Artist Denzel Curry

Album 『TA13OO』

Tracklist
昨年11月に行われたスティーヴン・ウィルソンの奇跡の来日公演を終えてから今まで一体ナニをしてたかっつーと、ザックリ言ってしまえばマイアミのラッパーデンゼル・カリーの『タブー』しか聴いてなかったっつーのが正直なところ(仕事が忙しかったなんて言えない)。それというのも、実はSWとデンゼル・カリーって地続きで韻を踏めちゃう話の流れがあって、というのもデンゼルが所属するレーベルがユニバーサル傘下のCaroline InternationalというSWやNine Inch Nails、そしてマソソソ・マソソソと同じレーベルメイトで、となればこの『タブー』の国内盤もSWと同じHostess Entertainmentからリリースされていて、これもう完全にSWの『To the Bone』以降の流れがあるなって、個人的に強烈な“引力”を感じたからに他ならない。しかし改めて、SWとチャーチズがレーベルメイトなのホント笑える。
おいら、ラップ/ヒップ・ホップについては全く詳しくないので、この『タブー』のドコが凄いかなんて偉そうな事は言えないんだけど、とりあえず聴けばその凄さが分かるハズだからとにかく聴けって感じのアルバム。なんだろう、2017年のラップを代表する作品がケンドリック・ラマーの『DAMM.』だとするなら、2018年のラップを象徴する作品はこのデンゼル・カリーの『タブー』と断言していいレベルの傑作。

