Artist KATATONIA
KATATONIA

Album 『Dethroned & Uncrowned』
Dethroned & Uncrowned

Track List
01. The Parting
02. The One You Are Looking For Is Not Here
03. Hypnone
04. The Racing Heart
05. Buildings
06. Leech
07. Ambitions
08. Undo You
09. Lethean
10. First Prayer
11. Dead Letters

      『死の王、復活するってよ』

あの日、KATATONIA死の王を産み落としたあの日、長きにわたって築き上げてきた”俺の界隈”は腐海へと沈んだ。2011年、スウェーデンの皇帝KATATONIAがリリースした『死の王』によって、いわゆる俺の界隈の崩壊すなわちサード・インパクトが起きた事は、読者も既にご存知のはずだが、それについてを詳細に記した愛のある肩叩きの中で、”オルタナ/トリップ系がやりたいのかメタルがやりたいのかハッキリしない(あいまいなのは『男』じゃあない)”と言う吉良吉影のような事や、アレンジャーのフランク・デフォルトの異常なゴリ押し感を聴いて、もういっそのこと”ニカバンド”になってくれたほうがよかったンゴ...とかナントカ書いたりした。しかし本作を耳にした時→あの『死の王』というのは元々トリップ系にすることを前提に作られた作品だったんじゃあないか?本来はコッチがKATATONIAの”本性”だったんじゃあないか?というような疑問がまず頭を過ぎった。もしそうだとすれば、レビューにも書いたヨナスの歌に関する違和感や俺たちのイェンス・ボグレンを左遷した結果→音の凡個性化を筆頭に、フランク・デフォルトのゴリ押しノーマン兄弟の脱退など、あの時に感じたありとあらゆる疑問や謎に納得ッが生まれる、というか、『死の王』のレビューに記した事に対する約一年越しの伏線()回収だと解釈すれば、それら全ての辻褄が合ってくる。それこそ、まるで日本語で書かれたその”肩叩き”の内容をKATATONIAが理解ッしたように、『死の王』をアコースティック/アンプラグド風に再構築(リメイク)したのが、この新作『Dethroned & Uncrowned』というわけ。

    ANATONIA

 確か...あれは8thの傑作Night Is the New Dayがリリースされた頃のインタビューだったかな、アンダースヨナス「俺たちはニカバンドにはならないよ(キリッ」とドヤ顔で答えた結果、今回→「嘘ンゴ。カタトニクス最高ンゴ」というアツい手のひら返し・・・もとい、これまでのお話の展開その着地点=”答え”となった、この度のKscopeからの運命的なリリースに一瞬は驚きながらも、一方では”やっぱり”と思う冷静な自分がいた。おいら、LovePeaceの提唱者こと秘密結社Kscopeの皇帝であり黄金の精神を持つANATHEMA『死の王』として知られる”漆黒の意思”を持つKATATONIAは一心同体の存在、すなわち【ANATHEMA(ジョニィ・ジョースター) × KATATONIA(吉良吉影)=ANATONIA(東方定助)】という、日本一のジョジョヲタとしての考察および独自の解釈を持っていて、当然、それはジョジョ8部『ジョジョリオン』の物語に関係する部分ではあるんだけれど、まぁ、それはそうとして→今回のKscopeKATATONIA”引かれ合い”は、まさに俺のキング・クリムゾンが予測していた通りの出来事で、ある程度の予測はしていても実際に起こってみるとやっぱ!?ってなるし、あの時ありのまま素直に”肩叩き”したことは何一つ間違っちゃあいなかったんだと、正しい行動だったんだと、この『Dethroned & Uncrowned』が産み落とされた今となっては、あの時の自分を”よしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよしよし”とチョコラータ風に褒めてやりたいぐらいだ。つまり、『死の王』という俺の界隈を崩壊させた元凶を再構築すること、それすなわち”俺の界隈の再構築”と全く同じ意味を持ち、要するにこの『D&U』の存在というのは、あの時の自分と今の自分を繋ぎ合わせる”救世主”であると同時に、”あの日”を境に絶望の淵へと追いやられた俺の界隈に棲む廃人に対するKATATONIAからの鎮魂歌でもある、それこそANATHEMAWeather Systemsという黄金のシンボル”が光り輝く俺の界隈を再び漆黒色に染め上げるかのような、そんな様々な意味合いを持つ一作。しかも、今年で25歳になった僕が活動25周年を迎えたKATATONIAの復活作を聴いている、そしてこのタイミングでANATHEMAのライブ作品『Universal』Kscopeからリリースされ、更には『ジョジョ』生誕25周年を祝う荒木飛呂彦先生の画集『ジョジョベラー』も同時に発売されるとか・・・なんて...なんて面白すぎる出来事なんだッ!これはもう『運命』としか言いようがないッ!これこそ”俺の界隈の再構築”の答えだッ!つうか、そんなことより、さっさとヨナスヴィンセントの薄い本はよ!

