Artist In Flames

Album 『I, The Mask』

Tracklist

Album 『I, The Mask』

Tracklist
01. Voices
02. I, The Mask
03. Call My Name
04. I Am Above
05. Follow Me
06. (This is Our) House
07. We Will Remember
08. In This Life
09. Burn
10. Deep Inside
11. All The Pain
12. Stay With Me
一概に“メタルバンド”といっても様々あって、いわゆる“メロデス四天王”を例に出して話すと、いわゆる“メタルの御朱印”を求めて“メタル本願寺”で知られるNuclear Blastに出家するChildren of Bodomのようなのもいれば、生まれてまだ間もない頃にメタルの才能を見出されて“メタル本願寺”の坊主として生涯を全うするSoilworkのようなバンドもいれば、そのSoilworkの兄弟分としてメタルエリートの英才教育を受けながらも、メタル界の掟を破って破門されたIn Flamesのようなバンドもいるのが“メタル”の醍醐味であり面白さだよね。
そんなインフレといえば、バンドの発起人であり最後のオリジナルメンバーとなったギタリストのイェスパーが脱退するや否や、中心メンバーの一角であるフロントマンのアンダース・フリーデンとギタリストのビョーン・イエロッテはここぞとばかりにNB寺院から大脱走を図り、10年代に入るとソニーを親会社に持つCentury Mediaへと移籍し、2011年に10thアルバム『Sounds Of A Playground Fading』を発表すると、2014年に発表された11thアルバム『Siren Charms』では念願の本家ソニー・ミュージック傘下のエピックレコードへと完全脱獄に成功する。が、しかしこの逃走劇にも限界を感じたのか、アンダースとイェスパーも「やっぱりメタル界の中央政府には逆らえねぇわ・・・」とナニかを悟ったのかはいざ知らず、2016年に発表された次作の12thアルバム『Battles』では、再びNB寺院へと出戻りを果たした。
そんなインフレといえば、バンドの発起人であり最後のオリジナルメンバーとなったギタリストのイェスパーが脱退するや否や、中心メンバーの一角であるフロントマンのアンダース・フリーデンとギタリストのビョーン・イエロッテはここぞとばかりにNB寺院から大脱走を図り、10年代に入るとソニーを親会社に持つCentury Mediaへと移籍し、2011年に10thアルバム『Sounds Of A Playground Fading』を発表すると、2014年に発表された11thアルバム『Siren Charms』では念願の本家ソニー・ミュージック傘下のエピックレコードへと完全脱獄に成功する。が、しかしこの逃走劇にも限界を感じたのか、アンダースとイェスパーも「やっぱりメタル界の中央政府には逆らえねぇわ・・・」とナニかを悟ったのかはいざ知らず、2016年に発表された次作の12thアルバム『Battles』では、再びNB寺院へと出戻りを果たした。
改めて、今のインフレってメロデス四天王の中で最も音楽性の変遷、人気共にその凋落ぶり、もとい落差が激しいバンドでもあるのだけど、まだイェスパーが在籍していた頃の『A Sense Of Purpose』はまだしも、イェスパー脱退以降のインフレは露骨にオルタナ路線に舵を切り、それこそ前作の『Battles』なんてBMTHの『Sempiternal』や日本のワンオクをはじめとするアリーナロックの影響下にあるシンガロング主体の大衆ロック然とした作風だし、そのアルバムのリード曲=“The Truth”はワンオクの“We are”にパクられるくらいには名曲だしで、そういった意味では、初期のデスコア路線から現在のメインストリーム系のポップス路線へと大きく変貌を遂げた今のBMTHと同じように、アングラのメタルだった北欧メロデスをUSメタルコアを経由してメインストリーム系のキッズ・ミュージックへとブチ上げた、ある意味で天才バンドと言えるのかも。しかし何故インフレがこのメロコアキッズ路線に進んだのかは“メタル界の七不思議”として今なお後世に語り継がれている(アチエネはメロコア・・・)。
もはや“インフレはメロデス”じゃない“インフレはメロコア”だろっていうリアルな話はさて置き、しかし今のインフレってただアメリカンナイズされたという次元の話ではないのは確かで、それこそ前作の『Battles』に至っては半数以上の曲が外部ライターによる作曲、つまりDIY=自作の逆、言わば代作=ゴーストライターみたいな、ある意味で同人作家と呼んでも過言じゃあない、またしてもNB寺院から波紋されかねないメタルの禁忌=タブーを犯してて、でもその“覆面作家”としての本作=『マスク』説に繋がっていると考えたらちょっと面白いかも。
