Artist Cynic

Album 『Ascension Codes』

Tracklist
本作におけるディストピア的な世界観を司る、曲タイトルが数字や記号で表記されたインタールード的な短い間奏からもわかるように、Cynicならではというかポールの特異な趣味嗜好が垣間見れるスピリチュアルなアンビエント~ニューエイジの自然崇拝、そのネイチャー的思想と民俗学的なオリエンタリズムが織りなす音響意識からは、他ならぬ名作ゲー『ニーア・オートマタ』のポスト・アポカリプティックな世界観に直結、および美しいサウンドトラックと共振するような、それはまるで地上に送り込まれた人間型アンドロイド(ヒューマノイド)と異星人が製造した機械生命体が争う傍らで、絶滅を逃れた人類はいかにアセンションするか?を思考に思考を重ねる、そんな『三体』の劉慈欣もビックリのSFチックな物語をイメージさせる。それこそ、復活作でリアル『もののけ姫』のシシ神様を地上に降臨させるも、人類が調子に乗ってパクりまくったら滅亡の危機に瀕し、そして地上にはムチムチのバイオロイドと機械兵器しか存在しなくなったディストピアみたいな。つまり、立て続けにメンバー二人を喪ったポールの喪失感が本作の世界観およびコンセプトの根っこの部分にあると言える。

Album 『Ascension Codes』

Tracklist
1. Mu-54*
2. The Winged Ones
3. A'-va432
4. Elements and their Inhabitants
5. Ha-144
6. Mythical Serpents
7. Sha48*
8. 6th Dimensional Archetype
9. DNA Activation Template
10. Shar-216
11. Architects of Consciousness
12. DA'z-a86.4
13. Aurora
14. DU-*61.714285...
15. In a Multiverse Where Atoms Sing
16. A'jha108
18. Ec-ka72
なんだろう、今のCynicほど闇が深いバンドってなかなかお目にかかれない気がする。というのも、2014年に発表された前作の3rdアルバム『Kindly Bent to Free Us』以降、彼らの不仲説がにわかに囁かれ始めると、間もなくしてDEATHのドラマーでもありCynicの創始メンバーであるショーン・レイナートが脱退、そして2020年の初めに原因不明の事故で亡くなると、その数カ月後、同年の12月にベーシストであるショーン・マローンが亡くなったという信じられないような訃報が舞い込んでくる。正直、その時は「ん?ショーンってもっと前に亡くなったよな?これが噂のマンデラエフェクトか!?」と思いきや、“ショーン”は“ショーン”でも「もう一人のショーン」であるベースのショーン・マローンが亡くなったとの事で、シンプルに「同年に同名の二人のメンバーが亡くなるって、そんな事ある?」としか思えないような不幸というか、以前から不仲説が囁かれていた事を考えると余計に闇が深すぎて「シャレにならない、もう笑えない」ってなった。
・・・そんなわけなんで、これから僕が書くCynicの約7年ぶりとなる4thアルバム『Ascension Codes』に関してのレビューは正統な評価ではないので信用しないでください。何故なら、もし批判的な文章を書いたら最後、フロントマンのポール・マスヴィダルもとい何者かによってインド密教の魔術で消されかねないというか、単純に命の危険に晒されたくないのでw

・・・そんなわけなんで、これから僕が書くCynicの約7年ぶりとなる4thアルバム『Ascension Codes』に関してのレビューは正統な評価ではないので信用しないでください。何故なら、もし批判的な文章を書いたら最後、フロントマンのポール・マスヴィダルもとい何者かによってインド密教の魔術で消されかねないというか、単純に命の危険に晒されたくないのでw

