Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

ロードランナー

Turnstile - Glow On

Artist Turnstile
A-2921052-1626849297-1577

Album 『Glow On』
R-20021935-1630128644-4595

Tracklist
01. Mystery
03. Don't Play
04. Underwater Boi
05. Holiday
06. Humanoid / Shake It Up
07. Endless
08. Fly Again
09. Alien Love Call
10. Wild Wrld
11. Dance-Off
12. New Heart Design
14. No Surprise
15. Lonely Dezires

ロードランナーの秘蔵っ子ことメリーランドはボルチモア出身の5人組、Turnstileが昨年リリースした3thアルバム『Glow On』がめちゃんこヤバい。ハードコア/パンクを根っこのルーツに持ちながらも、ソリッドでエッジーなリフを中心に、カウベルやクラップ、ハイハットやパーカッションの細部にまで“こだわり”を感じさせるユーモラスなアレンジ、その「ユニークでありながらキャッチーでエッジーなオルタナティブ・ロック」って、それこそ「10年前の自分が好んでよく聴いていた奴じゃん」と少しノスタルジックな気持ちにさせる、爽快感溢れるメロディック・ハード(コア)ロック・サウンドを展開している件について。

まるで相対性理論ばりにメルヘンチックなシンセが鳴り響くイントロから、それこそ『宇宙人ポール』みたいなコメディ&SF映画を彷彿とさせる、例えるなら宇宙人転生系のラノベで可愛い宇宙人が空から舞い降りてくるシーンの効果音みたいな雰囲気で始まる#1“Mystery”からして、ドライブ感溢れるエネルギッシュかつハードロック的なリフや過去作には見受けられなかったギターソロが織りなすオルタナティブなポスト・ハードコア然とした、少なからずオールドスクール寄りだった過去作とは一線を画すような曲となっている。

1stアルバム『Nonstop Feeling』の系譜にあるハードコアならではの強靭なリフとヘヴィなブレイクダウンを交えながらダイナミックに展開する、ハイハットやパーカッションをはじめカウベルみたいなユニークなアレンジが光る#2“Blackout”、クラップやパーカッションを交えたポップなピアノの旋律と身体を突き動かすパンクビートを刻むエッジーで破天荒なリフが織りなすテンションアゲアゲなロックンロールの#3“Don't Play”、メンフィスのSSWジュリアン・ベイカーをコーラスに迎えた、90年代のオルタナを象徴するシューゲイザー/ドリーム・ポップの影響下にあるリヴァーブを効かせた曲で、ほのかにジュンスカ味というかAOR的なノスタルジーを漂わせる#4“Underwater Boi”、冒頭のド直球のパンクスからの転調パートが鬼カッコいい#6“Humanoid / Shake It Up”、UKのSSWブラッド・オレンジがコーラスで参加した#7“Endless”、デンマークのVolbeatばりにダークでメタリックなリフやメタル然としたソロワークまでもメタルメタルしてる#8“Fly Again”、再びブラッド・オレンジをスポークン・ワードとしてフィーチャリングした曲で、そして再び『宇宙人ポール』とのアブダクションを試みるかのような90年代のUKドリーム・ポップ然とした#9“Alien Love Call”、クラップに釣られてついついジャンピングモッシュしたくなる#10“Wild Wrld”、90年代から一転して今度は80年代のニューロマンティック/ポストパンク的なヘアメイクを施した#12“New Heart Design”、出自の根っこにあるハードコア・パンクに直結したサウンドとヒップホップ的なアウトロのギャップがセンスしかない#13“T.L.C.”、三度ブラッド・オレンジをメインボーカルに添えた#15“Lonely Dezires”まで、まるでおとぎ話のようなポップネスとハード(コア)の絶妙なバランス、メタル耳からしても魅力しかないエッジを効かせたリズミカルなリフの数々とエゲツないオルタナティブなアレンジセンス、そして素直に聴いてて楽しい爽快感溢れるロックンロールのキャッチーさを兼ね備えた名盤ここにあり。

それもそのはず、前作の『Time & Space』は界隈の重鎮ウィル・イップがプロデュースを担当、そして今をときめくアーサー・リザークがレコーディングに携わったド直球のハードコア/パンク作品だったのに対し、本作の『Glow On』ではエミネムやアヴリルの作品でもお馴染みのプロデューサーことマイク・エリゾンドを迎えた影響か、コアとなる音のベースはそのままに、オルタナ化およびメタル化が著しく進行した、すなわちオルタナティブ・ヘヴィとしての素質が開花した(ゲストのジュリアン・ベイカーやブラッド・オレンジの存在も含めて)メジャー感マシマシの大衆性に富んだロックンロールとして大化けしている。2021年の鬼マストアイテム。

Dana Dentata - Pantychrist

Artist Dana Dentata
https___bae.hypebeast.com_files_2020_10_dana-dentata-hero-mobile

