Artist Vein
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Compilation 『Old Data In A New Machine Vol. 1』
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Tracklist
01. 20 Seconds : 20 Hours
02. Ripple+
03. Heretic+
04. TR+
05. Broken Glass [Nightstalker mix]
06. Paincanbetrusted [Rough mix]
07. virus://vibrance [3 Wheel mix]
08. Doomtech [Crooked Jaw mix]
09. Old Data In A Dead Machine [Demo 2016]
10. Quitting Infinity [Demo 2016]
11. Untitled [Demo 2016]

『新しいマシンの古いデータ』という謎の日本語タイトルからも察せるように、2018年に1stアルバム『errorzone』を発表するや否や新世代メタルの最右翼として名乗りをあげたボストン出身の5人組=Veinの新作は、いかにして彼らが「普通のハードコア」とは一線を画す特異な存在なのかを示す一枚となっている。

昨年に日本の某ラウドロックバンドの前座かなんかでシレッと初来日を果たしたとかしてないとか?なんだか変な界隈に利用されちゃってて、なんかちょっと勘弁してほしい感じのVeinさんなんですが、(その来日の思い出補正もあってか)わざわざ日本語で「新しいマシンの古いデータ(olddetainanewmachine)」と謳っているという事は、本作品は完全新作というよりは単刀直入に要約すると過去の音源に新しい要素を加えたリミックス/コンピレーション作品となっている。

『errorzone』“Untitled”をアコースティックに再構築した、それこそ「普通のハードコア」とは真逆の全編クリーンボーカルで展開する、Deftonesは元よりDeftonesフォロワーの新世代UKメタルのLoathe、あるいは在りし日のリンキンばりにダークアーバンなエモエモの#1“20 Seconds : 20 Hours”を皮切りに、#2から#4は「+」とあるように2015年作のEP『Terrors Realm』の楽曲に今っぽく手を加えたVeinらしいヘヴィなハードコアが続く。そして、本作品のメインディッシュパートであり、いかにしてVeinが「ただのハードコア」とは一線を画したexperimental=実験的なバンドなのか?それを証明するのが#5から#8まで続くリミックス音源である。

このリミックス音源がまた秀逸で、インダストリアル〜ブレイクビーツ風のパリピったビートを刻む音を聴いて妙に既視感あるなと思ったら、それこそニューヨークの独りデジタルハードコアことMachine GirlCode Orangeなどの新世代ハードコアラインに直に繋がる案件で、そして楽曲以外で彼らに共通するのはどちらも謎の日本語の使い手であるということ。まぁ、それは冗談として、元々バンドが持っているボストン生まれらしいアーバンでドライな雰囲気がブレイクビーツ風のリミックスによって、俄然チャッキーやフレディ顔負けの猟奇的ホラー映画のサントラ感に拍車をかけている。

オマケ扱いにしておくには勿体ない後半のデモ音源は、デモ音源らしくいい意味で粗悪なノイズ混じりの音質が生々しく映える粗暴なハードコアで、このデモ音源からは彼らの出自がアンダーグランドのハードコアにある事が理解できる。むしろ逆に、デモ音源のが良いと感じる人も少なくないであろう事が容易に想像できる“未完成品”ならではの魅力に満ちている(そこはかとなくInfant Island感も)。それこそ“Untitled”を美しいアコギで再構築した一曲目と最後を飾るデモ版のギャップこそVeinの真骨頂と言えるのかも。このようにアンダーグラウンドのハードコアからデブ豚リンキンに代表されるメインストリームのヘヴィロックに至るまで、改めて彼らが「普通のハードコア」ではないオルタナティブな才能の持ち主である事を再認識させる。そして自ずと次のフルアルバムにも期待がかかる。