Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

ATMS

Just Mustard - Heart Under

Artist Just Mustard
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Album 『Heart Under』
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Tracklist
01. 23
02. Still
03. I Am You
04. Seed
05. Blue Chalk
06. Early
07. Sore
08. Mirrors
09. In Shade
10. Rivers

紅一点ボーカルのケイティ擁するアイルランドはダンドーク出身の5人組、Just Mustardの2ndアルバム『Heart Under』は、それこそオープニングを飾る#1“23”という数字をはじめ、魂が彷徨う断崖絶壁の波打ち際すなわち渚に打ち立てる荒波、あるいはクジラの鳴き声の如し唸り声をあげる「歪み」と蜃気楼の如し「揺らぎ」が蠢くドリームポップ/シューゲイザーならではのノイズ&リヴァーブを散りばめたアトモスフェリック~イーサリアルな音響空間と、NIN顔負けのダーク・インダストリアルな打ち込みを駆使した冷たく陰鬱な耽美性からして、ロンドンの姉妹ユニットこと2:54を彷彿とさせると同時に、初期のWarpaintを連想させるケイティのゴスロリ&ポップな歌声が生み出すセンチメンタルかつメランコリック、そして幽玄かつモノクロームな世界観は、この手の好き者の琴線に触れるオルタナティブな音だけを煮詰めた構成となっている。

Just Mustardが奏でるそのゴス&ロリータな世界観を司る曲で、トリップホップ的なアプローチを効かせたシングルの#3“I Am You”、俄然そのサイケデリックなトリップへと誘うダーク・インダストリアル風のミニマルな打ち込みとケイティのヤンデレボイスが織りなす、奈落の底まで堕ちていくようなドープが過ぎる暗黒の深淵に溺れる#5“Blue Chalk”、古き良きポスト・パンキッシュなビートを刻む#6“Early”、バンドのセールスポイントである「歪み」を押し出した#8“Mirrors”など、楽器隊が奏でるノイズやシューゲイザーとは一味違うバリエーション豊かな「歪み」、その表現力の高さとボーカルのケイティによるロリータな歌声が唯一無二過ぎるのと、2:54クラスタ的には後継が出てきて素直に喜ばしい限り。この手の好き者のためにある好き者の音楽なので、好き者なら問答無用に聴くべき良盤です。

Dark Tranquillity 『Atoma』

Artist Dark Tranquillity
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Album 『Atoma』
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Tracklist

01. Encircled
02. Atoma
04. Neutrality
05. Force Of Hand
06. Faithless By Default
08. Our Proof Of Life
09. Clearing Skies
10. When The World Screams
11. Merciless Fate
12. Caves And Embers

かのイェンス・ボグレンを実質プロデューサーとして迎えた前作のConstructは、イェンスが得意とするタイトなヘヴィネスとエピカルでプログレスな展開力、そして鍵盤奏者のMartin BrändströmによるATMSフィールド的な空間表現が絶妙な塩梅で共鳴した、それこそイエモンの吉井和哉が北欧メロデスやってみたような傑作だった。そんな、イェンスとの邂逅を終えたDark Tranquillityが次なる邂逅として指名した人物こそ、イェンス・ボグレンの右腕として知られるデイヴィッド・カスティロで、イェンスを手玉に取ったDTは遂に【イェンス・ボグレン×デイヴィッド・カスティロ=勝利の方程式】に手をかけたのだった。

幕開けを飾る#1”Encircled”から、ブラック・メタル指数の高いトレモロ・リフを擁した北欧イエテボリ・スタイルへの回帰を宣言する。そして表題曲の”Atoma”では、イントロから今作のプロデューサーであるMartin Brändströmのパフパフふわふわしたキーボードの反復運動を全面に押し出しつつ、「北欧の吉井和哉」ことミカエル・スタンネによるダーティなクリーンボイスと「世界一美しいデスボイス」と称されるグロウルとのコントラストを効かせた、もはや「踊れるメロデス」の正統進化系で、この手のタイプに陥りがちなメタルコア化とは違って、しっかりとメロデスとして聴かせる所が彼らを信頼できる何よりの証拠だ。ミカエルが「北欧の吉井和哉」と呼ばれるキッカケとなった前作のUniformityを彷彿とさせるダンディなクリーンボイス、そして北欧からの極寒の風を運んでくるかのようなATMSフィールドと泣きのGソロが哀愁ダダ漏れ警報を発令する#3Forward Momentumでは、もうなんか「え、僕たちもうクリーンボイス歴20年ですよ?」くらいの貫禄とバンドの成熟を感じさせる。



