Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

レビュー (J)

Just Mustard - Heart Under

Artist Just Mustard
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Album 『Heart Under』
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Tracklist
01. 23
02. Still
03. I Am You
04. Seed
05. Blue Chalk
06. Early
07. Sore
08. Mirrors
09. In Shade
10. Rivers

紅一点ボーカルのケイティ擁するアイルランドはダンドーク出身の5人組、Just Mustardの2ndアルバム『Heart Under』は、それこそオープニングを飾る#1“23”という数字をはじめ、魂が彷徨う断崖絶壁の波打ち際すなわち渚に打ち立てる荒波、あるいはクジラの鳴き声の如し唸り声をあげる「歪み」と蜃気楼の如し「揺らぎ」が蠢くドリームポップ/シューゲイザーならではのノイズ&リヴァーブを散りばめたアトモスフェリック~イーサリアルな音響空間と、NIN顔負けのダーク・インダストリアルな打ち込みを駆使した冷たく陰鬱な耽美性からして、ロンドンの姉妹ユニットこと2:54を彷彿とさせると同時に、初期のWarpaintを連想させるケイティのゴスロリ&ポップな歌声が生み出すセンチメンタルかつメランコリック、そして幽玄かつモノクロームな世界観は、この手の好き者の琴線に触れるオルタナティブな音だけを煮詰めた構成となっている。

Just Mustardが奏でるそのゴス&ロリータな世界観を司る曲で、トリップホップ的なアプローチを効かせたシングルの#3“I Am You”、俄然そのサイケデリックなトリップへと誘うダーク・インダストリアル風のミニマルな打ち込みとケイティのヤンデレボイスが織りなす、奈落の底まで堕ちていくようなドープが過ぎる暗黒の深淵に溺れる#5“Blue Chalk”、古き良きポスト・パンキッシュなビートを刻む#6“Early”、バンドのセールスポイントである「歪み」を押し出した#8“Mirrors”など、楽器隊が奏でるノイズやシューゲイザーとは一味違うバリエーション豊かな「歪み」、その表現力の高さとボーカルのケイティによるロリータな歌声が唯一無二過ぎるのと、2:54クラスタ的には後継が出てきて素直に喜ばしい限り。この手の好き者のためにある好き者の音楽なので、好き者なら問答無用に聴くべき良盤です。

Julianna Barwick 『Healing Is A Miracle』

Artist Julianna Barwick
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Album 『Healing Is A Miracle』
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Tracklist
01. Inspirit
02. Oh, Memory ft. Mary Lattimore
03. Healing Is A Miracle
04. In Light ft. Jónsi
05. Safe
06. Flowers
07. Wishing Well
08. Nod ft. Nosaj Thing

ここ最近、というか2020年に入ってから特に、自分の瞳の裏にGrouperの文字を認識させるような事が頻繁にあって、それこそメタル界ではポストブラック界の新生Infant Islandだったり、ポップス界ではThe Weekndの新作『After Hours』でも半ば一方的な解釈を通せばGrouperの存在を認識できなくはなかった。そんなこんな今年の流れを前置きとして、それらの“伏線”を回収する岡田拓郎の2ndアルバム『Morning Sun』が一つの答えとしてありながら、いくつもの点と点をつなぐ先にある最終目的地こそ、Julianna Barwickの約4年ぶりとなる新作だった。

聴くだけでネイチャーメイドと同じ効果があるとされる彼女の超自然的な歌声は、もはや新世代ニューエイジ界の歌姫ことノルウェーのAURORAがゲスト参加してんじゃねーかぐらいの、もはや『アナ雪』の主題歌と言われても驚かない#1“Inspirit”を皮切りに、それこそGrouper『Grid Of Points』を想起させる、深海の奥底に潜って弾いているかのような幽玄なピアノと、いかにも岡田拓郎的な超自然的な鳴らし方のハープが奏でるニューエイジ~環境音楽然とした#2“Oh, Memory”からも、見るからに近年のGrouperに追従してきている流れがあるのは明白で、そして普通の日常が奪われた非日常的状況下で疲弊し切った現代人類に超自然的な癒しを施す表題曲は、彼女が持つ【Healing=癒し】効果は全人類が未だかつて経験したことのない【Miracle=奇跡】を引き起こす。