「ポール・マスヴィダルの頭脳」と題して当時作った上記のクソコラ画像を見ながら前作の『Kindly Bent to Free Us』を振り返ってみると(これ何の画像だっけ?みたいなのもいくつかあるw)、少し言い方は悪いけどフォロワーのScale the Summitからのパクリや、近年のOpethやPorcupine Treeの『Fear Of A Blank Planet』からパクりまくった平凡なプログレで、それこそデビュー当時の『Focus』や奇跡の復活作となった『Traced in Air』のような(シシ)神がかり的な(シシ)神通力がまるで感じられない、パクリ魔のポッピーもビックリの駄作だった。
そんな、フォロワーからパクるという最低最悪の駄作から7年、鮮烈なデビューから解散、奇跡の再結成から不仲説、そしてカミングアウトからダブル・ショーンの死という、この長きにわたるメタル史においてその名を深く刻むであろう壮絶なバンド人生を歩んできたバンドの頭脳であるポール・マスヴィダルが放つ本作の『Ascension Codes』は、それこそタイトル通り人類を高次元の存在にアセンションする“コード”を打ち込むような、死(DEATH)を乗り越えるのでなく死(DEATH)をも超越する神や宗教における信仰すらないディストピアな精神世界を築き上げている。
そんな、フォロワーからパクるという最低最悪の駄作から7年、鮮烈なデビューから解散、奇跡の再結成から不仲説、そしてカミングアウトからダブル・ショーンの死という、この長きにわたるメタル史においてその名を深く刻むであろう壮絶なバンド人生を歩んできたバンドの頭脳であるポール・マスヴィダルが放つ本作の『Ascension Codes』は、それこそタイトル通り人類を高次元の存在にアセンションする“コード”を打ち込むような、死(DEATH)を乗り越えるのでなく死(DEATH)をも超越する神や宗教における信仰すらないディストピアな精神世界を築き上げている。
本作におけるディストピア的な世界観を司る、曲タイトルが数字や記号で表記されたインタールード的な短い間奏からもわかるように、Cynicならではというかポールの特異な趣味嗜好が垣間見れるスピリチュアルなアンビエント~ニューエイジの自然崇拝、そのネイチャー的思想と民俗学的なオリエンタリズムが織りなす音響意識からは、他ならぬ名作ゲー『ニーア・オートマタ』のポスト・アポカリプティックな世界観に直結、および美しいサウンドトラックと共振するような、それはまるで地上に送り込まれた人間型アンドロイド(ヒューマノイド)と異星人が製造した機械生命体が争う傍らで、絶滅を逃れた人類はいかにアセンションするか?を思考に思考を重ねる、そんな『三体』の劉慈欣もビックリのSFチックな物語をイメージさせる。それこそ、復活作でリアル『もののけ姫』のシシ神様を地上に降臨させるも、人類が調子に乗ってパクりまくったら滅亡の危機に瀕し、そして地上にはムチムチのバイオロイドと機械兵器しか存在しなくなったディストピアみたいな。つまり、立て続けにメンバー二人を喪ったポールの喪失感が本作の世界観およびコンセプトの根っこの部分にあると言える。
デスメタルとジャズ/フュージョンを組み合わせた先駆者であり革新的な存在、そのパクリカスとは一線を画す真のオリジネイターとして、もはやニーチェばりに深淵を覗き説くかのような思慮深きプログレッシブ・ミュージックは、その世界観を構成する青葉市子ばりのアンビエント/ニューエイジの音響空間の中で著しい相乗効果をもたらしている。中でも、例えるなら巨匠キューブリックの名作SF映画『2001年宇宙の旅』における人工知能(AI)の先駆けであるHAL、あるいは『ニーア・オートマタ』におけるポッド153やポッド042を連想させるボカロSEの#9“DNA Activation Template”をはじめ、中盤のハイライトを飾る“Architects of Consciousness”は2ndアルバム『Traced in Air』をアセンションさせたような曲で、終盤のハイライトを飾るトラッピーなハイハットを刻む“Diamond Light Body”も近未来型バイオロイドのCynicを20年代仕様の高次元にアセンションプリーズさせた結果と言える。とにかく、最初から最後まで一貫して意識的(Consciousness)な思考をもって高次元へとエボリューションしてマトリックス状態(瞑想状態)に陥ること請け合いの、それこそTOCANAの女編集長がハマりそうなほどスピった作風となっている。確かに、ショーンの二人が欠けた状態であるはずの本作のが前作よりもCynicらしいという、何ともヒニックもとい皮肉な事態になってるのはアレっちゃアレだが、少なくとも僕が断言できるのは「前作は超えている」の一言だけです。それこそパクリマクリスティの前作は一体なんだったんだ?ってくらいに、あくまでCynicの体を成して曲が書けている事に驚かされた。ともあれ、冒頭でも言ったように信用しなくて結構ですけど、忖度なしに傑作ですこれ。
本作のスピった世界観を通して20年以降に現実世界で起こった悲劇的な出来事を解釈するならば、それこそダブル・ショーンの二人は亡くなったのではなくアセンショーンして高次元の存在に上昇しただけと考えたら、なんだろう少しばかり悲しみが癒えるというか、(普段から胡散臭いカルト的存在としてバカにしてるけど)たまにはスピってみるのも悪くないなって。