Artist Crystal Lake
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Album 『HELIX』
HELIXMINI

Tracklist
01. Helix
02. Aeon
03. Agony
04. +81
06. Outgrow
07. Ritual
10. Just Confusing
11. Apollo
12. Sanctuary

宇垣美里も大好きな“ラウドロック”って一言で言ってしまえば“チンカス”なんですけど、そんなフリーアナウンサー宇垣美里も大学生時代にライブでモッシュやサーフするほど大好きな、いわゆるS◯Mやナントカレインや狼バンドをはじめとした主に激ロックがプッシュするチンカスラウドロック勢の中でも、日本のメタルメディア界を牛耳る俺ィたちメタルエリートが唯一認めているバンドが東京出身のCrystal Lakeなんだよね。

そんな俺たちメタルエリートが唯一認めるほどのCrystal Lakeの一体何が凄いのか?それこそ、彼らも強く影響を受けているBMTHの最新作amoCrystal Lakeの“凄さ”が散りばめられているんじゃあないかって。改めてBMTH『amo』は、オリイが昨年末に書いたBTS→デンゼル・カリー→Sadistikまでのいわゆる“トラップ祭り”の“伏線”としてあった、2019年のBESTアルバムは元より、当ブログWelcome to My “俺ィの感性”のここ10年間の後半の5年間を総括するような、まさにメタル側から“ポップスの再定義”を図った色々な意味で歴史的と呼べる作品だった。しかし、その“歴史的”の伏線となった昨年末の“トラップ祭り”は、実はその『amo』の伏線でも、ましてやIZ*ONEの伏線でもなく、本当はこのCrystal Lakeの6thアルバム『HELIX』のための伏線だったんじゃねぇか説。


基本的にCrystal Lakeの音楽性って、ラウドロックはラウドロックでもいわゆるナントカスクール系ハードコアやFuneral for a Friendなポストハードコア、メタルコアはメタルコアでもAs I Lay DyingAugust Burns Redのような叙情派からオールドスクールなConvergeまで、初期BMTHや全盛期のBorn Of Osirisをはじめとしたデスコア系、同時にSOILWORK的な北欧メロデスからのモダンな影響を巧みに吸収しつつ、かと思えば10年代のメタルを象徴するPeripheryTesseracTに代表されるDjent系まで、これら新旧メタルやパンク/ハードコアからの影響をただの既聴感で終わらせない美意識の高い豊富なアレンジと、楽器隊のテクに裏打ちされた目まぐるしい展開および曲構成からなる曲の良さ、これに尽きる。また、惜しまれつつ解散したオランダのTexturesやUSHCのKen modeを皮切りに、俺ィが過去に聴いてきた“メタル”をしっかりと聴いてきてるのが音を通してわかるし、むしろ日本の“メタルメディア界のキング”である俺ィ以上にメタルを聴いてきてるからここまで質の高い曲が書けるんだと思うし、今の時代ろくに音楽を聴いてないやつばかりの中で、しっかりとメタルを聴いてる安心感と信頼感しかなくて、要するにこいつら“メタル知ってる人たち”なんですね。

話を戻して、BMTHオリィがインタビューで“今のロックはクソ”だと、“今の時代、ラップ/ヒップホップこそロックでありパンクである”と炎上覚悟で発言したように、最新作であるamoオリィのラップ/ヒップ・ホップに対するコンプレックスが炸裂したアルバムで、ここでその『amo』に影響を与えたのって実はCrystal Lakeなんじゃねぇか説が浮上した。さっきも言ったように、Crystal Lakeって世界中のメタルを聴いてきているだけでなく、アングラな存在であるメタルの対極に位置するラップ/ヒップ・ホップの影響を積極的に取り込んでいるバンドでもあって、そう言った意味でも様々なジャンルから器用に咀嚼する前衛的な姿勢と“メタルダイスキ”を兼ね備えた、つまりBMTHの2ndアルバム『Suicide Season』が持つデスいコア性と4thアルバム『Sempiternal』が持つオルタナティブな前衛性を継承した、その手の他バンドとは一線をがした実に日本人らしい日本人ならではのメタル、ある意味では日本人らしからぬメタルと呼べる。

BMTHamoに収録された、ヒューマンビートボックス界のキングことラゼールとコラボした“Heavy Metal”、そして“Why You Gotta Kick Me When I'm Down”オリィがやってのけたのは、“ブラック・メタル・テロリストこ”デンゼル・カリー顔負けのハードコアはハードコアでもハードコア・ラップを載せたTrap-Rapだった。実はCrystal Lakeも今作の『HELIX』の中にトラップの音を持ち込んでいて、トラップ自体は前々作あたりから匂わせてはいたけど、今作ではその実験性が極限まで極まったと言っていいくらい豪快にトラップを持ち込んでて、もはやTrap指数では『amo』よりも『HELIX』のが断然上だし(何の勝負だ)、“メタル”と“ヒップ・ホップ”の融合という意味ではBMTHを優に超えてます。つまり、BMTH『amo』でやったこと=既にCrystal Lakeがやったことと言っても過言じゃあなくて、もはや『amo』への回答という名の“時代の先取り”みたいな、ある意味でBMTHがメインストリーム・チャートを目指さなかった場合、つまり初期のメタル路線を貫き通したパティーン=もしも=ifをやったらこうなった、みたいなね。それこそ、BMTHが失った音的な意味でのハードコア精神とオルタナティブな前衛性を全部ひっくるめて受け継ぐ覚悟、みたいな格好良さったらない。

要するに、昨年末の“トラップ祭り”は全てCrystal Lake“繋”がる伏線だったというオチ、ちょっと面白くないですか?みたいな話で、これはamoのレビューにも書いたけど、【メタルとヒップ・ホップ】を両方聴いてないやつは信用できない今の時代に、【メタルとヒップ・ホップ】を両方ちゃんと聴いてきてるCrystal Lakeは信用の塊しかないくらい信用できる数少ないバンドです。まさに新時代の幕開けに相応しい新世代メタルの金字塔と呼べる一枚だし(なお、その道15年超のベテラン)、完全にオモテの『amo』とウラの『HELIX』で韻踏めちゃうやつ。間違いなく日本のメタルで一番カッコいいバンドなのにも関わらず、その辺のチンカスラウドロック勢とツルンでる頭の良さも推せる。もし、もしBMTHがクソみたいなサマソニじゃなくて単独で来日したら前座はこいつらしか考えられない。もし実現したら、晴れてフリーアナウンサーとなった宇垣美里もダイブ&サーフ解禁不可避w

「ゾマ゛ッ゛ゾマ゛ッ゛」
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