それはまるで映画音楽界の巨匠ハンス・ジマーが手がけた映画『インターステラー』のサントラ顔負けのSF的な幕開けを飾ると、“天上の歌声”と崇められる彼女の超自然的な歌声と呼応するように、とてつもなく強い重力を持つブラックホールの特異点という異次元の入り口が開くと、何百何千にも折り重なった彼女の超自然的なボイスはミクロの高エネルギー粒子となり地球を飛び越え、それこそ人類がこれまで歩んできた「道」、人類が紡いできた「歴史」、そして人類が繋ぎ受け継いできた「意志」を記録した『メッセージ』として某レーダー峰から送信される。すると約4光年の遥か彼方にある銀河に生息する地球外生命体の宇宙人ヨンシーとのファースト『コンタクト』に、すなわち人類史上初めて地球外生命体との交信に成功する。その宇宙人ヨンシーとの『未知なる遭遇』、その『惡の華』に触れてしまった人類は、恐怖のあまり「Safe(大丈夫) Safe(大丈夫)」と繰り返し自らの精神を落ち着かせる。そして、宇宙の長く暗い闇を抜けた人類が最後に辿り着いたのは、言うなれば『New Morning』という新しい朝、人類の夜明けを迎えて、また新しい朝日が昇りはじめる。その姿は全く新しい、正しく善なる人類文明を創造する事を願う「祈り」のようだった。

わりと分かりやすくシンプルにニューエイジ〜アンビエントラインの音を鳴らしてる印象で、とは言えどシンプルながらに「歌メロめっちゃある」という第一印象を持つくらい、誤解を恐れずに言うと過去最高に「歌ってる」イメージからも、同時に音の輪郭が過去最高に“ポップ”な事からも俄然近年のGrouper感マシマシというか、Grouperと同じようにコッチ側に来たと思ったら光の速さで通り過ぎていった感じ。極端な例え方をすると、AURORAがニューエイジ側に振り切ってアンビエント化ようなくらい“メロディ”を歌っている。それは、こころなしか岡田拓郎とコラボした優河を連想させた。

そんな事より、天下のシガーロス宇宙人ヨンシーが参加しているってんだから、そら色気付くよなって話で、その宇宙人ヨンシーが参加した#4“In Light”はアイスランドの雄大な景色を超越した“コズミック・ヨンシー”さながら。まるでエイフェックス・ツイン顔負けの暗黒物質的な電子音をモールス信号の如く発信する#6“Flowers”をはじめ、かのケンドリック・ラマーのプロデュースでも知られるノサッジ・シングをフィーチャーした#8“Nod”では、いわゆるエレクトロやヒップホップ的な新機軸と取れる実にモダンでイマドキな一面が垣間見れるのも、過去作とは比べ物にならないくらい挑戦的かつ実験的な作品、その証明と言える。なんだろう、例えば同郷ブルックリンのLiturgy「ブラック・メタル界のエイフェックス・ツイン」なら、このJulianna Barwick「アンビエント界のエイフェックス・ツイン」なのかもしれない。

冒頭で述べたように、この現代アンビエント研究者の権威と呼べるJulianna Barwick〜Grouper〜岡田拓郎ラインによる共同作業で(まるで互いの世界線をリモートでつなぎ合わせるように)、この2020年という新時代において全く新しい次世代アンビエントを展開しているのは素直に感動するというか、そのメンツの中に日本の岡田くんがいる凄さな。その岡田くんのソロアルバム『Morning Sun』は、量子学における二重スリット実験を応用したミクロ=アンビエントとマクロ=ポップスという新解釈がなされた作品で、同時にduennとの共作『都市計画』では、まさに喜多郎『シルクロード』さながら、全ての自然と生命は平等であるという「種」の共産主義思想を唱える仏教的なスピリチュアリズムとアンビエントの親和性を高次元で証明したのと同じように、この『Healing Is A Miracle』ではアンビエントとネイチャー=科学の深い関わりを示唆している。つまり、日本の岡田拓郎が示した仏教的な思想を科学的=ネイチャーの視点から立証してみせた、現代アンビエントの金字塔となりうる傑作。

