Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

2019年06月

In Flames 『I, The Mask』

Artist In Flames
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Album 『I, The Mask』
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Tracklist
01. Voices
05. Follow Me
06. (This is Our) House
07. We Will Remember
08. In This Life
09. Burn
10. Deep Inside
11. All The Pain

一概に“メタルバンド”といっても様々あって、いわゆる“メロデス四天王”を例に出して話すと、いわゆる“メタルの御朱印”を求めて“メタル本願寺”で知られるNuclear Blastに出家するChildren of Bodomのようなのもいれば、生まれてまだ間もない頃にメタルの才能を見出されて“メタル本願寺”の坊主として生涯を全うするSoilworkのようなバンドもいれば、そのSoilworkの兄弟分としてメタルエリートの英才教育を受けながらも、メタル界の掟を破って破門されたIn Flamesのようなバンドもいるのが“メタル”の醍醐味であり面白さだよね。

そんなインフレといえば、バンドの発起人であり最後のオリジナルメンバーとなったギタリストのイェスパーが脱退するや否や、中心メンバーの一角であるフロントマンのアンダース・フリーデンとギタリストのビョーン・イエロッテはここぞとばかりにNB寺院から大脱走を図り、10年代に入るとソニーを親会社に持つCentury Mediaへと移籍し、2011年に10thアルバム『Sounds Of A Playground Fading』を発表すると、2014年に発表された11thアルバム『Siren Charms』では念願の本家ソニー・ミュージック傘下のエピックレコードへと完全脱獄に成功する。が、しかしこの逃走劇にも限界を感じたのか、アンダースイェスパー「やっぱりメタル界の中央政府には逆らえねぇわ・・・」とナニかを悟ったのかはいざ知らず、2016年に発表された次作の12thアルバム『Battles』では、再びNB寺院へと出戻りを果たした。


改めて、今のインフレってメロデス四天王の中で最も音楽性の変遷、人気共にその凋落ぶり、もとい落差が激しいバンドでもあるのだけど、まだイェスパーが在籍していた頃の『A Sense Of Purpose』はまだしも、イェスパー脱退以降のインフレは露骨にオルタナ路線に舵を切り、それこそ前作の『Battles』なんてBMTH『Sempiternal』や日本のワンオクをはじめとするアリーナロックの影響下にあるシンガロング主体の大衆ロック然とした作風だし、そのアルバムのリード曲=“The Truth”ワンオク“We are”にパクられるくらいには名曲だしで、そういった意味では、初期のデスコア路線から現在のメインストリーム系のポップス路線へと大きく変貌を遂げた今のBMTHと同じように、アングラのメタルだった北欧メロデスをUSメタルコアを経由してメインストリーム系のキッズ・ミュージックへとブチ上げた、ある意味で天才バンドと言えるのかも。しかし何故インフレがこのメロコアキッズ路線に進んだのかは“メタル界の七不思議”として今なお後世に語り継がれている(アチエネはメロコア・・・)。

もはや“インフレはメロデス”じゃない“インフレはメロコア”だろっていうリアルな話はさて置き、しかし今のインフレってただアメリカンナイズされたという次元の話ではないのは確かで、それこそ前作の『Battles』に至っては半数以上の曲が外部ライターによる作曲、つまりDIY=自作の逆、言わば代作=ゴーストライターみたいな、ある意味で同人作家と呼んでも過言じゃあない、またしてもNB寺院から波紋されかねないメタルの禁忌=タブーを犯してて、でもその“覆面作家”としての本作=『マスク』説に繋がっていると考えたらちょっと面白いかも。


