Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

2012年度BEST

”俺の界隈”よ、これが映画だ

男のフェミニズム

そんなわけで、今年観た映画(DVD含む)で良かったBEST7をてきとーに(ネタバレあり)

『ドライヴ』 
『孤島の王』 
『別離』 
『私が、生きる肌』
『少年と自転車』
『少年は残酷な弓を射る』

『ダークナイト・ライジング』

・・・こんな感じ。この中ではUS産の『ドライヴ』 とノルウェイ(北欧)産の『孤島の王』 が俺の中では二強なんだけど、この二本は特に、サントラが欲しくなるくらい劇中の音楽が良かった。『孤島の王』 のストーリーはもはやショタ版タイタニックといっていい。『ドライヴ』の方はB級映画(使い方間違ってるけど)的な傑作だと思う。もうなんか雰囲気音楽ならぬ雰囲気映画の頂点です。まず、GTAバイスシティ的な超絶Coolな序盤から一転して中盤からのバイオレンスな展開とのギャップに驚く。そしてライアン・ゴズリングが演じる、ちょいとサイコな主人公のダーク・ヒーロー的な存在が、一挙一動に醸し出す”男のフェミニズム”に萌え死んだ。この映画は本当にデブ豚が『恋の予感』で出してる音とマッチしてると思った。当然グロテスクな描写もあるが、いわゆるゾンビ映画のノリと同じで、そのコミカルなシュールさに”俺の感性”がツボった一要素でもある。色んな面でジョジョ好きならマストと言える。で、時おり入るスローモーションを使ったクッサい演出も◯だし、何といっても脇役がいい味出してた。その『ドライヴ』を見終えたある時、昨年のBESTにも入れた『ブルーバレンタイン』の主演がライアン・ゴズリングだと知った時はファッ!?ってなった。役柄の違いにビビった。イラクの映画で、介護をテーマにした社会派?の『別離』はマジ見応えのある内容だった。あのラストはズーンと重くきた。『私が、生きる肌』は”アルモドバル監督×アントニオ・バンデラス×エレナ・アナヤ”の共演とかもう傑作が約束されたようなもんで、事実、変態映画の傑作でした。久々に映画観てて”エロい”って思った。日本の待機児童問題にインスピレーションを受けたとされる、ベルギー出身のダルデンヌ兄弟の最新作『少年と自転車』は、これまでのダルデンヌ作品と比べるとかなり身近なテーマだったんで、変に構えず身軽に鑑賞することができた。俺の中でダルデンヌと言えば『息子のまなざし』一択なんだが、『少年と自転車』のラストシーンにあるような、自転車に跨り明日を駆けていく、また一段と成長した少年の背中から、全てのダルデンヌ映画に共通するカタルシスを感じられたのは良かった。あのシーンは本当に「おっ、カタルシスゥー!」ってなった。オープニングの”ラ・トマティーナ”のシーンからグッと引き込まれた映画『少年は残酷な弓を射る』は、タイトルそのまんまのラストで結構衝撃的だった(原作は未読)。主演のティルダ・スウィントンを筆頭に、子役を含めた役者陣の演技力にただただ脱帽した。てか、『少年と自転車』で遂にグレた少年→『孤島の王』にブチ込まれる→とうとうブチ切れた『少年は残酷な弓を射る』・・・とかいうこの『少年三部作』はオススメ。念の為に断っておくが、ぼく別にショタコンとかじゃあないから(震え声)...最後に『ダークナイト・ライジング』を選んだのは、言わずもがなジョセフ・ゴードン=レヴィット君枠ですw 『ミステリアス・スキン』で初めて彼を知って以来のファンとしては、まさかここまで大物になるとは全くもって想定外で、ただただ嬉しい限りです。そんなわけで、NEXT-バットマンはジョセフ君でいこう(提案)

2012年度BEST16ッ!!

2012年度BEST16ッ!!

No.16 
Vales 『Clarity』
Clarity
★UK産/激情系HC/レビュー記事
★これはもう(ベクトルは違うが)限りなくポストブラックに近いナニかだと思う
★Favorite Track ”Surrender (Clarity)” ”Caves (Anxiety)”

No.15 Borknagar 『Urd』
Urd
★ノルウェイ産/ICS Vortex+Opethの3rd/レビュー記事
★初期メンICS Vortexの復帰で化けた
★Favorite Track ”The Winter Eclipse” ”Frostrite”

No.14 The Gathering 『Disclosure』
Disclosure
★オランダ産/NEXT-Gathering/レビュー記事
★帰ってきた俺たちのThe Gathering
★Favorite Track ”Heroes For Ghosts” ”Meltdown”

No.13 Powder! go away 『we don't know when it has begun, but we know that it will never end』
we don't know when
★おそロシア/epicッ!!系ポストロック/レビュー記事
★『2012』年の初め、まさかまさかの衝撃だった。
★Favorite Track ”10 July 2011. Storm.” ”File-Open-Trojan32.exe”

No.12 Athletics 『Who You Are Is Not Enough』
Who You Are Is Not Enough
★US産/激情系ポストロック/レビュー記事
★美メロ美メロアンド美メロ
★Favorite Track ”Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ”

No.11 If These Trees Could Talk 『Red Forest』
Red Forest
★US産/ホロ酔いポストロック/レビュー記事
★今年のポストロックでは一番だったかも
★Favorite Track ”The First Fire”

No.10 In Mourning 『The Weight of Oceans』
The Weight of Oceans
★スウェーデン産/スウェーデン界隈最後の砦/レビュー記事
★年間BEST皆勤賞を受賞
★Favorite Track ”Colossus” ”A Vow to Conquer the Ocean”

No.9 Baroness 『Yellow & Green』
Yellow & Green
★US産/男の哀愁/レビュー記事
★Welcome To My ”俺の界隈”
★Favorite Track ”Take My Bones Away” ”March to the Sea”

No.8 Ne Obliviscaris 『Portal Of I』
Portal Of I
★オーストラリア産/J-RPG型中二病メタル/レビュー記事
★ぼくがかんがえたさいきょうのえくすとりーむめたる
★Favorite Track ”Tapestry Of The Starless Abstract”

No.7 Les Discrets 『Ariettes oubliees...』
Ariettes oubliées...
★フランス産/シルビアのいる街で/レビュー記事
★あのAlcestを超えちゃったかもしれない2nd
★Favorite Track ”Ariettes oubliées” ”Au creux de l'hiver”