確かに、いわゆるアンビエントにしてはもの凄くマクロ的だし、「曖昧さ」を一つの魅力とするアンビエントにしては直情的過ぎる印象は否めない。大仰なSF映画のサントラというよりは、それこそ現代SF小説としてヒューゴー賞を獲得した『三体』を読んでる最中のBGMを意図して作曲されたんじゃねぇかぐらい、というか個人的な話でちょうど一年前に初版で買ったまま放置してた『三体』を読み始めたタイミングで、このJulianna Barwickの新譜と運命的な出会いを果たすという、もはや完全にブラックホールの特異点を凌駕する「引力」案件(ちなみに、僕は“降臨派”です)。全ては見えない「引力」で、聴こえる「引力」で繋がっている事を再認識させられた。ちなみに、ドローンで撮影された本作のアートワークは日系人フォトグラファーのジョエル・カズオ・クノーンシルド氏によるもの。

Jambinai 『ONDA』

Artist Jambinai
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Album 『ONDA』

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Tracklist
02. Square Wave
03. Event Horizon
04. Sun. Tears. Red
05. In The Woods
06. Small Consolation
07. ONDA Prelude
08. ONDA

これは前にも書いたけど、自分の記憶の中にある“韓国の音楽”っつーと、もう十数年前に高校生の頃にクォン・サンウ主演の韓流ドラマ『悲しき恋歌』をたまたま観たらハマって主題歌入りのサントラを買ったのがなり染めで(この主題歌はマジ名曲)、そんな過去を持つ自分からしたら現代の“韓国の音楽”を代表するBTSTWICE、そしてIZ*ONEをはじめとする“K-POP”が初めての“韓国の音楽”という人はニワカ以外のナニモノでもないんですけど、そんな僕と同じように「K-POPはFAKE(LOVE)だ!」と、まるで「本物の韓国音楽を見せてやる!」と豪語する勢いのバンドがいる、それが2010年に韓国ソウルで結成されたJambinaiだ。


このジャバンノリもといジャムビナイといえば、3年前にThey Keep Silence”のパフォーマンスビデオがアップされるや否や、朝鮮の伝統楽器として知られる管楽器のピリ(觱篥)や擦弦楽器のへグム(奚琴)、中国の琴を改造して生まれたコムンゴ(玄琴)を駆使した、そのエクスペリメンタルでアヴァンギャルドな音楽性が瞬く間に巷で話題を呼んだ。これまでにもフランスのヘルフェスを皮切りに、グラストンベリーやSXSWなどの世界的なフェスにもジャンル問わず招待され、更に2016年にはイギリスのインディー・レーベル=ベラ・ユニオンと契約し2ndアルバム『a Hermitage』を発表すると、2018年の平昌オリンピックの閉会式では圧巻のパフォーマンスを披露、今年2019年のコーチェラではK-POPのBLACKPINKとともに韓国音楽の“今”と“伝統”を代表して自国の音楽文化を世界に轟かす事に成功する(日本的にはtricotの韓国ツアーの前座に招待されたのが記憶に新しい)。そして、これまでライブ・サポートだったリズム隊を新たに正式メンバーとして迎え入れ5人組となったJambinaiは、全世界待望の3rdアルバム『ONDA』を(日本ではSWデンゼル・カリーでお馴染みのHostessから)リリースするに至る。

