Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

2013年度BEST

Esben and the Witch 『Wash the Sins Not Only the Face』 レビュー

Artist Esben And The Witch
Esben and the Witch

Album 『Wash the Sins Not Only the Face』
Wash the Sins Not Only the Face

Tracklist
01. Iceland Spar
02. Slow Wave
04. Shimmering
05. Deathwaltz
06. Yellow Wood
08. Putting Down The Prey
09. The Fall Of Glorieta Mountain
10. Smashed To Pieces In The Still Of

【ナイトメア・ポップ】・・・2008年に結成された、イギリスはイースト・サセックス州ブライトン出身の三人トリオで、通称ナイトメア・ポップと称されるエスベンと魔女ことEsben and the Witchの約二年ぶり通算二作目『Wash the Sins Not Only the Face』が、まさしく2012年にデビューした同郷の2:54に通じる艶美で妖麗なオルタナ・ロックやってる件について。で、2011年にデビューし話題を呼んだ1st『Violet Cries』の曲を聴いた時点では、悪くはないけどそこまでツボにハマるような印象は全くなかったんだけど、しかし今作は自分でも驚くくらいツボにハマった。

【ネルネルネルネ】
・・・基本的なサウンドスタイルとしては→いわゆるドリーム・ポップやポストパンクそしてポストロッキンなアプローチを加えたゴスいオルタナって感じで、あのWarpaintにも通じる幽玄で暗鬱なサイケデリック・ミュージックを展開している。そのWarpaint2:54と比較すると、このエスベンと魔女はゴシック/イーサリアル寄りのヒンヤリと冷たい感触を持っていて、まるで闇夜の森の奥深くで老婆の魔女がネルネルネルネを練り込むように、紅一点のフロントマンRachel Daviesによる黒魔術を唱えるかの如し呪術的なボーカルと、ギタリストのダニエルと兼鍵盤奏者のトーマスによるメランコリックなメロディセンスが織りなす、それこそ”ナイトメア・ポップ”を称するに相応しい耽美な音世界に聴き手を引き込んでいく。とにかく、いわゆるATMS空間形成に対する尋常じゃない意識の高さに驚かされる。



【UKの相対性理論】・・・まず、オープニングを飾る#1”Iceland Spar”のイントロからケタタマシク鳴り響く、まるでIf These Trees Could Talkを彷彿とさせるATMS系シューゲ/ポストロックライクな轟音ギターから、このエスベンと魔女のポストロック系に対する意識の高さを伺わせる。そして、まるで相対性理論が掲げる”シティ・ポップ”に対するイギリスからの回答、もしくはカウンターであるかのような、淡く灰色に輝くイギリス然とした街並みを、まるで魔法の世界に迷い込んだかのような恐ろしくも幻夢的な情景を描き出すギター・リフに惹き寄せられる#2”Slow Wave”は、それこそ東京都心はパラレルワールドならぬ英蘭郊外はネルネルネールネってやつだ。で、ほの暗い耽美エントなイントロからハモリを効かせたボーカルそして凍えるように肌寒く透きとおったサビメロへと繋がる#3、まるで悪夢を見ているかのようなATMS空間の中でパーカションが一種異様な存在感を放つ#4、再びポストロック全開の音使いとボーカルのメランコリックなメロディが、ほのかにプログレスな感度をもってポップなリズムを刻みながら極上のATMSフィールドを展開していく#5”Deathwaltz”は、あのMogwaiからも一目置かれているという、その理由を理解ッさせ納得ッさせるような名曲だ。

2013年BEST・・・ここまでの前半は、同郷のMidas Fall的でもある比較的”ロック”なビートをもった”歌モノ”志向の強い曲調で聴き手(パンピー)を誘惑しておいてから、そして遂に後半から魔女がその本性を現す→まずはエレクトロニカを効果的に使ったChelsea Wolfe直系の#6、ポストパンク的なリズムとブラックゲイズ風のノイジーなギターが織りなす#7を筆頭に、他にもイーサリアルやらフォークやらポストパンク等なんでもござれな、まるで夢遊病患者の夢の如し暗鬱な音世界が延々と続き、その中でもChelsea WolfeKayo Dot界隈にも通じるインディ・フォークの#9は後半のハイライトと言っていい。けど、やっぱり名曲の#2と#5を擁する前半の流れと比べると物足りなさは否めない。だから、トータルで見るとそこまで凄い作品ではないかもしれない。でも、とにかく”UKの相対性理論”かってレベルの#2と同郷の2:54を彷彿とさせる#5の存在が、昨年の年間BESTに挙げざるを得ないほどの大きな決定打となったわけです。

Wash the Sins Not Only the Face
Esben & The Witch
Matador Records Imp (2013-01-22)
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CHVRCHES 『The Bones Of What You Believe』 レビュー

Artist CHVRCHES
CHVRCHES

Album 『The Bones Of What You Believe』
The Bones Of What You Believe

Tracklist
01. The Mother We Share
02. We Sink
03. Gun
04. Tether
05. Lies
06. Under the Tide
07. Recover
08. Night Sky
09. Science/Visions
10. Lungs
11. By The Throat
12. You Caught The Light
13. Strong Hand *
14. Broken Bones *
15. Gun (KDA Remix) *
16. The Mother We Share (We Were Promised Jetpacks Remix) *
17. The Mother We Share (Blood Diamonds Remix) *
18. The Mother We Share (Kowton's Feeling Fragile Remix) *

【ローレンコピペ】・・・ローレン!ローレン!ローレン!ローレンぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ローレンローレンローレンぅううぁわぁああああ!!!あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくんはぁっ!ローレン・メイベリーたんのブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!サマソニのローレンたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!再来日決まって良かったねローレンたん!あぁあああああ!かわいい!ローレンたん!かわいい!あっああぁああ!デビューアルバムも発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!ぐあああああああああああ!!!デビューアルバムなんて現実じゃない!!!!あ…サマソニも再来日もよく考えたら…ロ ー レ ン ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!グラスゴーぁああああ!!この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のローレンちゃんが僕を見てる?表紙絵のローレンちゃんが僕を見てるぞ!ローレンちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のローレンちゃんが僕を見てるぞ!!再来日のローレンちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはローレンちゃんがいる!!やったよ!!ひとりでできるもん!!!あ、デビューアルバムのローレンちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!あっあんああっああんあぁあ!!イ、イアン・クック!!マーティン・ドハー ティぃいいいいいい!!!ぁあああ!!ううっうぅうう!!俺の想いよローレンへ届け!!グラスゴーのローレンへ届け!

