年間BESTアルバム2017
14,ana_thema 『The Optimist』
14,ana_thema 『The Optimist』

2001年作のアルバム6th『A Fine Day To Exit』の実質続編に当たるこのアルバムは、そのアルバムの最後を飾る”Temporary Peace”の約5分間の「無」から生まれた、約1時間に及ぶ「有」の音楽であると、つまり一曲の中にある無音部分に見た『夢』という名のパラレルワールド(平行世界)であると、僕はそう解釈した。2015年に奇跡の来日公演を果たし、そのステージの上で「神降ろしのアナセマ」となり、そして「神殺しのアナ_セマ」すなわちデビルマンに姿を変えたアナセマは、いわゆるペシミスト的な思考が蔓延した現代の日本人に対して、これから2020年の東京五輪に向けて日本人に必要なのは、他ならぬこのアルバムの主人公と同じオプティミスト的な思考であると説き伏せるような、そんな「意識高い系バンド」らしい作品でもあった。そんな彼らの師であるスティーヴン・ウィルソンが「80年代リバイバル」をやったかと思えば、そのSWの右腕であるアナセマが「90年代リバイバル」をやってのける師弟対決も面白かった。気になるのは、このコンセプト・アルバムの曲をライブでどう表現するのか?で、そういった意味でも約3年ぶりの再来日公演を期待したい。それとも過去にマサ伊藤の番組でヴィンセントが「フジロックに出たい」と語っていた『夢』が遂に叶うか・・・?もしや、このアルバムはそのフジロック出演を狙って、今や「フジロックの申し子」的な存在であるモグワイのプロデューサーであるトニー・ドゥーガンを迎えた可能性・・・?あのローレン・メイベリー率いるチャーチズがフジロック第一弾で発表されたってことは・・・ガチのマジで今年のフジロックあるで。
「女版スティーヴン・ウィルソン」ことマリカちゃんがロンドンのガールズバンドThe Big Moonを迎え、かのHostess Entertainmentからリリースされた2ndアルバムは、奇遇にもアナセマと同じ「90年代リバイバル」を感じる作品で、つまりマリカがナードのティーン・エイジャーだった頃に夢中になっていたニルヴァーナをはじめとした、90年代のオルタナ/グランジ愛に溢れたリバイバル作品だった。アルバムタイトルの『I'm Not Your Man』は、まさにこのマリカがレズビアンであることを意味している。


13,Marika Hackman 『I'm Not Your Man』

12,Cigarettes After Sex 『S/T』

絶賛炎上中のはあちゅうって、「童貞はCigarettes After Sexのデビュー作をベッドルーム・ミュージックにしながらクソして寝ろ」みたいなユーモア溢れるツイートだったらあそこまで炎上しなかった説あって、それくらい「究極の童貞煽り」みたいなバンド名を掲げた、グレッグ・ゴンザレス率いるCigarettes After Sexのデビュー作は、同じくHostess Entertainmentからリリースされたマリカがレズビアンなら、グレッグもLGBT直系のフェミニンな歌声とスロウダイヴ直系のミニマムでミニマルな極上のサウンドスケープを聴かせる。これには童貞のスティーヴン・ウィルソンもSpotifyのプレイリストで怒りのパワープッシュ。
11,Pain of Salvation 『In the Passing Light of Day』

そのグレッグ・ゴンザレスに「女々しいねんお前」とドツいてそうな、範馬勇次郎の「鬼の顔」が浮かび上がったダニエル・ギルデンロウの背中と見せかけて、いたずら小僧が「このオッサンの背中にマンピー書いたろwww」的なノリで描かれた今作で完全復活したPoS。そのアートワークの通り、命の危機を経験した事で強靱な肉体と強靱な音を求めたダニエルが「メタル回帰」した復活作。なお、このツアー後にイケメンギタリストのラグナルが脱退した模様。