一転してスラッシーな殺傷力の高さを垣間見せる#4”Neutrality”、盟友IN FLAMESのビョーンがゲスト参加した#5”Force Of Hand”、一転して哀愁を帯びたキーボードのメロディを主役にミドルテンポでジックリと盛り上げていく#6”Faithless By Default”、再びフロントマン吉井和哉のクリーンとグロウルのコントラストを効かせた曲で後半に一瞬カッコイイギターが入る#8”Our Proof Of Life”、超絶epicッ!!な#9”Clearing Skies”とアンジェラ時代のアチエネをフラッシュバックさせる北欧メロデス然とした#10”When The World Screams”、そしてWe Are The Voidを彷彿とさせる慟哭不可避なキーボードと終盤の吉井和哉の歌で徹底的に泣かせにくる#11”Merciless Fate”までの流れは今作のハイライトで、今作ではキーボードの哀愁を帯びたミニマルなメロディ重視のミドルテンポで聴かせる曲とメロデス然とした殺傷力の高いリフでファストに聴かせる曲、その美意識的な部分と暴虐的な部分のコントラストをより鮮明に、前作のように曲単位で「静と動」のメリハリを付けるのではなく、一枚のアルバムの中で音の強弱と緩急を織り交ぜていく作風となっていて、それにより俄然音のスケール感が増して聴こえる。

基本的なスタンスは、We Are The Void以降のモダンでタイトなエクストリーム・ミュージックに変わりないが、前作のConstructを素直に発展させ更に深化させた形で、前作からソングライティングの部分でも鍵盤奏者のマーティンがバンドの主導権を握っていたが、前作はあくまでも「実質イェンスプロデュース」みたいなノリがあったのも確かで、今作では自身でプロデューサーを兼任しているだけあって、マーティンが作曲した5曲(#1,#6,#9~#11)を筆頭に、全編に渡って魅惑のキーボードがミニマルに響き渡っている。面白いのは、彼が作曲した5曲のうち3曲がアルバム後半のハイライトを飾っている所だ。今作のキーボードの役割としては『Fiction』みたいにサビで鳴るようなメロディではなく、あくまでもミニマルな反復運動を意識したメロディで、イメージ的には中期の『Character』『Damage Done』に近く、音の質感は『We Are The Void』に近いです。

今作における、それらをひっくるめた「マーティン推し」は国内盤に収録されたボートラの曲調にも顕著に現れていて、フロントマンの吉井和哉もといミカエル・スタンネは全編クリーンボイスで展開、しかし注目すべきはバックトラックのアレンジで、例えるならNine Inch Nailsばりのインダストリアルやミニマル・アンビエントみたいなアレンジを全面に押し出した、それこそDTの裏の顔=「シン・DT」の姿をお披露目している。正直、これ本編よりボートラのが完成度高いんじゃないかってくらい、マーティンの本気と書いてマジな顔を垣間見せている。となると、次作ではこの路線の本格化を期待しちゃうのが俺たちDTの定めなのかもしれない。つうか、もうマーティンはソロ・アルバムでも作っちゃえよw

前々作の『We Are The Void』がナゼあっこまで微妙な評価がなされたのかって、それは「スウェーデン人」であるはずのDT「フィンランド人」のフリをして「当て振りメロデス」やっちゃったことで、しかしこの『Atoma』では、前作で「スウェーデン人」とは何たるかをよく知る「スウェーデン人」イェンス・ボグレンとの邂逅を経験し、再び「スウェーデン人」としての自覚と自信を取り戻したことで、「スウェーデン人」による「スウェーデン人」のための「スウェーデン人の音楽」へと回帰することに成功し、つまり『We Are The Void』とかいう『失敗』を真っ向から『肯定』した結果がこの『Atoma』なんだ。そう、これはもう一種の『君の名は。』系メロデスだなんだって。
 
アトマ
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Julianna Barwick 『Will』

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Tracklist
01. St. Apolonia
02. Nebula
03. Bleached
04. Same
05. Wist
06. Big Hollow
07. Heading Home
08. Someway
09. See, Know

