアルに負けず劣らずな曲の良さについて。引き続きリード曲の“Swallowing The Rabbit Whole”を例に出すと、元々デビューしたての頃はハードコア界のレジェンド Convergeの正統後継者として推されてたけど、この曲ではレジェンドはレジェンドでもマスコア界のレジェンドことThe Dillinger Escape Plan直系のカオティック・ハードコア、言うなればキッズ化したTDEP、つまりイキったTDEPすなわち“イキリデップ”、そのイキリデップが女の化粧で言うところのベースメイクで、そのベースメイク=下地に光の速さでnine inch nails直系のインダストリアル・ノイズをぶん投げたら、無事に炎上してアートワークのイカレサイコ野郎が生まれちゃった感じ。

今回、過去作と比べて何が1番変わったかって、そのNINex-マソソソ・マソソソで知られるクリス・ヴレンナがプログラミングを担当している点で、それによりNINは元よりPrurientばりのエグいインダストリアル/ノイズと従来のオラついたイキリコアがクロスオーバーしたことで、インダストリアルにキメたブレイクダウンはバッキバキにイキリまくってて、そのドギツいイキリノイズとイキリコアのコアっコアのコアが、まるで壊れた機械のように、それこそバグったスーパーマリオにようにグリっグリのグリにバグっちゃって、ある種のグリッチコアみたいになってる。

何が進化したか?1番わかりやすいところで言えば、冒頭の#2“Swallowing The Rabbit Whole”と#3“In Fear”のパンチラインとしてある無音演出、この無音演出は1stアルバムから存在するバンドの生命線で、今回その無音部分が進化し過ぎてヤバい。改めて音楽界自慢の無音の使い手であり、無音マイスターとしても知られるCode Orangeだが、この曲の無音は過去最高の無音、無音なのに音がエグい、例えるならブラックホールの中心にあるワームホール=特異点の相対性理論により音が圧縮されて、次の瞬間にビッグバンの如く超爆発を起こす感覚、あるいは撃鉄が雷管を打ち抜く時の瞬発的な衝撃に近い無音。0から100、また0から100に音圧ゲージをとイキリゲージを振り切ってくるイメージ。とにかく無音なのにバグってる。もはや無音使いの神だわ。


このインダストリアル×無音、グリッチみたいなバグ音を聴いて思い出されるのは、他ならぬBTMHが小島秀夫監督の新作ゲーム『デス・ストランディング』とコラボした“Ludens”と、その同年にポスト・ブラック界の異端児ことLiturgyが発表した名盤『H.A.Q.Q.』だった。

今でこそ“Xperiaの広告塔”となったBMTHは元はといえばデスコア出身で、一方で元はといえばハードコアの名門Deathwish出身で、今では次世代を担うメインストリームメタルの中心となったCode Orange、この2組は一見別物に見えて意外と共振する部分がある。この【ノイズ×無音×ブレイクダウン】もその一つだし、あとヤベー女ギターがメインボーカルを担うドス黒い闇が宿った闇のヘヴィネス=闇ネスが炸裂する#7“Sulfur Surrounding”の間奏とか、もはやBMTH“Throne”からサンプリングしてんじゃねぇかと思うほどパリピで、このように王道のヘヴィメタルとは一線を画したインダストリアル/ノイズを積極的に取り入れていく革新的な思想面は、ある意味でBMTHの正統後継者と呼べるかもしれない。つまりデスコア時代のBMTHがありえた世界線にいなくはない。

この「街中で出会ったら絶対に目ぇ合わせたらアカン奴ら」で最近なんかデジャブあんなと思ったら、それこそがポストブラックのLiturgyで、つまりTDEPLiturgyNINがエクストリーム合体した・・・って、ちょっと想像しただけでも頭おかしくなりそうな禁忌な配合を実際にやっちゃったイカレコアがこいつらなんですね。面白いのは、同じ20年代のメタルを背負っていくであろうUK出身のLoatheが元DeathwishDeafheavenをリスペクトしているのに対して、元DeathwishCode Orangeはポスト・ブラック界でも異端は異端のLiturgyをリスペクトしている面白さ。もはやメタルコア界の『H.A.Q.Q.』と言っても過言じゃあないかもしれない。