10,Mastodon 『Emperor of Sand』

祝グラミー賞、祝サマソニ2018出演ということで、2017年はツイッターの代わりにマストドンなる新しいSNSが台頭した年であり、そしてバンドの方のマストドンも何作かぶりに復活した年でもあった。このアルバムを引っさげてのサマソニは最高のタイミングとしか言いようがない。しかもニッケルバックもサマソニとなると、これでストーン・サワーが追加されたらネタ的な意味で面白いし、某メイドが追加されたらほぼ間違いなく行くし、こっから更に目当てなのが2,3くらい追加されたら絶対に行くわ。例えば久々にチャーチズとか思ったけど、まさかのフジロックで驚いた。となると、チャーチズの代わりとして遂にPhantogramクルー?だって、今やNetflixの海外ドラマ見てたら普通に聴こえてくるほどメジャーな大物アーティストに成り上がったPhantogramが来日しない意味がわからない。あと何度も言ってるけど、意外とゴジラってフェスバンドだから普通にサマソニにフィットすると思うし、いい加減にデフヘヴン見たいからサマソニ呼んで欲しい。だからクリマン頼む!
9,NECRONOMIDOL 『DEATHLESS』

2017年は、個人的なニュースとして「アイドル回帰」した年でもあって、それを象徴するような存在がネクロ魔だった。ベビメタが「アイドルとメタル」の融合を掲げるアイドルならば、このネクロ魔は「ブラック・メタルとアイドル」が融合した暗黒系アイドルだ。デフヘヴン顔負けの一曲目からド肝を抜かれた。でもこのフルアルバムより、同年に出たシングル『DAWNSLAYER』の方が凄くて(中でも”R'LYEH”は俺的アイドル楽曲大賞)、しかもそのシングルよりもつい最近リリースされたシングル『STRANGE AEONS』の方が凄いという、端的に言ってしまえば「いま最も面白いアイドル」の一つです。

Boom Boom Satellitesの意思を継ぐものとして、一番最初に指名されたのがガールズバンドのねごとだったのは、もはや何かの因果としか思えなかった。ねごととブンブンサテライツの関係性、それ即ちアナ_セマとブンブンサテライツの関係性と同意であり、2017年に両者が発表したアルバムには、紛れもなくブンブンサテライツの「遺伝(EDM)子」が込められている。同年に発表されたアルバム『SORK』には、引き続きブンブンサテライツの中野雅之氏を迎えた曲を収録し、今作以上にそのダンサブルなビート・サウンドを極めている。

8,BAND-MAID 『Just Bring It』

2017年は、小鳩ミクとかいう「新しいオモチャ」を発見した事が個人的なサプライズだった。お陰で今年は8回もお給仕に帰宅して、小鳩ミクのモンスターレベルを「8」に上げた。そのメイドは秋冬ツアーのツアーファイナルで「世界征服」を掲げ、2018年に一体何を仕掛けてくるのかと楽しみにしていた。しかし、実際にフタを開けてみたら、どこぞの馬の骨かも分からないアマチュアバンドとの対バンをはじめ、かのワープド・ツアーにPassCodeと一緒に出演決定かと思いきや、まさかのBiSHに立ち位置を奪われちゃってる始末で、結局昨年と何も変わらない動きを見せていて「ダメだこりゃ」ってなった。こいつらバンドの「格」を知らなすぎる。少なくとも、昨年サマソニに出たバンドの「格」じゃない。この程度の覚悟ならサマソニなんか出ない方が良かったし、クリマンは二度とこいつらサマソニに呼ばなくていいです(アツい手のひら返し)。もうダメだこいつら。恐らく、今年のラウパにほぼ100㌫出るであろうLOVEBITESとホントに立場逆転しそう。勝ち馬に乗りたい人は今すぐLOVEBITESに乗り換えたほうがいいです。事実、既にJPU Recordsは乗り換えているw あと数日後のバレンタインにリリースされる2ndアルバムのティザーも聴いたけど、正直この『Just Bring It』は超えてないと思った。もちろん、たった数十秒の音源で何が分かるのかと思うかもしれないけど、何故なら俺レベルのインターネットトップレビュアーになると、たった数十秒だけでその曲の全体像を掴むことができちゃうからだ。だから、このアルバムのレビューは数年ぶりの「愛のある肩たたき」になるか、それとも今世紀最大の「爆笑レビュー」になるかどっちかだと思う。これで今年のサマソニにBiSHが出たら爆笑するわ。
7,ねごと 『ETERNALBEAT』