この『ONDA』の幕開けを飾る#1“Sawtooth”から、スコットランドの伝統楽器であるバグパイプで言うところのピリをはじめ持ち前の伝統楽器がケルティックな装いで、それこそエンヤばりにニューエイジな情景が目の前一面に広がるような民俗音楽と、自らが影響を受けたと公言するポストロック界のレジェンド=モグワイ譲りの湿り気のある寂寥感や全てを飲み込まんとする混沌蠢く轟音ノイズ、その伝統的な東洋の民族楽器と西洋の発明品であるギターが時代と国境を超えてバイブスる“静と動”のコントラスト、静寂と喧騒が交錯する重厚なダイナミズムと壮観なスケール感は、例えるならスコットランドの民俗音楽であるケルト音楽に回帰したモグワイのようでもあり、同時に日本のVampillia的な“破壊の美学”を感じさせる。

このジャバンノリもといジャムビナイ、一見すると#1“Sawtooth”のような王道的なポストロック〜ポストメタルを軸にしたイメージ通りのサウンドが主かと思いきや、へグム奏者のキム・ボミによる耽美的な歌声をフィーチャーした#2“Square Wave”では、一転して歪んだギターのリフを前面に押し出しながら女性ボーカルを中心とした叙情的なメロディを、転調を駆使したプログレスでドラマティックな展開美へと落とし込む、これぞまさにメタラー好みの“動き”のある曲構成と“ドラマティックで叙情的”な“メタルの醍醐味”を知ってる人たちに他ならなくて、つまりステレオタイプのポストロックだけじゃなく、それ以上に“メタル”に精通したバンドなのが分かる。

表題の『ONDA(オンダ)』は韓国語で“来る”を意味していて、(これはちょっとタイムリーな話なのだけど)“来る”といえば個人的につい最近邦画ホラーの『来る』を観たんだけど、その映画の終盤のクライマックスに日本全国から霊媒師や朝鮮の祈祷師が集結してドンチキドンチキと悪霊退散するシーンがあって、その場面が國村隼主演の韓国映画『哭声/コクソン』の祈祷シーンを思い出した人も少なくないと思うのだけど(自分もその1人)、その映画哭声/コクソンに登場する似非祈祷師のダンサブルな祈祷シーンのバックで流れていそうな、朝鮮の伝統楽器がお祭り気分の焦燥感を伴いながらカオティックに狂喜乱舞する#3“Event Horizon”。最近では、国民の三分の一がキリスト教を信仰している韓国の映画にしては珍しく、言うなれば“キリスト教徒から見た仏教観”をテーマにしたNetflixオリジナル映画『サバハ』が邦画の『来る』とは比べものにならないくらいの傑作ホラーなのでオヌヌメです(間違いなく2019年のBEST映画の一つ)。

このJambinaiっていうバンド名、実はtoolの曲名=“Jambi”から取ったんじゃねぇか説あって、俄然そう思わざるを得ないのが今作のハイライトを飾る#4“Sun. Tears. Red”で、まず初っ端からtoolの3rdアルバム『Lateralus』から“The Grudge”のウネウネウネる呪術リフを彷彿とさせるGリフと、同曲のメイナード・キーナンオマージュの歌い回しからもう確信犯で(これで確信犯じゃなかったら何)、そのtool的密教ライクな世界観をより妖しく彩る民族楽器とともに、曲が進むにつれてコアっぽい激しさを伴いながら、そして来るクライマックスではまるで日本統治時代の朝鮮独立における“日本帝国主義”に対する“怒り”バンドの中心人物でありギタリスト兼ピリ奏者のイ・イルに憑依したかのような、それこそフランスのポスト・ブラックレジェンド=Alcestのネージュ顔負けの激情的な咆哮から、初期のネ・バブリシャスに匹敵する超絶epicッ!!な怒涛の展開からのカタルシスを見せるあたり、こいつらダテに五輪で演奏してないなというか、toolAlcestが共存するバンドとか今までありそうでなかったというか、なんだろう、伝統だなんだポストロックだなんだって言うけど、むしろ“イマドキのメタル”のド真ん中やってるバンド、その証明以外のナニモノでもないです。あと2018年に発刊された“韓国のメタル”が詳細に記された『デスメタルコリア』を読んでもわかるように、韓国のメタルバンドの“日帝ディス”は韓国のメタルを象徴するアイデンティティの一つでもあって、このジャンビナイはその“韓国のメタル”のド真ん中の王道を貫いているという事実は、(イ・イルによれば)この曲のインスパイア元が“日帝時代の朝鮮独立についてのドキュメンタリー”である事からも明らかだ。

