Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

レビュー (G)

Goon - Hour of Green Evening

Artist Goon
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Album 『Hour of Green Evening』
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Tlacklist
01. Pink and Orange
02. Angelnumber 1210
03. Another Window
04. Buffalo
05. Wavy Maze
06. Emily Says
07. Bend Back
08. Maple Dawn
09. Ochre
10. Lyra
11. Last Light On

2015年に中心人物であるケニー・ベッカーのBandcampソロプロジェクトとして始動した、サンフランシスコはLA出身のGoon。今年の二月にリリースしたEPの『Paint by Numbers, Vol. 1』は、それこそ日本のSSWこと岡田拓郎さながらのフィールドレコーディング/ニューエイジを経由したインディトロニカを皮切りに、UKのSSWことマリカ・ハックマンを想起させるオルタナ/グランジ、USのWarpaintを彷彿とさせるドリーム・ポップ/シューゲイザー/ネオサイケ、それらのUKロック風の内省的なアプローチやシティポップ的なローファイかつミニマルなリフレインをはじめ、すなわち昨今のBandcamp界隈におけるトレンドを器用に咀嚼した、EPならではのバラエティに富んだバンタンならぬバンキャン・ミュージックの良作だった。

その“バンキャン大好き芸人”が手放しで持ち上げる彼らの音楽は、約7ヶ月ぶりとなる本作の2ndアルバム『Hour of Green Evening』においても不変で、優美なストリングスやシンセを擁するアート気質の高いインディロックをベースとしながらも、白昼夢を彷徨う夢遊病者のごとしシューゲイザー然とした独特の浮遊感や、フロンロマンのベッカーによるベッドルーム・ミュージック風のウィスパーボイスが織りなす、それこそパームツリーが等間隔でそびえ立つサンフランシスコ・ネイティヴならではの倦怠感、そのネオ・サイケデリアにトリップすること必須。

中でも、中期Porcupine Treeの名盤『In Absentia』『Lightbulb Sun』を連想させる、アコースティックギターと仄暗くなり過ぎない絶妙な塩梅を効かせた朝焼けの絶景を照らし出すようなノスタルジーたゆたう心地よい世界観は、有無を言わさずプログレリスナーの琴線を揺るがし、さらなる隠し味として#5“Wavy Maze”ではスラッジーかつハードコアな側面を垣間見せる“意欲的”な姿勢も高評価。確かに、諸々に既視感は全くないと言ったら嘘になるが、バラエティに富んだEPと比較すると、ヘタに実験的なことには手を出さずに、わりと一貫性のあるシンプルなサイケロックを最後まで貫いている印象。

Gonemage - Master of Disgust​...

Artist Gonemage
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EP 『Master of Disgust​...』
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Tracklist
01. Master of Disgust...
02. Mega Toss Into Crypts
03. WarioWare: Possessed Console
04. Demon Head and the Reign of Stench
05. Foul Portal to Delirium

いわゆるゲーム音楽とデスメタルのファーストコンタクトで思い出されるのは、ミレニアル世代の青春の一本であるFF10のラストバトルで主人公ティーダの前に立ちはだかるジェクト戦のテーマソング(Otherworld)に他ならなくて、当時その音源が収録されたサントラを買ってリピートしまくってた記憶がある。

テキサスはダラス出身のGalimgim氏による独りDIY音楽プロジェクトことGonemageは、いわゆるゲーム音楽を象徴する8bitのチップチューンとブラックメタルをエクストリーム合体させた音楽性を特徴としており、前作の2ndアルバム『Sudden Deluge』から約六ヶ月ぶりとなる今回のEP『Master of Disgust​...』では、満を持してデスメタルとチップチューンをエクストリーム合体させることに成功している。