もはや当初から知ってるメンバーがビョーンアンダース“背乗り組”しかいないという今更な話はさて置き、そんな“シンガロング系イエテボリ・ヘヴィロック”みたいな独自路線を極めすぎてもうよくわかんねぇことになっちゃってるインフレなんですけど、実は自分の中で最近のインフレってDIR EN GREYに影響されてるんじゃねぇか説あって、それというのも、リズム隊を一新した新体制で挑まれた今作の『I, The Mask』の幕開けを飾る#1“Voices”のイントロSEからDIR EN GREYの名盤『ウロボロス』“Sa Bir”を彷彿とさせるし、リード曲である#4“I Am Above”のデレレ デレレ系リフは“某ナントカお姉さん”ことテイラー・スウィフトとマブダチのイェンス・ボーグルソンがミックスしたシングルの“激しさと、この胸に絡みついた灼熱の闇(中二病)”のデレレ デレレ系リフっぽいわで、そもそもディルが最高傑作の『ウロボロス』を発表した時期(2008年)ってリーダーの薫くんが音楽キャリアの中で最もOpethをはじめ北欧メタル勢に影響された時期と重なるし、それこそ近年の主にアンダースを起因とするナルシズム全開の“病み系ヘヴィ・ロック”みたいな路線は日本のヴィジュアル系に通じるものがあるのは否定しようもない事実だし、だからこの路線のインフレは嫌いになれないって人も少なくないと思う。そういった意味では俄然、“カテゴライズ不能かつ不要芸人”を謳うディルインフレは互いに影響し共鳴し合う唯一無二のバンドと言えるのかもしれない。

近年のオルタナ路線への伏線は、彼らの音楽変遷の大きな起点となった2002年作の『Reroute To Remain』から既にあって、そのシンセや盟友Örjan Örnklooによるプログラミングを駆使したインダストリアルなアプローチも、北欧メロデスの黄金時代を築き上げた“アイコン”であるフレドリック・ノルドストロームの起用も、いま思えばBMTHが2ndアルバム『スーサイド・シーズン』ノルドストロームを迎えたことやエレクトロ・ポップ化した最新作のアモへと繋がっているような気がして、そういった面でもインフレってメタルバンドの未来への道を切り拓く“先駆者”だと思うし、なんだかんだやっぱり偉大なバンドだなって。しかしその『スーサイド・シーズン』脱フレドリック化に磨きがかった『パパス』ディル『ウロボロス』が同年の2008年リリースってのはあまりにも示唆的だし、そんなインフレディルの共通点、インフレBMTHの関係性を考察すればするほど時空の歪みに近い“真実=Truth”が見えてくる(物理学的な)。

もっと言うと本作『I, The Mask』のマスタリングには、世界的なエンジニアとして知られるテッド・ジェンセンを迎えていて、そのテッド・ジェンセンといえばBMTHアモ、そしてディル『ウロボロス』でもお馴染みの人物であり、その時点でもう示唆的どころか確信犯的で、要するに今のインフレ“立ち位置”って“ドコ”って“ソコ”なんですね。そういった意味でも、この“三角関係”めちゃくちゃ面白くないですか?という話、そしてBMTH『Sempiternal』以降の作品とディルの最新作『The Insulated World』のミックスを手がけたのはダン・ランカスターというよくあるオチ、そしてそして『パパス』以降のインフレって基本的にサウンド・プロダクションがデモ音源みたいなモコモコ音質で賛否両論を呼ぶ点も、ディル『ウロボロス』『The Insulated World』でも巻き起こった“音質モコモコ問題”までも互いに共振してて、要するにあれもこれも全部全部ぜーーーーーーんぶ、全てはBMTHアモへと“繋”がってるんだよね。

とは言え、この手のメインストリーム路線ってBMTHオリィ“ディスられなきゃいい曲は書けない”と語ってるのを見ても、アプローチするメイン層的にも“いい曲”が書けなきゃ見向きもされないと思うし、だから今作はディルっぽいパート以外は前作の『Battles』のが“シンガロング系アリーナ・ワンオクロック”直系で尖ってたかもしれない(それはアモ的な意味でも)(しかしワンオクのやつら『Battles』モロパクリし過ぎやろ・・・どうせ今はamoってんだろ?一々聴かなくても分かるってのw)。でも、こうやってもうヘタしたら10年ぶりくらいにインフレについて書いてるというか(それこそ『パパス』以来)、自主的に書けているのは自分でも不思議なのだけど、それもこれも全てBMTHアモあっての事かもしれないけど、何かわからんがスゲー嬉しい。もうどうせだからBMTHの単独来日公演の前座として来ちゃえよ。というのは冗談で、なんかもうインフレ「さっさと『The Insulated World』のレビュー書かんかい!」と催促されてるみたいで辛いです・・・。

アイ、ザ・マスク【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】
イン・フレイムス
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BMTHの単独来日公演が決まった件について

だから言ったっしょ?