【チャーチズ】・・・2013年間BESTの記事でも少し書いたが、今年にデビュー作を出したシンセ・ポップ系で個人的に一番ツボにハマったアーティストに、スウェーデンのPostiljonenという三人トリオがいるが、それに匹敵する・・・いやそれ以上の存在となったのが、先ほどのクソキモいローレンコピペをリアルで叫びたくなるほどの激カワVoローレン・メイベリー、あのIsisとも共作をリリースしているAereogrammeイアン・クックThe Twilight Sadでも知られるマーティン・ドハー ティからなる、2011年にUKはグラスゴーで結成された三人組、その名もCHVRCHESなんだ。とりあえず、このアー写のイアンの可愛さに・・・もとい、まるで全盛期のキャリスタ・フロックハートを彷彿とさせるローレンの可愛さにKOされる。しかも自分と同い年という事もあって、これはガチ恋不可避。ちなみに、これはつい先日知った事なんだけど、どうやら今年のサマソニで初来日してたらしい・・・。しかも自分が参戦した大阪にも出演してたらしい。なぜ僕はBiSとかいうファッキンビッチなんかにうつつを抜かしていたのだろう・・・。



【ロリコンクソ野郎】
・・・その音楽性としては→前座を任された経験もあるDepeche Modeをはじめとした80sシンセポップの強い影響下にあるサウンドに、そこへM83を彷彿とさせる綺羅びやかなエレクトロな音色を交えた甘味なトラック、そしてUKアイドルポップスの系譜にあるローレンのロリコンクソ声豚野郎がブヒりそうなクッソ可愛い萌声が、ダンサンブルなリズム&ビートを刻みながらポップにハジける、実にカラフルなポップミュージックを展開している。この手の最先端を行くM83Washed Outなど今風のアーティストからの影響を巧みに昇華しなながら、80年代の音楽をリスペクトした懐かしのシンセを駆使したイアンとマーティンによる、ポップでありながらも時に激しく時にメランコリックなATMSフィールドを形成していく、まるで孔雀の羽の如く変幻自在にその姿を変えていくトラックとの対比、掛け合いは大きな聴きどころ。さすがに、IsisとコラボしたポストロックバンドAereogrammeThe Twilight Sad関連のメンバーを中心としているだけあって、いわゆるATMS系ポストロックやポストパンクに通じる艶美な空間形成は、彼らがパンピーをはじめロックリスナーも巻き込んで幅広く支持される一つの要因として存在している。



【アイドル】
・・・まずオープニングを飾るのは、各シングルの中では最も評価の高い2ndシングルの”The Mother We Share”で、この曲はPostiljonenの新譜で言うところの”Help”にも共通する、M83彷彿とさせる温もりのあるドリーミーなアレンジ感覚を持った、今作の幕開けを飾るに相応しいスウィーティなシンセポップ然とした曲だ。その#1とは打って変わって、イントロからピコピコ系エレクトロニカが緩やかに鮮やかなビートを刻んでいく#2、そしてフックの効いたローレンのクッソ可愛い萌声とGTAリバティシティを思わせる80sリスペクトな懐かしのシンセがキャッチーにポップに絡み合う4thシングルの#3”Gun”まで、まずここまでのツカミは完璧と言っていい。中でも、チャーチズの”ポップ”なDNAが込められた”Gun”は、Postiljonenの激エモチューンSupremeを凌駕する極上の胸キュンポップ・サウンドを展開している。この曲のMVを見て毎回思うのは→なぜシンセポップ系のMVには、お決まりのようにエアロビみたいな謎のお笑い要素が入ってるのだろう?という事。だがそこが更に80sリスペクトな感じでイイ。で、再びローテンポなシューゲ/ドリーム・ポップ風のイントロで始まり、中盤から静寂感を煽るアブストラクトなATMS空間から突如”ナニか”に目覚め、まるで青春時代に経験した刹那的な感情(エモーション)を爆発させるようにダンサンブルなシンセが打ち上げ花火のようにハジケ飛ぶ#4”Tether”、まるで元Flyleafのレイシーを思わせるようなローレンのロリキュートな歌声を中心に、Phantogram風のリズムとアレンジで聴かせる1stシングルの#5”Lies”、メインボーカルにUKのエモ系にありがちな声質の持ち主であるマーティンを迎えた、まるで星空のようにキラキラと煌めくシンセが眩いくらいの音のプラネタリウムを形成していく#6、そして名曲”Gun”と双頭をなす3rdシングルの#7”Recover”は、それこそ同郷のスパイス・ガールズや初期アヴリルなどの”アイドル・ポップス”を連想させる、ほのかに哀愁めいた力強いローレンの歌声が胸に迫る。続く#8も、ほのかにあどけなさを残しながらアップテンポに歌い上げるサビが聴きどころの、今作の中でも一際ポップな曲で、アウトロはチルいニカでクールにキメる。



【ポストロック系シンセポップ】・・・ここまで、このチャーチズが持つ極上のポップセンスを堪能させる流れの後は→まるで#8のクールなアウトロから引き継ぐように、テクノ/トランスちっくなイントロから始まってマーティンのコーラスを交えながら、クライマックスにかけて力強いダンサンブルなビートをもって徐々に気分を高ぶらせていく#9”Science/Visions”、ほのかにダブステッパーなアプローチや近年のPhantogram的なインディトロニカ風のアレンジを効かせたコッテコテなニカ曲の#10、まるで桜の花びらのようにエレクトロニカが可憐に舞い散る#11、そして本編ラストを飾る、再びメインボーカルにマーティンを迎えた#12は、まるでGod Is An AstronautJesuそしてWashed Outを連想させる、幻想的な夢の世界へ誘うようなチルいATMSナンバーで、それこそAereogrammeThe Twilight Sadで活躍していたメンバーだからこそ成せる、実にポストロッキンな一曲と言える。それ以降に収録されているボートラの#13”Strong Hand”は、開始直後から軽快なリズムで進み、途中バッキバキにラウドなシンセから疾走感のあるアイドル顔負けのエネルギッシュなローレンの歌へと展開していくサビ、そのサビ(後半)のバッキングコーラスがまたFuneral For A FriendみたいなUKポストハードコアっぽいコーラスで、とにかく本編の曲にはない”UKロック”特有のノリがあってクソ面白い。あと”Gun”のコーラスもFFAFっぽいね。

