Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

デンマーク

MØL - Diorama

Artist MØL
0025612212_10

Album 『Diorama』
a0019074500_16

Tracklist
01. Fraktur
03. Serf
05. Redacted
06. Itinerari
07. Tvesind
08. Diorama

UKを代表する気鋭のインディーズレーベル、Holy Loar Recordsの創始者であるアレックス・フィッツパトリックがやらかした結果、レーベルに所属する気鋭の才能を持つ数多くのバンドが路頭に迷う事となったわけなんだけど、このデンマーク出身の新世代メタルバンドであるMØLもHoly Loarを背負って立つ有望株だったのは確かで、しかし奇遇にも悲運に見舞われたこのタイミングで(代表が新レーベルのAtomic Fireを立ち上げた)業界最大手のNuclear Blastに引き抜かれたのは何の因果か。しかし、本作を聴き終えた今思えば、結果的に新作をリリースするタイミングで半ば不可抗力的に引き抜かれたのは彼らにとって非常に幸運であり好都合な出来事だったのかもしれない。

そんな、フィッツパトリックに見出され鳴り物入りでHoly Loar Recordsからリリースされた1stアルバムJORDから約3年ぶりとなる2ndアルバム『Diorama』は、ヘヴィミュージック界を代表する重鎮テッド・ジェンセンをエンジニアに迎え、その楽曲自体も元レーベルおよびフィッツパトリックの趣味嗜好であるAlcestDeafheavenの影響下にあるブラックゲイズ~ポストメタル、あるいは新世代メタル界のホープとしての“らしさ”を前作から正統に引き継ぎつつも、まるでフィッツパトリックから喧嘩を吹っかけられたBFMVの新譜BFMVに加勢するかの如し、それこそフィッツパトリックへの手向けとしてMØLなりの「ご愁傷様」のお気持ちが込められた、心機一転そんな著しく洗練されたメジャー感を打ち出したエクストリーミーなサウンド、そのワンランク上の強度の高さからは確かな正当進化を伺わせる。


『ジオラマ』を冠する本作の幕開けを飾る#1“Fraktur”からして、Alcest『Kodama』Esben and the Witchを連想させるUKオルタナ気質に溢れた幻想的なオープニングから、Deafheavenのジョージ・クラークリスペクトな金切り声を皮切りに、バンドの出自がホーリーシーもといホーリーロアーであることを裏付けるようなカチコミ不可避の超絶エピックな洗練されたメロディ、そしてアウトロの音響意識までもDFHVNの正統後継者を襲名すれば、DFHVN『シン・バミューダ』の影響下にあるブラストビート全開のブラゲを軸としつつイーサリアルなクリーンパートを織り込んだ#2“Photophobic”および#3“Serf”、皮肉にもレーベルメイトとなったDark Tranquillityのミカエル・スタンネもビックリの、ヒマワリ畑が目の前一面に広がる超絶エピックなリフレインを響かせる#4“Vestige”、DFHVN普通の堕落した人間の愛における“Worthless Animal”から一部引用した#5“Redacted”、さしずめ“サンフランシスコ・ネイティブ”ならぬ“スカンディナヴィア・ネイティブ”として覚醒した北欧ならではの叙情的なメロディセンスを垣間見せる#6“Itinerari”および#7“Tvesind”、そして女性ボーカルをフィーチャーしたドラマティックなポストロックを展開する表題曲の#8“Diorama”は本作のハイライトで、改めてDFHVNが今年リリースしたInfinite Graniteにおいて脱メタルしたこのタイミングで、その大きな穴を埋めるようにフォロワーのMØLDFHVN化の著しい作品を発表するという神展開。とにかく、前作比で著しく上下の奥行きと立体感を増した楽曲面での内的要因と不可抗力(ホーリーシー)による外的要因、その全てにおいてタイミングの良さとバンドの「運」も含め極めて高い完成度を誇る、そして「やっぱりニュークリアブラストがナンバーワン!」と唸ること請け合いの1枚。

Volbeat 『Rewind, Replay, Rebound』

Artist Volbeat
CA0W0438

Album 『Rewind, Replay, Rebound』
91wHyUr-53L._SL1500_

Tracklist
02. Pelvis On Fire
03. Rewind The Exit
04. Die To Live
05. When We Were Kids
06. Sorry Sack Of Bones
07. Cloud 9
09. Maybe I Believe
10. Parasite
12. The Awakening Of Bonnie Parker
13. The Everlasting
14. 7:24

