Artist Soul Glo

Album 『Diaspora Problems』

Tracklist
01. Gold Chain Punk (whogonbeatmyass?)
02. Coming Correct Is Cheaper
03. Thumbsucker
04. Fucked Up If True
05. Jump!! (Or Get Jumped!!!)((by the future))
06. Driponomics (feat. Mother Maryrose)
07. (Five Years And) My Family
08. The Thangs I Carry (feat. BEARCAT)
09. We Wants Revenge
10. John J (feat. Kathryn Edwards and Zula Wildheart)
11. GODBLESSYALLREALGOOD
12. Spiritual Level Of Gang Shit (feat. McKinley Dixon and Lojii)

Album 『Diaspora Problems』

Tracklist
01. Gold Chain Punk (whogonbeatmyass?)
02. Coming Correct Is Cheaper
03. Thumbsucker
04. Fucked Up If True
05. Jump!! (Or Get Jumped!!!)((by the future))
06. Driponomics (feat. Mother Maryrose)
07. (Five Years And) My Family
08. The Thangs I Carry (feat. BEARCAT)
09. We Wants Revenge
10. John J (feat. Kathryn Edwards and Zula Wildheart)
11. GODBLESSYALLREALGOOD
12. Spiritual Level Of Gang Shit (feat. McKinley Dixon and Lojii)
フィラデルフィア出身の4人組、Soul Gloの2ndアルバム『Diaspora Problems』の何がヤバスンギるって、カリフォルニアのGulch並に頭のネジが飛んじゃってる系のカオティック/ハードコア・パンクをベースに、RATM直伝のアナーキズムを吐き散らすラップメタルや本作と同じウィル・イップ案件で知られるテキサスのportrayal of guiltに肉薄するスクリーモならではの激情と焦燥、コアさを伴ったバチクソタイトでポストメタリックなヘヴィネスやノイズロックを孕んだ一癖も二癖もあるトリッキーなリフメイクが織りなす目まぐるしい楽曲構成、そしてラテン系らしいサックスやトランペットを擁するスカパンクの要素がエクストリーム合体した、それこそ“エピタフ系の最終兵器”と称すべきオルタナティブな(一種の)トラップメタルを展開している件について。なんだろう、2019年の1stアルバム『The Nigga In Me Is Me』における脳直的なトラップメタルmeetノイズラップを、天才エンジニアことウィル・イップという名の神の手によって著しくブラッシュアップした結果、とんでもない傑作が生まれちゃった感じ。
あくまで1stアルバム由来のアンダーグラウンドなハードコア/パンクを、次世代のエピタフ系を担う存在としてメジャー寄りに正統進化させた#1“Gold Chain Punk (whogonbeatmyass?)”を皮切りに、変則的なリズムとアソビの緩急を効かせた#2“Coming Correct Is Cheaper”、ノイズロックにアプローチしながらグルーヴィかつカオティックに展開していく#4“Fucked Up If True”、本作のリード曲でありコテコテの王道ハードコアパンクながらもデンゼル・カリーの『タブー』ばりの高速ラップを刻む#5“Jump!! (Or Get Jumped!!!)((by the future))”、そしてスカパンクとしての本領を発揮する#3“Thumbsucker”など、アルバム前半は従来のSoul Gloらしいハードコア/パンク路線をウィル・イップ節に裏打ちされたメタリックな質感(プロダクション)の良さをもって現代的にアップデイトさせている。
