Artist The fin.
The fin.

Album 『Days With Uncertainty』
Days With Uncertainty

Tracklist

  • 01. Illumination
  • 02. Night Time
  • 03. You Can See It In The Blue
  • 04. Curtains
  • 05. Silver From Over The River
  • 06. Thaw
  • 07. Veil
  • 08. Without Excuse
  • 09. The End Of The Island
  • 10. Till Dawn
  • 11. Days With Uncertainty



・・・驚いた。国内にこんなバンドが存在するなんて、、、更新停止してる場合じゃねぇ!このMVのたった数十秒のスポット映像を目にした瞬間、いわゆる"俺の感性"にズキュウウゥン!!と衝撃が走った。「なんだこいつらッ!?」・・・てっきり初めて聴くバンドだと思いきや、数カ月ほど前に何気なく耳にした"Glowing Red On The Shore"と同じバンドだと知ってリアルに驚いたというか、まさかこんな所で再び出会うなんて思いもしなかった。とにかく、それこそキタノブルーじゃあないが、バブル期というか90年代の邦画というか、それこそ岩井俊二映画をイメージさせる無国籍感のあるエキゾチックでノスタルジックな甘酸っぱい青春ロードムービー風の映像美と、海外のインディ・ロックやシンセ・ポップ、チルウェイヴやシューゲイザーからの強い影響下にある、まるでセピア色に光り輝くドリーム・スケープに、その懐かしい郷愁を纏った白昼夢の中をたゆたうような音世界に、僕は一瞬にして魅了されてしまったのだ。まるで発煙筒の煙のように淡く幻想的な音が空間を支配していくが、しかしサビではボーカルのYuto Uchinoによるフェミニンな歌声と心臓の鼓動のように力強いビートを刻むシンセで音の骨格を現してグッと"聴かせる"。そして、何といってもギタリストのRyosuke Odagakiが奏でる、 (そのコワモテの顔からは想像できない)USガールズ・バンドWarpaintの1stアルバムThe Foolの名曲"Undertow"を彷彿とさせるスウィーティでメランコリックなメロディ/フレーズには(ニヤリ)とせざるを得なかったというか、それもそのはず…なんと本作のマスタリングにはWashed OutWarpaintを手がけたJoe Lambertを迎えてるってんだから話は早い。"俺の感性"にズキュウウゥン!!とキタ理由はコレだったのか・・・どおりで、若干22歳の若者にしては一つ一つの音の完成度やUKミュージック的な音の再現度が新人離れしてるし、このレトロフューチャーなMVからも垣間見れる徹底したビジュアル/コンセプト作りには、彼らの"クリエイティブ!!"に対するリベラル意識の高さが伺える。で、このMVを手がけたのは、映画をはじめ大手企業のCMやミスチルのMVなど数多くの作品で知られる関根光才監督で、ヒロインのガール役を演じているのはEmmaとかいうViViモデルらしく(ポスト玉城ティナといった所か)、このMVでは本場の女優かってくらい、触れられそうで触れられない仲間内のマドンナ的な存在、近くて遠いアンニュイな存在感を刹那的に演じきっている。なんだろう…誰の女でもないんだけど、将来は俳優やってそうなボーカルと恋仲になりそうでならない"あの感じ"というか、あの"絶妙な距離感"で保たれたリア充グループとでも言うんだろうか、男なら誰しもが憧れる青春オーラに色々な意味で胸が張り裂けそうになる。さすがに実績のある監督作品なだけあって、音楽性と映像が絶妙にマッチした、何度もリピートしたくなる中毒性があるし、そして何よりもEmmaちゃんの仕草や表情に、そのkawaiiに胸キュン不可避だ。ともあれ、今年のMV大賞と言っても過言じゃあないアナログフィルムとリンクするような楽曲からは、次世代の邦楽界を担うホープとして期待させる、確かなポテンシャルを感じさせる。