Album 『Pantychrist』
57871153_500_500

Tracklist
01. Birth
02. pantychrist
03. Church Hooker
04. Spit
05. I Know What You Did Last Summer
06. Flesh Prison
07. Happy Family
08. Manic Monday
09. Free
10. Like a Preyer
11. I.U.D
12. Apology
13. Dstock '99

いわゆるトラップ・メタルと呼ばれる新興ジャンルって、主に白人のGhosteManeや黒人のZillaKamiに代表される野郎のラッパーだけにとどまらず、この度は大手レーベルのロードランナーに見出された、カナダはトロント出身のフィメールラッパーDana Dentataの1stアルバム『Pantychrist』は、ダークエレクトロ~インダストリアル/ノイズな無機的な打ち込みをフィーチャーしたヒップホップを基調としながら、ハードコア/パンクをバックグラウンドに持つDentataのシャウトをはじめ、トラッピーなビートやヘヴィなギターなどのトラップ・メタル然としたアプローチは、さしずめ“闇堕ちしたPoppy”とでも言うのだろうか、Poppyがメルヘンチックなkawaiicoreなら、Dentataはさしずめ不気味でホラーなkowaiicoreといったところか。


それもそのはず、本作のプロデュースにはレーベルメイトのUnto OthersGhosteManeの作品にも携わっている気鋭のエンジニア=アーサー・リザークをはじめ、ex-Whirrの二代目ボーカリストで知られるクリスティーナ擁するサンフランシスコ産ポストメタルバンドのKing Womanを迎えている点からも色々と察しがつくし、この屈強な制作陣がバックにいる時点で半ば成功が約束されているというか、それこそUnto Othersに代表される若手メタルバンドの発掘のみならず、この手の第二のPoppyじゃないけど女トラップメタルにも触手を伸ばし始めるとか、とにかく今年のロードランナーの攻めた動きの面白さを象徴する作品の一つです。

Unto Others - Strength

Artist Unto Others
A-9659017-1626179506-8042.jpeg

Album 『Strength』
CS846337-01A-BIG

Tracklist
01. Heroin
04. No Children Laughing Now
05. Destiny
06. Little Bird
07. Why
08. Just A Matter Of Time
09. Hell Is For Children [Pat Benatar cover]
10. Summer Lightning
11. Instinct
12. Strength

オレゴンはポートランド出身のゴシック・ロックバンド、Idle Handsが大手メジャーレーベルのロードランナーに引き抜かれたのを境に、Unto Othersと改名して発表された本作の2ndアルバム『Strength』は、80年代に一世を風靡したニューウェイブ/ポスト・パンクの系譜にあるゴシック・ロック然としたビートを刻む若手バンドで、そのサウンドも流石に大手メジャーレーベルに引き抜かれるだけあって、いわゆる“ゴシック”から連想されるダークなイメージというよりは、現代のアリーナロックを代表するモンスターバンドことVolbeatにも通ずる、いわゆるMTV世代ならガッツポーズ不可避の古き良きヘヴィメタル/ハードロックを展開している。


MVの映像やメンバーの衣装を筆頭に、バンドの中心人物であるガブリエル・フランコによるフェルナンド(Moonspell)顔負けの雄々しくもダンディな咆哮、80年代のヘビメタを象徴するツインギターの叙情的なソロワークやツインリード、80年代のニューロマンティックな綺羅びやかなシンセ、そして80年代仕込みのサウンド・プロダクションまでも、とにかく楽曲的な面でもビジュアル的な面でも一貫してHR/HM全盛の80sスタイルを現代にリバイバルさせているバンドで、それらの何から何まで80年代愛に溢れすぎている意図してダサい要素以上に、彼らの80年代愛をより強固なものとするその最たる部分こそ、80年代に名を馳せた女性ハードロッカーの原点であるレジェンド=パット・ベネターのカバー曲(#8)の存在に他ならない。

もっとも面白いのは、アメリカのバンドなのに往年のゴシック・ロック然とした哀愁と官能に満ちたメランコリックなリフレイン/メロディを大胆に聴かせるそのギャップをはじめ、そして何より本作のプロデュース/エンジニアとしてGhosteManePower Trip、そしてCode Orangeなどの各シーンの“顔”となるバンドの作品に数多く関わっているアーサー・リザークを迎えている点からも、いかに彼らがロードランナーに激推しされているバンドなのかがわかるし(現に前作比で楽曲の強度が歴然の差)、そしていかに「ポスト・ヴォルビート」の座に向けて育てていくか、否が応でも今後も注目せざるを得ない期待の大型新人バンドと言える。

しっかし、これまでロードランナーの“ゴシック”を背負ってきたレジェンド=Type O Negativeの後継者としてIdle Handsを指名するとか・・・さすがRR、目の付け所が違うなって。少なくとも、未来のシン・ゴシックシーンを牽引すること請け合いのバンドです。また、本作は毛艶が黒光りしたGⅠ級のダークホース的なジャケがカッコ良すぎるのも含めて、とにかくMoonspellの名盤『Extinct』が好きな人やライト版Tribulationとしてオススメしたい、間違いなく今年のダークホースアルバムとなる一枚です。
記事検索
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 累計: