Artist GHOST

Album 『Impera』

Tracklist

Album 『Impera』

Tracklist
01. Imperium
02. Kaisarion
03. Spillways
05. Hunter’s Moon
06. Watcher In The Sky
07. Dominion
08. Twenties
09. Darkness At The Heart Of My Love
10. Griftwood
11. Bite Of Passage
12. Respite On The Spitalfields
パパ・エメリトゥス(コピア枢機卿)ことトビアス・フォージ主宰のGHOSTといえば、個人的にデビュー当初から不思議と刺さらなかったバンド、かつメタルシーンでそこまで持ち上げられるほどじゃないとも思ってたバンドで、しかし一転、その考えを改めざるを得なくなった出来事というか楽曲こそ、2018年作の4thアルバム『Prequelle』のリード曲である“Rats”に他ならなかった。
このマイケル・ジャクソンの名曲スリラーのMVをオマージュした、それこそ80年代初頭のMTV全盛期をリバイバルしたMVの魅力もさることながら、中でもその“黄金のキザミ”に急接近したリフメイクにブッたまげた。なんだろう、それこそMastodonが2009年に発表した歴史的名盤『Crack The Skye』における“黄金のキザミ”を、約10年の時を超えて80年代のクラシック/ハードロックに落とし込んだような、兎に角この瞬間彼らの過剰人気に懐疑的だった自分の評価がイロモノ枠のコミックバンドから、一転して中身と実力が知名度と注目度に追いついた正統なメタルバンドとして見方を改めた。例えるなら、奇抜なビジュアルや話題性先行のバンドに実力が伴った瞬間、そのバンドの事がめっちゃ好きになる謎の現象に近い(事実、初めてCD買った)。
前作の『Prequelle』においてGHOSTが成し遂げたのは、それこそまだお茶の間に大衆音楽としてHR/HMが認知されていた時代、つまりQUEENに代表されるハードロックがメインストリームのポップスとして嗜まれていた時代の“アリーナロック”の復権を目論む、要するに「ロックは死んだ」と囁かれ始めてからもう長い月日が過ぎたこの現代において、“サタニックムードメタル”という名の21世紀最後のアリーナロックを地獄の底から『ゴースト/ニューヨークの幻』として再び蘇らせている。
その音楽性は、同郷スウェーデンの重鎮Opethが60~70年代のブルース/クラシック・ロックに傾倒し始めた『Pale Communion』や『Sorceress』の共同プロデューサーであるトム・ダルゲティを迎えるという先輩に対するリスペクトのみならず、スウェーデン人のアイデンティティであるキング・オブ・ポップことABBAを想起させる70年代のMTV全盛のポップ・ミュージック風の歌メロを中心に、オルガンをフィーチャーしたフォーク/サイケロックや北欧メタル界のレジェンドEUROPEの世界的名曲ファイナル・カウントダウンをオマージュした哀愁漂うハードロック、そしてヴィンテージなサウンド・プロダクションまでも当時のサウンドを考慮した、まさに「21世紀のクイーン」と呼ぶに相応しい内容だった。
その音楽性は、同郷スウェーデンの重鎮Opethが60~70年代のブルース/クラシック・ロックに傾倒し始めた『Pale Communion』や『Sorceress』の共同プロデューサーであるトム・ダルゲティを迎えるという先輩に対するリスペクトのみならず、スウェーデン人のアイデンティティであるキング・オブ・ポップことABBAを想起させる70年代のMTV全盛のポップ・ミュージック風の歌メロを中心に、オルガンをフィーチャーしたフォーク/サイケロックや北欧メタル界のレジェンドEUROPEの世界的名曲ファイナル・カウントダウンをオマージュした哀愁漂うハードロック、そしてヴィンテージなサウンド・プロダクションまでも当時のサウンドを考慮した、まさに「21世紀のクイーン」と呼ぶに相応しい内容だった。