6,MONDO GROSSO 『何度でも新しく生まれる』

2017年は、1月からのドラマ『カルテット』を皮切りに、中頃にはMONDO GROSSOの14年ぶりとなる新曲『ラビリンス』の正体として話題を呼ぶと、その流れでMステからのフジロックにサプライズ出演、そしてクドカンのドラマ『監獄のお姫さま』まで、今年2017年は年始から年末まで「満島ひかりの年」だった。このアルバムのレビューは、ハッキリ言って満島ひかりがフジロックで歌って初めて完成するレビューだと思ってて、でも本当にフジロックに出るとは思ってもみなくて、だから実際にフジロックのステージで『ラビリンス』を披露した満島ひかりちゃんには只々感謝しかない。個人的にも、2017年は園子温監督の映画『アンチポルノ』のサイン入りポスターに当選して、久々に映画『愛のむきだし』を見返したりちょっとした縁もあって、極めつけには『監獄のお姫様』の中で『愛のむきだし』の「サソリ」をオマージュしたシーンが出てきて、テレビに向かって「クドカンやりやがったw」ってツッコんだよね。

5,Power Trip 『Nightmare Logic』

なんかもう2017年の「メタル」はこいつらだけ聴いてりゃいいみたいな、正直このアルバム聴いてないやつはモグリなくらいの勢いあって、とにかくそれくらい頭悪い極悪スラッシュ。これがまたハゲ上がるくらいカッコよすぎて、メタル最王手のニュークリア・ブラストによる青田買いに巻き込まれないか心配になる。もうコンヴァージかデフヘヴンと一緒でいいから来日して欲しい。
2017年の上半期にこのアルバムを聴いた時は、「今年これ超えるアルバムは出ないだろうな」って本当に思った。でもこの順位ってことは、つまりはそういうことなんだけど、ノルウェイの森のクマさんの通算13作目となるこのアルバムも、80sのニューウェーブやポスト・パンクをルーツとした「80年代リバイバル」の一貫で、没後20年のダイアナ妃(プリンセス・オブ・ウェールズ)とギリシャ神話の山野の女神ディアナ(アルテミス)を、その女神と関わりの深い現代の熊さんが芸術/神話/歴史/文学/絵画/音楽などの、あらゆる芸術的手法を用いてセクシャルに、そしてハラスメントに暴き出すような名作だった。

4,Ulver 『The Assassination of Julius Caesar』

3,tricot 『3』

なんかもう『3』だから3位にするという、もはや年間BESTの存在意義が問われ始めている気がする2017年問題。でも、その内容は3位でも全くおかしくないくらいの出来だから無問題。面白いというか、ちょっと皮肉だなと思ったのは、盟友赤い公園から佐藤千明が脱退してトリコットと同じ「3」人トリオのバンドになってしまったかと思えば、今度はトリコットがこのアルバムをリリースした後にドラムが正式加入して、つまり『3』+「1」=「4」のバンドになったことで、その「+1」が今後のトリコットにどのような化学変化を及ぼすのか、今は期待しかない。

2,岡田拓郎 『ノスタルジア』

まさかのHostess Entertainmentからリリースされた、ex-森は生きているのリーダーだった岡田拓郎のソロデビュー作。やってることはまんまSWの新譜と同じ「ポップスの再定義」で、同時に彼は現代のインディ視点から「日本語ロック」を再構築している。正直、この年齢で今のSWと同じことやってる時点でかなりの天才だと思うし、もし奇跡的にSWが来日した暁には是非ともサポートしてほしいというか、それができるのって日本には岡田くんしか存在しない。

これは一昨年の年間BESTにも書いたことだけど、引き続いて、これからの時代には繋がりが大事になってくるんじゃないかとより強く思うようになっていて、年間BESTアルバムもHostess繋がりをはじめ、映画やリバイバルを含めて全てがトップのSWに繋がっている状態です。なんだろう、かのピッチフォークがケンドリック・ラマーの『DAMN.』を年間BESTアルバムの1位にするなら、うちはSWの『To the Bone』を1位にするよって、わりとシンプルな話。正直、岡田くんとSWのワンツーフィニッシュは、どの年間BESTよりもドヤ顔できる。
そして、2017年は様々な分野で「基準」が定められた年でもあった。もちろん、ここに選んだBESTアルバムは全てSpotifyで聴けます。というか、「これからの時代」はSpotifyはじめ他のサブスクで配信されていない音楽は、もはや「この世に存在しない音楽」と同じで、もう「これからの時代」はサブスクがレコード屋のCD棚の代わりとなる時代、その「基準」の「始まり」を宣言した年でもあった。