KATATONIA×KSCOPE

 『再構築』ということで、スウェーデン一の”ゆるふわ系男子”ことヨナスきゅんのボーカルだけはオリジナル版の音源を使っていて、バックのトラックがヘヴィなギターに替ってアコギやストリングスやシンセ、ドラムに替わってパーカッションを用いた、わかりやすい話→KATATONIAANATHEMA『Hindsight』的な事やってみた、というわけ。で、オリジナル版『死の王』の一曲目”The Parting”を初めて聴いた時は→日本一のカタヲタを自称している自分ですら全く耳に馴染まなかったというか、初っ端の”In the weak light”というヨナスのボーカルの入れ方からして「ナニかがおかしい...こんなことは許されない・・・」と、漠然とした違和感を感じていた。しかし、再構築された本作の”The Parting”は異常なほど耳に馴染むというか、まるで「プログレッシブな俺たちかっけええええええええええ!!」というアンダースのドヤ顔が浮かんできそうなほど、クソみたいにダサいGリフがないだけでここまで変わるなんて・・・ちょっと想像した以上だったし、あらためて『死の王』という作品がいかにして”Bサイド向け”に作られていたか、という真実が理解ッできた瞬間は素直に嬉しかった。で、The GatheringSilje Wergelandがゲストとして参加した#2”The One You Are Looking For Is Not Here”ではフェミニンなアンビエンス空間に包み込まれ、続く#3”Hypnone”は原曲でも鍵を握っていたキーボードの儚いメロディを主体としながら、歪みが抑えられた泣きのGソロにKATATONIAの本質というのを痛烈に感じつつ、 原作の中でも唯一これだけは名曲だと認めざるを得なかった#4”The Racing Heart”では、Bサイド屈指の名曲”Sold Heart”風すなわちフランク・デフォルト特有のアレンジが施された結果→もはや原曲を超えるある種の”凄み”を放っていて、内側に内側にヒシヒシと燃えたぎる『灼熱の魂』が外側へと開放されるようなヨナスの歌声は、それこそKATATONIAの本性と共にカタトニクスの真髄をまざまざと見せつけられた気分にさせる。これぞBサイドのセカイだと...ッ! そして...原作では”捨て曲四兄弟”だった#5”Buildings”,#6”Leech”,#7”Ambitions”,#8”Undo You”という中盤の変貌っぷりには、いい意味で驚かされた。原作『死の王』が駄作だと確信させたレベルのクッソダサいリズム刻みやがるGリフが消え失せ、同郷の盟友Opethを彷彿とさせるダーティなアコギがダークジャズ風の耽美なムードを形成する#5、ジャジーなピアノとヨナスの叙情的な歌声がレトロちっくに織りなすアダルティなダンディズムに心酔する#6、アンプラグド化したGソロの残響音が漆黒という亜空間の中を幽玄に揺らめく#7、どこか懐かしいキモチにさせるドラクエ的な謎の郷愁感とSWソロ風の童話ちっくなアレンジが聴きどころの#8まで、原作では死んでいた中盤の楽曲が今回のリアレンジによってズキュウウウンという擬音と共に”漆黒の意思”が注入され、死に体から息を吹き返した結果→まさにこの『Dethroned & Uncrowned』こそが真の『死の王』だという事を確信させ、同時に『死の王の復活』を宣言するかのような凄みすらある。中でも”Ambitions”の化けっぷりには度肝を抜かれたね。で、終盤の#9”Lethean”,#10”First Prayer”,#11”Dead Letters”までの、原作では”あと一歩”の印象だった曲も見事に化けている。#9は前作の”Day and then the Shade”をルーツとする曲だったんだなぁとか、#11はBサイドは元よりKATATONIA史上最高傑作”Unfurl”風のアレンジが際立っていたりとか、あらためて『死の王』を真正面から見つめ直し、より深い視点から楽しむことができた。なんかこれを聴いてると、まるで腐海に沈んだ極東の島国の畔で、東京五輪という名の死のカーニバル、暗黒舞踏会を繰り広げるかのような情景が浮かんでくる。なんにしても、今回は『死の王』を丸々リメイクというのが一番のポイントだと思う。

