Artist Devil Sold His Soul
Album 『Loss』
Tracklist
BMTHやBullet for My Valentine、そしてLostprophetsなどのエモ〜メタルコア系のUKバンドが新世代メタルの代名詞として祭り上げられていた、それら00年代を象徴する懐かしい3組のUKメインストリームロックの影に隠れて、一部のアンダーグランドシーンでポストハードコア界のレジェンドとして崇められ続けてきたバンドがロンドン出身のDevil Sold His Soulで、てっきり自分の中では既に解散したものだと思っていた伝説のバンドが奇跡の復活を遂げた。
Album 『Loss』
Tracklist
01. Ardour
02. Witness Marks
03. Burdened
04. Tateishi
05. The Narcissist
06. Beyond Reach
07. Signal Fire
08. Acrinomy
09. But Not Forgotten
10. Loss
BMTHやBullet for My Valentine、そしてLostprophetsなどのエモ〜メタルコア系のUKバンドが新世代メタルの代名詞として祭り上げられていた、それら00年代を象徴する懐かしい3組のUKメインストリームロックの影に隠れて、一部のアンダーグランドシーンでポストハードコア界のレジェンドとして崇められ続けてきたバンドがロンドン出身のDevil Sold His Soulで、てっきり自分の中では既に解散したものだと思っていた伝説のバンドが奇跡の復活を遂げた。
初期のBMTHやBFMV、そしてロリペドもといロスプロなどの主要なUKバンドの作品を抱えているイギリスのレーベルVisible NoiseからデビューEPを発表し、その後もかのHoly Roar RecordsやCentury Mediaから作品を発表してきた彼らが、2012年作の3rdアルバム『Empire Of Light』から約9年の時を経てドロップした復活作となる4thアルバム『Loss』は、まさかのメタル総本山であるNuclear Blastからリリースとのことで、その内容もNuclear Blastのイメージとは真逆のギャップ萌えに溢れた、長いブランクを微塵も感じさせないDSHSらしいハードコアを繰り広げている。
今や絶滅危惧種となった感のあるコテコテのエモエモのハイトーンボイスをはじめ、現在のBMTHやBFMVが失くした“当時のコアさ”を現代に引き継いでいるのがこのDevil Sold His Soulという皮肉はさて置き、いわゆるポストロックやポストハードコアラインの王道を突き進んでいた過去作から一転して、流石にあのNuclear Blastが拾うだけあって本作の『Loss』は、00年代に流行った伝統的なUKエモ/ハードコアの“らしさ”と、(そのポストメタル然としたアートワークからもわかるように)IsisやCult Of Lunaに代表されるポストメタルやアトモスラッジなどのメタリックな現代ヘヴィネスとも共振するアグレッシヴなメタルパートをふんだんに盛り込んでおり、いわゆるエモ系キッズが今にもシコりだしそうなナヨナヨした感じよりも、あくまで硬派なポストメタル然としたヘヴィネスを軸に、言ってしまえばゴリゴリのメタルとして聴けちゃう一枚となっている。
過去作との大きな違いを示す本作における“ヘヴィネス”、例えば#2“Witness Marks”や#3“Burdened”や#9“But Not Forgotten”のようなポストメタルの王道的なリフ/ヘヴィネスを耳にして何を思い出したかって、それこそ“10年周期で全く新しいヘヴィネスを更新し続ける系ヘヴィロックバンド”でお馴染みのDeftonesに他ならなくて、彼らは00年代のポストメタルとDevil Sold His Soulも影響を与えたPeripheryに代表されるDjentという10年代を象徴するヘヴィネス、その00年代と10年代のDecadeを象徴する2つのヘヴィネスを経由していながらも、しかし厳密に言えばどちらとも相反する“20年代のヘヴィネス”を更新してみせたのが2020年に発表したアルバム『Ohms』だった。