冒頭からGalimgim氏が手がけたアートワークに刻まれたドット絵ワリオの「Here We Go!!」をはじめとするゲーム内ボイスをサンプリングした表題曲の#1“Master of Disgust...”からして、デスメタルやグラインドコアに精通するエクストリームメタルの暴虐的な殺傷力とサイバネティックスなチップチューンが違和感なく交わっており、正直かなりブルータルなデスメタルに傾倒してて驚いたというか、ゲーム音楽云々以前にデスメタルとして素直に格好良くて反応に困る。なんだろう、例えるならゲームボーイの名作『スーパーマリオランド3 ワリオランド』がバグって裏ステージに突入しちゃった感じの凶悪的な世界観みたいな。

そんなデス/グラインドとして魔改造された凶悪ワリオがプログラムにバグを起こしてゲームボーイ本体をぶっ壊す#3“WarioWare: Possessed Console”を筆頭に、デスラッシュ然とした殺傷力高めな#2“Mega Toss Into Crypts”やサイバーグラインドな#4“Demon Head and the Reign of Stench”、そしてニンテンドーコアらしい和風インストの#5“Foul Portal to Delirium”まで、EPならではの実験性に満ち溢れた、今年のデスメタル界における裏ベストと言っても過言じゃあない一枚。

Gospel - The Loser

Artist Gospel
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Album 『The Loser』
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Tracklist
01. Bravo
02. Deerghost
03. Hhyper
04. S.R.O.
05. Tango
06. White Spaces
07. Metallic Olives
08. Warm Bed

2005年のデビュー作『The Moon Is A Dead World』から約17年の時を経て奇跡の復活を遂げた、ニューヨークはブルックリン出身の4人組、Gospelの2ndアルバム『The Loser』は、前作同様にプロデュース/エンジニアとしてレコーディングに参加しているConvergeのカート・バロウ監修のエモ/スクリーモを経由したハードコアパンクと、初期のMastodonTOOLに代表される現代プログレにも精通する、60から70年代にかけての古き良きプログレッシブ・ロックのクラシックなヴィンテージ・サウンドがエクストリーム合体した「ありそうでなかった」その斬新なポスト・ハードコアは不変で、今なおハードコアシーンの中心を担うカート・バロウのみならず、マスタリングエンジニアとしてCult of Lunaのマグヌス・リンドバーグを迎えた最強の布陣で制作に臨まれた今作は、まさに向かうところ敵なしの一枚となっている。

開口一番に「プログレの音」を象徴するシンセが盛大に鳴り響く冒頭の#1“Bravo”からして、カオティックなマシズモを押し出した前作と比較しても今作はハードコア/エモバイオレンスな世界観に乏しく、俄然クラシックロックとしてのプログレやストーナーロック寄りの音作り、その傾向が強いハードロック的な作風なのも確かで、中でも#3“Hhyper”におけるスペースロック的なサウンドメイクを皮切りに、その「プログレの音」が集約されたような#4“S.R.O.”における、主に左側から聴こえてくるYESGenesis顔負けのシンセやオルガンのレトロな音色がたゆたう、往年のプログレならではの神々しくも崇高な世界観を超越する激情ハードコアは同郷のLiturgyを彷彿とさせ、続く#5“Tango”における“プログレおじさん”ことスティーヴン・ウィルソンもビックリの古き良きプログレならではのレトロなプロダクションまで、そのブルックリン出身らしい荘厳なアート気質に溢れた実験的なアプローチは、今年のハードコアシーンを象徴するフィラデルフィアのSoul Gloに迫る異質な才能を伺わせる。

引き続き本作においても、(17年前ほどキレッキレでないにしろ)TOOLのダニー・ケアリーに肉薄するドラマーの異次元なバカテクパフォーマンス/スキルを屋台骨に、そのプログレとハードコアを縦横無尽に駆け巡るテクニカルなインストゥルメンタルは聴き応えたっぷりで、しかしプロダクションに関しては前作の方が生感があった気がしないでもない。なので俄然、感覚的にはMastodonTOOLというよりも近年のPallbearerElderと同じ文脈で語るべき存在なのかもしれない。ちなみに、本作はバージニアのInfant IslandBoris明日の叙景Heaven In Her Armsなどの国内バンドにもゆかりあるイギリスのインディーズレーベルからリリースされているのもポイント高しくん。

