Artist Crestfallen Dusk

Album 『Crestfallen Dusk』

Tracklist
01. Beneath The Cool, Calm Soil
02. The Blackness Come Creepin' In
03. Burn In Hell
04. Our Old, Rotting Cabin
05. On The Outside Of Town
06. My Clouds Have Not A Silver Lining

Album 『Crestfallen Dusk』

Tracklist
01. Beneath The Cool, Calm Soil
02. The Blackness Come Creepin' In
03. Burn In Hell
04. Our Old, Rotting Cabin
05. On The Outside Of Town
06. My Clouds Have Not A Silver Lining
1900年代前半に米国南部でアフリカ系アメリカ人の間から生まれたブルースを著しく発展させた60年代のブルース・ロックと現代のブラックメタルをエクストリーム合体させたのが、スイス出身ニューヨーク在住のマニュエル・ギャノーによる音楽プロジェクトことZeal & Ardorだとするなら、この米国南部はテネシー州出身のライアンとショーンによる2人ブラックメタルプロジェクトのCrestfallen Duskは、ブルースはブルースでも特に呪術的とされる“ミシシッピ・ヒル・カントリー・ブルース”を代表するR.L. バーンサイドやジュニア・キンブロウの影響下にあるブルース・ロックをはじめ、先日伝記映画となり話題を呼んだエルヴィス・プレスリーばりにファンキーなカントリー/アメリカーナと、ミネソタの独りブラックメタルことPanopticonさながらの「ただ独り」の小屋アートワークが示唆するプリミティヴかつローファイなブラックメタルが、物理的にローファイな音の悪さと音楽ジャンルを意図するローファイな音の悪さが次元を超えて邂逅したような、それこそ真の意味で田舎同士を結ぶ“ブラック・カントリー・ニュー・ロード”と称すべきアヴァンギャルドな音楽性を繰り広げている。
セルフタイトルのデビュー作となる本作は、冒頭の#1“Beneath The Cool, Calm Soil”からして、グルーヴ感溢れる古き良きブルース・ロックならではの呪詛的なリフメイクとブラックメタルならではのプリミティヴなプロダクションが違和感なく絡み合いながら、シンセを駆使したアトモスフェリック・ブラックらしいトレモロ・リフや金切り声、そして粗暴なブラストビートがDissonantな不協和音を端的に表現するや否や、続く#2“The Blackness Come Creepin' In”の古き良きブルース・ロック然としたファンキーな歌声を披露する60年代パートと荒涼感溢れるブラストビート&トレモロを駆使した2000年代のブラックメタルパートが時を超えてスムースに切り替わる楽曲構成は、まさにCrestfallen Duskの特異的な音楽性を裏付けている。
南部のいい意味で汚らしいブルースならではのイカしたカッティングギターやソロワークに対する、もはや激流葬ばりに雪崩込んでくるトレモリーなブラックメタルの切り返しが斬新すぎる約10分に及ぶ#3“Burn In Hell”、南部は南部でも南部ゴシックさながらのポスト・パンクな魅惑のリフレーンをフィーチャーした#4“Our Old, Rotting Cabin”、「ただ独り」の孤独を極めた人間の背後に流れる崇高なシンセをバックに、本作において最も南部っぽいというか汚くてダイナミックなギター・サウンドを響かせる、それこそ90年代のグランジとシンクロするさしずめブルース・メタルとでも呼ぶべきミドルテンポの#5“On The Outside Of Town”、そして本作で最もブラックメタルの濃度が高い約10分を超える大作の#6“My Clouds Have Not A Silver Lining”まで、既存のブラックメタルとカントリー/フォークを調和させたメタルバンドとは一線を画す、全く新しいブラックメタルのあり方を提示している。それこそ、Zeal & Ardorよりも南部特有のダーティさとブラックメタルならではの呪詛的な側面を深く理解した一枚かもしれない。