【CHVRCHES(妹)×Phantogram(姉)】
・・・その他にも、国内盤のボートラには→少しコジャレたクラブで流れてても違和感ない、リラクゼーショナルなハウス/トランス風のリミックスで仕上げた”Gun”(KDA Remix)”、そして”The Mother We Share”PhantogramのEP風にリミックスした(Blood Diamonds Remix)や、ボーカル抜きのインダストリアルなリミックスが施された(Knowton's Feeling Fragile Remix)は、聴いて損はないと断言できるほど最高にイカす。けど、やっぱりRecover”Lies”のリミックスも収録して欲しかった感は正直ある。しかしこれらのリミックスを聴くと、あらためてやっぱUSのPhantogramに通じるインディ/オルタナ的なセンスあるよなぁと。例えだが→このCHVRCHESがキッズ向けとするなら、アッチのPhantogramはアダルト向けみたいな...まるで姉妹のような感覚すらある。なんにせよ、まさか一昨年の年間BESTに名を挙げたPhantogramの存在が伏線()として、今年このチャーチズに繋がってくるなんて...なんか本当に面白いなぁって。となると、来年の2月にリリースされるPhantogramの待望の2ndフルに俄然期待がかかるわけで。

【36位】・・・正直、ここまでポップだと”飽きやすそう”なイメージが拭えないし、もはや”イギリスのPerfume”かってくらい、極端な話”アイドル”という認識で聴いちゃっても差し支えないようなビジュアルおよび音楽性であるにも関わらず、あのピッチフォークの年間BESTアルバムで36位に選ばれたりしてて、へ~あのピッチも顔で選ぶんだなーとか思いながらも、各大手音楽メディアからこうも高く評価されているってのは素直に驚きで、これって地味に凄い事なのかもなーって。でもやっぱり案の定”ファッキンピッチ!!”とかいう風にパンピーからディスられたりして、しかもそのディスりに直ぐさま反応して反論文まで書いちゃうローレンたそマジ萌え~です。このアイドル顔負けのビジュアルでありながら、このフェミニズム全開の気丈な性格とのギャップ萌え~。でも、今年の年間BESTにデフヘヴンの『サンベイザー』を挙げちゃうような、それこそファッション・サブカル系ロリコンクソ野郎みたいなヤツが一番嫌いなんだろうね、彼女。ヒエッ・・・。

【来日公演】・・・そんなわけで、もう既に来年の二月に単独来日公演が決まっている(なお、名古屋飛ばしの模様)、メインストリームの女性ボーカルものとして今最もキテるチャーチズだが、果たして”一発屋”として終わるのか、はたまたローレンが美魔女になるまで続いていくのか、色々な意味で今後が楽しみな三人組だという事は確かブヒ。
 
ザ・ボーンズ・オブ・ワット・ユー・ビリーヴ
チャーチズ
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2013年BESTアルバムトップ15

なーにいってだこいつ

15. KATATONIA 『Viva Emptiness (2013)』

Viva Emptiness (Anti-Utopian MMXIII Edition)
★スウェーデン/ビバ!イェンス左遷!/Peaceville
Favorite Track ”Ghost of the Sun” ”Sleeper”

14. True Widow 『Circumambulation』
Circumambulation
★US/遅漏系岩ゲイズ/Relapse
Favorite Track ”Four Teeth” ”S:H:S

13. Chelsea Wolfe 『Pain Is Beauty』
Pain Is Beauty
★US/チェルシー狼/Sargent House
Favorite Track ”Feral Love” ”The Warden”

12. Ulver 『Messe I.X-VI.X』
Messe I.X-VI.X
★ノルウェイの森/のクマさん/Kscope
Favorite Track ”As Syrians Pour In, Lebanon Grapples With Ghosts Of A Bloody Past”

11. Steven Wilson 『The Raven That Refused To Sing (And Other Stories)』
The Raven That Refused To Sing (And Other Stories)
★UK/ぼくがかんがえたさいきょうのぷろぐれ/Kscope
Favorite Track ”Luminol

10. Riverside 『Shrine of New Generation Slaves』
Shrine of New Generation Slaves
★ポーランド/ノマドと社畜/InsideOut
Favorite Track ”The Depth of Self-Delusion”

9. Esben and the Witch 『Wash the Sins Not Only the Face』
Wash the Sins Not Only the Face
★UK/エスベンと魔女/Matador
Favorite Track ”Slow Wave” ”Deathwaltz

8. TesseracT 『Altered State』
Altered State
UK/Djent界のアイドルことスパイス・ボーイズ/Century Media
Favorite Track ”Singularity” ”Retrospect”

7. Vaura 『The Missing』
The Missing
★US//Profound Lore
Favorite Track ”The Missing” ”Incomplete Burning”

6. Deafheaven 『Sunbather』
Sunbather
★US/ファッション・サブカルクソ野郎/Deathwish Inc.
Favorite Track ”Dream House” ”Sunbather”

5. Altar of Plagues 『Teethed Glory and Injury』
Teethed Glory and Injury
★アイルランド/ポストブラック界の伝説/Profound Lore
Favorite Track ”God Alone” ”A Remedy And A Fever”

4. Cult of Luna 『Vertikal』&『Vertikal II』
Vertikal
★スウェーデン/現在進行形プログレ/Indie Recordings
Favorite Track ”Vicarious Redemption” ”In Awe Of”

3. Sadistik 『Flowers for My Father』
Flowers For My Father
★US/ATMS系ヒップホップ/Fake Four
Favorite Track ”Seven Devils” ”The Beast”

2. KATATONIA 『Dethroned & Uncrowned』
Dethroned & Uncrowned
★スウェーデン/『死の王』の復活/Kscope
Favorite Track ”The Racing Heart” ”Ambitions”