GHOST - Impera

Artist GHOST
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Album 『Impera』
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Tracklist
01. Imperium
02. Kaisarion
03. Spillways
06. Watcher In The Sky
07. Dominion
08. Twenties
09. Darkness At The Heart Of My Love
10. Griftwood
11. Bite Of Passage
12. Respite On The Spitalfields

パパ・エメリトゥス(コピア枢機卿)ことトビアス・フォージ主宰のGHOSTといえば、個人的にデビュー当初から不思議と刺さらなかったバンド、かつメタルシーンでそこまで持ち上げられるほどじゃないとも思ってたバンドで、しかし一転、その考えを改めざるを得なくなった出来事というか楽曲こそ、2018年作の4thアルバム『Prequelle』のリード曲である“Rats”に他ならなかった。


このマイケル・ジャクソンの名曲スリラーのMVをオマージュした、それこそ80年代初頭のMTV全盛期をリバイバルしたMVの魅力もさることながら、中でもその黄金のキザミ”に急接近したリフメイクにブッたまげた。なんだろう、それこそMastodonが2009年に発表した歴史的名盤『Crack The Skye』における黄金のキザミ”を、約10年の時を超えて80年代のクラシック/ハードロックに落とし込んだような、兎に角この瞬間彼らの過剰人気に懐疑的だった自分の評価がイロモノ枠のコミックバンドから、一転して中身と実力が知名度と注目度に追いついた正統なメタルバンドとして見方を改めた。例えるなら、奇抜なビジュアルや話題性先行のバンドに実力が伴った瞬間、そのバンドの事がめっちゃ好きになる謎の現象に近い(事実、初めてCD買った)。

前作の『Prequelle』においてGHOSTが成し遂げたのは、それこそまだお茶の間に大衆音楽としてHR/HMが認知されていた時代、つまりQUEENに代表されるハードロックがメインストリームのポップスとして嗜まれていた時代の“アリーナロック”の復権を目論む、要するに「ロックは死んだ」と囁かれ始めてからもう長い月日が過ぎたこの現代において、“サタニックムードメタル”という名の21世紀最後のアリーナロックを地獄の底から『ゴースト/ニューヨークの幻』として再び蘇らせている。

その音楽性は、同郷スウェーデンの重鎮Opethが60~70年代のブルース/クラシック・ロックに傾倒し始めた『Pale Communion』『Sorceress』の共同プロデューサーであるトム・ダルゲティを迎えるという先輩に対するリスペクトのみならず、スウェーデン人のアイデンティティであるキング・オブ・ポップことABBAを想起させる70年代のMTV全盛のポップ・ミュージック風の歌メロを中心に、オルガンをフィーチャーしたフォーク/サイケロックや北欧メタル界のレジェンドEUROPEの世界的名曲ファイナル・カウントダウンをオマージュした哀愁漂うハードロック、そしてヴィンテージなサウンド・プロダクションまでも当時のサウンドを考慮した、まさに「21世紀のクイーン」と呼ぶに相応しい内容だった。

当時のHR/HM界における、ドラッグやグルーピー絡みのスキャンダルなゴシップとは少し毛色は違うものの、2017年にはパパ・エメリトゥスことトビアス・フォージが元バンドメンバーでありネームレス・グールズの4人から権利関係すなわちカネの問題で訴訟を起こされている。確かに、GHOSTの世界観として悪魔崇拝を謳っているのにも関わらず、コスチュームの“中の人”であるトビアス・フォージのカネにがめつい人間味のある“素顔”が世間様に晒されてしまう、その俗っぽい宗教指導者さながらのモキュメンタル感は、まさに現代インドで生まれた20世紀の瞑想指導者瞑想指導者でる“Osho”ことバグワンと重なる部分があって最高に面白い。例えるなら、萌え絵のVTuberが三次元的な俗っぽいスキャンダルで引退に追い込まれるみたいな。しかし、その手のゴシップやスキャンダラスな話題すらも(皮肉にも)GHOSTというバンドを司るゴシックホラー的な世界観の一部として、よりポピュラーなエンタテインメント性に変えてしまう魔力を秘めている。そのようなネタに尽きないのはMTV全盛の当時からアリーナ級のビッグバンドが背負う宿命であり、ある種の義務と言えるのかもしれない。