だから言ったっしょ?


だから言ったっしょ?
seki

だから言ったっしょ?新作アモのレビューで「イギリスのオリィが日本の俺ィに会いに来る」って、そのアモでラップやったからには昨年のスティーヴン・ウィルソンから今年初めのデンゼル・カリーの奇跡の来日公演の流れで韻を踏みに来るって、「理想はサマソニの熱が冷めやらぬうちに」って(なお、サマソニの翌々日の模様)、だから言ったっしょ?決して陰毛論なんかじゃないんだよね。これは“Truth=チン実”なんだよね。ここがチン実なんだよね。

そして先日イギリスで開催された、自身初となるヘッドライナーを務めたフェス=All Points East Festivalのステージ上でオリィ「ロックは生きている」とアツい手のひら返し、もとい涙ながらに語ったんだよね。そんな“ロックの未来”を背負ってるバンドのライブを観ないやつは一生ニワカメタラー扱いされる運命なんだよね。でもこれだけ煽っといてチケ取れなかったら笑うっしょ?でもワンチャンLiSAあるいはAimerと一緒にシンガロングしたいっしょ?

Soilwork 『Verkligheten(現実)』

Artist Soilwork
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Album 『Verkligheten(現実)』
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Tracklist
01. Verkligheten
03. Bleeder Despoiler
05. The Nurturing Glance
06. When The Universe Spoke
08. The Wolves Are Back In Town
09. Witan
10. The Ageless Whisper
11. Needles And Kin
12. You Aquiver

まさか歴代Soilworkメンバーで1番の出世頭がメガデスに引き抜かれたドラマーのダークになるとは・・・いや、でもダークってソイル在籍時からフロントマンのビョーンと双璧をなすバンドのキーマンとなるメンバーだし、元々メタルシーンでも評価の高いドラマーとして有名だったから、いずれはレジェンド級のメタルバンドに引き抜かれる運命だったのかもしれない。そんな、縁の下の力持ち的な存在だったバンドの功労者を失ったメロデス四天王の一角を担うSoilworkは、2017年に若干27才のデンマーク人ドラマーバスティアン・トゥスゴールを迎え、前作から約4年ぶり通算11作目となる『Verkligheten(現実)』をリリースした。

改めて、このSoilworkも先日リリースされた紫鎌こと『Hexed』で完全復活を遂げたChildren Of Bodomと同じくメロデス四天王あるいはメロデス5強の一角を担う重鎮で、そんなチルボドソイルって実はちょっとした“共通点”があって、ボドムが2008年にメタル三大駄作の一つである“酒鎌”こと『Blooddrunk』を発表した同時期に、ソイルも2007年に7thアルバム『Sworn To A Great Divide』というメタル三大駄作の名に相応しい世紀の駄作を発表すると、今度は双バンド共に「流石にこの状況はマズくね?」と勘付いたのか、10年代に入るとボドム=アレキシ・ライホ“メタル本願寺”で知られるNBの僧侶となり、晴れて二つの意味で“実質坊主”となったハゲキシは、その“メタル本願寺”から授かった“メタルの御朱印”を自身の広いオデコに貼り付けたご加護により、全盛期の“ファッキン・サノバビッチの精神”を取り戻したボドム白鎌から黄鎌そして紫鎌を生み出してメロデス四天王の“キング”に返り咲くと、元から二つの意味で“実質坊主”ビョーン=ソイルは、10年代に入ると“10年代のメタル”を象徴するエンジニア/プロデューサーであるイェンス・ボグレンに弟子入りして“メタルの御朱印”を授かると、その御朱印をビョーンのツルッツルの坊主頭にピタッと貼り付けたキョンシーならぬビョンシーみたいな状態で、2013年に復活の狼煙を上げる二枚組の9thアルバム『The Living Infinite』を発表し、そしてデヴィッド・カスティロを迎えた次作の10thアルバム『The Ride Majestic』「メロデス四天王ここにあり」とメタルシーンに復活を強く印象付けた。