いま思い返してみても、今や北欧デンマーク1のモンスターバンドにまで成り上がったVolbeatと、もう一生来日する可能性がないメタリカとかいう今まさに全盛期を迎えているガチモンのレジェンドの共演が2013年のサマソニで実現した事は“奇跡”としか思えなくて(出演順に対して「なんでVolbeatがPerfumeよりも格下なんだよ!」ってジェイミー・ジャスタばりのクレーム不可避)、そんなSlipknotの新作に伴う『KNOTFEST Roadshow』GojiraBehemothと共に北米ツアーを回ってるVolbeatといえば・・・なんだろう、「もうそのレベルのバンド」ってこと以外に説明はいらないですね。

2005年にデビュー作となる『The Strength/The Sound/The Songs』を発表するや否や、そのエルヴィス・プレスリー顔負けのロカビリーな要素とメタルやパンク、そして“北欧のジェイムズ・ヘットフィールド”ことフロントマン=マイケル・ポールセンメタリカ愛が融合した音楽性が話題を呼び、2013年に元アンスラックスのギタリスト=ロブ・カッジアーノが加入した事で知名度的にも本格化した彼らは、今や名実ともに北欧を代表するメガモンスター級のバンドとしてその存在を誇示している。しかし改めて、この手の海外で一世を風靡している旬のメタルバンドをサマソニに呼んじゃうクリマン清水の先見の明と懐の広さは尊敬に値するし、そのVolbeatの系譜に続くアリーナ級あるいはスタジアム級のメタルバンドが同じ北欧(スウェーデン)出身のGhostである事は、その翌年のサマソニ2014が証明している。

初期の頃からこのバンドを追ってきた自分からしても、前作の6thアルバム『Seal the Deal & Let's Boogie』は自分の中で歴代最高に反応しづらいアルバムで、なんだろう単純に持ち前のフックに欠けるというか、確かにいつも通りのVolbeat節全開ではあるのだけど、当時の自分には全く入ってこなかったというか、珍しく聴き終えた後に何も残らなかった。その前作から約3年ぶりとなる7thアルバム『Rewind, Replay, Rebound』は、表題曲と見せかけたリード曲の#3“Rewind The Exit”のメタルでもハードロックでもないクリーンなギターのリフレインとマイケル・ポールセンの歴代最高にキャッチーな歌メロからもわかるように、今作を語る上で欠かせないキーワードが“ポップさ”だ。その“ポップさ”と並んで、その“ポップさ”すなわち大衆性に拍車をかける新要素としてあるのがゴスペルのクワイアで、それに関連する今作のクレジットに気になる名前を発見した。それというのは、そのゴスペル・クワイアのアシスタント・エンジニアとして“Kenta Yonesaka”なる日本人らしき人物の名前がクレジットされてて、調べた所どうやら“米坂健太”というガチのマジに札幌市出身ニューヨーク在住の日本人エンジニアらしく、しかもファレルケンドリック・ラマーの作品にも携わっている立派な経歴の持ち主ってんだから驚いた。