約13分にも及ぶ#5“In The Woods”は、環境汚染に晒された自然、大地、海、日々受け続ける地球の悲痛な叫びを、朝鮮の土着風土に息づく伝統楽器ならではの繊細緻密な表現力をもって、それこそ韓国映画にも通じるエモーショナルな感情表現の豊かさに溢れた“心技体”に染み渡るような美しくも力強いメロディが、“自然災害vs環境汚染”という形で互いに傷つけ合う地球と人間の心をリリカルに優しく紡ぎ出していく、まさに“再生の音楽”である。今度は“ヨンシーinコリア”みたいな、モグワイとともに自らが影響を受けたと公言するアイスランドのポストロックレジェンド=シガーロスをはじめ、北欧ポストロックばりのリリカルな叙情詩を描き出す#6“Small Consolation”は、中国〜朝鮮半島から伝わった日本の雅楽的な雰囲気が味わえる(和楽器バンド笑)。

ここでも「聞けば聞くほどスゲーVampilliaっぽい」という答えに行き着くのだけど、というのも日本のVampilliaもアイスランドと縁のあるバンドだし、同時にAlcestとも深い縁のあるバンドだしで、だからといって“韓国版Vampillia”って表現したらめちゃめちゃチープに感じるからやめた方がいいと思うけど、こうやってポストロック界の2大レジェンドをフォローしつつ、一方で叙情的なメタルの醍醐味だったり、13年ぶりに新作を発表するtoolだったり、Alcestdeafheavenにも精通するイマドキのメタルだったり、そして“韓国のメタル”の王道を行ったりと、音楽的な面でも思想的な面でも出自のバックグラウンドをJambinaiの民俗音楽を介して奏でられるアイデンティティとオリジナリティは説得力に溢れすぎている。捨て曲ないのは当然として、いわゆるK-POPよりも韓国の伝統や真の美意識が感じられる傑作です。勿論、伝統楽器が1番のウリなのだけど、要所で入るギターのフレーズが一々センスフルなのが、このジャムビナイをメタルバンドとして本物たらしめている所以のように思う。

これもう日本のMonoVampilliaあるいtricotとのスリーマンツアー期待していいですか?もし来日公演がないなら、ユーチューバーのあゆたびに頼んでジャムビナイの国内ライブを観に韓国に連れてってもらおっかな?だからあゆたびーーーー!!僕を韓国に連れてってーーーーー!!

Onda
Onda
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Junius 『Eternal Rituals for the Accretion of Light』

Artist Junius
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Album 『Eternal Rituals for the Accretion of Light』
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Tracklist

01. March Of The Samsara
02. Beyond The Pale Society
05. All That Is, Is Of The One
07. Telepaths & Pyramids
08. Masquerade In Veils
09. Heresy Of The Free Spirit
10. Black Sarcophagus