選考理由:虎サーの姫
2,桜子(predia)

選考理由:面白くて可愛い=オモカワ系アイドル
3,満島ひかり

選考理由:2017年はやっぱり「満島ひかりの年」
4,泉里香

選考理由:indeeeeeeeeeed!!
5,ナタリア・ダイアー

選考理由:『ストレンジャー・シングス』
6,飛鳥凛

選考理由:イエ~イめっちゃ美乳
7,華村あすか

選考理由:桜子の上位互換もとい下位互換
年間BEST映画ランキング2017
『PARKS パークス』
『ロマンポルノ・リブート』シリーズ
『彼女の人生は間違いじゃない』
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
『わたしは、ダニエル・ブレイク』
『ヒトラーの忘れもの』
『ドリーム』
『怪物はささやく』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
『スウィート17モンスター』
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』
『20センチュリー・ウーマン』
『さよなら、ぼくのモンスター』
『 哭声/コクソン』
『メッセージ』
『ムーンライト』
年間BESTドラマ2017
(順不同)
『カルテット』
『デビルマン』
『ストレンジャー・シングス』シーズン2
『ブラックミラー』シーズン4
『ダーク』
『The Sinner -記憶を埋める女-』
『マインドハンター』
『マンハント』
『ラインオブデューティ』シーズン4
『アトランタ』
『13の理由』
『このサイテーな世界の終わり』
1,Steven Wilson 『To the Bone』

このアルバムのレビューは、音楽シーンにおける「今の基準」と「これからの基準」である。なんだろう、SWに「お前が日本の基準を書け」と言われたような気がした。このアルバム、とにかくSWよりもジェレミー・ステーシーとクレイグ・ブランデルによる二人のドラムプレイがメチャクチャ良くて、今作を名盤たらしめている最も大きな要員となっている。で、この記事にまつわる面白エピソードを語ると、実はこの記事で一番最後に書いたのって『デッドストック』のくだりなんだけど、ほぼ全て書き終えた時に「やっべ、『デッドストック』最終話の見逃し配信今日の夜までじゃん!」って気づいて、急いで観たらまんま今作のコンセプトである「ポスト・トゥルース」の話やってて、なんだろう「引力」って本当に面白いなって。このアルバムが言いたいことって、要するに「あなたの思う真実は、彼らにとっての真実ではない」ということで、現代はインターネットを使ってあらゆる情報を得られる便利な時代、そのハズなのに、人間ってのは結局「自分に都合のいい真実(ポスト・トゥルース)」ばかりを求めて、本当の「真実」には一切目もくれず、挙げ句の果てには「まとめサイト」に書いてあることを鵜呑みにしてしまう。皮肉なのは、よくネットで「新聞の情報は隔たっている!」という人がいるけれど、結局その人もネットを使って「自分に都合のいい真実」を一方的に咀嚼しているだけってこと。SWは、このアルバムの中でそんな現代人に蔓延る、いわゆる「ネットde真実」を揶揄しているのだ。もう一つのエピソードとしては、当初はアナ_セマの新譜について書いてた時に、「これちょっと長くなりそうだな」と思って、ちょうどその頃にHostessからリリースされたこのアルバムを聴いたら、思いのほか「シンプルなポップス」でサクッと書けちゃいそうだったからSWに浮気した結果、まさかそれが約10年間ブログで書いてきたこと=伏線を綺麗に回収するような作品だとは思わなくて、その時の気分はまるで映画『メッセージ』の主人公ルイーズと同じ「時制のない世界」を彷徨うかのような奇跡体験で、改めて「引力」って怖いなって思った。もはやこれだけ「基準」を書かせて来日しなかったら「うるせぇ、メガネわんぞ」って感じ。
これは一昨年の年間BESTにも書いたことだけど、引き続いて、これからの時代には繋がりが大事になってくるんじゃないかとより強く思うようになっていて、年間BESTアルバムもHostess繋がりをはじめ、映画やリバイバルを含めて全てがトップのSWに繋がっている状態です。なんだろう、かのピッチフォークがケンドリック・ラマーの『DAMN.』を年間BESTアルバムの1位にするなら、うちはSWの『To the Bone』を1位にするよって、わりとシンプルな話。正直、岡田くんとSWのワンツーフィニッシュは、どの年間BESTよりもドヤ顔できる。
そして、2017年は様々な分野で「基準」が定められた年でもあった。もちろん、ここに選んだBESTアルバムは全てSpotifyで聴けます。というか、「これからの時代」はSpotifyはじめ他のサブスクで配信されていない音楽は、もはや「この世に存在しない音楽」と同じで、もう「これからの時代」はサブスクがレコード屋のCD棚の代わりとなる時代、その「基準」の「始まり」を宣言した年でもあった。
【俺的ラブメイト2017】
1,彩ちゃん(BAND-MAID)