リード曲における現代ラッパーの面影を匂わせる伏線を回収するかの如し、それこそ本作のヤバさを象徴するフィメールラッパーのMother Maryroseをフィーチャリングした#6“Driponomics”では、いわゆるトラップメタル的なフロウや瞬間的に垣間見せるハイパーポップ的なアレンジまでも日本の4s4kiを想起させると、これまでの混沌とした雰囲気を一旦リセットするオルタナ風のイントロから素っ頓狂なハードコア/パンクに一変する#7“(Five Years And) My Family”、テネシー・ハードコアの有識者とラッパーのZula Wildheartを異種格闘技させた曲で、それこそportrayal of guiltばりの自傷作用をもたらす邪悪スンギる激情ノイズコアの#10“John J”、いわゆる90年代のヌーメタルというかRATM直系のグルーヴィなヘヴィロックを現代的なトラップメタルに昇華させた#11“GODBLESSYALLREALGOOD”、そしてフィラデルフィアのLojiiやリッチモンドのMcKinley Dixonをフィーチャーしたネオソウルなジャズラップと持ち前のスカパンク~ハードコアの全部乗せ、すなわち本作の根幹部にある“ケイオス”を総括するに相応しい#12“Spiritual Level Of Gang Shit”まで、アルバム前半ではハードコア/パンクの要素を強調しているのに対して、アルバム後半では複数のラッパーをフィーチャーしたヒップホップ的な側面を強く打ち出しており、そのSoul Gloを司るアンダーグラウンドなハードコア/パンクと現代的なブラック・ミュージックの二つのアイデンティティがエクストリーミーに交わる瞬間の刹那的なエモさったらない。
ちょっと異質、というか常軌を逸した実験的なハードコアパンクという意味ではThe Armedの『ULTRAPOP』を、アングラ系のハードコアな作風からオルタナティブな化けっぷりでは、Turnstileの『Glow On』がイメージとしては近いのかもしれない。要するに、ウィル・イップ最強!
あくまで1stアルバム由来のアンダーグラウンドなハードコア/パンクを、次世代のエピタフ系を担う存在としてメジャー寄りに正統進化させた#1“Gold Chain Punk (whogonbeatmyass?)”を皮切りに、変則的なリズムとアソビの緩急を効かせた#2“Coming Correct Is Cheaper”、ノイズロックにアプローチしながらグルーヴィかつカオティックに展開していく#4“Fucked Up If True”、本作のリード曲でありコテコテの王道ハードコアパンクながらもデンゼル・カリーの『タブー』ばりの高速ラップを刻む#5“Jump!! (Or Get Jumped!!!)((by the future))”、そしてスカパンクとしての本領を発揮する#3“Thumbsucker”など、アルバム前半は従来のSoul Gloらしいハードコア/パンク路線をウィル・イップ節に裏打ちされたメタリックな質感(プロダクション)の良さをもって現代的にアップデイトさせている。
リード曲における現代ラッパーの面影を匂わせる伏線を回収するかの如し、それこそ本作のヤバさを象徴するフィメールラッパーのMother Maryroseをフィーチャリングした#6“Driponomics”では、いわゆるトラップメタル的なフロウや瞬間的に垣間見せるハイパーポップ的なアレンジまでも日本の4s4kiを想起させると、これまでの混沌とした雰囲気を一旦リセットするオルタナ風のイントロから素っ頓狂なハードコア/パンクに一変する#7“(Five Years And) My Family”、テネシー・ハードコアの有識者とラッパーのZula Wildheartを異種格闘技させた曲で、それこそportrayal of guiltばりの自傷作用をもたらす邪悪スンギる激情ノイズコアの#10“John J”、いわゆる90年代のヌーメタルというかRATM直系のグルーヴィなヘヴィロックを現代的なトラップメタルに昇華させた#11“GODBLESSYALLREALGOOD”、そしてフィラデルフィアのLojiiやリッチモンドのMcKinley Dixonをフィーチャーしたネオソウルなジャズラップと持ち前のスカパンク~ハードコアの全部乗せ、すなわち本作の根幹部にある“ケイオス”を総括するに相応しい#12“Spiritual Level Of Gang Shit”まで、アルバム前半ではハードコア/パンクの要素を強調しているのに対して、アルバム後半では複数のラッパーをフィーチャーしたヒップホップ的な側面を強く打ち出しており、そのSoul Gloを司るアンダーグラウンドなハードコア/パンクと現代的なブラック・ミュージックの二つのアイデンティティがエクストリーミーに交わる瞬間の刹那的なエモさったらない。
ちょっと異質、というか常軌を逸した実験的なハードコアパンクという意味ではThe Armedの『ULTRAPOP』を、アングラ系のハードコアな作風からオルタナティブな化けっぷりでは、Turnstileの『Glow On』がイメージとしては近いのかもしれない。要するに、ウィル・イップ最強!