もはや当初から知ってるメンバーがビョーンとアンダースの“背乗り組”しかいないという今更な話はさて置き、そんな“シンガロング系イエテボリ・ヘヴィロック”みたいな独自路線を極めすぎてもうよくわかんねぇことになっちゃってるインフレなんですけど、実は自分の中で最近のインフレってDIR EN GREYに影響されてるんじゃねぇか説あって、それというのも、リズム隊を一新した新体制で挑まれた今作の『I, The Mask』の幕開けを飾る#1“Voices”のイントロSEからDIR EN GREYの名盤『ウロボロス』の“Sa Bir”を彷彿とさせるし、リード曲である#4“I Am Above”のデレレ デレレ系リフは“某ナントカお姉さん”ことテイラー・スウィフトとマブダチのイェンス・ボーグルソンがミックスしたシングルの“激しさと、この胸に絡みついた灼熱の闇(中二病)”のデレレ デレレ系リフっぽいわで、そもそもディルが最高傑作の『ウロボロス』を発表した時期(2008年)ってリーダーの薫くんが音楽キャリアの中で最もOpethをはじめ北欧メタル勢に影響された時期と重なるし、それこそ近年の主にアンダースを起因とするナルシズム全開の“病み系ヘヴィ・ロック”みたいな路線は日本のヴィジュアル系に通じるものがあるのは否定しようもない事実だし、だからこの路線のインフレは嫌いになれないって人も少なくないと思う。そういった意味では俄然、“カテゴライズ不能かつ不要芸人”を謳うディルとインフレは互いに影響し共鳴し合う唯一無二のバンドと言えるのかもしれない。
近年のオルタナ路線への伏線は、彼らの音楽変遷の大きな起点となった2002年作の『Reroute To Remain』から既にあって、そのシンセや盟友Örjan Örnklooによるプログラミングを駆使したインダストリアルなアプローチも、北欧メロデスの黄金時代を築き上げた“アイコン”であるフレドリック・ノルドストロームの起用も、いま思えばBMTHが2ndアルバム『スーサイド・シーズン』でノルドストロームを迎えたことやエレクトロ・ポップ化した最新作の『アモ』へと繋がっているような気がして、そういった面でもインフレってメタルバンドの未来への道を切り拓く“先駆者”だと思うし、なんだかんだやっぱり偉大なバンドだなって。しかしその『スーサイド・シーズン』と脱フレドリック化に磨きがかった『パパス』とディルの『ウロボロス』が同年の2008年リリースってのはあまりにも示唆的だし、そんなインフレとディルの共通点、インフレとBMTHの関係性を考察すればするほど時空の歪みに近い“真実=Truth”が見えてくる(物理学的な)。
もっと言うと本作『I, The Mask』のマスタリングには、世界的なエンジニアとして知られるテッド・ジェンセンを迎えていて、そのテッド・ジェンセンといえばBMTHの『アモ』、そしてディルの『ウロボロス』でもお馴染みの人物であり、その時点でもう示唆的どころか確信犯的で、要するに今のインフレの“立ち位置”って“ドコ”って“ソコ”なんですね。そういった意味でも、この“三角関係”めちゃくちゃ面白くないですか?という話、そしてBMTHの『Sempiternal』以降の作品とディルの最新作『The Insulated World』のミックスを手がけたのはダン・ランカスターというよくあるオチ、そしてそして『パパス』以降のインフレって基本的にサウンド・プロダクションがデモ音源みたいなモコモコ音質で賛否両論を呼ぶ点も、ディルの『ウロボロス』や『The Insulated World』でも巻き起こった“音質モコモコ問題”までも互いに共振してて、要するにあれもこれも全部全部ぜーーーーーーんぶ、全てはBMTHの『アモ』へと“繋”がってるんだよね。
もっと言うと本作『I, The Mask』のマスタリングには、世界的なエンジニアとして知られるテッド・ジェンセンを迎えていて、そのテッド・ジェンセンといえばBMTHの『アモ』、そしてディルの『ウロボロス』でもお馴染みの人物であり、その時点でもう示唆的どころか確信犯的で、要するに今のインフレの“立ち位置”って“ドコ”って“ソコ”なんですね。そういった意味でも、この“三角関係”めちゃくちゃ面白くないですか?という話、そしてBMTHの『Sempiternal』以降の作品とディルの最新作『The Insulated World』のミックスを手がけたのはダン・ランカスターというよくあるオチ、そしてそして『パパス』以降のインフレって基本的にサウンド・プロダクションがデモ音源みたいなモコモコ音質で賛否両論を呼ぶ点も、ディルの『ウロボロス』や『The Insulated World』でも巻き起こった“音質モコモコ問題”までも互いに共振してて、要するにあれもこれも全部全部ぜーーーーーーんぶ、全てはBMTHの『アモ』へと“繋”がってるんだよね。
とは言え、この手のメインストリーム路線ってBMTHのオリィが“ディスられなきゃいい曲は書けない”と語ってるのを見ても、アプローチするメイン層的にも“いい曲”が書けなきゃ見向きもされないと思うし、だから今作はディルっぽいパート以外は前作の『Battles』のが“シンガロング系アリーナ・ワンオクロック”直系で尖ってたかもしれない(それは『アモ』的な意味でも)(しかしワンオクのやつら『Battles』モロパクリし過ぎやろ・・・どうせ今はamoってんだろ?一々聴かなくても分かるってのw)。でも、こうやってもうヘタしたら10年ぶりくらいにインフレについて書いてるというか(それこそ『パパス』以来)、自主的に書けているのは自分でも不思議なのだけど、それもこれも全てBMTHの『アモ』あっての事かもしれないけど、何かわからんがスゲー嬉しい。もうどうせだからBMTHの単独来日公演の前座として来ちゃえよ。というのは冗談で、なんかもうインフレに「さっさと『The Insulated World』のレビュー書かんかい!」と催促されてるみたいで辛いです・・・。
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