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墓っ地・ざ・ろっく!

マグヌス・リンドバーグ

Gospel - The Loser

Artist Gospel
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Album 『The Loser』
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Tracklist
01. Bravo
02. Deerghost
03. Hhyper
04. S.R.O.
05. Tango
06. White Spaces
07. Metallic Olives
08. Warm Bed

2005年のデビュー作『The Moon Is A Dead World』から約17年の時を経て奇跡の復活を遂げた、ニューヨークはブルックリン出身の4人組、Gospelの2ndアルバム『The Loser』は、前作同様にプロデュース/エンジニアとしてレコーディングに参加しているConvergeのカート・バロウ監修のエモ/スクリーモを経由したハードコアパンクと、初期のMastodonTOOLに代表される現代プログレにも精通する、60から70年代にかけての古き良きプログレッシブ・ロックのクラシックなヴィンテージ・サウンドがエクストリーム合体した「ありそうでなかった」その斬新なポスト・ハードコアは不変で、今なおハードコアシーンの中心を担うカート・バロウのみならず、マスタリングエンジニアとしてCult of Lunaのマグヌス・リンドバーグを迎えた最強の布陣で制作に臨まれた今作は、まさに向かうところ敵なしの一枚となっている。

開口一番に「プログレの音」を象徴するシンセが盛大に鳴り響く冒頭の#1“Bravo”からして、カオティックなマシズモを押し出した前作と比較しても今作はハードコア/エモバイオレンスな世界観に乏しく、俄然クラシックロックとしてのプログレやストーナーロック寄りの音作り、その傾向が強いハードロック的な作風なのも確かで、中でも#3“Hhyper”におけるスペースロック的なサウンドメイクを皮切りに、その「プログレの音」が集約されたような#4“S.R.O.”における、主に左側から聴こえてくるYESGenesis顔負けのシンセやオルガンのレトロな音色がたゆたう、往年のプログレならではの神々しくも崇高な世界観を超越する激情ハードコアは同郷のLiturgyを彷彿とさせ、続く#5“Tango”における“プログレおじさん”ことスティーヴン・ウィルソンもビックリの古き良きプログレならではのレトロなプロダクションまで、そのブルックリン出身らしい荘厳なアート気質に溢れた実験的なアプローチは、今年のハードコアシーンを象徴するフィラデルフィアのSoul Gloに迫る異質な才能を伺わせる。

引き続き本作においても、(17年前ほどキレッキレでないにしろ)TOOLのダニー・ケアリーに肉薄するドラマーの異次元なバカテクパフォーマンス/スキルを屋台骨に、そのプログレとハードコアを縦横無尽に駆け巡るテクニカルなインストゥルメンタルは聴き応えたっぷりで、しかしプロダクションに関しては前作の方が生感があった気がしないでもない。なので俄然、感覚的にはMastodonTOOLというよりも近年のPallbearerElderと同じ文脈で語るべき存在なのかもしれない。ちなみに、本作はバージニアのInfant IslandBoris明日の叙景Heaven In Her Armsなどの国内バンドにもゆかりあるイギリスのインディーズレーベルからリリースされているのもポイント高しくん。

DVNE 『Etemen Ænka』

Artist DVNE
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Album 『Etemen Ænka』
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Tracklist
01. Enûma Eliš
02. Towers
03. Court Of The Matriarch
04. Weighing Of The Heart
06. Adræden
08. Mleccha
09. Asphodel
10. Satuya

20年代に入り、メタルシーンにも続々と新世代の波風が押し寄せている。このUKはエディンバラ出身の5人組、DVNEの2ndアルバム『Etemen Ænka』は、ポストメタル界のレジェンド=Isisを長とする、アメリカのポストメタル王=Mastodon、スウェーデンのポストメタル王=Cult Of Luna、ドイツのポストメタル王=The Ocean、日本のポストメタル王=envy、それら各国を代表するポストメタル界の偉大な先人達が紡いできたポストメタルというヘヴィ・ミュージックの進化論、そのネクストステージの幕開けを告げるかのような、まさに20年代を代表する新世代ポストメタルを繰り広げている。


その音楽性としては、古き良き大英帝国産プログレッシブ・ロックをルーツとするキーボードを駆使したスペース/ネオ・サイケデリックな叙情性と、ポストメタル界の偉人からの色濃い影響下にあるスラッジ/ポストメタリックなヘヴィネスから放たれるダイナミズムがハイコンテクストする“新世代ハイブリッド・メタル”で、そんな彼らを象徴する名曲であり、まるでスウェーデン王であるCult Of Lunaの6thアルバム『Vertikal』の超大作“Vicarious Redemption”に対する新世代からの回答とばかりの#2“Towers”は、まるで初期Mastodonのトロイ・サンダース直伝の獣性むき出しの咆哮とCoL直伝のスラッジーなヘヴィネスが融合したビーストモードを発動しながら、宇宙空間のワームホールの入り口が開かれるようなキーボード、まるで“ポストメタル界のInsomnium”を襲名するかのようなエピックな単音リフは同フィンランドの今はなきGhost Brigadeを彷彿とさせ、中盤の転調以降はプログレ〜ポストメタルラインの王道をブチ抜くかのようなリフに次ぐリフの波状攻撃で畳みかけ、そして終盤のクライマックスでは初期のドゥーム・メタルからモダンなプログレへと進化した後期ana_thema顔負けのリリカルでエピックなキーボードを擁しながら、メタル然としたスケール感溢れるドラマティックな展開へと収束していく。

この「ザ・転調」を駆使したプログレッシブでエピックな楽曲構成は、例えるなら「ポストメタル化したElder」あるいは「ポストメタル化したANATHEMA」と言えば存外シックリくるかもしれない。また、いかにもUK産ポストハードコア然とした少しハスキーな歌声と、SF然とした宇宙空間系のスペーシーなキーボードや耽美的なアンビエントなどのモダンなアプローチは、いかにDVNEが現代的なバンドであるかを示唆すると同時に、新世代UKメタルのLoatheTesseracTをはじめとするDjent勢やUK開催のArcTanGent Festivalに出演しているようなポスト系のバンドとも共振する近未来志向のインストゥルメンタルを展開する、そんな一面も兼ね備えている。

何を隠そう、本作のマスタリングにはレーベルメイト(Metal Blade)でもお馴染みのCult Of Lunaマグヌス・リンドバーグが担当している時点でもう勝確なんですが、そのように明確にポストメタルからの影響を包み隠さないポストメタル然としたスタイルでありながらも、そこはやはりUK出身だけあって、随所にプログレッシブ・ロックのルーツやウェットでエモーショナルなメロディをふんだんに盛り込んできている点は、彼らなりのオリジナリティとして活かされいる。中でも、女性ボーカルを駆使したフェミニンで内省的な雰囲気は、それこそ現代プログレ界の王であるスティーヴン・ウィルソンを想起させなくもない。特にアルバム後半の女性ボーカルを起用した#9“Asphodel”から、アルバムのラストを飾る曲でThe Oceanリスペクトが過ぎる大作の#10“Satuya”までの組曲的な流れは、彼らの非凡な才能を体現している。
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