当時のHR/HM界における、ドラッグやグルーピー絡みのスキャンダルなゴシップとは少し毛色は違うものの、2017年にはパパ・エメリトゥスことトビアス・フォージが元バンドメンバーでありネームレス・グールズの4人から権利関係すなわちカネの問題で訴訟を起こされている。確かに、GHOSTの世界観として悪魔崇拝を謳っているのにも関わらず、コスチュームの“中の人”であるトビアス・フォージのカネにがめつい人間味のある“素顔”が世間様に晒されてしまう、その俗っぽい宗教指導者さながらのモキュメンタル感は、まさに現代インドで生まれた20世紀の瞑想指導者瞑想指導者でる“Osho”ことバグワンと重なる部分があって最高に面白い。例えるなら、萌え絵のVTuberが三次元的な俗っぽいスキャンダルで引退に追い込まれるみたいな。しかし、その手のゴシップやスキャンダラスな話題すらも(皮肉にも)GHOSTというバンドを司るゴシックホラー的な世界観の一部として、よりポピュラーなエンタテインメント性に変えてしまう魔力を秘めている。そのようなネタに尽きないのはMTV全盛の当時からアリーナ級のビッグバンドが背負う宿命であり、ある種の義務と言えるのかもしれない。
“パパ・エメリトゥス三世”改め“コピア枢機卿”改め現“パパ・エメリトゥス四世”こと主宰者トビアス・フォージのバグワンさながらの不思議な魔力は、世界中の人々を生贄という名の虜にするだけでなく、この極東の地においてもGHOSTの魔力が降りかかっている。例えば、2013年のコーチェラ出演を経て2014年には(2013年出演のVolbeatや2017年出演のRoyal Bloodに象徴される)クラシックなハードロックを受け継いだ現代的なハードロックバンドの系譜としてサマソニ出演を果たし、改めてサマソニ主催者でありクリマン清水社長の先見性に感服させられたのは今でも記憶に新しい。中でも、そのアンチクライストな世界観およびホラーテイスト溢れるライブ演出やビジュアルに関する魅せ方は感心するほどで、それこそベビメタ後期のダークサイドのアプローチはGHOSTに触発された可能性すらある。最近では、アメリカの名司会者ジミー・キンメル主宰の番組『Jimmy Kimmel Live!』にてライブパフォーマンスを披露したりと、そのMTV全盛に肉薄するGHOSTの魔力は現在進行系で世界中のお茶の間へと拡大している。
そんな前作におけるアリーナロック復権の流れを踏襲した、約4年ぶりとなる5thアルバム『Impera』という名のゴスオペラの開演SEを担う#1“Imperium”に次ぐ#2“Kaisarion”からして、「おっ、TNTのトニー・ハーネルリスペクトか?」とツッコミ不可避の、それこそまだお茶の間にHR/HM特有のピーキーなハイトーンボイスが不思議と受け入れられていた「時代の歌」を披露したかと思えば、前作に引き続きレジェンドEUROPEをオマージュした#3“Spillways”では、BON JOVIのジョン・ボン・ジョヴィ風のキャッチーなコーラスワークを中心とした、前作におけるアリーナロックのスタイルを著しくポップに発展させた古き良き北欧メタルは、さしずめ前作が「21世紀のクイーン」ならば本作は「21世紀のボンジョビ」とばかりにポップな商業ロックあるいはメロハーすなわちAORとして耳馴染みよく聴かせる。
正直、ここまでリフらしいリフって久々に聴いたかもしれないくらい、いわゆるHR/HMがHR/HMたらんとする「リフ」がしっかりと「リフ」してる作品、それこそ前作の“Rats”で発現した低域をジュクジュク刻んでくる“黄金のキザミ”に関しても、キザミの質量はもとよりバリエーションも増やしている印象で、中でもトラディショナルなドゥームメタルのリフを擁する#5“Hunter’s Moon”、タイトなキザミ志向の#6“Watcher In The Sky”、SEの#7を挟んでホラー映画のサントラさながらのオーケストラやクワイアが織りなす壮大なゴシックオペラの真髄を発揮する#8“Twenties”や往年のメタルバラード風の#9“Darkness At The Heart Of My Love”など、前作のMTV全盛路線を更に推し進めたポップでキャッチーな、そしてメタリカやEUROPEに代表されるメタルレジェンドのオマージュや北欧メタルへの郷土愛をエンタテインメントとして昇華した21世紀最後のアリーナロックは、“中の人”であるトビアス・フォージの俗っぽさ含めて楽しさに溢れている。ちなみに、本作にはOpethのフレドリック・オーケソンが参加。
