USのシンガー・ソングライター事情っていうと・・・実はよく知らないんだが、しかし2011年にデビュー・アルバムのThe Magic Placeをリリースし、「ここまで環境音と一体化した歌声が未だかつて存在しただろうか」あるいは「ここまでネロとパトラッシュの最期の教会で流れてそうな音楽があっただろうか」と、たちまちSSWシーンの間で話題を呼び、昨年には初の来日公演を果たした「21世紀のエンヤ」ことJulianna Barwickの3rdアルバム『Will』

かのDead Oceansからリリースされた前作の2ndアルバム『Nepenthe』では、ビョークやSigur Rosなどのアイスランド界隈でお馴染みのエンジニアBirgir Jón Birgissonとタッグを組み、同時に「ヨンシー親衛隊」で知られるストリングス・カルテットのAmiinaを迎え入れた結果、晴れて「女版シガーロス」の称号を得ることに成功した彼女。しかし今作の『Will』は、1stアルバムの「神々しい世界観」と2ndアルバムで培った「攻めの姿勢」を踏襲しつつも、新境地とも取れる現代的あるいは人間的な要素をはじめ、いつにもなく「楽器」が奏でる音色をフューチャーした作品となっている。
 


それこそ坂本教授こと坂本龍一が手がけた、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『レヴェナント』のサントラを彷彿とさせる、崇高な慈悲に導かれるようなストリングスとジュリアナの天使の囁きの如し聖なるゴッドボイスが、不条理なこの世界を『清らか』に浄化していくオープニング曲の#1”St. Apolonia”、スウェーデンのCarbon Based LifeformsやUSのHammockを連想させる、ミニマル・アンビエントなエレクトロ要素と深海を彷徨うかのようなジュリアナの歌声が織りなす神秘的なATMSフィールドに溺れる#2”Nebula”、今度はその深海の底から響き渡るようなピアノとストリングスがジュリアナのゴッド・ブレスを優しく包み込むように交錯する#3”Beached”、80年代風のシンセをバックにカナダ出身のMas Ysaなる男性ボーカルとフィーチャリングした#4”Same”、再び半透明に澄んだ青い海を美しく遊泳する人魚に擬態させる#5”Wist”、儚くも美しいピアノの旋律に涙する#6”Big Hollow”ANATHEMAFalling Deeperを彷彿とさせるストリングスとピアノが青く澄んだ海中から太陽を見上げるかのような#7”Heading Home”、そしてラストを飾る#9”See, Know”では、まるでチャーチズの新曲かと勘違いするほどミニマルなエレクトロが、未だかつてないほどノリノリなジュリアナの新境地を垣間見せる。
 

今作では、相変わらずアンビエント的な音響空間を軸にした作品でもあるが、それ以上にピアノやストリングスをはじめ、いわゆる人間界の「楽器」という名の道具を積極的に取り入れたことで、イマドキのSSWに大きく歩み寄ったかと思いきや、しかしこのアルバムでもジュリアナは「シンガー」として「歌う」ことを断固として拒否し、あくまでも各楽器が奏でる音色と波長を合わせるように、言霊という名の音霊の一部として存在している。そのモダンな電子音やピアノを駆使した音像は、これまでの『地上』あるいは『天国』の眩いくらいに神々しい音楽というよりも、それこそ深海の神秘に触れているかのような、あるいは日が昇る前の朝焼けや青く澄んだ海をイメージさせる、そこはかとなく”ドープ”な世界観を構築していく。

前作の”One Half”「ほぼ歌イ(キ)かけた」彼女だが、そのリベンジとなる今回の【絶対に歌わせるマン】VS.【絶対に歌わないジュリアナ】のポコタテ対決はジュリアナの勝利で幕を閉じた・・・(完)
 
Will
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Ghost Brigade 『IV – One With the Storm』

Artist Ghost Brigade
Ghost Brigade

Album 『IV – One With the Storm』
IV – One With the Storm

Tracklist
01. Wretched Blues
02. Departures
03. Aurora
04. Disembodied Voices
05. Electra Complex
06. Stones And Pillars
07. Anchored
08. The Knife
09. Long Way To The Graves
10. Elämä On Tulta

