Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

2018年05月

Grouper 『Grid Of Points』

Artist Grouper
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Album 『Grid Of Points』

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Tracklist
01. The Races
02. Parking Lot
03. Driving
04. Thanksgiving Song
05. Birthday Song
06. Blouse
07. Breathing

自分の中にあるGrouperのイメージっていうと、カリフォルニアのJulia HolterとブルックリンのJulianna Barwickと並んで「三大アンビエント・ポップ系女性SSW」を代表する1人で、このオレゴン出身のGrouperは他の2人と比べると、よりDIYで、よりオルタナティブで、よりインディペンデントな印象を持っていて、個人的にこの3人の中だとJulianna Barwick派だったりするのだけど、しかしここにきて、前作の『Ruins』から約4年ぶり通算11作目となる『Grid Of Points』が、Grouper史上最高に「ポップ」で「キャッチー」なアルバムと呼んでも差し支えないくらいの傑作でサイコーすぎる件。

元々、アンビエントやドローンをはじめ、それらを駆使した独特の空間表現を得意としていたGrouperだが、今作では前々作の『The Man Who Died in His Boat』のようなアコギ系のフォーク・ミュージックや、評価の高い『A I A: Alien Observer』みたいなドローンなどの音響系あるいはエクスペリメンタルな電子的な要素を排除し、Liz Harrisの淡く儚い歌声とドリーミーなピアノを中心とした至ってシンプルなアンビエント・ポップに徹している。音的には節目の10作目となった前作の『Ruins』を踏襲したものだ。

I am a child
It is a gift that my mother gave me

幕開けを飾る#1”The Races”から、それこそJulianna Barwickの1stアルバムを彷彿させる、まるで祭日を祝う聖歌隊のような多重声が神聖なる天上の世界へと聞き手を誘う。2曲目の”Parking Lot”では、幕開けからピアノの旋律とLiz Harrisのスウィーティでラブリィなウィスパーボイスが織りなす、その美しさを超えた先にある、汚れなき清らかな、素朴で純粋なメロディに心が浄化される。そして3曲目の”Driving”、今まで蜃気楼のようにボヤケた音像を嗜んできた彼女が、ここまでハッキリとした固形状の「メロディ」を書くなんて正直驚いたというか、何を隠そう、恐らく今作で最も耳に残るこの「メロディ」こそ、このアルバム『Grid Of Points』を司る唯一にして最大の部分に他ならなかった。



この作品、実はちょっとしたギミックが仕掛けれていて、それが今作のキーパーソンとなる”Driving”の主旋律、つまるところChelsea WolfeMarika Hackmanの如し、ダーティ&ディープな低音を効かせたLiz Harrisのイーサリアルな歌声とピアノの主旋律、この今作を司る「例のメロディ」がこれ以降の曲にも引用されていて、勿論まるっきり同じというわけではないのだけど、主な音階はそのままにオクターブをいじってる。つまり、これまでは曲の中で音をミニマルに繰り返していたけど、今作では一つの旋律(音階)を曲を跨いでミニマルスティックに意識づけしている。例えば、4曲目の”Thanksgiving Song”では、中盤以降のピアノの美旋律は「例のメロディ」を踏襲しているし、6曲目の”Blouse”では、再びボーカルとピアノの主旋律を微妙にイジってたりする。つまり、”Driving”の「例のメロディ」を中心にこの世界が回っていると常に意識させること、そしてピアノとボーカルが子守唄のように繰り返される心地よさ(もはやトリップできる領域にある)、そのシンプルイズベストな音使いとアルバムの構成からして、今作は「20分の曲」と解釈した方がシックリくる作品かもしれない。

正直、これまではJulianna Barwickの影に(色々な意味で)隠れてた、(色々な意味で)どこか存在感の薄い印象しかなかったGrouperが、今作の何が僕を心変わりさせたのか?それこそ過去最高に感情的でエモーショナルに歌っているLiz Harrisの圧倒的な存在感に他ならなくて、今作では特になんだけど、これまでのささやき戦術的なボイスではなくて、自らの棲家としていた「影」から半歩飛び出し、独りの「シンガーソングライター」として(誤解を恐れずに言うと)ある種のメジャー感というかキャッチーな大衆性に恐れず飛びこんでいった彼女の勇気とその覚悟に敬意を表するに至ったからだ。ちなみに、前作では自然/環境音を取り入れていたが、今作では7曲目の”Breathing”の最後に列車が走り去る音を収録している。

【5/10】BAND-MAID presents【冥途の日】day1@TSUTAYA O-WEST

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BAND-MAID
が4月の【宣告】ツアーで垣間見せたのは、バンドの中心人物である小鳩ミクのもう一つの人格である伝説の地下アイドル「野口みか」の存在だった。いま思えば、その伏線は翌月の5月10日=メイドの日に向かって伸びていたものだったと分かる。

BAND-MAID主催の【冥土の日】の対バンライブとして招待されたのが、新生アイドル研究会ことBiSとバブル時代をコンセプトにしたベッド・インという、つまり伝説の地下アイドル「野口みか」率いる「Brand New MAID」ことBAND-MAID「Brand-new Idol Society」ことBiS「地下セクシーアイドル」ことベッド・インによる、まるで異種格闘技戦のような、個性豊かな3組の「地下アイドル」達による奇跡の対バンイベントが実現。結論から言ってしまえば、笑いあり、涙あり、エロあり、感動ありの、もはや音楽の枠組みを超えたサイコーのエンタテインメントだった。