何を隠そう、今作の『Loss』における過度にモダンに寄せ過ぎない程よいモダンさを帯びたヘヴィネスは、なんだろう空白の9年の間に降り注いた雨のお陰で地固まるじゃないけど(UKバンドだけに)、それこそLoatheに代表されるUK新世代を真っ向から叩き潰す勢いの中ボスっぽい重厚なヘヴィネスは、まさしくDeftonesが『Ohms』の中でヘヴィ・ミュージック・シーンに示した“20年代のヘヴィネス”に肉薄するソレで、それは同時に本作が「そのレベルの領域にある作品」である事を意味している。つまり、彼らはBMTHやBFMVやロスプロなどの00年代のUKロックを象徴する“過去”の懐メロハードコアと同じことをやって当時のファンをノスタルジーに浸らせるためにわざわざ復活したわけではなく、むしろDeftonesの『Ohms』やHumの『Inlet』に象徴される“20年代のヘヴィネス”の流れを着実に汲んだ、ノルタルジックな懐メロとは真逆の最先端のヘヴィ・ミュージックであるということ。
しかし、まさかこのDSHSが復活作でそんな事をやってくるなんて想像もしてなかったというか、でもそこに彼らが一部でレジェンドと称される所以が集約されてるんじゃないかって。かつてはレーベルメイトだった一角のBMTHが今やネット炎上芸人と化し、もう一角のBFMVが謎の筋肉お化けと化し、そして最後の一角となるロスプロが刑務所にブチ込まれている最中、唯一アンダーグラウンドの道を歩み続けてきたDSHSが最先端の現代ヘヴィネスと直結する展開は流石にエモ過ぎるでしょ・・・。しっかし、つい最近でもDVNEやPUPIL SLICERなどの次世代を担うUKバンドの登場、その新世代と00年代のアングラシーンで活躍したレジェンドが復活して互いに高め合ってる感からも、今マジでUKがアツい・・・!
何を隠そう、今作の『Loss』における過度にモダンに寄せ過ぎない程よいモダンさを帯びたヘヴィネスは、なんだろう空白の9年の間に降り注いた雨のお陰で地固まるじゃないけど(UKバンドだけに)、それこそLoatheに代表されるUK新世代を真っ向から叩き潰す勢いの中ボスっぽい重厚なヘヴィネスは、まさしくDeftonesが『Ohms』の中でヘヴィ・ミュージック・シーンに示した“20年代のヘヴィネス”に肉薄するソレで、それは同時に本作が「そのレベルの領域にある作品」である事を意味している。つまり、彼らはBMTHやBFMVやロスプロなどの00年代のUKロックを象徴する“過去”の懐メロハードコアと同じことをやって当時のファンをノスタルジーに浸らせるためにわざわざ復活したわけではなく、むしろDeftonesの『Ohms』やHumの『Inlet』に象徴される“20年代のヘヴィネス”の流れを着実に汲んだ、ノルタルジックな懐メロとは真逆の最先端のヘヴィ・ミュージックであるということ。
しかし、まさかこのDSHSが復活作でそんな事をやってくるなんて想像もしてなかったというか、でもそこに彼らが一部でレジェンドと称される所以が集約されてるんじゃないかって。かつてはレーベルメイトだった一角のBMTHが今やネット炎上芸人と化し、もう一角のBFMVが謎の筋肉お化けと化し、そして最後の一角となるロスプロが刑務所にブチ込まれている最中、唯一アンダーグラウンドの道を歩み続けてきたDSHSが最先端の現代ヘヴィネスと直結する展開は流石にエモ過ぎるでしょ・・・。しっかし、つい最近でもDVNEやPUPIL SLICERなどの次世代を担うUKバンドの登場、その新世代と00年代のアングラシーンで活躍したレジェンドが復活して互いに高め合ってる感からも、今マジでUKがアツい・・・!
「またしても俺たちのニュークリア・ブラストが最高の仕事をやってのけた」←正直この一言に尽きる。バンドのフロントマンであるエド・ギブスのエモエモしたハイトーンのボイスを、2013年に加入したポール・グリーンのプチエモいイケボで中和しているお陰でエモ特有のナヨナヨ感が大幅に低減、またポストハードコアの常套手段であるシンガロングパートも皆無となっているのもプラスに働いている。そのように、ニュークリア・ブラストに所属する他のメタルバンドのファン層にも理解が得られるような、ガチメタラーにも耳馴染みのいい要素の取捨選択が上手くいった結果の傑作だと思う。別に思い出のバンドの復活作だから贔屓しているのではなくて、シンプルに現代的なポストメタルとしてのトレンドを抑えた、音作り的な意味でもソングライティング的な意味でも過去最高を更新してきた問答無用の傑作です。改めて、これが“復活請負人”ことニュークリア・ブラストの真髄か・・・ありがとうニュークリアブラスト!フォーエバーニュークリアブラスト!