1. ANATHEMA 『Universal』
Universal
★UK/ANATHEMAがジョジョである事への証明/Kscope
Favorite Track ”A Simple Mistake” ”Dreaming Light”

今年よく聴いた気がする楽曲部門(BESTアルバム以外で)
Acid Black Cherry ”Stop it love
CHVRCHES ”Gun
Postiljonen ”Supreme
Rhye ”Open
Negicco ”ときめきのヘッドライナー
でんぱ組.inc ”でんでんぱっしょん
BiS ”Hide out cut
BiS ”DiE
BiS ”STUPiG
Vampillia ”endless summer
相対性理論 ”キッズ・ノーリターン
黒のフィールド ”X-Ray
KEN Mode ”The Promises Of God
DIR EN GREY ”Unraveling
Dream Theater ”The Enemy inside
宇多田ヒカル ”桜流し


【2013年BEST】・・・なんか、今年も色々あったような、なかったような気がするんだけど、今年も例年どおり年間BESTを発表する季節がやってきた、というわけです。さっそく、ザッとランキングを眺めてみると、なんという意外性のない、つうかKscopeばっかじゃねーか!って自分でもツッコみたくなるくらい、見ててあまりワクワクしないランキングだなぁと。でも、素直に良作を並べた結果だからね。先日のイェンス・ボグレン編が上半期のBESTだとすると、このBESTは下半期のBESTという認識でいいんじゃあないかと。

SWのSWによるSWのためのプログレランキング・・・そんなこんなで、今年もあらゆる音楽メディアが年間BESTをドヤ顔で発表しているが、その中でも特に僕の興味を引くBESTを発見した。それはイギリスのプログレ雑誌『Prog Magazine』の年間BESTで、もうなんか当然のようにスティーヴン・ウィルソン先生のキモカワイイ新譜が一位を飾っているが、残念ながらそこは今回のポイントではなくて、リンク先にあるランキングを見てもらえばわかるように→頂点に君臨するSW先生の次にTesseract、そしてDT『D(jen)T』が3位に選出されている。この、いわゆるプログレと呼ばれるソレとは少し違った、言わばDjentと呼ばれる作品が上位に名を連ねている所に、UKメディアの懐の深さを感じた。そして、かのKscopeからはWisdom of CrowdsAmplifier、そしてKATATONIAのリメイク作が12位に、まさかのイーサン叔父貴Cult of Lunaまで、更には65Daysofstaticが選ばれていたりと、要するに「UK最強他はクソ」って感じの、もう懐が深いのか浅いのか分かんねぇランキングだな・・・って。ちなみに、映像部門の一位には、ブルガリアの古劇場でのライブを収めたANATHEMA『Universal』が選ばれている。

【マイ・ベスト】・・・再び、当ブログのBESTに話を戻して→まずは下位からなんだけど、いきなりKATATONIAViva Emptiness (Anti-Utopian MMXIII Edition)という時点で、だいたい察してもらえると思うんだが・・・14.はTrue WidowCircumambulation、13.と12.はチェルシー狼姐さんとノルウェイの森のクマさんの狼コンビ、11.と10.にはSW先生Riversideというお馴染みのプログレ勢が続き、9.には今年の2:54枠が確定したエスベンと魔女、8.には今やDjent界のアイドルとなったTesseracTスパイス・ボーイズ、そして・・・(おっ、グッチの広告かな?)と勘違いしそうなほどファッショナブルなピンク色のジャケを挟むようにして、Vaura虹色おっぱいAltar of Plagues百田夏菜子というProfound Lore勢が名を連ねている。で、先ほどのランキングにもあるように、大手プログレ系メディアに認められるほどの、いわゆるプログレというジャンルの新たな可能性すなわち【現在進行形プログレ】を完成させた、Cult of Luna『ヴァーティカル・シリーズ』には映画『ゼロ・グラビティ』の映像美に匹敵する感動を覚えた。そんな彼らだが、どうやら約七年の沈黙を破って遂に完成させた『ヴァーティカル・シリーズ』で全ての精根を使い果たしちゃったらしく、なんと来年以降は冬眠期間すなわち無期限の活動休止、つまり事実上の解散という声明を聞いて、地味にショックを受けている。いくらインテリ集団だからって、前作から七年寝て起きてまた永久に眠るとか・・・お前らはシグルイの岩本虎眼かw なんにせよ、この発表を耳にして密かに歓喜しているのは、CoLと共に今はなきポストメタル界のレジェンドIsisの王位を狙っていた、イェンス・ボグレン編のBESTでも能年玲奈が一位を獲得したThe Oceanなんじゃあないか?そして、個人的に今年一番に僕の嗜好のツボにハマったのがSadistikFlowers for My Fatherで、これはもはや”突如他界したコディの父親(スティーヴン・フォスター)に捧げるアルバム”であると同時に、いわゆる”俺の界隈”に属するATMS界の頂点に立つアルバム、すなわち”ぼくがかんがえたさいきょうのひっぷほっぷ”と言っても過言じゃあない。今年は一位と二位が言わずと知れた”アレ”なんで、これが実質今年の一位だと思う。

【豊作の年】・・・この他にも、今年の年間BESTに劣らない良作が山ほどあって→ポストブラ系で言えばGrisVallendusk、USのCastevetSo Hideous【NEXT-DEAFHEAVEN】と噂される██████やイタリアのProgenie Terrestre Pura、エクストリーム/プログ系ではArcane RootsMisery SignalsKarnivoolHacrideAnciientsExiviousそしてOranssi Pazuzu、ハードコア系ではKEN ModeOathbreaker、女性ボーカル系ではUKのDaughterLondon GrammarMidas Fall、SSW系のJulia HolterJulianna Barwick、シンセポップ系のChvrchesPostiljonen、邦楽ではPerfume相対性理論、アングラ系ではSubrosaInter ArmaそしてKylesaあたりが良かった。けど、時間がなくてほとんど聴き込めてないってのが正直なところ。その中でも、Kayo Dot『Hubardo』はもはや”化けた”と言っていいくらい、まるでデヴィッド・リンチの映画を音で表現するかのような、ある種のエクスペリメンタル系ポストブラックやってて、精神の深淵に迫りくる狂気と凄みに圧倒された。それこそイーサン叔父貴SW先生が(お前それは掟破りやろ・・・)と訴えを起こしそうなほどのエクストリーム・ブラックの傑作だった。正直、今までは聴かず嫌いしてたバンドだったけど、ここまで他のブラック勢を脅かすガチブラックやってる(やれる)なんて想像してなかったから、ちょっとマジメに驚かされた。BESTから漏れた理由としては→今作からマトモに聴き始めた自分がBESTに入れても説得力がないだけだから、あえて外した。けど、ブラック界隈の中では今年一番のマストなのは確かだと。なんにせよ、今年も【豊作の年】で大変満足してます。