No.6 2:54 『2:54』
『254』
★UK産/妖艶BBA/レビュー記事
★Elsianeの新譜と同様に強い”引かれ合い”を感じた一枚。
Favorite Track ”Circuitry” ”You're Early”

No.5 Elsiane 『Mechanics of Emotion』
Mechanics of Emotion
★カナダ産/シャクレエロ/レビュー記事
★今年一番の”引かれ合い”を感じた一枚
Favorite Track ”Mechanics of Emotion” ”Nobody Knows”

No.4 Acid Black Cherry 『2012』
Acid Black Cherry
★国内産/ドエロの貴公子/レビュー記事/ライブ感想
★”俺の感性”の”原点”を再認識させた一枚
Favorite Track ”指輪物語” ”少女の祈りIII” ”イエス”

No.3 Deftones 『恋の予感』
Koi No Yokan
★US産/男のフェミニズム/レビュー記事
★My Heart is ”DOKIDOKI”&”WAKUWAKU”&”UKIUKI” de warota...
Favorite Track ”Leathers” ”Entombed”

No.2  Enslaved 『RIITIIR』
RIITIIR
★ノルウェイ産/孤島(バストイ)の王/レビュー記事
★プログレとブラックが運命的に出会った結果
★Favorite Track ”Roots Of The Mountain” ”Death In The Eyes Of Dawn”

No.1 ANATHEMA 『Weather Systems』
Weather Systems
★UK産/黄金の精神/レビュー記事
★もはや”俺の界隈”を象徴する”黄金のシンボル”となった、10年に一度の大傑作ッ!!
★Favorite Track ”Untouchable” ”Lightning Song”

2012年度BEST Song Top 5!!(文字数制限により5曲まで)順不同
Gojira ”Explosia
Cynic ”Mirror Child
℃-ute ”悲しきヘブン
Trespassers William ”Flicker
Katatonia ”The Racing Heart


・・・と、今年『2012』年の年間BESTは大体こんな感じに。No.1~5までは固定順位で、No.6以降は順不同的な扱いでOK。ジャンル的には例年通り?に(プログレ気味の)メタル色が濃い目。例年との違いといえば、今年はいわゆる”俺の界隈”が信条として掲げた”エロ”を全面に押し出した作品がNo1からNo5までズラリと並ぶ結果となったトコか。まず、レビューでも散々語り尽くしたが、それでもまだ語り足りないぐらいの”セカンドインパクト”=”黄金体験”を堪能させてくれた、ANATHEMAの『Weather Systems』との運命的な出会い...これはもう当ブログWelcome To My ”俺の感性”が追い求めていた音楽そのものであり、このブログを立ち上げた意味、もうなんか俺が生まれてきた意味や存在意義というのは、もはやこの作品と出会うためだったといっても決して過言じゃあない。それぐらい、ある意味で俺の人生における一つの”終着点”に辿り着いたような気がした。これはもう”俺の界隈”という一つの共同体が導き出した、たった一つのシンプルな”答え”だと思う。これ聴いてると、どーんなーに困難で、どんなに過酷な未来が待ち受けていようと、それを乗り越える”愛””勇気””希望”『力(エネルギー)』を与えてくれる、そんな気がするんだ。もうなんか俺という吉良吉影バリのクソカス人間の中に眠る一輪の黄金の精神”を呼び覚まし、その深い眠りから目覚めた黄金の精神”をもって、まるで岸辺露伴になりきった勢いで書き殴ったあのレビューは、数あるこれまでのレビューとは一線を画した、事実超絶epicッ!!な記事となった。このANATHEMAの『Weather Systems』を何百回何千回と聴いてゆく日々の中で、ある日突然ふとした瞬間に”ファッ!?”とかいう驚きと共に遂に悟った事を、あ…ありのまま今ッ起こった事を話すぜ!「もはやANATHEMAの『Weather Systems』って、XJAPANの『バラード・コレクション』的なナニかじゃん」って。要するに、あの”生命エネルギー”をズキュウウゥン!!と全身で浴びた事により、”俺の感性”は遂に”NEXTの世界”へ到達したと思われたが、それは全くの勘違いだった。な...なんと”俺の感性””一巡”していたんだ・・・な...何を言っているのか分からねえと思うが俺にも分からん...というわけだ。そう...”NEXTの世界””一巡”した先にあったッ!!・・・とかいう冗談は程々にして、それほどまでに、本作からは”俺の感性””原点”を感じる事ができたんだ。ここでその”原点”の話をすると、俺が青春時代の頃に死ぬほど聴いていたJanne Da Arcのフロントマンであり日本が誇る”ドエロの貴公子”こと、yasuのソロバンドAcid Black Cherryの新作『2012』を何げなーく耳にして、”あの頃””ぼくのおもひで”をフラッシュバックさせるほどの”衝撃”を受けたと同時に気づいた→(”俺の立ち位置”は”あの頃”と1ミリたりとも変わっちゃあいないんだ)...と。つまり色々な意味で、今年『2012』年は自分にとって”原点回帰”の年だったと言えるのかも。その”原点回帰”言うなれば”感性の一巡”という、この実に奇妙な現象にハッ!!っと気づかされた時は、ただただ失望そして愕然とした...あとスグにそれを上回る奇妙な感動が胸に押し寄せ、不思議と涙がちょちょぎれるぐらい嬉しくなった。そして忘れちゃあいけない、ANATHEMAの『Weather Systems』黄金の精神”すなわち『ジョジョ』そのもの、だという事を。何度でも書くが、ANATHEMAの『Weather Systems』はジョジョ8部『ジョジョリオン』の主人公”東方定助と広瀬康穂”Love & Peace”な関係性、すなわち黄金の関係性”を見事なまでに体現しているものだと。もはや”日本一のジョジョヲタ”を自称するレベルの俺が、この『Weather Systems』という”ナプキン”を掴み取るのはごく自然な出来事だったというか、もはや”ジョジョ好き”で本作品を聴いてない奴がいるとすれば、それはもう”ジョジョ好きではない”んだと思う。要するに、このANATHEMAの『Weather Systems』で描かれる黄金の関係性”=『ジョジョリオン』で描かれる黄金の関係性”だという事を理解ッしたジョジョヲタって今の日本にどれだけいるの、というお話。すなわちANATHEMAの『Weather Systems』=”SEX”という結論で、どぅぞ。もはや今の俺に語らせると、あのドラマで有名なセリフがこうなる→「か~んち!ANATHEMAの『Weather Systems』しよッ!!」って(なにいってだこいつ...) そしてもう一つ、忘れちゃあいけない事がある。ANATHEMAの『Weather Systems』=”Christer André Cederberg”だという事を。ノルウェイ人の彼は本作の”鍵”を握る最重要人物であり、本作において彼はもう一人のメンバーつまり”4+1”の存在、それほど大きな存在だったんだ。あのAnimal Alphaの生みの親である彼とANATHEMAの運命的な”引かれ合い”の実現に、素直に喜ぶこと以上にナニか別のアツいもの...そう、”灼熱の魂”が震え立つほどの感動を味わったのは、俺を含めて世界でもかなり少数なんじゃあないか、と。つまり、本作品を今年のBESTに、それこそNo.1に選ぶ人(当ブログ読者を含む)は腐るほどいると思うけど、じゃあその人達の中で、あの当時どれだけの人がAnimal Alphaの存在に気づくことができたんだろう、というお話。で要するに、約四年前、あの時の引かれ合いは決して偶然なんかじゃあなかった。それは今年、ANATHEMAの『Weather Systems』と出会うための、ワンピースもビックリの壮大な”伏線()”だった、というわけだ。どうやらそういうわけなんで、当ブログがナゼ本作を今年のBESTに、そしてNo,1にする”それなりの理由それなりの説得力”というのがウチのブログにはあるんじゃあないか、と。今年、その”俺の界隈”を創設して以来過去最大級の”引かれ合い”を目の当たりにした影響か、当ブログWelcome To My ”俺の感性”が発信することに、”根拠のない自信”が芽生えてきた気がする。以上、いかにして当ブログのNo.1がANATHEMAの『Weather Systems』となったのか、嫌というほど十分に”納得ッ”してもらえたハズです。