はじめに、この度実現した【BAND-MAIDとBiSの邂逅】が、自分にとってどれほど大きな出来事だったのか、まずそこから一つ一つ紐解いていきたいと思う。

今のBiSって、自分が元研究員(研究員はファンの呼称)だった頃のBiSとはメンツがガラッと変わってて、今のBiSって2014年に横アリで一度解散した後、2016年に新メンバーを迎えて再始動した新生BiSで、そのBiS再始動のために必要な新メンバーを募集する、その舞台となったのが、他ならぬ第一回WACK合宿オーディションだった。

改めて、今や毎年のように開催されるようなったWACK主催の合宿オーディションは、僕自身かなりのファンで、初開催となる2016年の合宿オーデから1人の視聴者あるいは元研究員として、ニコ生の配信でコメントや投票を通して参加していた。その記念すべき第一回の合宿オーデは今でも強く印象に残っていて、特に水着審査では現アヤ・エイトプリンスが全くエロくない水着姿だったのと、逆に現キカ・フロント・フロンタールがドスケベな水着を着て笑いを誘ったりして、ゴ・ジーラは実力とポテンシャルで視聴者からの票を集めて常に上位にランクインしていたし、ペリ・ウブに至っては今や毎年恒例となったデスソース入りのカレーを泣きながら食べてたのが強烈な印象として記憶に残っていて、その泣き顔を見ながら僕は「さっさと食えよブスwww」と、まるで他人事のように笑いながら見ていたのを思い出す。ちなみに、自分の推しメンはメタTを着てた子とex-SISで現ギャンパレのユイ・ガ・ドクソン、その次くらいにアヤプリ推しだった。アヤプリには一回くらいは投票したかなって感じ。

ビジュアルに特化したオールラウンダーで即戦力のアヤプリと露骨に歌唱メンとして選ばれたキカ元祖BiSヒラノノゾミの後釜を期待されたゴジプー・ルイ(WACK)のミーム=遺伝子を継ぐ者であるペリ、そんな破天荒な個性を持つ、それこそBiSの新メンバーに相応しい4人の新メンバーと「レジェンド・オブ・BiS」ことプー・ルイが一つになったのが新生BiSだった。とは言え、正直なところ、既に合宿の時点でBiSよりもBiSHの勢いに注目していた自分は、同時に本家ミチバヤシリオが在籍していた頃のBiSを知っているからこそ、俄然今の新生BiSには興味が持てなくて、もちろん応援したい気持ちは山々なんだけど、どうしても自分の中にある「コレジャナイ」感が拭いきれなかった。

そんな事をしていたら、その翌年の2017年に開催された第二回WACK合宿オーデに合格した、現パン・ルナリーフィももらんど新生BiSに加入する事が決まった。しかし、その時の自分はすっかりBiSHアユニに魅了されてて、合宿の候補者的にも当時ガミヤを名乗っていた現EMPiREYUKA EMPiREを推していたから、正直パンに至っては(居たのは覚えてるけど)自分の中であまり印象に残らなかったし、逆にももらんどはどっちかっつーとネガティブな意味で記憶に残っていて(ネガティブと言ってもWACK的にはそれはポジティブでもある)、しかし最終的にまさかこの2人がBiSに加入するとは全く予想してなかったから、渡辺の口から結果を聞いた時は素直に驚いた。更に、アヤプリがギャンパレに期限付き移籍、そしてex-BiSカミヤサキBiSに期限付きで復帰するとの衝撃的な発表があった。正直、そろそろアヤプリ推そうかと思ってた所にこの移籍騒動があって、露骨にWACKに対して不満感をつのらせたのも事実。「渡辺フザケンナ」って。

そうこうしている内に、気がつけばキカが白塗り界隈の住人と化してて、端から見てて「一体今のBiSに何が起こってるんだ・・・?」と困惑してる所にプー・ルイBiSを脱退するという衝撃ニュースが飛びこんできた。もはや驚いたというより、「え?そもそもプー・ルイってBiS脱退できるもんなの?」って冷静にツッコンだ。というのは、これまで結成当初から【BiS=プー・ルイ】みたいな、プー・ルイがいてこそのBiSというか、それこそプー・ルイさえいれば他がどうであれそれはBiSに違いない、という確信があった。しかし、BiSからプー・ルイが抜けた途端に自分の中で「それはもはやBiSなのか?それってもうBiS同好会なんじゃあないか?」という疑問が沸き起こった。何故なら、プー・ルイのいないBiSなんて想像もできなかったからだ。もはやBiSとは?一体何なのか、少なくとも元研究員の立場からはまるで理解できなかった。

今年開催された第三回WACK合宿オーデの合格者が多数BiSに加入することが決まり、しかもBiSはJリーグ方式を取り入れ、6月からはBiS1stとBiS2ndに分裂して活動することが発表された。その衝撃も冷めやらぬまま、またしてもBiSに悲劇が起こった。なんとこのタイミングで第二回合宿オーデ合格者のももらんどBiSから脱退するとアナウンスされた。更に驚いたのは、ももらんどの脱退劇が何事もなかったかのように過ぎ去っていったこと。いやいや、これまでのBiSってメンバーの誰かが脱退するたびに何かしらのドラマがあったハズなのに、そこが一つの魅力であったはずなのに、何か現役研究員もマネージャーの渡辺も「そうだよね」みたいな雰囲気で納得しちゃってる始末。確かに、確かにももらんどは合宿オーデでも歌やダンスの面でも圧倒的にスキルは足りない子だったけど、しかしそれ以上に視聴者を惹き付けるWACKアイドルとして必要な唯一無二の個性を持っていた、だからこそ合格したわけだし、渡辺自身もももらんどが持つその無限の可能性に期待してたハズだ。なのに冥土の日の対バンを目の前にしてこの最悪の結末。ももらんどの脱退は、プー・ルイのダイエット企画で炎上した件や今年の合宿オーデのデスソース事件など、つい最近渡辺がやらかした案件が霞むぐらい、これこそマネージャー渡辺の責任問題だろと。というより、なんか渡辺ってホントに才能枯れちゃったんだなって悲しくなった。