デフヘヴンの年・・・そして、コイツラの話をしなきゃ今年は語れないし終われない。そう、ことし最もヘヴィミュージック界いや音楽業界を賑わせ、世界有数の音楽メディアとして知られるPitchforkで高得点(8.9点)を獲得し、年間BESTアルバムの6位を、そしてStereogum厨とRolling Stone誌が選ぶメタル部門で堂々の一位を獲得した、左翼系男子のジョージ・クラークとネトウヨ系ギタリストのケリー・マッコイ率いるDeafheavenサンベイザーだ。



【わたし今デフヘヴンにハマってるんですよ~】・・・あらためて、今年は【デフヘヴンの年】と言ってもいいくらいで、かのピッチフォークをはじめ、あらゆる音楽メディアの年間BESTを総ナメにしている『サンベイザー』ですが・・・コレ、もうなんかハードナッツ系サブカル女優の橋本愛ちゃんあたりが→「わたし今デフヘヴンにハマってるんですよ~」とか言い出してもおかしくないレベルのサブカル音楽です。ハッ!まさか来年の春に来日が噂されているデフへの来日公演に、ワンチャン橋本愛ちゃんと能年玲奈ちゃんの”アキユイコンビ”すなわち潮騒のメモリーズが観に来る可能性がッ!?あるわけねーよ・・・。なんにせよ、俺たちファッション・サブカル系男子あらため映画『キック・アス』の主人公、もしくはそのツレのサエない非リア男子は、能年玲奈ちゃんや橋本愛ちゃんもしくはnkskを推しメンとしながら、ハルキ・ムラカミ『ノルウェイの森』を片手に、サンベイザーTシャツもしくは『ジョジョ』のラヴ・デラックスTシャツを着用して、「ファッショーーーーーーーーンwwwファッショーーーーーーーンwww」とかいう気狂いめいた謎の奇声を上げながら、アヘ顔デフヘヴン状態で会場へと入場するように。そして終演後は、ファッション感覚でデフヘヴン聴いちゃってるような、橋本愛ちゃんもしくは能年玲奈ちゃんみたいなサブカル女子と合コンしたいぜ!

キックアス

伝説の名古屋公演・・・お話しを戻して→正直、ここまで大手音楽メディアから(おいおい、お前はヘヴィミュージック界の剛力彩芽か)ってくらいゴリ押しされたら、 当然の如くデフへをディスり始める輩も出てくるわけで、でも個人的には「さすがにそのディスはダセーわ」って思ったりするんだけど、とか言うて昨年の11月に行われた奇跡の来日公演を生で目撃した身としては、そんなんクソどーでもいい話でしかなくて。実際、観客が20人もいなかった伝説の名古屋公演を観た奴だけでしょ、今のデフへに対してドーコー言っても許される奴って。つまり・・・イッツミー(キリッ)。いや事実、今年この『サンベイザー』を祭り上げてる奴らって、明らかにデビュー作の時に乗り遅れたキョロ充ばっかだからね。まぁ、どこぞのメディアやどこぞのレーベルとまでは言わないが。。。で、この『サンベイザー』が6位となった主な理由としては、単純にポストブラックとしての完成度やイントロからクライマックス!な【初期衝動がデビュー作のユダ王国への道に総じて劣るのと、その年の2011年度BESTの順位(5位)を踏まえた結果です。それともう一つ理由があって、ポストブラックの新たな可能性を見出した『百田夏菜子』という名の伝説を残して儚く散ったAltar of Plaguesよりも、このサブカルクソ野郎を高く評価するなんてことは、僕のポストブラック厨としてのプライドが許さなかった。その証拠として→Vaura(7位)AoP(5位)Profound Lore勢、通称ピッチブラックD F H V N(6位)をガッツリ囲い込んでいる所から、僕のささやかなプライドのようなナニかを感じてもらえれば...と。そのプライドといえば→各音楽メディアの中でも、このデフヘヴンを一番高く評価しているピッチフォークも例外ではなくて、年間BESTの4位にマイブラの『mvb』を挙げることが、この『サンベイザー』に対するささやかな抵抗のようにも、ある種の皮肉のようにも感じられて俄然面白いなぁって。



【ファッション・サブカルクソ野郎】・・・とか言いつつも、まるでジョセフ・ゴードン=レヴィット君主演の映画『ミステリアス・スキン』のような、まるでナニを覚えて初めてイッた瞬間に似た、それらの幼少期に経験したどこか懐かしくもある刹那的かつ激情的なラヴ♥エモーションと、まるで彼らの出身地である西海岸のビーチで日光浴に勤しみながらキャッキャウフフと戯れる男女の官能的かつ艶美な様子を、俺たちファッション・サブカルクソ野郎に嫌味っぽく見せつけるような、まさしく今世紀最大のファッキン・エモーショナル(クソエモい)メロディセンスは素直に評価したい。その中でも、ピッチフォークの楽曲部門で9位にランクインした”ドリームハウス”は、それこそ今作の『サンベイザー』を象徴するような名曲で、この曲を初めて耳にした瞬間は、映画『ミステリアス・スキン』の激情的かつ官能的な映像やまるで東洋人のようなゴードン君の華奢な裸体が脳裏にフラッシュバックしたほど。もはや、このサンベイザーを年間BESTにドヤ顔で挙げてるやつで、その『ミステリアス・スキン』を観てなやつは正直モグリだと思うわ。というか、説得力に欠ける。でもなんかアレだな、試される大地じゃあないが、今年この『サンベイザー』をどのように評価するかによって、聴き手の嗜好や立ち位置が分かっちゃうというか、なんつーか、今年は全ての音楽界隈の住人がD F H V N”試されている”ような気がしないでもない。なんにせよ、今やiPhoneの広告塔に抜擢されるまでに、そして俺たちファッション・サブカル系男子のアイドルでありアイコンとなったD F H V Nは来年のサマソニに来いやって感じでっす。