マヤの予言した『2012』年の終わり...
       これにてANATHEMAの『Weather Systems』が...
                    ”俺の界隈””基本の世界”となるッ!!

 ・・・ファッ!?ここまで今年の総括というより”あのレビュー”の続きじゃねーかwって話なんだが、まぁそれほど月までブッ飛ぶこの衝撃だったという事が読者に伝わればいいです。正直、近頃の”俺の界隈”のいわゆる”オルタナティブ・ヘヴィ”贔屓は、このAnimal Alphaと出会ってなかったら、コイツラが存在してなかったらあり得なかったわけで。当然、Animal Alphaの伝説の1stを聴いた時点では”Christer André Cederberg”の存在なんか知りもしなかった。だからこそ今回、そのANATHEMAとのまさかの”引かれ合い”に衝撃を超えたナニかを感じざるを得なかったんだ。何はともあれ、Animal Alphaがある日突然解散を発表して一時はどうなるかと思ったが、ノルウェイの森に棲む白髪鬼ことVoアグネットが新バンドDjervを結成し、セルフタイトルとなるデビュー作で目出度く復活したってのも、ANATHEMAの『Weather Systems』=”Christer André Cederberg”による”生命エネルギー”ズキュウウゥン!!と浴びたお陰か?なんつって。話は変わるが、あの池田信夫ニキも今年のBESTに『Weather Systems』の名を挙げたようで「意外ッ!」だったんだが、どちらかと言えば”原発推進派”のポジションにいる彼がこの『Weather Systems』をBESTに選ぶという行為に、なんとも言えないような面白みを感じた。だって、この『Weather Systems』って、どちらかと言えば”ソレ”とは真逆の立ち位置にある音楽だと”俺の感性”「通称(おれかん!)はそう解釈してるし、なんというか、だからこそ『人間』って面白れえッ!!って(なにいってだこいつ)

 今度こそ本当に話を戻して、今年は”俺の界隈”の二強であるANATHEMAKATATONIAの直接対決に注目を集めた。この両者、出自は似たようなもんだったが、今や”光の象徴”ANATHEMA”闇の象徴”KATATONIAとゆうてしまえるぐらい”対極”の音楽性へと変貌を遂げた。しかし・・・肝心の新作の内容も”対極”となってしまったのは、なんとも皮肉な出来事だった。この”俺の界隈”を象徴する二つのバンドのように、今年は”期待に答えてくれたバンド”と”そうでないバンド”との差がハッキリしたのが多かった印象。当然、Anathemaのように”期待に答えてくれたバンド”はBESTにランクインしてたりするんだが、逆にKatatoniaの『死の王』やパラロスそしてAlcestのような”そうでないバンド”らの新譜なんかは圧倒的に前作のが良かった。まぁそれでも名古屋飛ばしをしないネージュ氏は人間の鑑という事には変わりない。で、昨年はWhirrPhantogramそしてTrue Widowに只ならぬ”引かれ合い”を感じたが、今年は2:54Elsianeにそれと同様の”引かれ合い”を感じた。何故に全て女ボーカルなのか、自分でも興味深いところではある(笑 なにはともあれ、来年もこのような素晴らしき出会いがありますよーに。ここらへんで簡潔に総括すると、今年はNo.1~No.5までのエロエロアンドエロに全てを持ってかれた年でした。そして何よりも、ANATHEMAの『Weather Systems』の為にある年でした。

 再びッ!!あの話に戻るが・・・ANATHEMAの『Weather Systems』の誕生により、当ブログWelcome To My ”俺の感性”を始めるにあたっての目的が達成された事と、そのAnathemaと並び”俺の界隈”の二強の一角を担う肩さんの新作死の王の内容が、ジョジョ一部ラストのディオのように「こいつ…死んでいる…!」とでも言いたいぐらいショッキングなものだった事、この二つの”良い影響”と”悪い影響”により下半期は新譜を聴くモチベーションがガクッと落ちた結果→ブログの更新頻度が激減したのは言うまでもなく・・・そんな事よりも『Weather Systems』のレビュー記事の加筆してたほうが楽しいような気がしてアレ。つまり、いわゆる”俺の界隈”の最大勢力である、ここ最近のスウェーデン勢の凋落により突如発生した”サード・インパクト”すなわち”俺の界隈”の崩壊(リセット)・・・その補完活動として来年は”俺の界隈”の”再構築”を始めなきゃいけない予感ッ!?その”再構築”の手初めに最高の手助けとなってくれそうな、スウェーデンの最終兵器ことCult of Lunaクンの待望となる新作、そしてマリウスきゅん率いるRiversideの新作には大いに期待したい所。これで”俺の界隈”を...トリモロス!!何はともあれ、これにてWelcome To My ”俺の感性”とかいうブログを始めた目的及び答えに出会えたという事は、言い換えればもうブログを続ける理由がなくなってしまった、というわけ。なんで、これを書いている今はもう”喪失感”、いや、”幸福感”が物凄い。そういうわけなんで、来年もブログを続けていくかはまだ未定だが、もし続けたとしてもまったりとやっていく感じになりそうです。なんたって、ANATHEMAの『Weather Systems』という黄金の精神”を味方につけた今の俺に怖いものなし、だからね。