その“ボドムとソイルの共通点”の行き着く先は、奇跡の完全復活を遂げたチルボドの新作である紫鎌ソイルの新作であるこの『Verkligheten(現実)』に他ならない。まずアルバムのリード曲として先行公開された、同じメロデス四天王の一角を担う現Arch Enemyのフロントウーマン=アリッサを迎えた“Stålfågel”からして(このアニメ調のMVは最近観たネトフリの『ラブ、デス&ロボット』の一つに似たような絵柄あったなーとか思いながら)、これまでのソイルにはない、それこそ国内屈指の“キザミ鑑定士”である俺ィのナニが超ビンビンに反応を示すくらい黄金のキザミ”の精神を宿した曲で、(この曲をリード曲に持ってくる時点でアルバムに対する期待感しかなかったけど)この“キザミ”はまさにボドム紫鎌でやった“キザミ”と共振するとともに、もはや“メタル本願寺”坊主同士で夜な夜な共鳴し合ってるんじゃねぇかと邪推するくらい(おい)、とにかくボドム紫鎌に触発されたのか、ソイルにしてはえらく“キザミ”を効果的に使ったキザミ指数の高いアルバムで、しかし“キザミ”といえど決して“スラッシュ・メタル”というわけではなくて、あくまでも紫鎌を持った某隣国の某インテリハゲに対抗した、まるで「お前も俺と同じ毛量にしてやろうか!」とばかりの“さり気ないキザミ”だ。世はまさに!というか現メロデス四天王界は空前のキザミブームなのか!?

バンドの“ダーク離れ”とともに、実はもう1人バンドから離れた人物がいる。それがSoilwork“メタルの御朱印”を授けた張本人であるサウンド・エンジニアのイェンス・ボグレンだった。そうそう、そのイェンス・ボグレンといえば、久々にイェンスがスウェーデンのオレブロとストックホルムに所有するスタジオ=Fascination Street StudiosのHPにアクセスしたら、トップページで開業15周年を記念しつつ何故か日本語化対応してて吹いたのと、イェンス(・ボーグレン)の兄弟分であるトニー・リンドグレンをはじめ他のエンジニアも律儀に(amazonの商品紹介並みに胡散臭い)不自由な日本語で紹介されてたり、終いにはKATATONIAdtでお馴染みのデヴィッド・カスティロがドヤ顔でシレッとファシネーション入りしてて(あれ?元から所属だっけ?)、とにかく色々とツッコミどころ満載すぎて軽く引き笑いした(ちょっと見ないうちにイェンス界隈で一体何があったんだ・・・)(それが某メビメタ仕事のせいだとしたらベビメタ許すまじ)。正直、自分の中でイェンス(・ボーグレン)がメタルシーンの“トレンド”と呼べたのって2010年前後だと思ってて、少なくとも今のイェンス(・ボーグレン)はメタル界の“トレンド”ではないです。現に、こうやって“イェンス離れ”が起こっているのを見るとね。しかし、イェンス(・ボーグレン)“10年代のメタルの象徴”として多大なる功績を残した偉大なるレジェンドであること、今やその名声はメタルシーンにとどまらず、あの“某ゴネ得お姉さん”ことテイラー・スウィフトと一緒に仕事するまでに成り上がった事実が彼の全てを物語っており、10年代のメタルシーンにこの人の存在がなかったらと思うと想像を絶する。この『Verkligheten(現実)』は、そんな風に長年連れ添ったダークとNB寺院の師であるボーグルソンとは良い友好関係のまま別れて心機一転、バンドはScar SymmetrySolution .45をはじめ最近ではメロデス界のニューカマー=Mors Principally Estを手がけた事でも知られる=アングラのメタルをよく知るスウェーデン人のトーマス・ヨハンソンを新プロデューサーに迎え、ヘタしたらダーク引き抜き以上に大きな変化&新体制で挑まれた作品である。