北欧フィンランドの音楽といえば→Sonata ArcticaStratovariusなどのコッテコテなヘヴィメタルバンドを数多く輩出している国というイメージが強いが、この2005年にフィンランドはユヴァスキュラで結成された6人組のGhost Brigadeは、その名をシーンに知らしめた2ndアルバムIsolation Songsでは、全盛期Opethに匹敵するリフ回しを中心とした幽玄かつ荒涼感のある音使いをもって、同郷のCallistoの影響下にある”静と動”のコントラストで聴かせる美しくも儚い”覇道のPost-Metal”を展開していた。続く3rdアルバムUntil Fear No Longer Defines Usでは、Insomnium直系のエピカルな叙情性やAlcestKATATONIA流れのオルタナ感を高めつつ、ポストメタルはポストメタルでも隣国のCult of LunaNeurosisを連想させる、よりモダンでドゥーミーに洗練された”進撃のPost-Metal”を繰り広げていた。つまり、伝統的なフィニッシュ・メタルと現代的なポストメタルがクロスオーバーした、言うなれば”メロデスラッジ”みたいな面白い立ち位置にいる、自分の中では新世代メタルの一つとして認識しているバンドで、個人的にもフィンランドでは一番お気に入りのバンドだ。そんな前フリがあって、前作の『UFNLDU』から約二年ぶりの4thアルバム『IV - One With The Storm』は、傑作だった『Isolation Songs』を彷彿とさせるアートワークで、その内容も2ndの再来を期待させる。

リッピング失敗したかと思った→オリジナルメンバーのベーシストが脱退し、新しくベーシストとキーボーディストを迎えて6人組体勢になったことが、バンドサウンドに大いに影響している。オープニングナンバーの#1”Wretched Blues”を聴けばわかるように、確かに雪国フィンランドの情緒漂うInsomnium譲りのエピカルな叙情性は不変だが、以前までのスラッジーな重さというより硬くてソリッドな低音リフに、そして高音がキツ過ぎる音質の悪さに嫌な予感が頭をよぎる。なんだろう、次の#2”Departures”を聴いたら納得した。Opeth?Insomnium?Cult of Luna?Neurosis?・・・コイツら一体誰の後継者なんだ?って、この曲でわかった気がする。コイツらKATATONIAの後継者だわ。この高音のシャリシャリ感は『Last Fair Deal Gone Down』リスペクトだと半ば強引に考えれば納得できるし、そうかコイツら”オルタナティブ・ヘヴィ”だったんだな・・・って思い知らされた気分だ。確かに、2ndや3rdの時点でフィンランドらしからぬ”オルタナティブ”なセンスを垣間みせていたし、今作ではそれが表面化してきている。あえりえなくもなかったけど、でも少し意外な方向転換をしてきた。新しくキーボーディストを迎えたことで、音響的(ATMS)なアレンジ面での確かな成長は伺えるし、いい意味でも悪い意味でも音を含めて全ての音がモダンに洗練されている。でもボク思うんスよ、この手の音楽やりたいんならさっさとイェンス・ボグレン引っ張ってこいやって、ボク思うんスよ。いや、僕が言いたいのはただ一つで→隣国Dark TranquillityConstruct聴いてから出直してこい、っつーわけです。なんだろう、フィンランド人って深いところで”オルタナティブ・ヘヴィ”をナメてる気がする。なんだろう、田舎もんの大学生が都会に出てきて大学デビューに失敗したみたいな、こっ恥ずかしいノリすらある。ボートラにドヤ顔でリミックス入れちゃうあたりもうホントにスベってる。なんだろう、全体的に無理しちゃってる感じ。

  「GBよ、お前はANATONIAにはなれない...」


とにかく音の悪さ→それと相性の悪さも相まって、第一印象は過去最悪だった。当然、これは意図的にやってるんだろうけど、いかんせん音が致命的過ぎる。少なくとも、僕にとっては何回も聴きたいと思う音ではなかった。是非ともフィンランドのエンジニアには【オルタナティブ・ヘヴィ 音作り】で検索してほしいって思っちゃったんだからしょうがない。しかし、楽曲自体は前作からスラッジーなヘヴィネスを取り払って、中期ANATHEMAあたりのオルタナ方面へと大きく舵を切ってて、それはむしろ個人的に大好きな方向性ではあるし、メロディの充実度や完成度という点では前作を軽く凌駕しているのは確かだ。でも自分は前々作や前作ほど俺の感性に響かなかった。これはただ音の”進化”からなる音の”変化”に僕が順応できなかっただけかもしれない。それともガチでリッピング失敗しただけなのかもしれない。それでもやっぱり、この手の音楽の最上級はKATATONIAの最高傑作『Last Fair Deal Gone Down』ANATHEMA『Judgement』だと信じてやまない自分としては、頼むからこの手の”オルタナティブ”がやりたかったらイェンス連れてきてくれって、本当にただそれだけなんですね。もしイェンスがミックスしてたらまた違った結果になったのかな~とか、考えるだけ無駄だけど。