 約5年間、このブログで育んできた”俺の感性”は、今やジョジョ8部『ジョジョリオン』を120%理解ッするためのナニかに突然変異を遂げ、そのジョジョリオンの”広瀬康穂””東方大弥”、SBRの後期ルーシー・スティールから見る、言わば”荒木飛呂彦が考えるアイドル像”というのを作中で露骨に描写してきた事や、そして今年から”俺の界隈”のシンボルとなった『Weather Systems』=黄金の精神”、その黄金の精神とは何か”の答えを日本のアイドルから学んでみるのも面白いんじゃあないか、とかいうノリで、今年から”俺の界隈”に”アイドル枠”もとい”アヴドゥル枠”を新設したわけなんだが、偶然か必然か、そこでも一つの”引かれ合い”が発生した。そう、今年の4月1日からその”アヴドゥル枠”を担当する事となったのが、アヴドゥル界隈屈指の”武闘派アイドル”こと℃-uteだった。で、℃のMVを初めて見た瞬間に”これはライブバンドですわ””おれかん!”が漠然と確信ッしたと同時に、俺のキング・クリムゾンが黄金期”へと突入した”NEXT-℃”の未来を予測した結果→4月の末に行われた春ツアーの名古屋公演に(出会ってから一ヶ月もしない内に)速攻現場初参戦するとかいう、”いともたやすく行われるえげつない行為”に出たおいら。そして今月には冬ツアー神聖なるペンタグラムの名古屋公演に、人生二度目となる℃コンに参戦したわけなんだが、あの”引かれ合い”により初参戦する事となった春公演から冬公演までのたった半年で、あらゆる面においてここまで素直に成長してくるなんて、俺のクリムゾンをもってしても全く予測できない事だった。実際、あの名古屋の夜に行われた”神聖なるペンタグラム”に参戦し、100年に一度のあの名曲Untouchable, Part 1のソレに限りなく近い”灼熱の魂”を心から奮い立たせるパフォーマンスを黄金体験”してみて(当然今年のBESTライブアクト)、あの時の根拠のない自信確信ッへと変わったッ!!ナゼに”俺の界隈”の”アヴドゥル枠”に引かれ合ったのが℃だったのか、いわゆる”アイドル戦国時代”における”今の℃-uteの立ち位置”というのは、いわゆる”俺の界隈”という一つの共同体に共鳴するアーティスト達の”立ち位置”と全く同じソレだった、という事なんだ。つまり、ナゼに”OpethではなくKatatonia”、”PTではなくANATHEMA”、”ラルクではなくジャンヌ&ABC”、そして”モー娘。でも、ももクロでもなくナゼに℃-ute”だったのか、その”絶妙な立ち位置”おれかん!”根拠のない自信”をもって、全力でその”引かれ合い”を受け止めたわけなんだ。その中でも、鈴木愛理とかいうアイドルサイボーグの存在には只々驚かされた。時に広瀬康穂に、時にゴージャス・アイリンに、時に空条徐倫へと姿を変える...それはまるで辻彩のエステ『シンデレラ』に取り憑かれたように通いつめる山岸由花子の如く変幻自在なその表情、その仕草、その存在感は...まさしく『ジョジョ』に登場する”強く、気高く、美しく”の三拍子を取り揃えた、いわゆる”スゴ味”のある『ジョジョの女』そのものである...と。実際、今の鈴木愛理からは全盛期の松浦亜弥(あやや)を彷彿とさせる”ナニか”を感じるんだ。

 今年、これまでと同じような感覚で音楽を聴いてきたつもりだったけど、漠然と気づかされた事が一つだけあった。「音楽ってリアルに人を幸福にするんだな..」って。去年や一昨年ほど新譜を数多く聴いたわけではないけど、24年間生きてきた中で、今年ほど充実した音楽体験は初めてだったし(上半期は特に)、今後二度と味わうことはないと思う。この少数精鋭的な聞き方は実に理想的な音楽の聞き方だと思った。とか書いててなんか、当ブログWelcome To My ”俺の感性”の終焉に相応しい記事になったみたいで、最後に一言・・・今までの読者に、今まで出会った音楽に『ありがとう』...それしか言う言葉が見つからない...。そんなわけで、来年もよろしゅう。

Deftones 『恋の予感』 レビュー

Artist Deftones
デブ豚

Album 『恋の予感』
Koi No Yokan

Track List
01. Swerve City
02. Romantic Dreams
03. Leathers
04. Poltergeist
05. Entombed
06. Graphic Nature
07. Tempest
08. Gauze
09. Rosemary
10. Goon Squad
11. What Happened To You?

  俺は今ッ!!猛烈にデブ豚に『』をしている・・・ッ!! 