そのダークボーグルソン黄金コンビ”を失ったことの懸念あるいは不安は、コンセプティブな内容を掲げた今作を象徴するイントロSEの“Verkligheten”に始まり、同じイェンス案件でメロデス5強の一角を担うdt的な超絶epicッ!!なメロディを乗せた、それこそ“ダーク離れ”の不安を一掃するようなバスティアンのブラストを叩き込むソイル節全開の#2、モダンさを覗かせながらプログレスな動きを見せる#3、今作のキモであるさり気ないキザミ要素とビョーンソロ=The Night Flight Orchestra譲りのメロウなハードロックかと思ったらエクストリームに展開する、まさに全ソイルここに極まれえりな#4、全盛期のボーカル・メロディを彷彿とさせるモダンなハードロックの#5、これはボドム紫鎌でも思ったけど、ミドルチューンでこそバンドの良さが滲み出てくるんだなぁとシミジミと改めて感じながら、再びバスティアンのブラストを叩き込むエクストリーミーな#6、そして今作のハイライトを飾るリード曲であり黄金のキザミ”が込められた#7、その“キザミ”の流れで隙あらば調子よくキザんでくる#8、ここからヘヴィさを増していく#9からの#10、同じくイェンス案件のアモルフィスのフロントマン=トミをゲストに迎えたデスメタル風の#11まで、イェンス・ボグレンから授かった“メタルの御朱印”のご加護を後光にしながら、Soilworkらしい北欧ならではの哀愁を帯びた叙情性、しかし今回は70年代のプログレッシブ・ロックやクラシック・ロックを経由した叙情味を帯びたメロディやビョーンの持ち前のソウルフルな歌メロを維持しつつ、それこそ新メンと新プロデューサーの新素材を迎えて心機一転した影響ありありで、ソイルらしいソイル節と全く新しい“ニュー・ソイル”との融合が絶妙な塩梅で楽曲に現れていて、あの“キザミ”をはじめとしたリフもプログレスな動きを見せる曲構成も『現実』というわりにはSFチックなコンセプトを意識したアレンジまでも、決して一筋縄ではいかない豊富なバリエーションを取り揃えていて、とにかく全てがアクティブでエネルギッシュなメタルとして楽しませる(実は本編よりもボートラのが攻めてて最高というオチ)。

しかしながら、バンドの致命傷とも呼べる“ダーク離れ”“イェンス離れ”に対する懸念を微塵も感じさせない、むしろ逆にイェンス時代に学んだ“メタル魂”を幾倍にして更新=アップデイトしてくる神展開マジ嬉しすぎてハゲた、もとい泣いた。もうメロデス四天王に返り咲いたチルボドと一緒にツーマンで来日したらいいじゃない。・・・と、そう思わせてくれるのも、それもこれも全てイェンス(・ボーグレン)のお陰・・・ありがとうイェンス・・・フォーエバーイェンス!フォーエバーマトス!もう誰も(あのテイラー・スウィフトのマブダチの)イェンス・ボーグルソンには逆らうな!(だから誰やねんそれ)

現実/ヴァルケヒエッテン【CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】
ソイルワーク
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Children Of Bodom 『Hexed』

Artist Children Of Bodom
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Album 『Hexed』
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Tracklist
03. Glass Houses
05. Kick In The Spleen
07. Hexed
08. Relapse (The Nature Of My Crime)
09. Say Never Look Back
10. Soon Departed
11. Knuckleduster

日本のメタル・メディア界のキングとして、近年のメタルシーンに対する懸念を述べるとすれば、それはメロデス四天王=In Flames,Children Of Bodom,Arch Enemy,Soilwork,あるいはDark Tranquillityを加えた“メロデス5強”のうちの過半数がメタル最王手レーベル=Nuclear Blastに取り込まれたのは、メタルシーンの先細り感を暗示するかのようで、言うなれば東京(=Nuclear Blast)一極集中からの地方(=アングラ)衰退からの国家(=メタル)衰退へと進んでいく懸念である。そんな、揶揄的な表現で例えるなら“メタル界の中央政府”ことNuclear Blastさんなんですが、近頃では若手バンドの青田買いからベテランバンドの囲い込みに精を出し、そして遂にはLOVEBITESANTHEMなどのジャパメタ勢にも触手を伸ばし始める始末で、依然その中央政府としての強大な権力を誇示し続けている(ちょっと前までNBっつーとネタレーベルみたいなイメージだったのが今やメタルの総本山だからね)