“Swallowing The Rabbit Whole”のMVでもグリッチーな音と恐怖と不安を誘発するバグった映像演出が相まって、いわゆるE(=Explicit)にZ指定不可避な最後の飛び降りシーンとか、いかにも情緒不安定で多感なティーンエイジャーが怖いもの見たさで見て熱狂的な狂信者になりそうな予感。そういった刹那的で衝動的な、厨二病心をくすぐるグロテスクでバイオレンスな猟奇的な描写は、日本のヴィジュアル系バンドのDIR EN GREYがアピールする中二病もとい“痛み”を連想させなくもない。事実、既に世界中でCode Orange Kidsのファンダムを築いていて、そいつらカルト狂信者がイキリヘドバンかましてる姿しか見えないぐらい、現代のコロナリスクで子供部屋に引きこもってる拗らせた陰キャキッズを救い出すスーパーヒーローだ。この【インダストリアル×カオティックコア×中二病】という点では、ほぼほぼディル『The Insulated World』と繋がるし、それらを一つに繋げるアイコニックなバンドとしてもやっぱBMTHってスゲーなって。

  • プロデュースセンスがヤバい
ほぼ全員がボーカルを各楽器と兼任しているバンドではあるけど、それらを踏まえて今作を過去作と比較しても全14曲トータル47分という、もはやハードコアじゃなくて良くも悪くも普通のメタルバンドっぽくなった。それらを象徴するのが、Code Orangeの根幹部と言っても過言じゃあないヤベー女ギターことレバ・マイヤーズがメインボーカルを担う#5,#7,#11,#13,#14で、その男勝りのヤベー歌声や歌い方は元より歌メロまでも元ロードランナーでお馴染みのDream Theaterラブリエっぽくて、もはやラブリエの娘説が芽生えるぐらいには似てて笑う(#13とか確信犯としか思えない)。

確かに、バッキバキのハードコア以外にも、この手のDTA7Xに代表されるアメリカのメタルをリスペクトしたキャッチーな歌モノ系ヘヴィメタルもできますよアピールは鼻につかないと言ったら嘘になるし、この辺は露骨なメタラーに媚び媚びでツマラナイって思う人もいると思う。確かに、確かにあざと過ぎるけど、これからメインストリームのメタルを背負って立つにはこれぐらいのしたたかさは必要経費だと思うので、そこは多めに見てあげてほしい。そもそも、それが“ロードランナーのバンド”というか、いずれはSlipKnoTの正統後継者にしたいロードランナーの思惑が透けて見えるというか(もはやむき出し)、今作における複数の大きな「変化」ってロードランナーならではの「変化」と言ったら存外シックリくるかも。確かに、いかにも“ロードランナー・メタル”な売れ線に他ならないのだけど、流石にここまで極端に振り切ってこられると素直に褒め称えたくなっちゃう、ある種の親心みたいな気持ちのが大きい。要するに、これが「メジャーなメインストリームでやっていくということ」なのかもしれない。それこそ、バンド側から新世代メタルの旗手として20年代のメタル背負っていきまっせ宣言というか、明らかに「売れること」を意識してきた、ここにきて意識的にメタルの未来を背負っていくという自覚と強い意志が音の「変化」から伝わってくる。実際に、過去にコラボした事のあるSlipKnoTコリィ・テイラーに“次世代のメタル”として名指しで指名されている事実。兎にも角にも、そのカルト的なビジュアル面でもカルト的なアレンジやイキった楽曲的な面でも、SlipKnoTの正統後継者兼Convergeの正統後継者兼TDEPの正統後継者兼BMTHの正統後継者兼NINの正統後継者兼マソソソの正統後継者兼DTの正統後継者兼イカレカルトクソバンドとして兼業しまくりなぐらい、ありとあらゆる面で色気づいてきた。むしろ色気しかない。