今回、そんな日本人エンジニアがニューヨークのスタジオで手がけたハーレム・ゴスペル・クワイアや女性コーラスを多用した、よりスケール感マシマシな、それこそ“When We Were Kids”を巻き込んだより幅広い年齢層にアリーナ級いやスタジアム級のシンガロングを要求するかのような、より大衆性に富んだ耳障りのいいポップなアレンジが施されている。それを象徴するかのように、今作の幕開けを飾る#1“Last Day Under The Sun”からゴスペルのクワイアを駆使したもはやメロハー感覚で聴けちゃうキャッチーな曲で、2ndアルバム『Rock The Rebel/Metal The Devil』“Sad Man's Tongue”のセルフオマージュとも取れるベテランの余裕と“らしさ”に溢れたロカビリーメタルの#2“Pelvis On Fire”Neil Fallonをゲストに迎えたエルトン・ジョンばりのピアノとサックスの音色がロカビリーダンスのステップやツイストを軽快に刻みながら愉快に踊るファンキーな#4“Die To Live”、女性コーラスをフィーチャーした北欧らしい哀愁に満ちた#7“Cloud 9”、エクソダス/スレイヤーのギタリスト=ゲイリー・ホルトをギターソロにフィーチャーした#8“Cheapside Sloggers”、俳優マッツ・ミケルセン“デンマーク1の色男”の称号を争っているマイケル・ポールセンの男気溢れるダンディでセクシャルな歌声が冴え渡る極上の哀愁バラードの#9“Maybe I Believe”、もはや“Volbeatはメロコア”な約37秒の#10“Parasite”と#11“Leviathan”、カントリー調の#12“The Awakening Of Bonnie Parker”、ここにきてようやく「そうだ、このバンドって元アンスラのギタリストいたんだw」って思い出すクリエイターばりにスラッシュ要素マシマシの#13“The Everlasting”、最後も今作を象徴する“ポップさ”を押し出したキレイ目な#14“7:24”まで、そんな今作のハイライトは“ソリサコボン”こと#6“Sorry Sack Of Bones”で、まるで“パンク”をアイデンティティの一つとする彼らの“ポップなパンク”としての回答=ポストパンクとばかり、そのニューウェーブ/ポストパンクならではのナルシスティックな焦燥感を乗せた楽器隊のアレンジからゴシックでダークな世界観からナニからナニまで、まるで彼らの“パンク”な側面が80年代を介して表面化したような今作一のキラーチューン。また幽玄でダーティな間奏もシンプルにエキサイティングだし、なんかこのニューウェーブ×ヘヴィな感じはMoonspellの名盤『Extinct』を思い出して俄然推せる。なんだろう、某井之頭五郎みたいにこういうのでいいんだよ、こういうのでって、このアルバム聴きながら何度思ったことか。それこそ自分と同じく前作イマイチに感じた人にこそ聴いてほしい。もはや「Volbeat is Back...」感しかない一枚。

改めて、今作は過去最高にポップでキャッチーなアルバム、それすなわち過去最高に“ヘヴィじゃない”アルバムでもある。でも元々、Volbeatってロカビリーの影響下にある程よく大衆的なポップさとソリッドなメタル要素を融合させた音楽性が売りのバンドだし、その北欧らしい哀愁を絡めたポップでキャッチーな部分とメタリックでハードなゴリゴリの部分、これまではほぼ同化していたその二面性がより断片的に強調されたのが今作で(特に#5,#6,#8など)、確かに初期の頃のAnubis Gate=プロデューサーのヤコブ・ハンセン譲りの無骨で肉厚なヘヴィネスは見る影もなく、しかもそのハードな部分もヘヴィロック的なノリあって、それ故に俄然アメリカのポップパンクやメロコア的なノリで聴けちゃう面もあって、確かにロブが加入して以降のVolbeat“アメリカ資本のバンド”と皮肉もとい断言しても差し支えないバンドだし、そういった意味では只今絶賛ノットフェスで“怪物と一緒にツアー回ってるバンド感”は否めない。けど、逆に言えばスリッペゴジラなどのギガモンスター級のバンドと一緒にツアー回ってる真っ只中にリリースするアルバムとしては、(それこそキッズをはじめ幅広い年齢層へのアプローチ)これ以上ないほど“狙い通り”のアルバムと言えるし、今作を“ポップ”だなんだと煽る前にまずそういった所で“説得力”に溢れた作品なんだよね。

前作に引き続き、お馴染みのジョー・バレシがミックスを、マスタリングにはSterling Soundボブ・ラドウィックというTOOLスリッペの新作と全く同じエンジニアコンビってのは流石にちょっと面白いし、当然そこには“アメリカ資本のバンド”たる所以がある(言うて本作とTOOLスリッペの新譜のプロダクションに共通点を見出すことは自分には不可能だったけどw)。ちなみに、ボブ・ラドウィックYMOのリマスタリングを手がけるほど世界的も世界的なグラミー賞ノミネート系エンジニアで、度重なるように言うけど、今のVolbeatの立ち位置って“ソコ”なんですね。しかし、このメガエンジニア級のメンツと並んでクレジットされてる米坂健太とかいう日本人isナニモノって話で、でも“いいアルバム”に日本人エンジニアが関わっているのは素直に嬉しいね。