このChildren Of Bodomも2013年作の“白鎌”こと『Halo Of Blood』を期に、デビューからの付き合いだったSpinefarmからNuclear Blastへとレーベルを移した当事者であり、ボドムといえばSpinefarm時代の晩年は“酒鎌”こと『Blooddrunk』オリーブ鎌こと『Relentless Reckless Forever』というメタル三大駄作に名を連ねるレベルの駄作を発表し大量のファン離れを起こした。この事態にアレキシも流石にマズイと思ったのか、心機一転NBへと移籍して発表された2013年作の白鎌と2015年作の黄鎌ことI Worship Chaosは、まず白鎌ではフランスのGojira、次作の黄鎌ではMeshuggahをはじめDjentなどの10年代のメタルを象徴するエクストリーム勢やイマドキのモダン・ヘヴィネス勢からの影響を取り入れ、チルボドの“ドン底”と呼ぶべき末期状態からの脱却=復調の兆し、つまり“ファッキン・サノバビッチの精神”を取り戻しつつあった。しかし“Bodom is Back”感には程遠いものだったのも事実。これをフィンランド1のギター小僧であるアレキシ・ライホの尖りに尖がった才能を良くも悪くも好き勝手に表現してきたSpinefarm時代からNBへと移籍して丸くなった=落ち着いたとマイナスに受け取るか、それとも“酒鎌”〜“オリーブ鎌の地獄(ハデス)のようなアル中状態から抜け出すために、NBという名の“メタル本願寺”“メタルの御朱印”を頂戴してハゲキシのオデコにピタッと貼ることで安定したメタルが聴ける“保証”を得たとプラスに受け取るか、正直ちょっとしたジレンマがないと言えば嘘になる。

いわゆるメロデス四天王あるいはメロデス5強がメタルの入り口と言っても過言じゃあない、そんな現日本のメタル・メディア界のキング”の立場から、このたびチルボドNuclear Blastへ移籍して三作目、前作の黄鎌から約4年ぶり通算10作目の節目となる紫鎌ことHexedを恐る恐る聴いてみたら、幕開けを飾る“この道”ことThis Roadを再生した瞬間からラストのKnuckledusterまでボドム史上最高にキザミまくってて、かつボドム史上最高にヘヴィ=“俺たちのボドム”=“Bodom is Back”感あって泣いた。もはやキザんでない曲がないくらいにはキザミ全部。なにこの最高なやつ・・・。

個人的に、ここ最近のスラッシュ・メタルというか“キザミ”案件で印象的だったアルバムといえば、昨年初来日公演を果たした新世代メタルを代表するPower Trip『Nightmare Logic』ボドム同じくミッコ・カルミラ案件のLOVEBITESのEP『Battle Against Damnation』の2枚だ。前者のPower Tripならまだしも、(同じNB所属だからって同じカルミラ案件だからって)後者のLOVEBITESに影響されたわけではないとは思うけど、初っ端の“この道”からシャープでソリッドな“キザミ”の意識を聴き手に植え付け、いわゆる黄金のキザミ”に今作の中で最も近い#3“Glass Houses”を皮切りに、インテリハゲらしくミドルでスローなキザミセンスが光る#10“Soon Departed”など、中でもデスラッシュ風のボドム史上最高のキザミ指数を誇る#5“Kick In The Spleen”は今作のハイライトで、この曲の筆頭すべき点はキーボードソロのバッキング・リフで、もはやヤンネの残り数少ない貴重な髪の毛全部その紫鎌でキザミ尽くすんじゃねぇかくらい、国内屈指のキザミ鑑定士”である俺ィ目線で評価すると、この曲のソロパートのバッキング・リフが今作における“キザミのピーク”=“キング・オブ・キザミ”の称号を与えたい。