前作までエンジニアおよびプロデューサーとして深く関わっていたカート・バロウは不在で、継続して参加しているのはウィル・イップだけってのが全てで(ウィル・イップすごい)、コアはコアでも(EarthTrue Widowみたいなスロウコアかじった)パンクルーツのアンダーグラウンドなコアじゃなくて、メインストリームで耳にするようなメタルコアのコアさが主となっている。オールドスクールな極悪ブレイクダウンから、メタルコア系のパリピブレイクダウンに変わった感じ。それにより必然的に音がメジャーにブラッシュアップされて、もはやDeathwish時代のアングラ感は皆無に等しく、オーバーグラウンドどころか一気にメタルのメインストリームの中心地にワープしちゃった感じ。これはLoatheの時にも書いたけど、強いて言うなら「20年代のヘヴィネス」としか他に形容しようがないヘヴィネス、これこそ新世代イキリヘヴィネスだ。この新世代メタルを担う2組に共通するのは、どちらも“メタル”をリスペクトしているということ。どっちも10年代は元より00年代以降のメタルのトレンドを器用に咀嚼して、次元を超えてクロスさせるセンスが何よりも凄い。もはやDeafhevenLiturgyPower TripVeinも、その他10年代にバズったメタルバンドを“無音”に飲み込んで全て過去にする勢い。間違いなく、こいつらが20年代の“新基準”です。

#3,#14に代表される日本語を起用したエキゾチックなアプローチも、日本語ができない外国人キッズ的には「なんかヤベェ!w」と感じる不気味な恐怖と謎の魅力に繋がっているのかもしれない。もちろん日本人的には笑い要素でしかないけど、(今作は20年代の最先端という視点は元より)そういったネタ的な視点からも楽しめちゃうのは日本人だけの特権なので、日本のメタラーは漏れなく全員聴くべきだし、むしろここまで日本のメタラー向けのアルバムってなかなかない。こんなん来日不可避だろ・・・って、コロナの影響で今年のノッフェスとダウンロードフェスが延期とのことで、ワンチャン追加orバンド入れ替えでないか?つうか、これは何度も言ってるけど、Code Orangeと共に次世代のメタルを担うUKのLoatheと日本のCrystal LakeのスリーマンにDIR EN GREY追加してフォーマンするしかなくね?まぁ、なにはともあれ、乗り遅れるな!この“新世代”のビッグウェーブに!

Boom Boom Satellites 『Shine Like a Billion Suns』

Boom Boom Satellites

Album 『Shine Like a Billion Suns』
Shine Like a Billion Suns

Tracklist
01. Shine
02. Only Blood
03. Complicated
05. Vanishing
06. Back In Black
07. The Moth (Attracted to the Flame)
08. Blind Bird
09. Overcome
10. Stain
11. Emergence
 