Album 『TA13OO』

Tracklist
01. TABOO | TA13OO
02. BLACK BALLOONS | 13LACK 13ALLOONZ
03. CASH MANIAC | CAZH MAN1AC
04. SUMO | ZUMO
05. SUPER SAIYAN SUPERMAN | ZUPER ZA1YAN ZUPERMAN
06. SWITCH IT UP | ZWITCH 1T UP
07. MAD I GOT IT | MAD 1 GOT 1T
08. SIRENS | Z1RENZ
10. THE BLACKEST BALLOON | THE 13LACKEZT 13ALLOON
11. PERCS | PERCZ
12. VENGEANCE | VENGEANCE
13. BLACK METAL TERRORIST | 13 M T
昨年11月に行われたスティーヴン・ウィルソンの奇跡の来日公演を終えてから今まで一体ナニをしてたかっつーと、ザックリ言ってしまえばマイアミのラッパーデンゼル・カリーの『タブー』しか聴いてなかったっつーのが正直なところ(仕事が忙しかったなんて言えない)。それというのも、実はSWとデンゼル・カリーって地続きで韻を踏めちゃう話の流れがあって、というのもデンゼルが所属するレーベルがユニバーサル傘下のCaroline InternationalというSWやNine Inch Nails、そしてマソソソ・マソソソと同じレーベルメイトで、となればこの『タブー』の国内盤もSWと同じHostess Entertainmentからリリースされていて、これもう完全にSWの『To the Bone』以降の流れがあるなって、個人的に強烈な“引力”を感じたからに他ならない。しかし改めて、SWとチャーチズがレーベルメイトなのホント笑える。
おいら、ラップ/ヒップ・ホップについては全く詳しくないので、この『タブー』のドコが凄いかなんて偉そうな事は言えないんだけど、とりあえず聴けばその凄さが分かるハズだからとにかく聴けって感じのアルバム。なんだろう、2017年のラップを代表する作品がケンドリック・ラマーの『DAMM.』だとするなら、2018年のラップを象徴する作品はこのデンゼル・カリーの『タブー』と断言していいレベルの傑作。
その名が世界中に知れ渡ることとなった2016年作の2ndアルバム『Imperial』は、幕開けを飾る“ULT”のイントロから、90年代の日本のサスペンスドラマの劇伴みたいな80年代のニューウェーブあるいは80年代のYMOばりにセンセーショナルな衝撃を感じさせたけど、3rdアルバムとなる『タブー』は幕開けを飾る表題曲からして、それこそケンドリック・ラマーの『DAMM.』の“YAH.”を追従するかのような、倦怠感のあるスローなBPMとジャズいムードに包まれたアダルティな曲で、この時点で「これ完全に『DAMM.』の再来や・・・」と確信して鳥肌たちまくり。もう既にラマーと肩を並べるカリスマラッパーの様相を醸し出してる。
前作は童貞クサいクソほどマジメにオラついたトラップ・ラップって感じだったけど、今作はいい意味で大人になったというか、誤解を恐れずに言えば童貞卒業したようなポップでキャッチーな雰囲気というか、いい具合に肩の力が抜けて一皮向けた感あって、それこそフロリダのリゾート地でもあるマイアミビーチの陽気ャな空気感を醸し出す80年代のAOR色マシマシな冒頭の3曲が示唆するように、デンゼルの生まれ故郷からこの物語は始まる。
歌詞は、今や全米を代表するラッパーに成り上がったデンゼルを妬んだ地元のギャングに「お前の女はヤリマンだから興味ない」と煽りを食らわす自身の“名声”に関するリリックから、この混沌とした時代に生きる人々の“痛み”や“自殺”、ピッチフォーク批判やトランプ批判を巧みに織り交ぜながらも、その中心にあるのは“俺”=デンゼル・カリー自身が歩んできた人生の物語であり、そんな彼のパーソナルな部分が可視化されている。なんだろう、最近の映画で例えるなら『フロリダプロジェクト』が描き出した“アメリカの闇”=“タブー”にフォーカスしたような、映画好きとしてはタイムリーに感じるリリックで、そのある種の自伝的なリリックやコンセプティブなトラックの世界観も名盤『DAMM.』に匹敵する。もちろん、『DAMM.』も曲の中でトラップとか色んなことしてるのにきちんと一つにまとまってる完成度の高さがあって、この『TA13OO』にもそれと近い匂いを感じさせる(でもヤリマン)。ちなみに、歌詞の中には“ブラックサバス”の名前もあったり、5曲目の“スーパーサイヤ人”ネタはチャイルディッシュ・ガンビーノ主演の『アトランタ』の7話の神回を思い出して笑うし、4曲目の「SUMO」ってまさかあの“スモウ”じゃねーよなって調べてみたらやっぱりあの“相撲”で笑った。あと7曲目の”MAD I GOT IT | MAD 1 GOT 1T”の後半部分のラップはMEGARYU思い出したし、女性ボーカルをフィーチャーした8曲目の”SIRENS | Z1RENZ”は今作のハイライトで、2018年のBESTラップソングはこれに決まりです。
歌詞は、今や全米を代表するラッパーに成り上がったデンゼルを妬んだ地元のギャングに「お前の女はヤリマンだから興味ない」と煽りを食らわす自身の“名声”に関するリリックから、この混沌とした時代に生きる人々の“痛み”や“自殺”、ピッチフォーク批判やトランプ批判を巧みに織り交ぜながらも、その中心にあるのは“俺”=デンゼル・カリー自身が歩んできた人生の物語であり、そんな彼のパーソナルな部分が可視化されている。なんだろう、最近の映画で例えるなら『フロリダプロジェクト』が描き出した“アメリカの闇”=“タブー”にフォーカスしたような、映画好きとしてはタイムリーに感じるリリックで、そのある種の自伝的なリリックやコンセプティブなトラックの世界観も名盤『DAMM.』に匹敵する。もちろん、『DAMM.』も曲の中でトラップとか色んなことしてるのにきちんと一つにまとまってる完成度の高さがあって、この『TA13OO』にもそれと近い匂いを感じさせる(でもヤリマン)。ちなみに、歌詞の中には“ブラックサバス”の名前もあったり、5曲目の“スーパーサイヤ人”ネタはチャイルディッシュ・ガンビーノ主演の『アトランタ』の7話の神回を思い出して笑うし、4曲目の「SUMO」ってまさかあの“スモウ”じゃねーよなって調べてみたらやっぱりあの“相撲”で笑った。あと7曲目の”MAD I GOT IT | MAD 1 GOT 1T”の後半部分のラップはMEGARYU思い出したし、女性ボーカルをフィーチャーした8曲目の”SIRENS | Z1RENZ”は今作のハイライトで、2018年のBESTラップソングはこれに決まりです。
そんな「スモウ!スモウ!」とハードコアに叫んでる、自称“Raven Miyagi”またの名を“ブラック・メタル・テロリスト”としても知られるデンゼル・カリーが、今月の19日に初来日公演を果たすのもSW来日の流れで韻を踏めちゃう案件で、もはやSWともケンドリック・ラマーともSadistikともやくしまるえつこともBTSとも韻踏めちゃう“神”みたいな存在なので、このタイミングでの来日はグッドタイミング過ぎる。だからライブめちゃめちゃ行きてぇ。つうか行くかもスモウ!
結論「自称“ブラック・メタル・テロリスト”のデンゼルはメタル」