選考理由:虎サーの姫
2,桜子(predia)

選考理由:面白くて可愛い=オモカワ系アイドル
3,満島ひかり

選考理由:2017年はやっぱり「満島ひかりの年」
4,泉里香

選考理由:indeeeeeeeeeed!!
5,ナタリア・ダイアー

選考理由:『ストレンジャー・シングス』
6,飛鳥凛

選考理由:イエ~イめっちゃ美乳
7,華村あすか

選考理由:桜子の上位互換もとい下位互換
年間BEST映画ランキング2017
『PARKS パークス』
『ロマンポルノ・リブート』シリーズ
『彼女の人生は間違いじゃない』
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
『わたしは、ダニエル・ブレイク』
『ヒトラーの忘れもの』
『ドリーム』
『怪物はささやく』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
『スウィート17モンスター』
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』
『20センチュリー・ウーマン』
『さよなら、ぼくのモンスター』
『 哭声/コクソン』
『メッセージ』
『ムーンライト』
『ムーンライト』とか『メッセージ』とか今年の映画扱いでいいのかよっていう鋭いツッコミは、まぁ細けえことはいいんだよ的なアレ(『ラ・ラ・ランド』と『ダンケルク』は同監督とも前作のが好きだったからランク外)。個人的な好みで言えば『メッセージ』がダントツなんだけど、それ以上に今年は「基準」が作られたという意味では、『ムーンライト』を超える映画はないと思っている。と言うより、この『ムーンライト』を1位にしなきゃいけない理由が日本人にはあって、それこそ2017年のまさに年末の年越しに起こった『笑ってはいけない』のとあるシーンが世界を巻き込む騒動となった「ブラックフェイス問題」こそ、この映画『ムーンライト』を1位に選ぶこれ以上ないほど明確な、説得力に溢れた理由だ。つまり、2017年はお笑い界でも「基準」が定められた年と言える。つまり『めちゃイケ』や『とんねるずのみなさんのおかげでした』、そして『笑ってはいけない』のような「旧時代」のお笑いが終わりを告げた歴史的瞬間でもあった。2017年は『新感染』や『 お嬢さん』をはじめ、韓国映画の年でもあって、その中でも一番強烈だったのは3位の『コクソン』で、この映画って日本人役を演じた國村隼が韓国の映画祭で男優助演賞を獲得して初めて完結する(した)映画だと思っていて、この映画ってつまり「そういう映画」で、こんなトンデモナイ映画見せられたら日本映画はもう一生敵わない。
今年一番泣いた映画は『怪物はささやく』と『ドリーム』で、『ドリーム』も『ムーンライト』に通じる「2017年の基準」を感じる映画だった。普段からあまり観る機会がない邦画は、『ロマンポルノ・リブート』シリーズが全部良かったのと、音楽映画として秀逸な『パークス』をはじめ、『彼女の人生は間違いじゃない』とex-満島ひかりもとい石井裕也監督の『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は、前者はまさに3.11以降の日本をメタ的に暴き出し、後者はその3.11から2020年までの日本を繋いでいくような映画で、そういった意味ではキネ旬ベスト・テン日本映画1位に選ばれるのにも納得する。園子温監督の映画『アンチポルノ』をはじめ、全部で5作品ある『ロマンポルノ・リブート』シリーズの楽しみ方としては、一通り全部見た後で出演している女優のツイッターをフォローして、女優のツイートがタイムラインに流れてくるたびに、映画内で魅せた「おっぱい」を思い出す言うなれば「おっぱい記憶検定」みたいな、一種の記憶力の向上にオヌヌメです。例えば、『アンチポルノ』の冨手麻妙のツイートが流れてきたら「デカい」ってなるし、『ホワイトリリー』の飛鳥凛ちゃんのツイートが流れてきたら、記憶を巡らせて「うわ・・・めっちゃ美乳やん・・・」ってなるし、今度は『ジムノペディに乱れる』の岡村いずみちゃんのツイートが流れてきて、記憶を巡らせたら「板尾許さねぇ・・・(by板尾の嫁)」ってなるし。