BBS≒NEXT-ANATHEMA ・・・俺的ラブメイト・ランキング暫定トップのヒロミ・ヒロヒロ擁するtricotを目当てに行った、Boom Boom SatellitesのライブツアーFRONT CHAPTER Vol.4を観たことで、最新作の『Shine Like a Billion Suns』がいかに驚異的で先進的なアルバムだったのかを、心の底から理解することができた。まず何が驚いたって、ライブでもその幕開けに相応しい神秘的な存在感を放っていた、アルバムのオープニングを飾る”Shine”からして、それこそANATHEMAの10thアルバム『Distant Satellites』の表題曲、あるいは7thアルバムの『A Natural Disaster』を彷彿とさせるレディオ・ヘッド流れのUKサウンドにニヤリとさせ、まずここで「ANATHEMAの『Distant Satellites』はPost-JPOPだッ!」という俺の解釈を暗に証明してみせる。そして、先日のライブでも序盤のハイライトを飾った”A Hundred Suns”では、それこそ【テクノ×Djent】の融合という他に類を見ない前代未聞の事をやってのけ、これだけでBBSが只者じゃないバンドだという事を証明する。実際に、先日のライブで聴いても「やっぱこれDjentだわ」って思ったのだけど、あらためて音源で聴いてもDjent以外ナニモノでもない名曲で、しかもこのCynicTexturesを連想させる"ジェント・リーズム"を叩いてるのが福田洋子さんとかいう女性ドラマーってのが更に驚きで、どうせだから今回の縁を機にtricotの次のアルバムに参加してガチのDjentやって欲しいと思っちゃったんだからしょうがなくない?・・・で、続く5曲目の”Vanishing”では、スティーヴン・ウィルソン”Harmony Korine”を彷彿とさせる、空間の響きを意識した轟音的なダイナミズムを展開し、今作で最もヘヴィなリフを主体としたインダストリアル・ロックの”Back In Black”、そして”Only Blood””A Hundred Suns”とともにライブのハイライトを飾った”Blind Bird”では、それこそSWのサイドプロジェクトNo-Man等のPost-Progressive勢をはじめとした、いわゆるPost-Musicに精通する幽玄かつ繊細緻密な展開力を発揮していき、このアルバムのハイライトとしてその絶対的な存在感を誇示する。で、まるでCynicばりの恍惚感溢れる神秘的な輝きを解き放つボーカル曲の”Stain”、その流れを汲んだアルバムの終わりを迎えるに相応しい”Emergence”まで、個々の楽曲で聴かせる部分は勿論のこと、【神秘的な序盤/ハイライトを飾る中盤/恍惚と余韻を残す終盤】という起承転結を効かせた一つの作品としての完成度は、活動休止を余儀なくされた彼らが復活を遂げるまでのエモい物語とオーバードライブするかのような、その圧倒的な音(生命)エネルギーに集約されている。
 

引力、即ち音楽ッ! ・・・ロックバンドとしてのドライブ感かつタイトな側面とエレクトロ使いとしてのシャレオツなグルーヴ&ダンス・ビート感を絶妙なバランスで両立させた、実に巧妙かつポスト-センスフルなオルタナティブ・ミュージックを展開している。このアルバム、とにかく”Post-Progressive”に精通する要素が驚くほど多くて、それこそKscopeに所属してても全くおかしくない内容で、もはやANATHEMAと対バンしても違和感ないくらいだ。しかしこうなってくると、このアルバムのサウンド・コンセプトというか、音のバックグラウンドが気になって気になってしょうがない小宮山。そして何よりも、随所で垣間見せる福田洋子さんのDjent然としたドラム・ビートにド肝を抜かれること請け合いの一枚だ。つまるところ、表向きは(そのサウンド・ステージには違いはあるが)いわゆる"踊らせ系"同士の共演でありながら、裏では"Post-系"同士の共演でもあった、だからBBSのライブにtricotが呼ばれるのは必然的な出来事だったと、このアルバムを聴いたら妙に納得してしまった。そして、そのライブに日本における”Post-Progressive”界の宣教師()である僕が導かれた、というのは果たして偶然だろうか・・・?いや...引力、即ち音楽だッ!

・・・これは余談だけど、あのねごともソニー関連でこのBBSもソニーで、ANATHEMAも過去にソニー傘下のMFNに在籍していたって事を考えると、何か面白い事実が見えてくるんじゃないかって。ちなみにおいら、ねごとがここから更に化けるには、ANATHEMA”Distant Satellites”みたいな徹底してミニマル宇宙な曲が書けるかがカギになると思ってて、今のねごとにはそれが実現可能な高いポテンシャルに満ち溢れている。
 
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