USはボストンが生んだ”天才バンド”ことJuniusといえば、ポストロックやポストメタルやポストパンクなどのPost-系をはじめ、同時にシューゲイザーやオルタナティブ・ロックやら幾多のジャンルを経由した、いわゆる”ごった煮”系の音楽性を特徴としたバンドで、俺的年間BESTの一枚に選んだ2011年作の2ndアルバム『Reports From the Threshold of Death』では、崇高かつ神々しいクワイヤを擁したエピカルでコンセプティブな”ヘヴィ・シンフォニー”を繰り広げ、その天才的な才能が高く評価された天才バンドは同年にAlcestとのカップリングツアーにも参加し、2014年にはEPの『Days of the Fallen Sun』をドロップする。この勢いのまま、恵まれた環境でエリートコースまっしぐらのキャリアを積み上げ、さてそろそろフルアルバム!と周囲が期待するなか、今年に入ってから急遽ギタリストが脱退、気づけば中心人物のJoseph E. MartinezとドラマーDana Filloonの二人組バンドになっていた。そんな苦難に見舞われた天才バンドが、約6年ぶりに放つフルアルバムがこの『Eternal Rituals for the Accretion of Light』だ。

天才バンドといえば、曲タイトルに()のついたSEをアルバムの中に組み込み、そのスピリチュアルでコンセプチュアルな作品の世界観をより深めるギミック的な演出を設けていたが、しかし今回の曲目を見れば分かるように、本作には天才バンドのキモである()が付いた曲が見当たらない。確かに、ほんの些細なことかも知れないが、これは一体ナニを意味するのだろうか?

EPの延長線上にある、原始的な未開の部族の遠吠えとパーカッションによる儀式的な幕開けを飾る一曲目の”March Of The Samsara”から、変拍子を効かせたシューゲイザーライクなアトモスラッジ系のヘヴィネスと荘厳かつ神聖な世界観を構築するゴシック/シンフォニックなシンセサウンドが織りなす、天才バンドらしいスケール感溢れる壮大なサウンド・スケープは不変で、よりヘヴィに、よりダークに、そしてよりモダンなサウンドを展開し、少なくとも二人組になった影響は音からは微塵も感じさせない。



天才バンドらしいポストパンク風のボーカルワークとまだDeftonesが「シューゲイザー」と呼ばれていた初期の頃を彷彿させる2曲目の”Beyond the Pale Society”チノ・モレノのモノマネ芸人名乗れるレベルのチノ声やモダン・ヘヴィネス然としたグルーヴィにウネるギターまで全てがデブ豚リスペクトな3曲目の”A Mass for Metaphysicians”、そしてCircle Takes The SquareDrew Spezialeをゲストに迎えた曲で、近年のDIR EN GREYを彷彿させるリフ回しを垣間見せる4曲目の”Clean The Beast”を聴けば、今作がいかに「オルタナティブ・メタル」という特定のジャンルに歩み寄った作品なのかが分かる。

そして、本来は()が付いているはずの今作唯一のSE曲となる5曲目の”All that is, is of the One”から、イントロからエレクトロポップが始まったかと勘違いするポップなメロディをフィーチャーした6曲目の”The Queen's Constellation”を皮切りに、神聖なクワイヤを駆使した暗黒スロウコアみたいな7曲目の”Telepaths & Pyramids”、ミニマルでオリエンタルなシンセの妖しげなメロディをフィーチャーしたアコギチューンの”Masquerade in Veils”、一転して再びデブ豚ライクなサウンドを聴かせる9曲目の”Heresy of the Free Spirit”、そしてスロウコアな幕開けから徐々にスケール感を増していく10曲目の”Black Sarcophagus”まで、後半からは非メタル的な曲調を中心に、近未来感のあるモダンなアレンジやオリエンタルな側面を垣間見せる、それこそ天才バンドとしての異質な才能を遺憾なく発揮する。

音の面で言うと、前作みたいな盟友Rosettaライクなごった煮ポストメタル感は希薄で、今作はメタルはメタルでも往年のDeftonesリスペクトな、あくまでもモダンなヘヴィネスに振り切ったオルタナティブ・メタルだ。正直、ギタリスト脱退という窮地に追いやられたにも関わらず、ここまでの作品を出してくるなんてもはや天才バンドたる所以としか言いようがない。