とにかく全編に渡って様々な切れ込み、深さ、重さで、かつ様々なバリエーション、様々な速度(BPM)でキザミまくっていて、とにかく“キザミ”に対する尋常じゃないほどの意識の高さがもう本当に凄い。なんだろう、前々作の白鎌Gojira愛に目覚めたのが功を奏したのか、(#11のMachine Headっぽい所も踏まえて)そのスラッシュ・メタルの潮流がココで最高の結末を迎えた感じ。なんだろう、過去の栄光と挫折、アレキシ自身がキンバリー・ゴスの元ダンナであること、そのキンバリー・ゴスと一緒にSinergyとかいう伝説のバンドを組んでいたこと、そしてキンバリーと別れてからの『悪夢』の日々まで、酸い思い出も甘い思い出も何もかも全て思い出しちゃった感じ。ありそうでなかったボドムのスラッシュ化バンザイ。アレキシマジ愛してる


その“ありそうでなかったボドムのスラッシュ化”の要因は、酒鎌を煽りすぎて脱退した呑んだくれローペ爺に代わってex-Northerのギタリストのダニエルを新メンとして迎え入れた影響なのか、それともメタル本願寺”から授かった“メタルの御朱印”をオデコに貼ったお陰でハゲキシが柔軟な考え方になったからかは知らんけど、少なくともボドム節全開のリード曲である#2Under Grass And Cloverのギラッギラにギラついたリフを見る限りリフメイカーとしての才能は全く衰えていないのがわかるし、紫鎌のキモである“キザミ”に関してもキザミ鑑定士の俺ィが認めざるを得ない文句なしに一級品の“キザミ”だし、正直アレキシがここまで器用にキザめるギターリストだと思ってなかったから、これ聴いてやっぱアレキシ天才だわって再確認した。しかし#2のMV見たけど流石にアレキシも老けたな・・・もはや魔女みたくなってるやん・・・。

序盤から中盤まで一気に畳みかけるような“キザミ”にナニを毛を刈り取られながら「あぁ~ニュー・ボドムのソリッド感たまんねぇ~」ってなりつつ、一方でその名の通りチルドレンボドムを底まで落としたヘヴィなミドルチューンを織り交ぜつつ、そしてその極めつけとなる表題曲の“Hexed”は近年最高のメロデスと呼んでも過言じゃあない、某首痛いおじさんになるくらいヘドバン不可避のキラーチューンには、もう泣きながら「ボドムイズバック・・・」言うたもんね。

確かに、確かに良くも悪くも「こんなの(俺の知ってる)ボドムじゃない!」と感じる人もいるかもだけど、言ってもNBに移ってからでは間違いなく1番の傑作だし、初期=全盛期の名盤と名高い青鎌緑鎌赤鎌と比べても相違ない完成度の高さ。要するに紫鎌ボドム史上最強。というか10年代の終りに、バンドとしても10作目の節目に完全復活とかカッコ良すぎて泣いた。黒歴史時代にメロデス四天王で最弱と揶揄されたボドムが再び“キング”に返り咲いた感あって泣いた。そんな“俺たちのボドム”を復活させてくれてありがとうニュークリアブラスト...フォーエバーニュークリアブラスト!もう誰もニュークリアブラストには逆らうな!

これ単独来日あったら行っちゃうヤツでしょ。やべぇ、ハゲキシがキザんでる姿チョー見てぇ・・・。ぜってーカッケーやつだ・・・。皆んなで一緒に「へックス!」ってシンガロングしたい!だからもし来日公演が実現して例の曲を演奏した際には・・・童貞メタラーはこう叫べッ!

ファッキン

サノヴァァ゛ァ゛゛ァ゛

ビィィィィィィィッチ!!


ヘックスド【CD[ボーナストラック3曲追加収録(海外デジパック盤にのみ収録)/日本語解説書封入]】
チルドレン・オブ・ボドム
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