今年一番泣いた映画は『怪物はささやく』と『ドリーム』で、『ドリーム』も『ムーンライト』に通じる「2017年の基準」を感じる映画だった。普段からあまり観る機会がない邦画は、『ロマンポルノ・リブート』シリーズが全部良かったのと、音楽映画として秀逸な『パークス』をはじめ、『彼女の人生は間違いじゃない』とex-満島ひかりもとい石井裕也監督の『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は、前者はまさに3.11以降の日本をメタ的に暴き出し、後者はその3.11から2020年までの日本を繋いでいくような映画で、そういった意味ではキネ旬ベスト・テン日本映画1位に選ばれるのにも納得する。園子温監督の映画『アンチポルノ』をはじめ、全部で5作品ある『ロマンポルノ・リブート』シリーズの楽しみ方としては、一通り全部見た後で出演している女優のツイッターをフォローして、女優のツイートがタイムラインに流れてくるたびに、映画内で魅せた「おっぱい」を思い出す言うなれば「おっぱい記憶検定」みたいな、一種の記憶力の向上にオヌヌメです。例えば、『アンチポルノ』の冨手麻妙のツイートが流れてきたら「デカい」ってなるし、『ホワイトリリー』の飛鳥凛ちゃんのツイートが流れてきたら、記憶を巡らせて「うわ・・・めっちゃ美乳やん・・・」ってなるし、今度は『ジムノペディに乱れる』の岡村いずみちゃんのツイートが流れてきて、記憶を巡らせたら「板尾許さねぇ・・・(by板尾の嫁)」ってなるし。
年間BESTドラマ2017
(順不同)
『カルテット』
『デビルマン』
『ストレンジャー・シングス』シーズン2
『ブラックミラー』シーズン4
『ダーク』
『The Sinner -記憶を埋める女-』
『マインドハンター』
『マンハント』
『ラインオブデューティ』シーズン4
『アトランタ』
『13の理由』
『このサイテーな世界の終わり』
2017年は、音楽は元より映画以上に海外ドラマに時間を費やした年でもあった。ほとんどNetflixのドラマって時点で色々と察することができると思うけど、2017年は、サブスクリプションにおける「これからの基準」を垣間見た年だった。まさに、それを象徴する出来事がNetflix資本で湯浅監督によって描かれた『デビルマン』である。大袈裟かもしれないけど、いわゆる「地上波アニメ」が終わりを告げた歴史的瞬間を垣間見た気がした。「これからの時代」は、このような地上波のTVアニメではなく、映像ストリーミング配信などのサブスクが資本のアニメやドラマがますます増えていく時代になると。その「第一歩」が『デビルマン』だったのだ。
『ストレンジャー・シングス』のドイツ版とされる『ダーク』は、さすがアインシュタインを生んだ国としか言いようがない、その名の通りダークなSFドラマで最高。コメディドラマは、『マスターオブゼロ』よりも『アトランタ』のが好きだった。特に7話は腹がネジ切れるくらい笑った。『このサイテーな世界の終わり』も一話目のキスシーンから「あ、これオモロイやつだ」ってなった。掘り出し物だったのは『-記憶を埋める女-』で、とりあえず劇中に出てくるクラブのシーンで流れる音楽がCigarettes After SexとPhantogramという、ピンズドで自分の好みを突いてきて最高すぎた。セックスは前作のEPから”Nothing's Gonna Hurt You Baby”が、Phantogramは自分が一番好きなEP『Nightlife』から”A Dark Tunel”が流れてきて、マジこのドラマ「わかってる」ってなった。そんな海外ドラマにも出てくる超大物メジャーアーティストのPhantogramが来日しない意味がわからないので、何度も言うけどいい加減にサマソニ呼んで欲しい。