改めて、BAND-MAIDBiSが対バンすると聞いた時は驚きよりも喜びの方が大きかった。何故なら、昨年にBAND-MAIDの1stアルバムの記事の中で、僕は【ベビメタ包囲網】の一環としてBiSHと対バンしてほしいみたいな事を書いていて、他にもBAND-MAIDって過去作にWACKアイドルのサウンドPでお馴染みの松隈ケンタ率いるSCRAMBLESから”FREEDOM”とかいうお給仕でも定番の神曲を楽曲提供されてたりして、実はBAND-MAIDとWACK界隈にはずっと前から因縁もとい前向きな縁みたいなのがあって、だからこのタイミングでクラウンとかいうどこの馬の骨かも分からないレーベルメイトのBiSと邂逅するのは必然的だったのかもしれない。え?BiSHじゃないって?その理由としては至ってシンプルで、今のBAND-MAIDのバンドとしての「格」をWACK界隈のアイドルで測った時に、知名度や立場的にBAND-MAIDと最も対等なWACKアイドルが「プー・ルイのいないBiS」だったということ。ただそれだけ。でも、個人的に最も面白いと思ったのは、自分の中でBAND-MAIDの彩ちゃんって「闇堕ちした鈴木愛理」みたいな解釈を持っているのだけど、その「闇堕ちした鈴木愛理」こと彩姫擁するBAND-MAIDと、ビバラポップで憧れの存在である鈴木愛理とのツーショットを実現させたアヤプリBiSが対バンするという、あくまで自分の中での謎の繋がりにニヤリとせざるを得なかった。これは余談だが、TS PLAYというウェブラジオ番組でBAND-MAIDは2月のパーソナリティだったんだけど、実はそのBAND-MAIDの前枠のプログラムが鈴木愛理だったのは偶然か、はたまた伏線か・・・?

そんな、自分の中で色々な意味でも因縁のある対バンが渋谷のTSUTAYA O-WESTで開催されるとのことで、予想するまでもなく前売りで完売必須、チケ取れるか不安だったけど無事に当選、しかし今年のお給仕の整理番号は三桁台というツキに見放されている流れで、いざビクビクしながら発券してみたら二桁前半というワンチャン最前行けそうな良番をゲット、いざ番号順に入場してみるとガチで最前行けたけどちょっと遠慮してだいたい彩ぴょんが目の前に来る2列目にポジった。そして7時に開演(開演前には禁止行為とBiSだけは撮影可能とのアナウンスがあった)。自分の予想ではベッド・インが一番手で、二番手がBiSかなと思いきや、まさかのBiSがトップバッター。

遂に僕という元研究員の前に「プー・ルイのいないBiS」が現れたのだ。僕は「さて、プー・ルイのいないBiSがどれだけクソなのか、元研究員が徹底的に評価してやる!」と謎の意気込みが凄かった。メンバーが登場すると”WHOLE LOTTA LOVE”という「プー・ルイのいないBiS」を象徴する、つまり「今のBiS」を代表する曲で幕を開ける。「おいおい、元研究員の前でその選曲はナメすぎだろ。全部nerveにしろや渡辺」って心の中でツッコンだ瞬間、次の曲でホントに”あの頃”のBiSを象徴する”nerve”のイントロが流れてきて、あの頃の研究員時代の記憶が蘇って泣いた。しかもお馴染みのサビでゴジにレスされて、あの頃には実現できなかった「夢」が叶った気がしてめっちゃ嬉しかった。その後も”IDOL”ではアヤキカが激しいスクリームを轟かせ、”Fly”ではプー・ルイの歌割りをペリが受け継いでいてエモすぎて感極まったというか、あの合宿オーデで泣きながらデスソース入りのカレーを食ってた候補生が、今やプー・ルイの歌割りを任されるくらいに逞しくなってるのを見て、「あっ、人間って成長するんだな」って謎の感動を覚えた。それらの「プー・ルイがいた頃のBiS」を象徴する曲を織り交ぜながら進み、そして”primal.”が始まった瞬間にもう僕はあの頃の研究員に細胞が回帰して例のサビで振り返ろうとしたら、現研究員らしき人は誰も振り向いてなくて「あれ?サビで後ろ振り向かないの?」って危うく後ろの人と目が合って「あっ、大丈夫っす・・・」ってなる所だったわ。

【BiS】
1. WHOLE LOTTA LOVE
2. nerve
3. SOCiALiSM
4. I can't say NO!!!!!!!
5. IDOL
6. ロミオの心臓
7. Fly
8. primal.
9. BiSBiS

なんだろう、はじめは元研究員として上から目線で自分が、気づいた時には過去の合宿を思い出しながら「お前ら全員ワシが育てた」と親目線でライブを観ている自分がいて、アヤプリとかギャンパレから戻ってきてもう完全にBiSのエースだし、ペリとかデスソースカレーで泣いてたブスと同じと思えないプー・ルイの穴埋めに必要なキャパを超えた存在感を放ってるし、ゴジゴジだし、キカとか視界に入るたびに「なんでこいつ白塗りしてんだ・・・俺もうお前の事がわかんねぇよ・・・」ってなるし、パンとか合宿からたった一年でアイドル然としてて可愛くなりすぎだし、他のメンバーと一年のブランクがあるとは思えないほどのパフォーマンスしてるしで、なんかもうエモすぎて「Holy...」唱えまくってたわ。お前らどんだけ泣かせんねんと。気づけば、今日の今日まで自分の中にあった「プー・ルイのいないBiS」への違和感というか不快感は消えていた。確かに、このステージにももらんどが立ってなかったのは残念ではあるけど、これはもうしょうがない。