アジア感・・・全体を通して聴くと、先ほどの名曲”Night Time”は少し特別な曲だという事がわかる。まず、幕開けを飾る#1”llumination”から、それこそライアン・ゴズリング主演の映画『ドライヴ』のサントラに入っててもおかしくない、80年代にトリップさせるようなエアロビ感あふれるシンセとリズミカルなクラップが、まるでレトロなナイトクラブの入り口を描き出していく。他にも、シューゲ・アプローチを効かせたエモいインディ・ロックの#3”You Can See It In The Blue”、アコギをフューチャーしたJ-POP型ドリーム・ポップの#4”Curtains”、ゆるふわ系の#5”Silver From Over The River”、再びバンド・サウンドをフューチャーしたグルーヴ感が心地よい#7”Veil”、まるでアイスランドの壮観な雪景色が目の前に広がるような#9”The End Of The Island”、まるでプラネタリウムのような浮遊感のあるシンセとクラップがゆりかごのように揺らめく#10”Till Dawn”など、強引に例えるなら→UKのCHVRCHESStill CornersあるいはスウェーデンのPostiljonenWashed OutとUSのWarpaintが融合したような、ハイブリットなJ-POPを繰り広げるそのロマンティックな姿は、今の時代とレトロな時代を繊細に紡いでいくような、古めかしいんだけどどこか新しいギャップと魅力に溢れている。とはいえ、やっぱり”Night Time”のインパクトったらなくて、事実この岩井俊二映画顔負けの"アジア"感からなる極上のノスタルジーは、洋楽バンドでは決して味わえないだろう。

リズム隊 ・・・このバンド、どうしても中心人物であるYuto Uchinoの卓越したセンス、そのカリスマ性に注目が集まるが、実はリズム隊(特にベース)も侮ることのできない存在で、それはリード・トラックの”Night Time”をはじめ、オープニングを飾る”llumination”のアウトロや#6の”Thaw”や#7の”Veil”で聴けるような、静寂的な空間すら繊細に心地よく”聴かせる”という意識を大事にしたベースとドラムが織りなす、柔らかくてそして濡れている=ソフト&ウェットなグルーヴ感は、それこそEP『Exquisite Corpse』の頃のウォーペイントを彷彿とさせる。音自体はもの凄くシンプルだし、音数も少なくて超わかりやすい、ドラムの残響音すら計算し尽くされているような、新人バンドとは思えない洗練されたバンド・サウンドに驚かされる。とにかく、バンドとして既に完成されているし、この年齢にしてはあまりにも落ち着きすぎている。そこがまた彼らの魅力でもある。

邦楽界の革命児 ・・・確かに、本作のアートワークおよび紙ジャケ仕様をはじめ、その音を聴くだけでは素で海外のバンドだと勘違いしちゃうくらい、ここまで海外志向の強いバンドって国内ではなかなか珍しくて、確かにこの手の音楽は海外では珍しくもなんともないし、この手のバンドはもう飽き飽きだって意見もわかる。けれども、それよりもまず日本にこのようなバンドが出てきた事に対して素直に喜ぶべきだと思うし、日本の音楽リスナーも"洋楽っぽい"とかいう偏見なしに素直に認めてやるべきだと思う。もう"日本人離れした~"という表現は飽き飽きだ。日本の音楽は遂にここまで来たってのが正しい表現だろう。久しぶりに、どうにかして天下を取らせてやりたいと思うバンドの登場だ。既に国内の大型音楽フェスへの参加や来年のSWSWに出演が決まっている事からも、その話題性や将来性は十分だし、次作あたりで大物プロデューサー迎えたら一気に化けそうな予感。。。とにかく、ガラパゴス化した日本の音楽界を次のステージに導くかのような、少し大袈裟かもしれないが邦楽界の革命児と呼ぶに相応しい一枚だ。強いて不満みたいなことを言うなら、MVとメイキングが収録された円盤つけて欲しかった感ある。あとsukekiyoノベンバの対バンがアリってんなら、そのOPアクトとしてこのThe fin.を呼ぶってのも全然アリなんじゃねぇの~?

(僕もひと気のないプールでワイワイしたかった...こんな青春送れなかった人生なんて無意味だ死のう・・・The fin.)
 
Days With Uncertainty
Days With Uncertainty
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The fin.
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