・・・いや、でも来年日本で開催される『ノットフェスジャパン』で再来日あるぞこれ。そもそも初期からこのバンド追ってる、初来日となった2013年のサマソニで間近でマイケルの裸体もといパフォーマンスを観てる“日本のメタルメディア界のキング”俺ィが言うんだからほぼ間違いないです。あと海外レーベルはこれまでと同じユニバーサルからだけど(たぶん)、本作の日本盤だけは何故かソニー・ミュージックから出てる謎もあって、そこも逆にファッキソソニー案件的に推せるというか、むしろ逆にこれだけ再来日のフラグをビンビンにおっ立てておきながら来年のノッフェス来なかったらウケるな(来日して欲しけりゃソニーから出てる国内盤を買いませうw)。もしTOOLと一緒にノッフェス来たら2秒で行くやつだし(いやTOOLは単独だろ)、もし来なかったら“日本のメタルメディア界のキング”の汚名返上します(もしノッフェス来たら“ソリサコボン”は絶対に演って)。

リワインド・リプレイ・リバウンド
ヴォルビート
SMJ (2019-08-28)
売り上げランキング: 4,046

MØL 『JORD』

Artist MØL
new_0012282931_10

Album 『JORD』

a0128457317_10

Tracklist
01. Storm
02. Penumbra
03. Bruma
04. Vakuum
05. Lambda
06. Ligament
07. Virga
08. Jord

あの歴史的名盤『サンベイザー』を境にdeafheavenが大ブレイクしてからというもの、各界隈のレーベルが血眼になりながら”Post-deafheaven”のポスト、あるいは原石を求めて奔走していた。UKを拠点とするHoly Roar Recordsもその一つで、Holy Roarは所属するUKマスコア界のエースRolo Tomassi”女版デフヘヴン”に魔改造することに成功した腕利きのレーベルである。そして2018年、そのHoly Roarから”Post-deafheaven”の最終兵器として満を持して登場したのが、2012年にデンマークはオーフスで結成された5人組のMØLだ。

幕開けを飾る”Storm”のイントロから、ポストブラック界のレジェンドAlcest『KODAMA』を彷彿させるノスタルジックでドリーミーな音響意識の高い甘味なメロディ、そしてブラック・メタル然としたトレモロ・リフをバックに、デフヘヴン”ジョージ・クラークの妹分”Rolo Tomassiエバちゃんだとするなら、このMØLのフロントマンキム”ジョージ・クラークの弟分”と言わんばかりの激情的な金切り声を「イ゛ヤ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア!!」と吐き散らす、その名のとおり”嵐”のような冒頭の展開からして、なんかもう「ウェーイ!!僕たちデフヘヴンのサンベイザーとアルセストのコダマに感動してポストブラックはじめました!!」みたいな微笑ましさすらあって、端的に言ってしまうと「Alcestとdeafheavenがエクストリーム合体した場合」、そのif=もしもの世界(タブー)を現実に再現してしまった禁断のバンドがMØLだ。


確かに、10年代以降Alcestdeafheavenのフォロワーはポッと現れては2秒で消え、あるいは2秒で伝説と化していったけど、正直ここまでポストブラック界の二大レジェンドの影響やエレメンツを咀嚼し、それを完全に自分たちのモノ(音)にしてるブラゲって実はこのMØLが初めてなんじゃねえか?ってくらい、既に姉貴分のRolo Tomassiana_thema、そしてAlcestや同郷のMyrkurもラインナップされているUK最大のPost-系フェス『ArcTanGent 2018』に名を連ねている所からも彼らの注目度の高さを物語っているし、だてにHoly Roarの秘蔵っ子やってないってのが、この『JORD』を再生して数分もしないうちに理解できる。実際、レーベルメイトでもあるRolo TomassiのメンバーはライブでMØLのTシャツ着ちゃうほどの大フアンだ。



アルバム冒頭から自らの存在がAlcestdeafheavenの間の子であると現代メタルシーンに堂々宣言してから、初期デフヘヴンをハイグレードにブラッシュアップしたブラゲナンバーの#2”Penumbra”、今度はAlcestの2ndアルバム『Écailles de lune』直系の童話を元にしたフレンチアニメの幻夢世界の入り口へと誘うアルペジオをフィーチャーした#3”Bruma”、中でも今作のハイライトを飾る#6”Ligament”は、極悪ブラゲ~Alcestリスペクト~ポストメタルを大陸横断のごとく流動的に行き来する、まさに「MØLとはナニか?」を一つに集約したような曲で、ここまで来るともう「ポストブラック全部のせ」みたいな贅沢感がとにかく半端ない。