開演前にBiSだけは写真撮影OKとのアナウンスがあった通り、僕の周りの現役研究員はしきりにスマホで撮影してて、ふと気づいたら僕の左に身長150くらいの小さい女の子がしきりに写真を撮っていて、僕はその「女研究員」の邪魔にならないようにわりと大人しくBiSを観ていた。しかし、そのBiSファンと思わしき女の子が、この【冥土の日】の大きなキーパーソンになることを、あの日の僕たちはまだ知らない。

この日は前売りでソールドアウトだけあって、開演してからはもう殆ど身動きができないくらい前方はすし詰めになっていた。BiSのライブが終わっても、ベッド・インが始まるまでのステージ転換の間も殆ど身動きが取れないほどで、気づけば僕の左前にいた女の子が今度はしきりに後ろを振り向いて二階席を気にしていた。これは後にわかったことなのだが、この日は先日の合宿オーデで合格した候補生が二階の関係者席からライブを観てたらしいのだ(元EMPiREのYUiNAもツイートしている)。このことから、僕の左前にいる女の子は「BAND-MAIDのお嬢様(ファンの呼称)」「ベッド・インの性徒諸君(ファンの呼称)」ではなく「BiSの女研究員(ファンの呼称)」であることを確信した。

そうこうする内にベッド・インが登場。個人的にベッド・インは名前は聞いたことある程度で、その風貌からバブル時代に流行ったものを再現するというコンセプト以外、特に音楽性は全く想像できなかった。オープニングSEをバックにバックバンドとともに登場すると、いきなりボーカル&ギターの中尊寺まいことちゃんまいが上手側の僕に両手で乳をモミモミしながら誘ってきて「出オチかよ」ってなった。しかし、いざ演奏が始まるとバッチバチのハード・ロックやってて、もはや主催のBAND-MAIDもビックリのハード・ロックやってて、しかもちゃんまいのギターが今話題のギブソンでお馴染みのSGってのもガチ感しかなくて、そのバブルのように股おっぴろげるほどド派手なギタープレイと今にもピチピチのボディコンからズリ落ちそうなおっぱいに釘付けになりながら、時には「あれ?つうかもうニップレス見えてね?あれ乳首?」みたいな感じで終始ちゃんまいのおっぱいを凝視していたチェリーボーイ。すると僕はある一つの答えに気づいた。それはちゃんまいのおっぱいは絶対に柔らかいということ。

【ベッド・イン】
1. ♂×♀×ポーカーゲーム
2. Conscious〜闘う女たち〜
3. CO・CO・ROグラデーション
4. GOLDの快感
5. 男はアイツだけじゃない
6. 限界LOVERS
7. C調び〜なす!

ベッド・インのファンは性徒諸君と呼ばれ、伝説のディスコ「ジュリアナ東京」でお馴染みの扇子、いわゆるジュリ扇を振って応援するスタイルだ。そのMCも見た目に寄って個性的で、バブル時代に流行ったバブル用語を駆使して下ネタを連発していくスタイルで会場の笑いを誘った。この日、ベッド・インがヤッた曲の中で気に入ったのは”CO・CO・ROグラデーション”で、6曲目にSHOW-YAの名曲”限界LOVERS”を披露した頃にはまるで気分はバブル全盛のジュリアナ東京だった。これがバブルのオイニーかと。

満を持して、最後は本日の【冥途の日】を主催したBAND-MAIDの出番だ。例のオープニングSEとともにメンバーが登場。依然、フロアは身動きが取れないほどの状態、ふとさっきの女の子の方に目をやると、なんとその子は最前までたどり着いていた。さすが女研究員、度胸あんなぁとか思いながら、それを横目にBAND-MAIDは一曲目から”the non-fiction days”でブチ上げる。その後も新作から”CLANG”から”Carry on living”、そしてBAND-MAIDを代表する名曲”REAL EXISTENCE”から”alone”まで一気に突き進むと、会場の熱気は最高レベルに達する。しかし、次の”Choose me”の曲の途中とあるアクシデントが起きる。その頃には、僕は圧縮もあって初めにいた場所から若干上手寄りに、2列目から3列目あたりまで流されていた。僕から見て左の最前で何やら異変があったみたいで、その方向に目をやると、そこにはさっきの最前にいた女研究員が明らかに気分悪そうにうつ向いていた。すると、その女研究員のそばにいた恐らくストライプス柄のシャツを着た黒縁メガネの中年男性が、その女研究員を気遣って圧縮から身を守るように圧縮ガードしてて、間髪入れずにステージで歌っている彩ちゃんもその異変に気づくと、直ぐにマネージャーのなすきゅんをジェスチャーで呼び寄せて、そして最後はなすきゅんが見事に最前の女研究員を救い出した。この異変に気づいてから救出までのスピードは流れ作業のようにスムーズだった。なすきゅん抱いて///