 いやはや、あのクッソダサいリフとピロピロ系Gソロという名の”雑音”が存在しない、つまり『死の王』特有のダサさがなくなった、というか薄くなっただけなのに、ここまで別物に聴こえるなんて想像もしていなかった。しかも、ただのアコギアレンジで終わらせるんではなくて、曲それぞれに合ったアレンジの仕方をしてて、それにより原曲とは比べものにならないほどの味わい深さとシブ味が増したことで、尚さら原作とは全く別の作品として聴くことができる。単純に、音そのものの作りがオリジナル版『死の王』のような異物感がない。ある意味、我流の【ATMSフィールド】を身にまとった”雰囲気バンド”としての本領を最大限に発揮してる作品なのかも。あと、これは原作に対する自分の印象が悪く過ぎたせいもあるだろうけど、リメイク版はヨナスの歌声や吐息がより近く明瞭に、より生々しい表現として聞こえる。極端な話→もはやヨナスのソロアルバムかと思うぐらい、ここまで素直にヨナニーできるメランコリックなKATA作品は他にないんじゃないかって。まさに”染みわたる”という言葉以外、僕の浅い知性では他に表現する言葉が見当たらないし、こうやって改めてヨナスのボーカルを中心に聴いてみると→ヨナスのボーカルメロディ自体は決して悪いモノではないし、むしろ過去最高に”ボーカリスト”としてのポテンシャルを発揮しているように思う。ということは・・・オリジナル版『死の王』を駄作にした戦犯は、やっぱり当時スカイリムやりまくってたリーダーのアンダースだったんだな...って。要するにアンダース許すまじ!

 俺たちカタヲタがKATATONIAに”求めているもの”であると同時に、俺たちカタヲタがKATATONIAに”求めていないもの”でもある本作品、しかしあの時に”愛のある肩叩き”をした自分は本作を”求めていたもの”として聴くことができる。そして、この『D&U』を誰よりも理解ッし、誰よりも楽しんで聴いているに違いないと、日本一のカタヲタを自称している今の自分にはハッキリとわかる。結局のところ、原作の『死の王』を聴いた時点で、KATATONIAKscopeに取り込まれてBサイド的な作品をリリースする未来をどれだけの人が予測できたんだろう...と。これが予測できたのは、少なくとも日本では自分だけだと思う。だからこそ、当ブログWelcome To My ”俺の感性”2013年度BEST頂点にこの『D&U』を掲げる、という行為に大きな意味や説得力が生まれるというか、『D&U』俺の界隈頂点にすることによって、栄冠(魂)を取り戻した『死の王』は腐海の底から目覚め、これにて俺の界隈の再構築の最終フェーズが完了する...そして...一度は王の称号(王冠)を失った『死の王』が...これにて俺の界隈皇帝に再即位するッ!!

 「“帝王”はこのKATATONIAだッ!!依然変わりなくッ!