“パパ・エメリトゥス三世”改め“コピア枢機卿”改め現“パパ・エメリトゥス四世”こと主宰者トビアス・フォージのバグワンさながらの不思議な魔力は、世界中の人々を生贄という名の虜にするだけでなく、この極東の地においてもGHOSTの魔力が降りかかっている。例えば、2013年のコーチェラ出演を経て2014年には(2013年出演のVolbeatや2017年出演のRoyal Bloodに象徴される)クラシックなハードロックを受け継いだ現代的なハードロックバンドの系譜としてサマソニ出演を果たし、改めてサマソニ主催者でありクリマン清水社長の先見性に感服させられたのは今でも記憶に新しい。中でも、そのアンチクライストな世界観およびホラーテイスト溢れるライブ演出やビジュアルに関する魅せ方は感心するほどで、それこそベビメタ後期のダークサイドのアプローチはGHOSTに触発された可能性すらある。最近では、アメリカの名司会者ジミー・キンメル主宰の番組『Jimmy Kimmel Live!』にてライブパフォーマンスを披露したりと、そのMTV全盛に肉薄するGHOSTの魔力は現在進行系で世界中のお茶の間へと拡大している。

そんな前作におけるアリーナロック復権の流れを踏襲した、約4年ぶりとなる5thアルバム『Impera』という名のゴスオペラの開演SEを担う#1“Imperium”に次ぐ#2“Kaisarion”からして、「おっ、TNTのトニー・ハーネルリスペクトか?」とツッコミ不可避の、それこそまだお茶の間にHR/HM特有のピーキーなハイトーンボイスが不思議と受け入れられていた「時代の歌」を披露したかと思えば、前作に引き続きレジェンドEUROPEをオマージュした#3“Spillways”では、BON JOVIのジョン・ボン・ジョヴィ風のキャッチーなコーラスワークを中心とした、前作におけるアリーナロックのスタイルを著しくポップに発展させた古き良き北欧メタルは、さしずめ前作が「21世紀のクイーン」ならば本作は「21世紀のボンジョビ」とばかりにポップな商業ロックあるいはメロハーすなわちAORとして耳馴染みよく聴かせる。

正直、ここまでリフらしいリフって久々に聴いたかもしれないくらい、いわゆるHR/HMがHR/HMたらんとする「リフ」がしっかりと「リフ」してる作品、それこそ前作の“Rats”で発現した低域をジュクジュク刻んでくる黄金のキザミ”に関しても、キザミの質量はもとよりバリエーションも増やしている印象で、中でもトラディショナルなドゥームメタルのリフを擁する#5“Hunter’s Moon”、タイトなキザミ志向の#6“Watcher In The Sky”、SEの#7を挟んでホラー映画のサントラさながらのオーケストラやクワイアが織りなす壮大なゴシックオペラの真髄を発揮する#8“Twenties”や往年のメタルバラード風の#9“Darkness At The Heart Of My Love”など、前作のMTV全盛路線を更に推し進めたポップでキャッチーな、そしてメタリカやEUROPEに代表されるメタルレジェンドのオマージュや北欧メタルへの郷土愛をエンタテインメントとして昇華した21世紀最後のアリーナロックは、“中の人”であるトビアス・フォージの俗っぽさ含めて楽しさに溢れている。ちなみに、本作にはOpethのフレドリック・オーケソンが参加。

Gonemage - Sudden Deluge

Artist Gonemage
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Album 『Sudden Deluge』
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Tracklist
01. Shifted
02. Paraselene
03. Sulk Sheets
04. Gumbulang Na Alon
05. No Corpse Found, Just A Spirit
06. Prisoner Of A Gaudy And Unlivable Present
07. Wisteria Sights (Pushed To Extreme Delights)
08. Pixel Expedition
09. Delirium
10. Scrying