女研究員のその後が心配ではあるが、一先ず”Choose me”を終えると、お給仕でお馴染みの小鳩ミクによるスーパードキドキデブッポタイムが始まった。いつものコール&レスポンスが終わると、彩ちゃんがさっきの救出劇について言及し、つまり最前の付近のご主人様が女の子を守ってあげていたという主旨だ。小鳩はそれに反応して、最前付近のご主人様の顔を一人ひとり感謝の声をかけながら見て回って、もちろん3列目にいた僕も小鳩と目がガッツリ合ったんだけど、さっきの救出劇を間近で見ている僕は「いやいや、3列目の人間が最前列の女の子をどうやって守るんだよ頭野口かよ」とか思って、しかし小鳩は何を思ったのか自分の左隣にいるおっさんにマイクを向けはじめて、小鳩は「どこから来たんですっぽ?」と聞くと、そのおっさんは「東京!」と答え、今度は小鳩が「誰を目当てにきたんだっぽ?」と聞くと、そのおっさんは「BAND-MAID!」と回答して場の雰囲気を盛り上げたのだが、しかし僕だけは違った。「いやいやいやいや、そのおっさんは何もしてねぇから。むしろ最前に圧縮をかけていた女研究員の加害者だろ」と。正直、自分もBAND-MAIDが始まってからずっと「左のおっさんうぜえな」と思ってたくらいで、まさかその加害者のおっさんに対してあたかもヒーローインタビューのような扱いをするなんて、なんだろう、小鳩って本当に「間の悪い女」だなって。何度も言うけど、女研究員を助けたのはストライプス柄のシャツを着た黒縁メガネの中年男性です。俺、間近でその現場見てるから。たぶん彩ちゃんも見てるから。

MCを終えると”FREEDOM”を続ける。なんだろう、BiSとの対バンでSCRAMBLESが提供したこの名曲を演るというエモさに感極まりながらも、ここでまたしても驚くべき事が起きる。4月の【宣告】ツアーファイナルのZepp東京では、この曲の間奏部分で彩ちゃんが最前の柵に立ってオーディエンスを煽りまくるという、それこそJanne Da Arcが城ホールで行った伝説のライブを再現するかのような演出で、後日その瞬間に彩ちゃんが男と恋人つなぎしてたと知って嫉妬で2秒で吐いたのが記憶に新しい。さすがに今日はワンマンじゃないし、女性専用エリアもないから彩ちゃんがヴァンパイア化する演出は無いかな?とある意味で安心しきっていた。来たる曲間奏の時、彩ちゃんがヒールを脱ぎはじめ、この瞬間「まさか・・・くるのか?」と思った瞬間、彩ちゃんが最前の柵まで来て誰と恋人つなぎしようか物色し始める。僕は一生懸命右方向に腕を伸ばすものの、選ばれたのは他のご主人様で、つまり間近で彩ちゃんとご主人様が恋人つなぎする瞬間を見た僕は、嫉妬で「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!)」って感じで内なるものが溢れ出した。そんなことより、とにかく彩ちゃんがもう目と鼻の先にいることに非現実感が凄くて、それこそもう右手を伸ばせば彩ちゃんに右腕に触れることができるレベルの距離だ。その瞬間は色んな事が頭をよぎった。「彩ちゃんに触れてみるか?」とか「いやいや、彩ぴょんがに対してそんなおこがましいことなんかできない」とか、「どうする?どうする?どうするよ俺!」とばかり自分の中にあるあらゆる選択枠のせめぎ合いが凄くて、その時はアドレナリンのせいかめちゃくちゃ時間が長く感じて、しかしずっと時間が停止しているはずもなく、彩ぴょんはそのままステージへと戻ってから再びヒールを履く姿に猛烈なフェティッシュを感じてしまった(実はETのあいつみたいに人差し指でチョコンと彩ぴょんの右腕に触れちゃったのは内緒)

【BAND-MAID】
1. the non-fiction days
2. CLANG
3. Carry on living
4. REAL EXISTENCE
5. alone
6. Choose me
7. FREEDOM
8. DICE
9. DOMINATION

つうか、彩ぴょんと他のご主人様が恋人つなぎする所を目と鼻の先の距離で見せつけられるとか・・・なんだこの究極のドMプレイ。いや、ガチで彩ぴょんと恋人つなぎできる可能性があっただけにかなり悔しいわ・・・。そうだ!未だにレビューを書いてないBAND-MAIDの2ndアルバム『WORLD DOMINATHION』は、お給仕で僕が彩ぴょんと恋人つなぎできた時に記念で書くことにしよう!よし決めた!次に彩ちゃんと恋人つなぎする奴は一体誰だ!?

そこから”DICE”を終えると彩ぴょんが「ラスト~!」と叫んで”DOMINATION”を披露。「え?早くね?まだ10曲もやってなくね?」と思いきや、”DOMINATION”が終わると小鳩がBAND-MAIDはアンコールがないから、そのまま対バン相手のBiSベッド・インを呼んでコラボすると宣言すると、会場は大盛り上がり。

まずはベッド・インの2人が登場すると「サンクスモニカ~」と挨拶。小鳩が「今日のライブはどうだったか」と聞くと、ベッド・インの2人は「ABCDEい気持ち~」と答える。すると今度は小鳩がBAND-MAIDの印象を聞くとベッド・インの2人は手の淫乱な動きとともに「ゴイスーテクニシャン~」と答え。その「テクニシャン」のくだりが歌波に飛び火すると歌波は照れて「シャイガールなのねえ」と2人にメンゴされる。そのまま更に下ネタを続けて、そして小鳩はジュリ扇を持ち上がら、彩ぴょんを除くBAND-MAIDとベッド・インによる”男はアイツだけじゃない”を披露する。ベッド・インが退場する際にはMISAちゃんまいのおっぱいをモミモミしてた。やっぱり柔らかかった?