USはカリフォルニア州サクラメント出身のうそつきデブもといデブ豚ことDeftonesの約二年ぶり通算七作目『恋の予感(原題:Koi No Yokan)』が、まるで「KATATONIAよ、これがオルタナティブ・ヘヴィだ」と言わんばかりの、あまりにもエロ過ぎィ!る傑作な件。についてで、一昨年にリリースされた前作の6thDiamond Eyesといえば、Meshuggah直伝の鬼グルーヴを極めたステフ(Gt)によるゴッリゴリにヘヴィなド轟音を一番の売りとしたモダンで武骨な作風でありながら、いつもより控えめではあるがVoチノのエモーショナルな歌メロとの絶妙なバランスが極上のカタルシスを形成していく様は、その年のBESTに入っても可笑しくないレベルの、まさしく「究極のオルタナティブ・ヘヴィ」といっていいほどの傑作だった。その初期のヌーヌー言うてたチャラいデブ豚との決別、そして更生してマジメになった前作と同様にNick Raskulineczをプロデューサーとして迎え入れた本作品も、終始”轟音”一辺倒にゴリ押す前作ほど硬派な作風ではないものの、やはりメシュガニキ直系のモダン・ヘヴィネスと傑作の3rdや5thの頃の刹那的かつ繊細な表情を垣間見せるVoチノのフェミニンなエロぃ歌声が、極上のエモーショナルな感情となってより一層プログレスにまぐあいながら俺たちのクソカス魂を優しく包み込み、特に”デブらしさ”というのが”至ってシンプル”に凝縮された先行シングルの#3” Leathers ”を初めて聴いた時なんかは、今世紀最大の”Cool!!&スタイリッシュ!!”な傑作映画『ドライヴ』のサントラに使われてもおかしくないレベルの”男のフェミニズム”を感じざるを得なかったし、本来はKATATONIAが新作の死の王で鳴らすべきだった実に理想的な音を、今回のデブ豚は”絶妙な立ち位置”から鳴らしていて、その”今の等身大のデブ豚”の全てが凝縮された” Leathers ”から放たれる”泣き”の叙情美に恋焦がれた俺たちのMy Heart is eroticッ!! そして『恋の予感』に僕たちボーイズのハートは即キュン死♥した結果→My Heart is ”DOKIDOKI”&”WAKUWAKU”&”UKIUKI” de warota...これはエロいッ!!あまりにもエロ過ぎるぞッ!!それはまるで『ジョジョリオン』”広瀬康穂と東方定助”=”Love & Pieceすなわち黄金の関係性”に似たナニか・・・もはや”凄艶”じみたエロさだッ!!

 今回、感覚的には”ポスト-メシュガニキ”ぐらいの音というか、今流行のdjentに近いモダン&グルーヴィなサウンドを基本の世界にしてはいるんだけど、3rdや5thを彷彿とさせるシューゲ嗜好の強い叙情性とクッソいっやらしいセクシャルな音のアプローチからは本来のデブ豚の持ち味を嫌でも堪能させる。まるで「メシュガーガガ ガーガガ ガーガガ ガーガーガー×4」・・・と、あからさまにメシュガニキ大好き♡な前作を聴いた時は、やっぱコイツらメタル大好き♡なんやなぁって思ったけど、本作ではその”メタル好き♡”な表情と”これぞデブ豚ッ!!”って感じのポストロック/ドリームポップ/シューゲ/アンビエント流れの色気ムンムンとしたサクラメントの”あの香り”漂う”エロス”な表情が絶妙に調和することで生まれた傑作であり、その”媚びる”べきTime(時間) Place(場所) Occasion(場合)すなわちTPOをしっかりと理解ッしている、今のデブ豚の実に器用な立ち回りには心から敬意ッ!!を表したい。そして、日本が誇る”ドエロの伝道師”ことyasuニキの新作でもお馴染みの2012年という”エロ”が鍵となる年の終わりに、USのドエロ金髪豚野郎からの回答が”俺の界隈”にやってきたと同時に、デブ豚さんから「オルタナティブ・ヘヴィっつーもんはこうやるんだ」という模範解答を肩さんへプレゼントしてみせた。例えとして、傑作とされる3rd『White Pony』KATATONIAの最高傑作『Last Fair Deal Gone Down』、そして前作のDiamond EyesKATATONIANight Is the New Dayが同じ位置づけとするなら、最新作に当たる本作『恋の予感』とあの世紀の問題作死の王が同じ位置づけとなるわけで、しかしその内容の差は歴然で、いわゆる”俺の界隈”に属する”オルタナティブ・ヘヴィ界隈”の二強であり兄弟分であるデブ豚と肩さん、どこで差が付いた・・・慢心、環境の違い...。つまるところ、その二強の”間の子”的な存在であるDir en greyには更なる期待をせざるを得ない、というわけだ。

  恋しちゃったんだ♪たぶん~気づいてな~いでしょう?

 軽快なリズム&グルーヴと美しくかき鳴らされるギターのメロディが俄然”Cool!!&スタイリッシュ!!”な印象を与える、まさに”シンプル・イズ・ベスト”な#1”Swerve City”を耳にした瞬間に「ファッ!?これは・・・まさか『Koi No Yokan』ッ!?」を確信し、前作流れのプログレスな感度をもって場面を靭やかに切り替えていく#2”Romantic Dreams”、クッソエロいイントロからVoチノの激しいシャウトと轟音ニキからの~サビで叙情的に泣くギターとチノの歌メロ全てが完璧な#3”Leathers”、謎の手拍子で始まる#4”Poltergeist”や#10”Goon Squad”は3rdというか初期っぽいウネリとヤンチャな感じがあるし、マジ夢心地な異世界へと誘うデブ豚らしいコテコテなバラードの#5”Entombed”はアヘ顔しながら”ああ^~”ってなる事ウケアイなほどeroticッ!! で、グランジっぽいヤバ気な雰囲気の漂う#6と#8(#8は後半がシブい)、サビの入り方がすげーベタなメタルっぽい#7”Tempest”、イントロのロマンティックなメロディから前作の”Sextape”を彷彿とさせる#9”Rosemary”とかいうタイトルとは裏腹に、身体に纏わり付いて離さないゴリゴリしたリフの反復と超絶ドリーミーな音響を交錯させながら全体的に重低音を響かせる。ラストを飾る#11”What Happened To You?”も地味に心地いい良曲。
 そんな感じで、前作はゴッリゴリなGリフ主体の曲調で無骨な統一感をもって一気に聴かせる、悪く言えば単調でメリハリが弱く、それ故に一曲一曲が小粒な印象を受けたが(逆にそれがいい面でもあった)、しかし今回は一曲一曲に”個”と”味”があって、尚且つバラエティも豊富で捨て曲なし。中でも彼らの”メタル好き”が垣間見る事ができる#3の2分16秒からの”ポスト-轟音ニキ”的なヘヴィネスがポイントで、スウェーデン界隈最後の砦であるIn Mourningも近年の作品でソレに至極近い音を出してるってのが、なんか嬉しかった。なんか。んで思った、Dir en greyが次作で目指すべき音こそ『恋の予感』なんじゃないかと。まぁそれは兎も角として、個人的には前作と同じぐらい気に入ったし、#1から#5までの流れは完全に互角だが、後半の出来は本作のが一歩二歩も上手か。前作と比べると重心がややヘヴィロック寄りになった感じはする。なんというか、3rdのヘヴィロック的なノリと5thの妖しくエロく病的なほどキケンな空気感で音は6thを少しソフトにした感じ(てけとー)。要は彼らの集大成といっていい位置づけ。けどドラムの音とドラミングは(肩さんのダニエルっぽさのある)前作のが好みだった。しかしながら、あの前作から約二年という短いスパンにも関わらずこの完成度は素直に凄い、としか(この辺の功績はPの手腕によるものなんだろう)。完全にデブ豚の黄金期”は今だと言い切れる。このピュアな恋心がハジケ飛ぶ前に来日はよ。デブニーの時間はよ。裏ジャケの”TOKYO MASSAGE”eroticッ!!な事しにはよ。