確かに、この手の『サンベイザー』の表題曲みたいな天国から地獄みたいな急転直下型の緩急を織り交ぜた標準的なギャップ萌えのブラゲスタイルを特徴とした、いわゆる”フォロワー”タイプのブラゲってワンパターンな曲調/アレンジに陥りがちだけど、#4”Vakuum”のようなOpethをはじめとしたエクストリーム系のメタリックでヘヴィな曲もイケるのは北欧ならではだし、一方で#5”Lambda”のようなD F H V Nもビックリの西海岸系のインストもイケちゃうし、表題曲の#8”Jord”に至ってはAlcestもドン引きするレベルの80sポスト・パンク/ニューウェーブ的な「意外性」のある側面を垣間見せたりと、決してフォロワーの枠に留まらないそのメロディやフレーズには光るものがあるし、想像以上に幅広いアレンジやリフの引き出しもあって、この手の”フォロワー止まり”のブラゲ勢とは一線を画した非凡なセンスと確かなオリジナリティがある。

楽曲もAlcestdeafheavenみたいな10分超えの長尺はないし、曲構成も比較的シンプルなブラゲで(と言いながらわりと展開する)、いわゆる激情ハードコアとも呼べるスタイルなのだけど、そんなMØLの中で最も魅力的に映るのはやっぱり”メロディ”の良さだろう。まず、その郷愁に溢れたメロディやリバーブの扱い方とか完全にAlcestをはじめ90sシューゲイザーの影響下にあるし、#2や#4や#7みたいなドチャクソエピックなテンションをドーピングかまして常に絶頂期を維持し続け、未曾有のアドレナリンを垂れ流しながら目の前に広がるお花畑をルンルン気分で走り回る恍惚感と高揚感に塗れたメロディの洪水は、初期のLiturgyに匹敵する「最高にハイ!」ってやつだ。

まさに欧州であったりUKであったりUSであったり北欧の”いいとこ取り”みたいな、お前は一体どこの国のバンドやねん!とツッコミたくなるくらいインターナショナルなハイブリット型サウンドで、1stアルバムでこれだけやれるのは素直に半端ないし、普通に完成度が高いです。そらブラゲ界に衝撃走るわ。この手の激情ハードコア案件としては、日本支部のenvyHeaven In Her Arms、アイドル支部ではネクロ魔、そして最近では凛として時雨『#5』とかいうAlcestdeafheavenの正統後継者、そのハイブリットとして名乗りを上げるような傑作を発表してPost-界隈のド肝を抜いた。その凛として時雨の襲名式に「待った!」をかける新世代のバンドが、それもまさか北欧デンマークから誕生したのは本当に面白くて、この機運は間違いなく同郷のMyrkurが作り出した流れがあることも色々な意味で確かな事で、恐らく今年のPost-界隈では1番のマスト案件です。これは余計なお世話だけど、今年のArcTanGent凛として時雨が出ない意味がわからない。

VOLBEAT 『Outlaw Gentlemen & Shady Ladies』 レビュー

Artist Volbeat
Volbeat

Album 『Outlaw Gentlemen & Shady Ladies』
Outlaw Gentlemen & Shady Ladies

Track List
01. Let's Shake Some Dust
02. Pearl Hart
03. The Nameless One
04. Dead But Rising
06. Room 24 [Feat. King Diamond]
07. The Hangman's Body Count
08. My Body [Young The Giant Cover]
09. Lola Montez
10. Black Bart
11. The Lonesome Rider [Feat. Sarah Blackwood]
12. The Sinner Is You
13. Doc Holliday
14. Our Loved Ones

     【祝!!サマソニ2013参戦決定ッ!!

いきなりだけど、当ブログWelcome To My ”俺の感性”に流入検索キーワードで一番多いのってなんだと思う?そう、実はその答えこそ”Volbeat”なんだよね。ずっと前から自分でも疑問に感じてたんだけど、まるで今回の『サマソニ2013』への出演決定がその答えおよび伏線であるかのように、つまり長年のギモン対して納得ッが生まれた瞬間、というわけ。案の定、サマソニ参戦が決まったお陰で、過去のVolbeatのレビュー記事のアクセス数が急激に増えた結果→当ブログWelcome To My ”俺の感性”の2ちゃんねるデビューも相まって、過去最高のアクセス(ユニーク)数を記録w これはもう『VOLBEAT応援ブログ』としてやってけっつー事ですかぁ?