そして遂にBAND-MAIDBiSの邂逅が実現する。小鳩の呼びかけと共にBiSメンが登場する。早々にペリ「BAND-MAIDを聴いてます」とか(ホントかよ?)、今度はキカアヤプリ「彩姫さんに踏またいです」とか言い始める。で、小鳩は一緒に踊るかと思いきや一緒に見ていたいからと言う理由でステージから退場してしまう。いやいやいや、そこは伝説の地下アイドルとしての意地を見せろよ野口。彩ちゃんが”FREEDOM”で逆ダイブしてんだから、BiSと野口もダイブくらいしろよ。それこそ元ダイブアイドルのBiSのプー・ルイにダイブの仕方教えてもらえよ。って思ったら既にプー・ルイBiSから脱退してんじゃん。プー・カスは野口にダイブの仕方教えるという最後の仕事を終えてからBiS辞めろよ・・・。何がユーチューバーだよ・・・。ホント使えねぇなプー・カスの野郎・・・。え?なに?今度はビリー・アイドルだって?

で、歌波の曲タイトルコールで”WHOLE LOTTA LOVE”を披露する。するとラスサビの前に彩ちゃんが登場して、BiSと一緒に歌って最後は戦隊モノみたいなクソカッコイイ決めポーズで終わって、もうなんか訳がわらなくて語彙力失ったわ。正直、対バンだけでも感無量みたいなところあるのに、バックバンドにBAND-MAIDを従えたBiSが見れるんて、もはや夢を超えたコラボで何も言えねえってなった。なんかもう彩ちゃんBiSメンと一緒になってBiSの曲を歌っているその光景が、もはやヲタクの妄想の域すら超えててしばらく頭の中が整理できなかった。「俺なんでBAND-MAIDの対バンイベントでBiS観てるんだっけ・・・」みたいな。

曲が終わると彩ちゃんが「誰が踏まれたいって?言ってみ?」からのキカとアヤプリが「踏んでください!」と言いながら床に寝そべって、その流れで歌波も床に寝そべりだしてコントかよって笑った。結局、アヤプリとキカが彩ちゃんのピンヒールでケツをグリグリ踏まれたけど、正直かなり痛そうだったけど、同時に羨ましくもなった。つうか、つうかアヤプリが先日のビバラポップで本家鈴木愛理とツーショするという夢を叶えたその数日後に、今度は「闇堕ちした鈴木愛理」にピンヒールでケツを踏まれる展開とか胸熱過ぎて笑うだろ。BAND-MAID【宣告】ツアーファイナルにも来ていたキカはまだしも、まさかのアヤプリも彩ちゃんに踏まれたいと志願したのは、アヤプリも潜在意識の中で彩ちゃんの中にあるダークサイドの「鈴木愛理」を感じ取った説。まぁ、それは冗談として、マジな話をすると、このキカとアヤプリの体を張った行為って、今日のライブを見に来てた関係者席の第三回合宿オーデの合格者に対して、「これがBiSや」と、後輩に向けた先輩なりのエールだったんじゃないかって。そう考えたら、さっきまでコイツラのことをBiSのマガイモノと思っていた自分が恥ずかしくなと同時に、なんだろう「これがBiSだって、こいつら正真正銘のBiSだって、BiSはこいつらのもんだって」なった。

正直、今のBiSってBiS史上最も面白いBiSなんじゃないかって。何故なら、今のBiSってBiS史上初めて「プー・ルイのいないBiS」をやってる子たちなわけで、つまり本当の意味で「新生BiS」の歴史を作り上げてる子たちなわけで。そんな、今の新生BiSを愚弄するマネージャーの渡辺こそ彩ちゃんのピンヒールに踏まれるべき案件だろ。つうか、今日って渡辺来てたの?

正直、これ色んな意味で映像化してほしいくらい今年最高の対バンイベントだったし、でも一期一会のライブで完結するからこそ良いんだろうなとも思う。改めて、もはや自分の中で今日の目玉はBAND-MAIDじゃなくてBiSだったってのもあって、その元研究員である僕に数年越しにBiSと再開させてくれてBAND-MAIDには本当に感謝の言葉しかない。いや感動を通り越して「こんなんあえりえん」としか言葉にできない。それぐらい奇跡の対バンだった。もちろん、女研究員がアクシデントに見舞われたのは残念な事だったけどね。でも彼女がBiSのファン(女研究員)であるなら尚さら、彼女を7月のお嬢様限定ライブに無料で招待すべきだと思うし、マネージャーのなすきゅんが自腹でキャッシュバックすべき案件だと思う(つうか、渡辺が払うべきだろ)。なすきゅんはその子の顔見てると思うからね。

・・・以上、これが5月10日の【冥途の日 】に起こった「真実」です。信じるか信じないかは・・・

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EMPiRE 『THE EMPiRE STRiKES START!!』

Artist EMPiRE
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Album 『THE EMPiRE STRiKES START!!』

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Tracklist
05. Don’t tell me why
06. TOKYO MOONLiGHT
07. EMPiRE is COMiNG
08. デッドバディ
09. LiTTLE BOY
10. コノ世界ノ片隅デ
11. アカルイミライ

個人的に、最近はWACKグループのアイドルはイマイチ推す気になれなくて、とは言いながらも、2016年に初めて開催された第一回『WACK合宿オーディション』から2017年の第二回合宿オーデ、そして先日行われた第三回合宿オーデまで、自分が見れる時間帯はできるだけニコ生の配信をウォッチするくらい、もちろん投票できる時はちゃっかり推しメンに投票するくらいWACKオーデのフアンだ。