 そんなわけで、 前作の内容には”やるじゃんデブ豚”って素直に感心したんだが、その前作の美味しい所を確かに継承しつつも中期の頃の”これぞデブ豚”というような要素が巧みに混ざり合った結果の傑作なのかな、と。ゆうても、やってることは”至ってシンプル”なデブ豚、つまり今の彼らの等身大をありのままに感じ取る事ができる。要するに、三船敏郎やクリント・イーストウッド=空条承太郎、そして映画『ドライヴ』の主人公のような「男らしさへの女々しいほどのこだわり」つまり「feminineであることがDeftonesをmasculineにする」という結論で、どうぞ。これはもはや”俺の感性”=”ジョジョの感性”が目指す先にある”一つの答え”なのかもしれない。少なからず今回、そのヒントととなる「”男のフェミニズム”とはナニか」を学ばせてもらったデブ豚には、『ありがとう』...それしか言う言葉が見つからない...。

                サンキューチッノ
 
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Enslaved 『RIITIIR』 レビュー

Artist Enslaved
Enslaved

Album 『RIITIIR』
RIITIIR

Track List

02. Death In The Eyes Of Dawn
04. Roots Of The Mountain
05. Riitiir
06. Materal
07. Storm Of Memories
08. Forsaken

『 70sプログレッシブ・ロックとブラックメタルの融合、その完成型 』
 
北欧ノルウェイに凄む”孤島(バストイ)の王”ことEnslavedの約二年ぶりとなる通算12作目『RIITIIR』が、もはやワロタレベルではないくらいに凄んでる件。についてなんだけど、かのイェンス・ボグレンの元で制作された一昨年の11thAxioma Ethica Odiniでは、近年の作品から取り入れ始めたPink FloydKing Crimsonライクな”Progressive-Rock”のアプローチを著しく強め、例えるならOpethの8th『Ghost Reveries』”今のEnslaved流”の解釈でやってみたら”大化け”しちゃった(テヘペロ)。そんな彼らの新作は再びッ!!俺たちのイェンス・ボグレンをミックスに迎え、これ以上ないほど理想的な体制で臨まれたものとなっており、確かに”大化け”しちゃった前作ほどのインパクトはないが、その前作=”脳筋トロール野郎”に70sプログレという”知性”が芽生えた結果、より深く、より寥郭たるスケールで描き出される、円熟を極めし先に辿り着いた深淵かつ荘厳そして孤高の音世界は、もはや完全に”ブラックメタル”からの脱却を図った、これはもう”Enslaved”という一つのジャンルだと言える(というより、これは”ブラックメタル”を突き詰めた先に彼らが導き出した”一つの答え”なのかもしれない)。それはOpeth『Ghost Reveries』からのWatershedすなわちEnslaved『Axioma Ethica Odini』からの『RIITIIR』という作風の流れ/変化に至極似た感覚だったりする。残念ながらOpethはその移り変わりに対応できないままフェードアウトしてしまったが、しかしこのEnslavedは今の流動的な時代の流れに上手く対応し大成功したパターンと言える。で、中心人物であるIvar Bjørnson(Gt)とGrutle Kjellson(Ba,Vo)の作曲面での一層の活躍もさる事ながら、近年のEnslavedがナゼに”大化け”したワケ理由、その一番の立役者であり、そして今や”世界一気だるくて色気のあるクリーン・ボーカル”の持ち主といっても過言じゃあない、鍵盤担当のHerbrand Larsenによるミカエル・オーカーフェルト(Opeth)が全盛期だった頃の歌を更に美しく、そしてepicッ!!なエモーションが込められた彼のボーカリストとしての才能は、これにて遂に覚醒したッ!!といっていい。その”男のフェミニズム”をムンムンと醸し出す、説明すると”歌からの~ッッッ”みたいな息の切り方というか、この”ッッッ”←っていうトコの吐息がエロティック過ぎる彼の歌声/コーラスは初っ端の#1” Thoughts Like Hammers ”から存分に堪能でき、プログレ臭全開のイントロからサビにかけて徐々にキモチをepicッ!!に高ぶらせていく#2” Death In The Eyes Of Dawn ”の、俺に”ミカエル超え”を確信させたほどの叙情的なサビでは、”ボーカリストとしてのエルブラン・ラーセン”が逞しく成長し覚醒した姿を堂々と見せつけ、今にもトロけ落ちそうなくらいにエロス&フェミニンなエルブランの甘~い歌声とキモティィィ”ポスト-あのキザミ”リフを幽玄な音世界の中で緩やかに交錯させた#3” Veilburner ”、そしてもはやepicッ!!レベルではないくらい、幾多の神々が宿りし天空へと昇るようなエルブランのゴッドボイスと北欧神話を題材とした超絶スペクタクルな物語を”Enslaved流のポストロック”という解釈をする事により誕生した#4” Roots Of The Mountain ”は、”俺の界隈”そして”俺の感性”の象徴すなわち黄金のシンボル”であるANATHEMAWeather Systemsから” Untouchable, Part 1 ”を初めて聴いた時と同じような、まさに”月までブッ飛ぶこの衝撃”すなわち”灼熱の魂”がそこにはあったッ!! 特に6分50秒からのまるで”山の神々”が地上に降り立ったような只々壮観な姿、まさに”神がかり”的な圧倒的なスケールともはや完全に”ポストロックのソレ”である壮麗優美でリリカルな展開には、心臓がMy Heart is epicッ!!にブッ飛ぶこと必須。”武者震い”とはこの事か、と。いともたやすくこんな名曲を書くとか・・・やっぱこのオッサンらホントにスゲーわ。で、Enslavedのルーツをあらためて懐かしむようなトレモロリフやポスト・ドゥームリフを随所に散りばめた楽曲を中心に、後半の#6” Materal ”と#7” Storm Of Memories ”なんかでは、前作から本作までの間にリリースされた二枚のEPからの奇矯な狂気性とサイケデリックな香りを再びッ楽しませる曲で、彼らのルーツを嫌でも意識させるブラック特有の狂乱性と70sプログレ特有の叙情味すなわちフェミニンなエロスが、混沌と静寂、荒涼と幽玄が反響する音空間の中で、静と動のメリハリ/緩急を効かせながら時に狂喜乱舞、時に靭やかに交錯する精神世界はもはや芸術の域に達している。そしてレトロ調なピアノの奇怪至極なイントロからナニかしらのヤバい気配を曝け出す、終幕を飾るに相応しい大作の#8” Forsaken ”ではお隣スウェーデンのCarbon Based Lifeformsを彷彿とさせるアンビエント/ニカパートからの~おいおいポストロックかと思うほどのアウトロでは、例えるならNeurosisもしくはCult of Lunaのような退廃的かつ耽美な”シブイねェ…まったくおたくシブイぜ”とでもゆいたい美的センスを垣間見せる。この展開は・・・(アカン) というわけで、前作みたいなヴァイキングメタル直系の勇壮な勢いやド派手な疾走感はない、要するに”脱メタル化”すなわち”プログレ化”した”近年Enslavedの完成型”である本作『RIITIIR』からほとばしる、ネットリとカラダに絡みつくサイケデリックなトリップ感に、俺たちの♡はもうメロメロ。いうても#5はタイトルトラックの割に一番地味かも。もはや俺レベルになると#4なんかはポストロックとして聴ける。それは兎も角として、まさか傑作だった前作を軽々と超えてくるとは・・・いやはや全く予想していなかった。これには素直に敬意敬意アンド敬意からの敬意ッ!!を表したい。