 まぁ、そんな前置きは置いといて、今や欧州のメタルフェスでその名前を見ない日はないと言っても過言じゃないぐらいのモンスターバンドへと成り上がった、北欧デンマークが世界に誇るロカビリー/エルヴィス・メタルバンド、Volbeatの前作Beyond Hell / Above Heavenからは約三年ぶりとなる通算五作目『Outlaw Gentlemen & Shady Ladies』なんだけど、本作品は2011年にギタリストのThomas Bredahlが脱退した代わりに元アンスラックスのギタリストRob Caggianoを新メンバーとして迎え入れ、そしてエンジニア/プロデューサーには毎度お馴染みの(Anubis Gateで知られる)ヤコブ・ハンセンを...つまりこれ以上ない万全の布陣で制作された待望の新作。で、この”デンマークのメタリカ”もしくは”デンマークのマシへ”の特徴といえば、ヘヴィ&グルーヴ/カントリー/クラシックHR/ストーナー/パンク/ブルース/スラッシュ/R&Rなど幾多の要素を実にデンマークらしいモダニズムに溢れた通称”ヤコブ・サウンド”へと落とし込み、そしてサマソニでも共演するメタリカジェームズ・ヘットフィールドリスペクトなフロントマン、Michael Poulsen男爵のまるでミュージカル俳優顔負けの”オトコの色気”を帯びた野太くダンディな雄叫びがアリーナ級のスケール感と圧倒的なダイナミズムを演出する、要は単純に聴いてるだけで自然と楽しくウキウキな気分にさせる、それこそまさにサマソニ(フェス)向けのノッリノリなメタルンロールをやってるわけ。で、デビュー作の頃はスラッシーなビートに身を任せたゴリゴリかつダークなヘヴィメタルやってた彼らだが、最高傑作と名高い2007年作の2ndフルRock The Rebel / Metal The Devilを期にカントリーやロカビリー的なノリノリな要素を著しく強めた結果→今の”Volbeatサウンド”を確立する事に成功し、その勢いで一気に今の地位まで上り詰めた、というわけ。事実、2008年作の3rdGuitar Gangsters & Cadillac Bloodや特に前作の4thBeyond Hell / Above Heavenなんかはその大衆受けを狙ったメジャー嗜好が強く感じられたが、その4thの流れを着実に汲んだ本作で”遂に”というか、そのいわゆる”メインストリーム”な市場を明確に意識した、Volbeat史上最もポップでキャッチーな作風に仕上がっている。それは初期のゴリゴリ感やモダンヘヴィネスが皆無で、露骨にメインストリームを意識した歌モノAORの#2”Pearl Hart”やクラシックHR調の#3”The Nameless One”を聴いて(おいおいニッケルバックか)って思うぐらい顕著に表れていて、そしてシングル曲の#5”Cape Of Our Hero”を聴いて(おいおいおいおいマジでニッケルバックじゃねーかw)って確信するぐらい、もはや叙情的な香りすらある実にメロディアスなHRを展開している。だって、ゲストVoにKing Diamondを迎えた#6や#7を聴いてやっと初めてコイツらがメタル畑出身だという事にハッ!!っと気づかされたぐらいだし...。過去作ではHank WilliamsJimmy WorkそしてDusty Springfieldsの曲をカバーしてたが、今回はYoung The Giantの”My Body”をカバーしてる。そしてゲストVoとしてカナダ出身のSarah Blackwoodを迎えた#11、エスニックな音を使った#13、ラストを飾るバラード調の#14まで、全14曲トータル約一時間程度。そんな感じで、ぶっちゃけると今作はニッケルバック大好き♥な歌モノ系オルタナ/ハードロック色が強すぎて、あくまでも初期というか2ndの頃のグルーヴ/ヘヴィ/カントリー/ブルージー/スラッシュ/R&Rなどの要素をバランスよく取り込んでモダンに昇華した作風こそ彼らの持ち味およびスタイルだと信じてやまない人からは、色々な面で少し物足りなさを感じると思う。確かに、これまでの作品と比較しても明らかにスラッシュ的な”勢い”やメタル的な”重さ”が大幅に削がれたつまり”軽い”内容ではあるが、逆に言えば初めてVolbeatを聴くっていう人には打って付けの、過去最高に取っ付きやすい(聴きやすい)洗練された作風とも言えなくはないし、それこそ今年のサマソニの予習がてら聴くにはこれとない一枚だと思う。けど、やっぱり個人的な好みだと2ndをゴリ押ししたい。マジで傑作だから。ヴォアッ!! こう言っちゃ何だが、そもそもVolbeatの曲調って似たような感じの金太郎飴が多いし、むしろそれが”Volbeatらしさ”というか、だがそれがいい、みたいな風潮あるじゃん?だからサマソニの予習として最低限押さえとくベキなのって、やっぱ初期の傑作2ndと新作の二枚になるんじゃね?って。4thも名曲多いけどね。