【ANATONIAの年】・・・年間BESTの15位を見た時点で察してくれた人もあると思うが、今年は【デフヘヴンの年】であると同時に、【ANATONIAの年】でもあった(うん、「また」なんだ、すまない)。 ご存知のとおり、昨年2012年はANATHEMAの名盤Weather SystemsKATATONIA死の王が、いい意味でも悪い意味でも”俺の界隈”を賑わせてくれた。その、いわゆる”俺の界隈”を象徴する2つで一つのバンドが、また今年も年間BESTを総ナメにするなんて思っても見なかった。しかも、今年はANATHEMAだけでなく、KATATONIAが地獄の底から復活した事が何よりも大きかった。昨年、『死の王』で腐海へと沈んだ瞬間から、彼らは僕の知っているKATATONIAではなくなってしまった。しかし、今まで約20年にわたって培ってきたプライドを捨て、皇帝ANATHEMAが君臨するKscopeのお力添えを借りて、つまりKATATONIAではなくANATONIAとして、あの『死の王』を黄金の生命エネルギーを注入することで再構築したDethroned & Uncrownedとして、新しく生まれ変わったのだ。なんと...あの『死の王』が腐海の底から蘇ったのだ。そして昨年、俺の界隈の黄金のシンボル”となったANATHEMA『Weather Systems』を引っさげて、ブルガリアの伝統的な古劇場で行われたライブ作品Universalが堂々今年のNo.1だ。このライブ作品は、ANATHEMA=『ジョジョ』だという事を確信させたほど、メンバーひとり一人のエモーショナルなパフォーマンスが織りなす、溢れ出すほどの生命エネルギーが積み上げていく圧倒的な多幸感に、僕は素直に感動することしかできなかった。そんな彼ら、遂に新作のレコーディングを終えたらしく、来年の夏にリリース予定とのこと。要するに→来年も【ANATHEMAの年】になる事を願って、だからデフへと一緒に来年のサマソニに呼んでくださいお願いします。

【楽曲部門】・・・ここで少しだけ楽曲部門について言及すると→まずABCのカバーアルバムRecreation 3に収録された”Stop it love”なんだけど、この曲は日本いや世界で一番聴いてる自信と確信があるくらい、暇さえあればほぼ毎日のように、それこそナニを覚えた猿のように聴いてたような気がする。この曲はテレビかラジオの企画でyasuが某アイドルに提供した楽曲、そのセルフカバーなだけあって、歌詞もyasuにしては珍しく”純”な思春期の恋模様(三角関係)を描いてて新鮮だし、メロディもyasuのエモーショナルな歌声を活かすメロで最高だ。で、これを数百回と聴き込んだ末、遂にyasuと℃の鈴木愛理の歌声に”ある親和性”を見出してしまった自分からすると、これは是非とも愛理に歌って欲しいと切実に思った。歌詞からしても絶対にハマると思う。そのアイドル関連で言えば→BiSの存在を初めて知った”Hide out cut”が今年の曲だと気づいて微妙に驚いたのと、BiSにハマる大きなキッカケとなった”DiE”は激情系ポストブラックでツボった。そして念願のワンマンライブ『BiSそして終わりのない悲しみ』を観たあの光景は、今でも目に焼き付いて離れない。そんな、来年初めにリリースされるSTUPiGのMVで【アイドル界のDIR EN GREY】、その証明を見せてくれているBiSだが、はたして本当に来年解散してしまうのか?今後も色々な意味で目が離せない。そのBiSと同じく”曲が良い”と噂される、新潟のご当地アイドルことNegiccoは、話題を呼んだ”アイドルばかり聴かないで”よりも、この”ときめきのヘッドライナー”の方が、曲の展開力だったり独特のレトロ感が個人的にツボにハマった。先ほどのBiSとも交流の深いでんぱ組.inc”でんでんぱっしょん”は、でんぱヲタじゃない自分でもついつい「もがパイブヒ~」とか言いたくなっちゃうほど、でんぱ節全開の電波なヲタエネルギーにブッ飛んだ。MVも見応えある。で、その次のシングルとなる、かのヒャダインが書いた”W.W.D Ⅱ”NEXT-ももクロ宣言したでんぱ組は、今のアイドル界で最もブレイクに近い存在と言っていい。これまたBiS繋がりで、VampilliaAlcestの前座で観た以来だったけど、相対性理論を脱退した真部ちゃんがVampilliaに加入したと知って→「コラコラコラコラ~ッ!(`o´) 真部~!こんな所でナニやってだ~!」とか思いながら、この新曲”endless summer”を聴いた結果→「あれ?こんなポストブラック然とした曲書けるバンドだったんだ...」と妙に関心した。その真部ちゃん不在のまま作られた、やくしまるえつこ率いる相対性理論『TOWN AGE』は賛否両論あったが個人的には嫌いじゃなかったし、その中でも”キッズ・ノーリターン”は俺好みのPost-Progressiveでツボった。BiS【アイドル界のDIR EN GREY】だとするならば、本家DIR EN GREY”Unraveling”DT”The Enemy inside”は、完全にDjentと呼ばれるソレやっててツボった。それにしても、普段はジェントしてないバンドが突然ジェントっぽい事やるとなんでこんなに面白いんだろうな~って。エヴァの主題歌にもなったヒッキーの”桜流し”は、一応は去年の曲だけど今年よく聴いた。この曲はANATHEMA”Untouchable, Part 2”に通じる神々しさと展開力があるし、いわゆるATMS系バラードの傑作だと思う。洋楽で言うと、俺たち非リアのアイドルことローレンたそ率いるCHVRCHES”Gun”と、スウェーデンのPostiljonen”Supreme”は80s回帰系シンセポップ好きなら必聴だし、話題のバンドRhye”Open”はMV込みで俺たち非リアを殺りに来てた。その中でも、CHVRCHESとPostiljonenの新譜は年間BESTに入ってもおかしくない内容で、しかも今年のサマソニでチャーチズが初来日してたと今頃知って→「なぜオレはBiSとかいうファッキンビッチなんかにうつつを抜かしていたんだろう・・・」と後悔したほど。なお、来年の単独公演は名古屋飛ばし余裕な模様・・・ファッ。