     ” Feel the flames, the streams of life below
        Feel the flames, that blind your inner eye
        Seek and find, what lingers deep inside
       Seek and find, but do not try to understand ”

 リアルに逝ってしまったKATATONIAの新作死の王を境に凋落し始めたスウェーデン界隈を脅かす、このEnslavedを”長”とする隣国ノルウェイの存在感と勢いがここにきて俄然跳躍感が増した気がして、この手の界隈そして”俺の界隈”で揺るぎない地位を確立していたOpethの立ち位置は、もはやこのEnslavedに取って代わったといっていい。スウェーデン界隈の二強であるOpethとKatatonia双方の”黄金期”が最新作を境に終焉を迎えた・・・と同時にEnslavedの黄金期が始まったッ!!のは偶然にしては実に面白い。完全にEnslavedの黄金期は今だと言い切れる。今年の映画界も『孤島の王』の一択やし。やっぱ”ノルウェイ”すなわちChrister-André Cederberg(ノルウェイ人)=ANATHEMAWeather Systems黄金の精神”『ジョジョ』ってスゲーわ、とかいう”俺の解釈”に行き着くわけです(なにいってだこいつ)。つまり今年はANATHEMAWeather Systems”ノルウェイ”という北国のために存在した年という結論で、どうぞ。要するに、俺の中で猛烈にノルウェイという国があらゆる面でキテる。なんだろう吹いてきてる確実に、着実に、ノルウェイのほうに。バストーイッ!!

           『RIITIIR』”エロチズム”

 つまり、ナゼに傑作だった前作『Axioma Ethica Odini』よりも、”エロ”という黄金のキーワードを含んだ本作『RIITIIR』の方が”俺好み”であるのか、その答えとなるのは、俺の一方的な”師”である荒木飛呂彦先生が最新作の8部『ジョジョリオン』で露骨に”エロ”というのを押し出してきたからであって、そして今年に入ってナゼ”俺の界隈””アイドル枠”を設立し、ナゼにその”アイドル枠”を担当する事となったのが、まるで”空条徐倫=鈴木愛理”である可能性が微レ存ッ!?ってなほど、”強く、美しく、気高く”の三拍子を取り揃えたアヴドゥル界隈屈指の”武闘派アイドル”こと℃-uteだったのか、それはジョジョ7部『SBR』の後期ルーシーから『ジョジョリオン』東方大弥そして広瀬康穂の存在すなわち”荒木飛呂彦が考えるアイドル像”というのを、今年で25周年を迎えた『ジョジョの奇妙な冒険』の長い歴史の中で”初めて”描写してきたからであって、結局何が言いたいのかというと、要するに全ては”俺の感性””引かれ合い”そして繋がっている、というわけです。おっと、この件を語る上で忘れちゃあいけない、大英帝国が誇るANATHEMAWeather Systemsは、”定助と康穂””Love & Peace”黄金の関係性”を見事なまでに体現しているんだ。そんなわけで、そろそろ”日本一のジョジョヲタ”自称しちゃっていいすか?ってなレベルまで達しているおいら、もはや”俺の感性”の最大の目的は『ジョジョリオン』を100%いや120%理解ッ!!するためのナニか、自分自身でも理解不能ッな得体の知れないものに変わっている(なにいってだこいつ)。結論として、本作『RIITIIR』”エロ”という解釈で、すなわち”エロ”を制するものは世界を制すッ!!というわけだ。

   ”で・・・どうする?『再び』か?再びかァァーーーッ!!”

 そんなこんなで、一昨年の2010年度BESTの時にもANATHEMAWe're Here Because We're Hereとトップ争いをしていたが、今年は”ANATHEMAの”あの新作”に対抗できるんは唯一KATATONIAだけやろなぁ”という俺の予想を180度覆してみせたのは、やはり2010年度の再来ッ!!、このEnslavedの存在だったというわけです。皮肉なことに、今回のマスターを手掛けたTony Lindgrenという人物は、KATATONIAの新作『死の王』の5.1chサラウンドのマスターを手掛けた人でもある。ちなみに、デジパック盤限定のDVDにはイェンスニキも友情出演ッ!!