第一回WACKオーデでは、合格した候補者(アヤ、キカ、ゴジ、ペリ)新生BiSとしてWACKグループの一員となり、その一方で落選した候補者はSISを結成するも2秒で解散するという謎の伝説を残したことが記憶に新しい。第二回WACKオーデでは、合格した候補者の2人(パン、ももらんど)BiSに、残りの2人はかのエイベックスとWACKが共同で新たに立ち上げたアイドルプロジェクトに加入すると発表された。それが後のEMPiREである。

ここで改めて、EMPiREの原点とも呼べる第二回WACKオーデを振り返ってみると、個人的にはやっぱり合宿時は仮名で「ガミヤサキ」を名乗っていた現EMPiREYUKA EMPiREの印象が強くて、もちろん投票するくらいには自分の推しメンだった。実はと言うと、自分の中で最終的に合格するガミヤサキ(仮名)モモコグミ.inc(仮名)の他にも印象に残った候補者がいて、その1人が合宿時は「パリ・ウブ」を名乗る候補者だった。当時、配信を見ていて「(推しメンではないけど)こいつ受かるだろうな」っていう妙な確証みたいなのがあった。しかし、実際に最終審査で選ばれなかった時は心底驚いたというか、その時は「渡辺ってホントに人を見る目がねぇな」って思ったくらいで、でも推しメンのガミヤ(仮名)が合格したのもあって、それはそれで過去の話として記憶の淵へと消え去った。

そのオーデから月日は流れ、遂にそのプロジェクトのグループ名が「EMPiRE」であること、そして覆面を被った5人組のグループであるということが公表された。そっから更に何やかんやあって、満を持してEMPiREメンバーの素顔が公開された時は本当に驚いた。そこには、WACKオーデ合格者のガミヤ(後のYUKA EMPiRE)モモコグミ(後のYU-Ki EMPiRE)の姿、そして他の3人のメンバーの中に見覚えのある顔があったからだ。そう、そのメンバーこそ第二回合宿オーデで合格者並に強烈な存在感を放っていたパリ・ウブ(仮名)本人だったのだ。自分は「え、こいつオーデ落ちなかったっけ?しかも合宿の時黒髪じゃなかったっけ?」と色々と情報が交錯して一瞬戸惑ったけど、後に「追加メンバーオーディション」で合格したのだと知った。

その後、ちょくちょくEMPiREの動向を見てて更に驚いたのは、そのパリ・ウブ改めMAYU EMPiREEMPiREの中心的な存在、あるいは実質リーダー的な立ち位置を任されていたことで、もはやオーデ合格者のYUKAYU-Ki以上に目立ってて、なんだろう、合宿オーデ落ちても諦めずに追加オーデで這い上がってきた奴の「覚悟」の違いというか、その言うなれば「覚悟して来てる人」の強さがバックグラウンドにあるMAYUって、実にWACK的なサクセスストーリーの持ち主というか、とにかく今やEMPiREの心柱として必要不可欠な存在になってるの本当にエモいなって。改めて、オーデ合格者のYUKAYU-KiMAYUと同じく合宿最終候補者で追加メンバーオーデ合格者のYUiNA、そして追加オーデ合格者のMiDORiKOからなる5人組、それがEMPiREだった(過去形)。そんなEMPiREは、今年の4月にエイベックソから1stアルバム『THE EMPiRE STRiKES START!!』をリリースしている。

EMPiREは、これまでのWACK所属のアイドルとはあらゆる面で違う。今でこそBiSHがエイベックソ所属のメジャーアイドルとしてフェスにCMにゴリ推されているが、このEMPiREは生まれも育ちもエイベックソのメジャーなエリート集団だ。一つに、まずビジュアルが違う。発端となった第二回のオーデや今回のオーデでも、その合宿に参加した候補者の中でもビジュアルに長けた、例えばAKGにも在籍してそうな正統派な可愛さを持った子がEMPiREに採用されている。2つ目は、まだグループ名発表から一年も経ってないのに、ツアーもしてないのにおはスタに出演できるメジャーだからこそできるメディア戦略。そして3つ目は、何よりも音楽性が違う。

エイベックソの音楽って言うと、90年代のJ-POPを筆頭に、日本の音楽史の一時代を築いたレジェンド小室哲哉を象徴するTKサウンドが有名だが、EMPiREの音楽は皮肉にも芸能界から引退したTKが生み出した、90年代のエイベックスを象徴するTKサウンドを現代に蘇らせたような、とにかく他のWACKアイドルとは一線を画したサウンド・スタイルを特徴としている。元々、WACKアイドルの原点となるBiSBiSHの楽曲はサウンドPの松隈さんが全て手がけていて、その音楽性はオルタナやメロコアなどの90年代のロックがベースにあった。このEMPiREの楽曲も松隈さんが担当しているが、しかしBiSBiSHみたいなバンド・サウンドとは打って変わって、それこそ90年代リバイバル的なTKサウンドをベースに、ダンサブルな打ち込み主体のニューウェーブなサウンドを展開している。