昨今、成長著しいインディーゲームを装ったジャケに惹かれて、テキサスはダラス出身のGonemageの2ndアルバム『Sudden Deluge』を興味本位で聴いてみたら、そのドット絵のダンジョンRPG型インディーゲームを思わせるアーケードやゲームボーイ、あるいはファミコンに代表されるレトロゲーのBGMや効果音から誕生した、いわゆるチップチューンと呼ばれるジャンルのピコピコシンセをはじめ、Machine GirlThe Armedを連想させる素っ頓狂でパンキッシュなノイズロック的なアプローチ、そしてアヴァンギャルドなブラックメタルがエクストリーム合体した、自分でも書いてて言語化不可能なほどブッ飛んだ(メタバースにアセンションしたかのような)ハイパーポップあるいはウルトラポップやってて、例えるなら今年の俺的GOTYでもあるAAAタイトルの『サイバーパンク2077』を2Dの横スクロールアクションのフォーマットに落とし込んだようなイメージ(意味不明)。

この手のアニメやゲーム等のサブカルチャーの影響下にあるアンダーグランドなサブラックメタルといえば、今年のBandcamp界隈を賑わせたブラジルのsonhos tomam contaや韓国のParannoulThe ArmedMachine Girlを繋ぐ橋渡し的な存在というか、その系譜に位置しているのがこのGonemageである。それはまるで、ゲームの世界におけるバグやグリッチをブラックメタルに落とし込んだ、ハンター・ハントヘンドリックス率いるLiturgyともシンクロするグリッチだらけでバグったブラックメタル(transcendental black metal)の一種で、例えるなら野田クリスタルが制作したリアルにバグったスーパーマリオの世界で「3の倍数と3の付く数字でアホになる世界のナベアツ」が主人公(勇者)のクソゲーをプレイしているような感覚(意味不明)。とにかく、このように音楽シーンを飛び越えてサブカルのトレンドを押さえている器用な作品でもあって、まるでミニ四駆の違法モーター積んでんじゃねぇかくらい頭のネジが飛んじゃってる「ハイパ~ポップ!ハ~イ!」みたいな感じのピコピコミュージック、少なくとも8bitのキャパは優に超えるその音楽的な文脈の広さは、このGonemageが只者ではない事を示唆している。

The Armedライクなノイズ/パンクと8bitのコンピューターゲームの効果音的なピコピコシンセがカオティックに絡み合う#1“Shifted”を皮切りに、冒頭からノイズ/シューゲイザー的な浮遊感とemoみのあるオルタナティブなアプローチを効かせた#2“Paraselene”、パンキッシュなテンションから一転してアヴァンギャルドなブラックメタルの#4“Gumbulang Na Alon”、トレモロによる不協和音と金切り声を放ちながら粗暴なブラストビートでコンピューター・ブラックメタルを繰り広げる#5“No Corpse Found, Just A Spirit”におけるアウトロのローファイ・ヒップホップ的なチルいアプローチからは、それこそ『サイバーパンク2077』のようなAAAタイトルと『コーヒートーク』のようなインディーゲームを紡ぎ出す意図を感じさせる。ある意味で元祖ダンジョンシンセを駆使したシンフォニックでファンタジックなブラックメタルを展開する#6“Prisoner Of A Gaudy And Unlivable Present”は、Svalbardのセレナ・チェリーによる神ゲー『スカイリム』を題材にしたサイドプロジェクト=Noctuleの膝に矢を受けてしまったオープンワールドRPGの世界観に直通する。本作のハイライトを飾る#9“Delirium”、そしてダンジョンシンセの極地みたいなインストの#10“Scrying”もこのクソゲーのエンドロールを飾るに相応しい一曲と言える。

確かに、この手のピコピコ/キラキラシンセとブラックメタルのクロスオーバーといえば、最近ではAbstract Voidが似たような事やってた気がするけど、確かに互いにシンセを大々的にフィーチャーしているものの、このGonemageはチップチューンの影響下にあるポップなシンセとThe Armed的なアヴァンギャルド~ハードコア/サイバーパンク寄りのブラックメタルのクロスという明確な違いがある。ので、どちらもオヌヌメです。
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