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Elsiane 『Mechanics of Emotion』 レビュー

Artist Elsiane
Elsiane

Album Mechanics of Emotion
Mechanics of Emotion

Track List
1. Slowbirth
2. Mechanics of Emotion
3. Vertigone
5. Acceptance
6. Unmapped
7. Nobody Knows
8. Resurger
9. Time For Us
10. In The Shadows
11. Slow Decline

カナダはモントリオール出身のSSWことElsieanne CapletteStephane Sotto(Dr)によるトリップホップデュオ、Elsianeの約五年ぶり通算二作目『Mechanics of Emotion』が、なんかとてつもなくスゲー件。まず、このElsianeというのは、VoのElsieanneによる何とも形容しがたい圧倒的な個性を持った歌声を一番のウリとしていて、そのシャクれたアゴをレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロしてやりたいほど、偶に挟むディープな低音をアクセントとして置いたファニーなシャクレボイスに、俺たちの心はそらもうメロメロよ。で、そのElsianeのクッソkawaii&ポップな歌声を中心としたTrip-Hopを基本の世界としつつ、ヴァイオリンやトランペット、トロンボーンやホルン、オーボエやサックスなどのありとあらゆる木管/金管/弦楽器によるクラシカルで壮麗優美な演出や、超絶”俺好み”の音色を鳴らすフォーキーなアコギやエレクトロニカ、そしてアトモスフェリック/アンビエント的な異空間を形成しながら、仄かに繊細なメランコリズムをもって心地の良いチルアウト効果を生み出していく、優雅でいて温かな情緒に満ち溢れた、それはまるで映画『ブレードランナー』を音像化したような摩訶不思議ワールドを創造している。そのプログレ/ジャジーなアプローチをもったクラシックなサウンドとElsieanneのポップなセンスが絶妙に調和した、まさしく”ソフト&ウェット”な極上の癒しを提供する音世界は、そう、まるでArt系のプログレつまりKscope的ないわゆる”Post-Progressive”の精神を根底に感じ、例えるならNo-Manを彷彿とさせる。そのKscope流の”叙情的”な感覚が分かる人なら絶対に気に入ると思うよ。現においらがそうだったように。極端な話、まるでイタリア映画(といったら)=シチリアの情熱を感じるというか、ある種の郷愁的な懐かしさというか、ポカポカとした陽気なムードネスに俺たちは酒を酌み交わし、ただただ気持よく酔いしれる。それはまるで、喜多郎のシルクロードに匹敵するレベルの、もはや”人類の故郷”とでも言いたくなるソレと似た感覚だったりする。つまり、これぞまさしくワールド・ミュージックってやつだッ。

 それにしても、サマソニ2012への出演が決まった、新作の『Visions』が好評のGrimesといい、実にカナダらしいアジアンテイストに溢れたワールド・ミュージックに、俺たちの心はもうメロメロの連続。で、まるでJ-Popを聴いているかのような錯覚すら憶え、ニカやウィッチハウスやドリーム・ポップを基調とした”kawaii系ロリータ・ミュージック”を展開していたGrimesの新作と比べると、このElsianeの音楽は一見クセがあるように聴こえがちだが、実際は想像以上にポップで耳障りのいい優美過ぎるインストは何気に高評価。いや、何気にじゃなしに普通に完成度たっけーぞコレ。こりゃ傑作だ。今年のBEST行き確定。俺的にはGrimesよりも好きだッ。

 和風のイントロで始まり、アトモスフェリックなシンセやサックス/ヴァイオリンの音色で優雅に色づけていく#1” Slowbirt ”、そして ”俺の界隈”ライクなフォーキーなアコギが郷愁のムードへと誘う芸術的なインストに酔いしれるタイトルトラックの#2” Mechanics of Emotion ”からして本作特有のエスニックな世界観を強烈に印象づけ、深淵に蠢くようなアトモスインストの#3、東南アジアに生息する未開の部族が儀式を唱えるかのような実にエキゾチックな#4” Underhelped ”、フォーキーなオーボエとヴァイオリンそしてピアノが織りなす叙情的なナンバーの#5” Acceptance ”の転調っぽい場面は前作の#7を彷彿とさせてディ・モールト良いッ。で、再び短いインストの#6を挟んでからの~まるでレディオヘッドもしくはANATHEMAを彷彿とさせる超絶アトモスイントロからして”俺の感性”のツボを刺激し、Elsieanneのポップな歌とフレンチホルンやヴァイオリンの音色で壮麗に彩っていく#7” Nobody Knows ”、まるで西遊記の世界へとワープしたかのような、ほとばしる中華街のジューシーな香りを漂わせながら、ゆらり揺らめく陽気なアジアンワールドへと誘う#9” Time For Us ”、シチリア仕込みのアコギとヴァイオリンが壮麗に彩る温い叙情性に悶絶する#10” In The Shadows ”まで、特に#1から#7の中盤までの流れは神がかってるし、アコギが主体となる後半の流れも、おいらみたいなこの手の好き者にはたまりませんわ。サスガに前半の流れだけで評価すると、Elsiane屈指の名曲” Accross The Stream ”を擁する前作に多少劣るかもしれないが、その分、今回は最後までジックリ楽しませてくれるのがまたポイント。

 そんなわけで、ジャジーでムーディそしてメランコリーなオトナの色気をまとった癒し系Trip-Hopのデビュー作にして大傑作の1stHybridと比較すると、ジャズ/ニカによる繊細さやダークな要素が全体的に薄くなって、俄然”俺の界隈”嗜好の高いアコギやクラシカルな楽器による優美な音世界を構築しながら、より一層にワールド・ミュージョック/アジアンテイストのエスニック成分を楽曲に注入し、そして同時にKscope的なArt-Rockのニオイをも感じさせるという、人によっちゃあ前作を超える感動を憶えるかもしれない秀作となっている。いわゆる”俺の感性”を通して聴けば、これはもう誰がなんと言おうと”Art-Rock”のソレですね。要するに”引かれ合い”ですわ。でもって今回のジャケも神。とりあえず1stは名盤なんで、”俺の界隈”の住人なら必聴です。後期ギャザや初期Paatosが好きなら絶対に気に入るやろなぁ。兎にも角にも、おいら最近はこればっか聴いてます。

Mechanics of Emotion
Mechanics of Emotion
posted with amazlet at 12.08.03
Elsiane
Dsa (2012-04-17)
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