Artist Cult of Luna
Cult of Luna

EP 『Vertikal II』
Vertikal II

Track List
01. O R O
02. Light Chaser
03. Shun The Mask
04. Vicarious Redemption [remix by Justin K. Broadrick]

本作はそのタイトルどおり、スウェーデンのインテリ頭脳派集団Cult of Lunaの約七年ぶりとなる新作で、SF映画の傑作『メトロポリス』を題材としたコンセプトアルバムVertikal続編に当たるEP『Vertikal II』なんだけど、まずはオープニングの#1”O R O”を聴けば心で理解ッできるように、どうやら『Vertikal』の中でも異質な存在感を放っていたPassing Throughが完全に今回の伏線()だったみたいで、その”Passing Through”を踏襲したミニマムな遅漏リフとFredrik Kihlberg君による憂鬱な歌声が、ほのかにメランコリックな塩梅をもって仄暗~いムードを演出しながらユラリと交錯する、要するにTrue Widow直系の幽玄なダウナー系スロウコア/トリップ・ミュージックを展開している。確かに、『Vertikal』のようなメタリックな重厚さや現代プログレッシブ的な感覚は皆無に近いが、Earthにも通じるミニマリズムを発揮しながら知的なATMSフィールドを広域に展開していく、実にCoLらしいインテリ度MAX!!なダーク・ミュージックを繰り広げている。で、#2”Light Chaser”ではJohannes Persson君のドスの効いた獰猛な咆哮と鍵盤奏者Anders Teglund君による近未来都市計画的なメロディが繰り返し鳴り響き、徐々に徐々に謎のトリップ感を醸し出しながら、ドラムや咆哮という名の暗黒物質が混沌と蠢くATMSフィールドを形成していく。実質本編ラストで約12分ある#3の”Shun The Mask”は、このEPでは一番バンドらしい音使いと適度なプログレ性を合わせ持ち、Kayo Dotを彷彿とさせる狂気的なアヴァンギャリズムやインテレクチュアリズムをむき出しにしたような、サイケデリックかつマッドサイエンティストな暗黒世界を見せつけている。そして、ここまで続いた『ヴァーティカル・プロジェクト』の終幕を飾るのは、Jesuジャスティンがリミックスを担当した『Vertikal』の名曲”Vicarious Redemption”で、これがまた本編の存在を食っちゃってるんじゃねぇか?ってぐらいの完成度で笑う。CoL自身も→本来は収録される予定じゃなかったけど、あまりにも良すぎたので本編に入れた結果→このヴァーティカル・プロジェクトの終わりに相応しい曲となったと語るのも納得の出来。もはや(あれ?原曲ってどんなだったっけ?)ってなるほど、あの超暗黒星がリミックスでこうも麗しく耽美に化けるものなのか・・・と素直に驚いた。なんかGod Is An Astronaut的な謎のepicッ!!感すらあるし、あのwoob woobなダブステ成分もうまい具合に消化してる所はサスガだと。全然関係ないけど、なんかDIR EN GREYのライブの会場BGMとして流れてきそうな雰囲気ある。
 
 全4曲トータル約35分。なんというか、それこそ一見手抜きに見えてしまうジャケのように、『Vertikal』という名の月面の裏側その深層部分をピンポイントでフォーカスしたような、言うなれば”Bサイド”的な作品であると同時に→なにか以前にTrue WidowCult of Lunaの関係性について書いたような気がするけど、それこそ今回の『Vertikal II』でCoLがTrue Widowっぽい事やってみせた、まさに先ほどの関係性その”回答”であるかのような作品で、なんか本当に面白いなぁって。ちなみに、この『Vertikal II』の楽曲は『Vertikal』とほぼ同時期に書かれたものらしく、急遽決まったものではなくて、元からこの続編をリリースする予定だったらしい。そんなわけで、これにて約七年間の構想(冬眠)により誕生した『ヴァーティカル・プロジェクト』は一旦完結し、そしてCult of Lunaは再び数年間の深い眠りにつくそうです。おやすみー!
 
Vertikal II
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