【ビートたけしよ、これがネットの戦いだ】・・・全ては日本一のジョジョヲタを自称するオレをプッツンさせた瞬間から始まった。『ジョジョニウム』の一巻&二巻が届いた。の記事で→「ジョジョヲタよ、今こそ立ち上がる時だ!」と日本中のジョジョヲタガチ勢に号令をかけ、その呼びかけに共鳴し賛同して頂いた大手まとめブログに、当ブログの記事を拡散して頂いたわけなんだが、それもこれも全て僕の計画どおり・・・というのは冗談で、まぁ単純に晒されただけなんだけどw しかしこうなってくると、未だダンマリを決め込んでいる集英社は、そろそろナニカシラの声明を発表せざるを得ない状況に追い込まれたんじゃあないか?って。でも正直、ここまで事が大きくなるとは自分でも思ってなくて、はたして偶然か必然か、それとも運命か、こうやって日本一のジョジョヲタを自称している当ブログの記事が、大手まとめブログを巻き込んで広範囲に拡散されたとあらば、さすがに集英社もことの重大さを把握するだろうし、いずれ今回の件が間接的にでも飛呂彦の耳に伝わる可能性も出てきた、というわけ。だから、僕は来年以降のジョジョ関連作品については、さほど大きな心配はしていない。飛呂彦なら、それなりの対応を検討してくれるハズだからね。なんにせよ、来年の年始めくらいには集英社側からナニカシラの反応があると予測しているので、僕は依然首を長くしてお待ちしております。

【来年のWelcome To My ”俺の感性”】・・・今年も刹那的に音楽を聴いてきたつもりだったけど、なんかちょっと色々な意味でマンネリ感が出てきた気がする。気分転換にレビューの書き方を少し変えてみたりして、微妙ながらもモチベーションを取り戻しつつあるような、ないような。そんな中でも、The Ocean『能年玲奈』が書けたことはいい思い出に残っている。あの記事は、レビューの新たな可能性というか、レビューの幅を広げる一つの大きなヒントになったような気がする。けど、あんなクッソ気持ち悪い記事は二度と書けないだろうから、全く参考にならないw となると、来年も”いつもどおり”になりそうな予感がします。というか、Vertikal IIの最後に書いた嘘が誠となってしまったCoLが永久に冬眠するらしいので、どうせだから僕も一緒に冬眠しようと思います。今までありがとう。そしておやすみー!

            Welcome To My ”俺の感性” ~fin~

2013年度BESTアルバムトップ10(イェンス・ボグレン編)

10. In Vain 『Ænigma』
Ænigma
★ノルウェイの森/ICS Vortex系男子

9. Orphaned Land 『All Is One』
All Is One
★イスラエル/変幻ジーザス系男子

8. Haken 『The Mountain』
The Mountain
★UK/派遣切りされた系絶望プログレ

7. Extol 『S/T』
Extol
★ノルウェイの森/技巧派エクストリームメタル

6. 凛として時雨 『i'mperfect』
i'mperfect
★日本/TK is メタラー系男子

5. Soilwork 『The Living Infinite』
The Living Infinite
★スウェーデン/元嫁が怪談作家系メロデス

4. Ihsahn 『Das Seelenbrechen』
Das Seelenbrechen
★ノルウェイの森/精神崩壊系男子

3. Leprous 『Coal』
Coal
★ノルウェイの森/レ・ミゼラブル系ミュージカル

2. Dark Tranquillity 『Construct』
Construct
★スウェーデン/吉井和哉系メロデス

1. The Ocean 『Pelagial』
Pelagial
★ドイツ/あまちゃん系ポストメタル

Jens Bogren
Jens Bogren

【イェンス・ボグレンの年】・・・この言葉どおり、今年2013年は【イェンス・ボグレンの年】だったように思う。今年の初めに俺の界隈の裏方として彼を紹介したのが伏線()だったのか、今年ほどイェンス関連の作品が充実した年はないんじゃあないか?ってくらいで、特に上半期は【ボグボグの年】と呼ぶに相応しいリリースラッシュだった。いま振り返ってみると→3月にイェンスという名の電車に乗って完全復活を遂げたSoilworkの新作を皮切りに、4月にIn VainÆnigma、そして5月にはまさかの【The Ocean×Jens Bogren】が実現した能年玲奈。この記事については、今年の流行語大賞を受賞した”じぇじぇじぇ”でお馴染みの『あまちゃん』や話題のアニメネタを盛り込んだ、久々にクソ気持ち悪いレビューが書けたような気がするし、自分でも大変満足している。当然、今年リリースされたイェンス作品の中では文句なしのトップだ。で、6月にはDTがイェンス色に染まった吉井和哉、そしてイーサン叔父貴の舎弟のLeprousがレ・ミゼラブル化したレ・プラスの流れ。正直、まさかここまでDTとイェンスの相性が良いなんて思っても見なかったし、一方のレプラスは謎の貫禄すらあった。7月に入ると→セルフタイトルを掲げた復活作でイェンスを迎えたExtol、これまた予想どおりの相性の良さを見せつけたOrphaned LandAll Is One、そして今年一番のサプライズと言っていい、凛として時雨i'mperfectにはシブヤ系女子の如くファッ!?って驚かされたし、そして何よりもTKの審美眼に脱帽した。ここまでは、主に上半期を中心にイェンス関連の作品が続き、しかもその殆どが自身の最高傑作と呼べそうな作品ばかりで、少し大袈裟だが上半期が終わった時点で今年は【イェンス・ボグレンの年】だと確信したぐらい。下半期で一番のインパクトだったのは→来年に皇帝復活を目前に控えたイーサン叔父貴精神崩壊で、まるで叔父貴の本性を最後の最後に、赤裸々に見せつけるかのような内容だった。他にも、UKのHakenDTのフロントマンJames LaBrieオジちゃんのソロ作品もイェンス・ボグレンが手がけている。

【怒りのイェンス・ボグレン】・・・彼すなわち、今やメタル界隈のNo1,エンジニアとして世界中のバンドから引っ張りダコのイェンス兄さんといえば→スウェーデンの皇帝KATATONIAが昨年リリースした『死の王』でまさかの左遷にあい、近頃は絶賛激おこプンプン丸状態のイェンス兄さん、まるでその鬱憤を発散するかの如く、その怒りを音エネルギーに変えたお陰で、今年は良作を連発することができたのかも? さて、そんなイェンス兄さんだが、かの”ベビメタ大好きおじさん”ことメタリカの新作に、俺たちのイェンス兄さんが携わっているという一部の噂は本当なのか?恐らく、来年リリースされるであろう、今現在は何故か南極でライブを行っている”ベビメタ大好きおじさん”の新作を楽しみにして待ちたい。そして、果たして来年は【Jens Bogren×dt=DT】【Jens Bogren×The Ocean=能年玲奈】、そして【Jens Bogren×Ling tosite sigure=ファッ!?】を超える”引かれ合い”は生まれるのか?とにかく楽しみで仕方ない。個人的な思いを述べるなら→スウェーデンのIn Mourningはいつイェンスと一緒に仕事するの?今でしょ!