 何はともあれ、当ブログの読者および俺たちからすればホント今更かよ...って感じだが、今回まさかのサマソニ参戦という、やっと彼らの名前が日本で知れ渡る大きなキッカケというのができて本当になにより。つうか、欧州ではトリを飾るレベルの彼らがサマソニではこんなに小さい(低い)扱いを受けているトコロに、日本での知名度のなさ...というよりも、主催者側からVolbeatへ対する敬意が一切感じられないのがアレ。しかしながら、こんな無礼を顧みず初来日を決意したVolbeatに、僕は敬意を表したい。



Outlaw Gentlemen & Shady Ladies
Volbeat
Republic (2013-04-09)
売り上げランキング: 3,162
Rock the Rebel / Metal the Devil
Volbeat
Megaforce (2008-06-24)
売り上げランキング: 8,344

Anubis Gate 『Anubis Gate』 レビュー

Artist Anubis Gate
48735803

Album 『Anubis Gate』
Anubis_Gate_Cover

Track List
01. Hold Back Tomorrow
02. The Re-Formation Show
03. Facing Dawn
04. World In A Dome
05. Desiderio Omnibus
06. Oh My Precious Life
07. Golden Days
08. Telltale Eyes
09. River
10. Circumstanced

デンマークのプログレッシヴ・メタラーAnubis Gateの約2年ぶりとなる最新作で、本作ではバンドの中心人物ヤコブ・ハンセンがボーカルの座から退き(
バンドの裏方へと回った)代わりに新ボーカルのヘンリックを迎えた通算5作目でセルフタイトルの『Anubis Gate』なんだけど、これがヒッジョーに良質なプログレ・メタルってる件。

 まず新Voのヘンリックが”歌える”っつー所からしてバンドの底上げに見事成功し、そのメロハーばりに爽やかで初期DTのラブリエを意識したようなヘンリックの伸びやかなハイトーンにより、本来の超絶モダンでメロドラマティックなサウンドが一段と叙情的かつキャッチーになり、結果として前々作『Andromeda Unchained』に匹敵する、もしくは超える良作となっている。今回でヤコブが裏方に回ったお陰か、全体的に表現力が増して一皮むけた気がする。

 実にAnubis Gateらしい泣きの哀愁を含んだキャッチーなメロハー曲の#3”
Facing Dawn(はじめの歌い方がデヴィンっぽい)や#7”Golden Days”などのコンパクトな楽曲は勿論のこと、プログ・パワー寄りの#5とメシウマタイムの#6や#8、#1”Hold Back Tomorrow”や#4”World In A Dome”そして北野ブルーばりにアトモスフィアー全開な#10”Circumstanced”などの超絶メロドラマティックな大作の聴き応えったら流石の一言。といった感じで、ドラマティックな曲はトコトンドラマティックに、パワー寄りの曲はよりアグレッシヴに、ヲタッキーな曲はトコトンヲタッキーに、まさしく彼らの集大成と呼ぶに相応しい内容で、セルフタイトルにしたのも納得。つーわけで、ボーカルが代わってもAnubis Gateらしさは不変です。なんで、この手のメロディック系の音楽が好きならオススメ。

B

Anubis Gate
Anubis Gate
posted with amazlet at 11.10.09
Anubis Gate
Nightmare Records (2011-09-13)
売り上げランキング: 6442
記事検索
月別アーカイブ
アクセスカウンター
  • 累計: