Artist ATVM
Album 『Famine, Putrid and Fucking Endless』
Tracklist
01. Sanguinary Floating Orb
02. Ⲁⲛⲋ-ⲟⲩ Ⲙⲁⲧⲟⲩ
03. They Crawl
04. वाघनख
05. Squeal in Torment
06. Picture of Decay
07. Slud
Album 『Famine, Putrid and Fucking Endless』
Tracklist
01. Sanguinary Floating Orb
02. Ⲁⲛⲋ-ⲟⲩ Ⲙⲁⲧⲟⲩ
03. They Crawl
04. वाघनख
05. Squeal in Torment
06. Picture of Decay
07. Slud
UKはロンドン出身の若手デスメタルバンド=ATVMのデビュー作となる『Famine, Putrid and Fucking Endless』は、まさにこのクソの肥溜めみたいなコロナ禍の社会情勢を反映したかのようなデスメタルで、それこそ日本を代表するデスメタル女子の広瀬すずが久々に「直腸陥没!」とグロウルしそうなデスメタルで、この手のイギリスの若手で古き良きスラッシュ・メタルとテクデス界のレジェンド=Deathの影響下にあるデスメタルと聞いて思い出されるのは、他ならぬ「土星の水ぜんぶ抜く系童貞デスメタル」でお馴染みのUKはリーズ出身のCryptic Shiftと否応にも共鳴するものがある。
基本的なスタイルはブルータルでスラッシーな殺傷力の高いテクデスでありながらも、それこそ幕開けを飾る#1“Sanguinary Floating Orb”の冒頭と、アルバムのラストを飾る#7“Slud”の終盤で垣間見せるドラムとベースのリズム隊が織りなすアヴァンギャルド~ジャズに精通するATVMならではのオリジナリティ溢れるグルーヴィなプレイ、しかもそのジャズはジャズでも本職のジャズというよりは、レジェンド=Opethの名盤『Damnation』の影響下にある70sプログレ~ジャズのアプローチを感じさせるソレで、いわゆるプログレ・メタル然とした静と動の緩急を効かせた楽曲構成は俄然往年のOpethやGojiraイメージさせる。デスメタルはデスメタルでもリーズやジャパンみたいな田舎の童貞臭ではなく、ロンドン出身らしくもっと洗練された都会の腐敗臭や堕落臭を放っている。
やはり筆頭すべきはそのキザミ意識の高さにあって、彼らのキザミっぷりが惜しみなく発揮された#2“Ⲁⲛⲋ-ⲟⲩ Ⲙⲁⲧⲟⲩ”は、冒頭からカナディアン・デスメタルのFractal Generatorを想起させるグラインドスタイルのデスメタルをベースにタイトなキザミで構成された曲で、本作のハイライトを飾る#6“Picture of Decay”は、ブラック・メタル的なトレモロを駆使した殺傷性能マシマシのリフに次ぐリフの応酬をお見舞いする。デビュー作にしてこの洗練された完成度の高さは、USBMを代表するKralliceのコリン・マーストン(筋金入りのニューヨーカー)をエンジニアとして迎えている所からも折り紙つきと言っていい。あとアートワークがアメコミみたいで可愛いのも含めて聞き逃し厳禁のクソサイコーなデスメタルです。