 この最新インタビューを聞いてもわかるように、なぜ『死の王』をリメイクしたのか?という質問に対して、ヨナスとアンダースは二人共に『死の王』のポテンシャル(可能性)と自らを試す(チャレンジ)だと語っていて、いつ頃リメイクしようと決めたのか?という問いには→『死の王』をミキシングしている時だと答えてたり、なぜPeacevilleではなくKscopeからリリースしたのか?という問いに対して→Kscopeが掲げる音楽的思想と『D&U』の作風がマッチしていて、尚且つジャンルレスなレーベルだからと答え、Kscopeのバンドで好きなバンドは?という問いに→共にSW先生の名を挙げ、更にPTやパイナップル泥棒そしてANATHEMAの名前を挙げていたのが興味深かった。

 案の定、既に従来のKATAファンからは”愛のない肩叩き”がなされているみたいなんだが、しかしKATATONIA自身は【オリジナル VS, リメイク】という対立構造なんかクソくらえ、という声明を早くも出していて、これにはあくまでも”別作品”として聴いてくれという彼らの明確な意思が感じ取れる。ちなみに、アートワーク/デザインを手がけたのは毎度のトラヴィス・スミス氏。そして当然ながら、本作のクレジットにはイェンス・ボグレンという名前は刻まれておらず、あらためて近年KATA作品のアレンジャーとして知られるフランク・デフォルトとエンジニアのデイビッド・カスティロが中心となって生まれた作品なんだと、それは本作の内容を聴けば嫌でも理解ッできると同時に、悲しいかな...これはイェンス・ボグレンとの決別を意味してるんだと思う。

    DIR EN GREYを食らうKATATONIA

 ところで『再構築』といえば、KATATONIAの実子に当たるDIR EN GREYも今年の初めに初期の楽曲をリメイクしたTHE UNRAVELINGをリリースした事が記憶に新しく、そのアンラべでは親であるKATATONIAを豪快に食らう様子を見せていた。しかし、今回では「我が子を食らうサトゥルヌス」ならぬ「DIR EN GREYを食らうKATATONIA」という逆パターンの食らい返しが実現し、まるで「DIR EN GREYよ、これが再構築だ」と言わんばかりの、親が子に威厳を示すかのようなお話の流れがあって実に面白い。当然、DIR EN GREYKATATONIAの影響を受けているバンドの一つだし、既に本作の『Dethroned & Uncrowned』もチェックしているんだろうけど、そんな当たり前なことよりも、DIR EN GREYの秋ツアー『TOUR2013 GHOUL』の会場BGMとして、この『D&U』の楽曲を流すor流さないかが気になって仕方ない。・・・と、まだチケ取ってない自分が言うのもアレなんだが、正直ライブの内容よりもその事が気になって夜も眠れない。だって、DIR EN GREYがこの『D&U』から学ぶことって意外とたくさんありそうな気がしたからね。特に#3と#7のGソロは薫きゅんに是非とも聴いて学んでほしい(いや、既に聴いてるか?)。そんな風に、KATATONIADIR EN GREY漆黒の関係性を考察していてふと思った、もしフランク・デフォルトがDIR EN GREYの楽曲をアンプラグド化したらどうなるんだろう...ってね。

 さて、これからのKATATONIAについてなんだが、このままKscopeの傀儡としてゾンビのように生きていくのか、それとも従来のオルタナティブ・ヘヴィ路線に戻るのか、彼らの今後が今から楽しみで仕方がないし、それこそガチでBサイド路線やってくれたら面白いとは思うけどね。けど、もう二度と『死の王』みたいなオリジナル&リメイクという、どっちつかずでハッキリしない(あいまいなのは『男』じゃあない)と、『ジョジョリオン』の吉良吉影が激おこプンプンしそうな作品だけはやめてほしい。方向性をどちらか一本に絞ることができれば、KATATONIAは本当の意味で復活できると思うよ。まぁ何にせよ、ノーマン兄弟というバンドの”核”を失い、首の皮一枚で繋がった瀕死状態って時に、この絶妙なタイミングでKscopeに救済を求めたのは懸命だったというか、こうなることはもはや『運命』で決まっていたと言わざるをえない。何にしても、KATATONIAの作品にKscopeという文字が刻まれているというだけで、自分は問答無用にアヘ顔デフヘヴン状態になりますけどね。どうやら今後、リリースから10周年を記念して6th『Viva Emptiness』のリメイク/リマスターも予定しているらしいので、そちらも期待して待ちたい。最後に一言→この度、『死の王』の再構築という名の俺の界隈の再構築すなわちフォース・インパクトを起こしたKATATONIAには、 本当に…本当に…「ありがとう」…それしか言う言葉がみつからない…。

Dethroned & Uncrowned
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