【さ~て、来年のイェンス・ボグレンさんは?】・・・例年とは少し違って、このように別枠を設けて年間BESTを決めなきゃならないほど、今年は素直にイェンスニーできる良作ばかりで、中でもランキングのトップ3までは本家?年間BESTにランクインしてもおかしくないレベルの傑作だった。その中でも、オーシャンの能年玲奈のレビューは、あらためて見ても自画自賛したいくらいのクッソ気持ち悪い傑作記事が書けたように思う。恐らく、アレを超えるレビューはもう二度と書けないだろうw そんなわけで、来年2014年も、今年以上に俺たちイェンス厨の耳を楽しませてくれることを願って、終わりの挨拶とさせていただきます。

Castevet 『Obsian』 レビュー

Artist Castevet
Castevet

Album 『Obsian』
Obsian

Tracklist
01. The Tower
02. Cavernous
03. The Curve
04. As Fathomed By Beggars And Victims
05. Obsian
06. The Seat Of Severance

【USBM】・・・いわゆるアメリカのブラックメタル、すなわちUSBMの代表格にKralliceというニューヨーク出身のバンドが存在する。彼らと同じNY出身の三人トリオ、その名もCastevetというバンドは、そのKralliceの言わば弟子にあたるバンドで、その音楽性としても→師匠のトレモロマスターことKrallice直伝の時として勇壮ですらあるトレモロ成分配合のデスラッシュなリフ回しを主体に、Trap Themなどのブラッケンド・ハードコアばりの泥んこにまみれた怒涛な勢い、フロントマンAndrew Hockによるヘドロを吐き捨てるような咆哮、そして何といっても”Progressive”に対する意識の高さ、その確かなセンスに裏打ちされたエクストリームメタルをウリとしている。

【ファッションブラック化】・・・2010年にリリースされたデビュー作の『Mounds of Ash』といえば→全編に渡ってトレモロがフューチャーされた、わりとブラックメタル色の濃ゆい作風で、それこそKralliceの後継者を名乗るに相応しい、文句のつけようがない内容だった。では、その前作から約3年ぶりの通算二作目で、驚くなかれ元KralliceのベーシストNicholas McMasterが加入した今作の『Obsian』はどうだろう? デビュー作ではProfound Lore然としたKrallice直系のアンダーグランドなヘヴィミュージック、そんな泥臭い土臭い匂いを醸し出していたが、今作の『Obsian』ではMastodonなどのメジャー界隈に属するプログレッシヴ・ヘヴィに歩み寄った、一言で言っちゃえば→まるでファッションサブカル系男子のアイドルことDeafheavenの名盤Sunbatherに続け続けと言わんばかりにファッションブラック化している。

【インテリ系ポストブラック】・・・幕開けを飾る#1こそ、持ち前のトレモロリフや変拍子を駆使した変幻自在かつ複雑怪奇なリフ回しに、初期MastodonやカナダのAnciientsを連想させる、まるで猛獣が獲物に襲いかかるようなキザミリフをエクストリームに交錯させた、それこそ”らしさ”に溢れたProgressive-Black的な曲だが、次の#2では終始焦燥感を煽るポスト・スラッシュ風のキザミリフでブルータルにゴリ押す曲かと思いきや、終盤からのインテリ気取りの”知性”を感じさせるアコースティックなパートに→「なんて、なんてファショナブルな野郎なんだ・・・ッ!!」と度肝を抜かれ、決して一筋縄ではいかない彼らのシャレオツなプログレイズムを目の当たりにした瞬間だった。

【オペにゃん】・・・#3はKrallice直伝の狂気的なトレモロリフをフューチャーしながら、プログレスなアプローチをもってブルータルに展開していき、後半からは初期のOpethを彷彿とさせるウニョウニョとウネるベースが、まるで宇宙空間のようなATMSフィールドを形成していく。その流れで再びオペにゃんの2ndを思わせるダーティなアコギを駆使した#4でも、後半から近年EnslavedMastodonの名盤Crack The Skyeを彷彿とさせる知的なプログレを聴かせる。この#2~#4までの流れは、まさにファッションブラックとしてのピークと言える。

【アガロッチさんリスペクト】・・・そして、このCastevetが今作で完全にポストブラック化したことを確信付ける、まるでUSポストブラック界の長ことAgallochさんリスペクトなATMS系インストの#5、からのJohn Haughm顔負けの幽玄なクリーンボーカルと繰り返される魅惑のメロディが、幻想と幽玄の間を彷徨い続けるような#6までの流れは今作のハイライトで、ここまで全6曲トータル約36分に凝縮された、一切のスキと無駄のない完成度を誇っている。

【意識高い系プログレ】・・・今作のポイントとしては→やっぱり#2~#4で聴けるような、オペにゃんやマストドン並みの”Progressive”に対する意識の高さで、基本はオドロオドロしく混沌としたアヴァンギャルド系エクストリーム・ミュージックでありながらも、ある種の”ポップ”なアクセントの効かせ方が絶妙に上手く、その絶妙な”ポップさ”と”聴きやすさ”に確かな知性と確かなファッションセンスを感じる。だから、自分みたいにトレモロマスターのKralliceはガチ過ぎてちょっと・・・っていう人に打ってつけだし、ガチのブラックメタルというよりは、特にOpethの2ndやMastodonそしてEnslavedらのメジャー界隈の大御所に親和性を見いだせるバンドなんで、その手の好きものは要チェックだと思う。と同時に、今年ではVauraと並んでピッチフォークが推奨する通称ピッチブラックの良作としてマストな一枚と言える。

Obsian
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