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Julianna Barwick 『Will』

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Tracklist
01. St. Apolonia
02. Nebula
03. Bleached
04. Same
05. Wist
06. Big Hollow
07. Heading Home
08. Someway
09. See, Know

USのシンガー・ソングライター事情っていうと・・・実はよく知らないんだが、しかし2011年にデビュー・アルバムのThe Magic Placeをリリースし、「ここまで環境音と一体化した歌声が未だかつて存在しただろうか」あるいは「ここまでネロとパトラッシュの最期の教会で流れてそうな音楽があっただろうか」と、たちまちSSWシーンの間で話題を呼び、昨年には初の来日公演を果たした「21世紀のエンヤ」ことJulianna Barwickの3rdアルバム『Will』

かのDead Oceansからリリースされた前作の2ndアルバム『Nepenthe』では、ビョークやSigur Rosなどのアイスランド界隈でお馴染みのエンジニアBirgir Jón Birgissonとタッグを組み、同時に「ヨンシー親衛隊」で知られるストリングス・カルテットのAmiinaを迎え入れた結果、晴れて「女版シガーロス」の称号を得ることに成功した彼女。しかし今作の『Will』は、1stアルバムの「神々しい世界観」と2ndアルバムで培った「攻めの姿勢」を踏襲しつつも、新境地とも取れる現代的あるいは人間的な要素をはじめ、いつにもなく「楽器」が奏でる音色をフューチャーした作品となっている。
 


それこそ坂本教授こと坂本龍一が手がけた、レオナルド・ディカプリオ主演の映画『レヴェナント』のサントラを彷彿とさせる、崇高な慈悲に導かれるようなストリングスとジュリアナの天使の囁きの如し聖なるゴッドボイスが、不条理なこの世界を『清らか』に浄化していくオープニング曲の#1”St. Apolonia”、スウェーデンのCarbon Based LifeformsやUSのHammockを連想させる、ミニマル・アンビエントなエレクトロ要素と深海を彷徨うかのようなジュリアナの歌声が織りなす神秘的なATMSフィールドに溺れる#2”Nebula”、今度はその深海の底から響き渡るようなピアノとストリングスがジュリアナのゴッド・ブレスを優しく包み込むように交錯する#3”Beached”、80年代風のシンセをバックにカナダ出身のMas Ysaなる男性ボーカルとフィーチャリングした#4”Same”、再び半透明に澄んだ青い海を美しく遊泳する人魚に擬態させる#5”Wist”、儚くも美しいピアノの旋律に涙する#6”Big Hollow”ANATHEMAFalling Deeperを彷彿とさせるストリングスとピアノが青く澄んだ海中から太陽を見上げるかのような#7”Heading Home”、そしてラストを飾る#9”See, Know”では、まるでチャーチズの新曲かと勘違いするほどミニマルなエレクトロが、未だかつてないほどノリノリなジュリアナの新境地を垣間見せる。
 

今作では、相変わらずアンビエント的な音響空間を軸にした作品でもあるが、それ以上にピアノやストリングスをはじめ、いわゆる人間界の「楽器」という名の道具を積極的に取り入れたことで、イマドキのSSWに大きく歩み寄ったかと思いきや、しかしこのアルバムでもジュリアナは「シンガー」として「歌う」ことを断固として拒否し、あくまでも各楽器が奏でる音色と波長を合わせるように、言霊という名の音霊の一部として存在している。そのモダンな電子音やピアノを駆使した音像は、これまでの『地上』あるいは『天国』の眩いくらいに神々しい音楽というよりも、それこそ深海の神秘に触れているかのような、あるいは日が昇る前の朝焼けや青く澄んだ海をイメージさせる、そこはかとなく”ドープ”な世界観を構築していく。

前作の”One Half”「ほぼ歌イ(キ)かけた」彼女だが、そのリベンジとなる今回の【絶対に歌わせるマン】VS.【絶対に歌わないジュリアナ】のポコタテ対決はジュリアナの勝利で幕を閉じた・・・(完)
 
Will
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