IV: One With the Storm
IV: One With the Storm
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Ghost Brigade
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Intervals 『A Voice Within』

Artist Intervals
Intervals

Album A Voice Within
A Voice Within

Tracklist
01. Ephemeral
02. Moment Marauder
03. Automaton
04. The Self Surrendered
05. Breathe
06. The Escape
07. Atlas Hour
08. Siren Sound
09. A Voice Within

【インターバルス!】・・・Djent界のアイドルことスパイスボーイズもといTesseracTの元ボーカルダニエル・トンプキンズ君の出戻りや”ターバンおじさん”ことAbdullah Al Mu'min率いるThe Haarp Machineの件を見ても、あらためてDjent界のボーカリストはDTもビックリの”使い捨て”すなわち”雇われ”だと再確認した次第で、そのThe Haarp Machineから脱退した元ボーカリストMichael "Mike" Semesky擁するカナダはトロント出身の4人組、Intervalsの1stフル『A Voice Within』がレーベル無所属とは思えないほどのクオリティしてる件。

【歌モノ系かと思いきや】・・・その音楽性としては→何といっても、The Haarp Machineでもお馴染みのVoマイケルのFuneral for a Friendを筆頭としたUKメロコアバンド風の爽やかな”歌える系”のボーカル/コーラスを中心とした、音はジェント・リーやマスいリズム刻むテクニカルなリフ回しを組み込んだモダンなプログレッシブ・ヘヴィで、一曲目の”Ephemeral”や三曲目の”Automaton”を聴く限りではメロディックでキャッチーな”歌モノ系”だと断定できるが、The Haarp Machine直系のテクニカルなリフと雰囲気のあるジャジーなメロゥパートが靭やかに交錯する#2”Moment Marauder”や大作の#4”The Self Surrendered”sleepmakeswavesばりの多幸感に溢れたポストロッキンなATMSフィールドを展開する#7”Atlas Hour”やクライマックスを飾る#9”A Voice Within”で聴けるような、いわゆる”静と動”の緩急を駆使したシアトリカルでスケール感のあるベッタベタな展開を、「ちょっと通りますよ」ってレベルじゃないくらい恥ずかしげもなくブッ込んでくる大胆不敵な”意外性”もある。一方で、ALCEST顔負けのポスト-系インストの#5”Breathe”で光り輝く確かなメロディセンスも忘れちゃあならない。このポスト-系に通じる【ATMS系】のメロディこそ、彼らの大きな持ち味だと言っても過言じゃあない。とにかくクセのないボーカル主体のメロディアスなDjentではあるが、どの曲にも一捻りが加えられた(ニヤリ)とさせるフレーズや「おっ」と耳を惹く展開、そして遊び心も感じさせる叙情的なソロワークなどが聴きどころとして存在している。プログレ・メタルとしての”メタル感”を意識しつつも、一方でDjentとしてあるべき最低限の要素を全て兼ね備えている、そのバランス感覚も秀逸。わかりやすく言えば→ソフトタッチなThe Human Abstractといった感じで、カナダ出身だけどボーカルのエモいメロディがモロにUKバンドのソレだから全体的にUKバンドっぽさある。

【化ける可能性】・・・正直、第一線で活躍するDjentlmenと大差ない、少なくとも楽曲面の及第点は優に超えている。しかし、Djent界の貴公子ことトシン・アバシ率いるAnimals As LeadersThe Joy of Motionを聴いて脳が活性化された後では、どうしてもミックスや音作りに脆さを感じてしまう。そこが唯一の難点。それこそ、スメリアンあるいはProsthetic Recordsから声がかかれば大きく化ける可能性大だし、そのポテンシャルは既にこのアルバムで証明している。今年のDjent界ではアニマルと合わせて聴いといて損はない一枚だ。
 
A Voice Within
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