そして『13の理由』、このドラマの終盤のシーンを見た時、僕は荒木飛呂彦が現在連載中の『ジョジョリオン』の「とあるシーン」を思い出した。ネタバレすると、それはヒロインが浴槽でリスカ自殺する場面で、そのシーンと『ジョジョリオン』のヒロインである広瀬康穂がSNSのイジメを苦にしてリスカ自殺(未遂)して、その現場を母親が目撃するという構図が全く同じなのだ。ネタバレと言っても、そもそもこのドラマ自体が現代日本でも社会問題化している「イジメ問題」をテーマにしたドラマで、このドラマの構成上「自殺」は「始まり」に過ぎないからだ。とは言え、なんだかんだ飛呂彦もNetflix(サブスク)と契約して、主にティーン・エイジャーの話がメインとなる『13の理由』をウォッチしていると分かったのは大きな収穫だったし、ヒロインをメンヘラ化させてリスカ自殺(未遂)させる飛呂彦ってやっぱり「生首ワッショイ」させた永井豪先生の正統後継者なんだなって。あと映画『ドント・ブリーズ』でもお馴染みの、ポスト・ジョセフ・ゴードン=レヴィットくんことディラン・ミネットくんが主役級で出演しているのも◎
『ストレンジャー・シングス』のドイツ版とされる『ダーク』は、さすがアインシュタインを生んだ国としか言いようがない、その名の通りダークなSFドラマで最高。コメディドラマは、『マスターオブゼロ』よりも『アトランタ』のが好きだった。特に7話は腹がネジ切れるくらい笑った。『このサイテーな世界の終わり』も一話目のキスシーンから「あ、これオモロイやつだ」ってなった。掘り出し物だったのは『-記憶を埋める女-』で、とりあえず劇中に出てくるクラブのシーンで流れる音楽がCigarettes After SexとPhantogramという、ピンズドで自分の好みを突いてきて最高すぎた。セックスは前作のEPから”Nothing's Gonna Hurt You Baby”が、Phantogramは自分が一番好きなEP『Nightlife』から”A Dark Tunel”が流れてきて、マジこのドラマ「わかってる」ってなった。そんな海外ドラマにも出てくる超大物メジャーアーティストのPhantogramが来日しない意味がわからないので、何度も言うけどいい加減にサマソニ呼んで欲しい。
そして『13の理由』、このドラマの終盤のシーンを見た時、僕は荒木飛呂彦が現在連載中の『ジョジョリオン』の「とあるシーン」を思い出した。ネタバレすると、それはヒロインが浴槽でリスカ自殺する場面で、そのシーンと『ジョジョリオン』のヒロインである広瀬康穂がSNSのイジメを苦にしてリスカ自殺(未遂)して、その現場を母親が目撃するという構図が全く同じなのだ。ネタバレと言っても、そもそもこのドラマ自体が現代日本でも社会問題化している「イジメ問題」をテーマにしたドラマで、このドラマの構成上「自殺」は「始まり」に過ぎないからだ。とは言え、なんだかんだ飛呂彦もNetflix(サブスク)と契約して、主にティーン・エイジャーの話がメインとなる『13の理由』をウォッチしていると分かったのは大きな収穫だったし、ヒロインをメンヘラ化させてリスカ自殺(未遂)させる飛呂彦ってやっぱり「生首ワッショイ」させた永井豪先生の正統後継者なんだなって。あと映画『ドント・ブリーズ』でもお馴染みの、ポスト・ジョセフ・ゴードン=レヴィットくんことディラン・ミネットくんが主役級で出演しているのも◎
あとがき
これは坂本龍一をはじめ、様々な著名人が言ってることなだけど、要約すると「近頃はインプットすることが多すぎてアウトプットする時間がない」と。僕自身、2017年に見た映画やドラマも「最低限」のインプットでしかなくて、これ以上インプットしようにも本当に時間がいくらあっても足りない。こうなると音楽の優先度は更に低くなっていくばかり。どうしよう?