EMPiRE=帝国、その幕開けを飾る一曲目の”FOR EXAMPLE??”から、Perfumeライクなテクノ・ポップ風のダンサブルな打ち込みとダンスフロアの床の底からブチ上げるようなエイベックソ全盛のアゲポヨ感溢れるサビ、まさにWACKアイドルにしか出せないエモさと、エイベックソアイドルにしか出せないメジャーなアゲアゲビートが20年の時を経て邂逅した、全く新しい=ニューウェーブのWACKアイドルの誕生、そして帝国の逆襲が始まることを今ここに宣言する。続く二曲目の”Buttocks beat! beat!”では、天下のエイベックソが誇るお嬢様アイドルが「お尻ペンペン!」とお下品なワードを連呼してWACKアイドルとしての側面を垣間見せる。そして注目すべきは三曲目の”Black to the dreamlight”で、この曲のイマドキのEDM系の洋楽ポップスをウォッチしてないとできないグリッチ風のアレンジとか本当に驚いたというか、改めてこのEMPiREの楽曲の凄いところって、全体的に90年代っぽいのに全然古臭く感じない所で、懐かしさの中にしっかりと今っぽさを残してある、その懐かしさと新しさの融合が最大の魅力で、だからTKサウンドの後継者というよりは、元BiSコショージメグミ率いるブクガことMaison book girlあたりの方向性に近いのかもしれない。しかしロック畑だけじゃなくエレクトロ方面にも精通する松隈さんやっぱスゲーわって。もうこの頭の三曲聴いただけでBiSHの新譜超えたわ。今のBiSHにはないエモさとWACKアイドルならではの「おふざけ」要素、そしてメジャーアイドルならではの大衆的なポップさを併せ持つ名盤です。

その90年代リバイバルとイマのクロスオーバーっぷりにド肝抜かれたかと思えば、今度は初期BiSを彷彿させる、#5”Don’t tell me why”みたいな80年代ディスコのカバー曲かと勘違いしそうなファンキーな曲調もイケるフレキシブルさを発揮し、再び90年代リバイバルなダンサブルナンバーの#7”TOKYO MOONLiGHT”、自らの名前を冠した#7”EMPiRE is COMiNG”、そして一昔前のBiSHがやってそうな「これぞWACKアイドル」な、エモに全振りした疾走感溢れる#8”デッドバディ”は中盤のハイライトで、クライマックスを飾る#10”コノ世界ノ片隅デ”と#11”アカルイミライ”の流れは、まさにそのタイトルどおり、あらゆる困難が待ち受ける未来へ向かって前を向いてしっかりと地面を踏みしめて未来を切り拓いていくような、まさにEMPiREの可能性を無限に広げるような曲で幕を閉じる。序盤は自己紹介がてらツカミのある曲を聴かせ、中盤は変化球を見せつつ、そして終盤で一気にエモさを爆発させる流れで、アルバムの中で起承転結がしっかりしているというか、とにかくそのビッグスケールなビッグビートがマジ帝国感ハンパない。

ここで今度は、先日開催された第三回WACKオーデを振り返ってみる。今回は過去2回のオーデと比べると本当に「豊作」だったと思う。刺し身が食えないアユナ・Cを筆頭に、ガミヤ枠ガミヤやロリ枠のリソリソ、そしてトリバゴ枠ヒラノノゾムなど、オーデ一日目からWACK事務所にお似合いの強烈なキャラクターを持つ候補者がひしめき合っていた。その中でも、個人的に注目していたというか推しメンとなったのはヤヤ・エイトプリンスオレンジコバンパイアで、ニコ生の配信で何度もヤヤは逸材と気持ちの悪いコメントを残すくらい、投票タイムはヤヤに全フリしたのは言うまでもない。しかし、合宿の日程を一日一日と消化していくにつれ、自分の中で過去オーデのトラウマが蘇ってきて、「このままヤヤが残ったとしても、最終審査で渡辺に落とされる可能性・・・うっ、頭が・・・」と猛烈な不安が襲いかかった。実際に、最終日の最終審査に残った候補者は誰が合格しても不思議じゃない、むしろ全員受かってほしいくらいの心持ちだった。

合宿最終日は、オーデの合否発表の前に、WACK所属のアイドルが一同に介するフリーライブイベント「WACK EXHiBiTiON」が開催され、大阪城音楽堂に集まったWACKファンの前で、EMPiRE→ギャンパレ→BiS→BiSHの順にライブを披露した。それぞれ各グループの個性と現状をさらけ出しつつ、ギャンパレの時は「ギャンパレ勢いスゲーな」とか、BiSの時は「あれ?誰か1人足んなくね?」とか、BiSHの時は「アユニ完全にエースやな」とか思いながらも。実は、ここで初めてEMPiREのライブを見たのだけど、確かに昨年の合宿から約一年でここまで完成されたパフォーマンスが出せるのは十分凄いと感心した反面、でも間違いなくこのままじゃ「絶対売れない」と断言できるほどでもあって、それは他のWACKアイドルと比べてもそうだし、なんだろう思いのほか地味すぎるというか、生まれてこの方エイベックソ育ちってのもあって妙に優等生すぎる印象で、とにかく「このままじゃ絶対に売れない」と。そして、ぞれぞれがのグループがライブを終えた後のオーデ合格者発表の場で、またしてもEMPiREに衝撃が走った。

前回のオーデと同じ構図で、最終審査まで生き残った候補者とマネージャーの渡辺がステージに登場する。いつ見ても(見てるコッチが)緊張する瞬間だ。正直、ここでヤヤ・トゥーレオレンジ落選させたらWACKから完全に見切りをつけるつもりだった。しかしそこは渡辺、過去の合宿で反省したのか、それとも合宿時のデスソース事件の罪滅ぼしか、結果的に最終日に残ったほぼ全ての候補者が合格する形となった(安堵)。初めに、渡辺からギャンパレリソリソヨコヤマヒナが加入することが発表され、そしてEMPiREミチハヤシリオヤヤ・トゥーレが加入、そして最後はBiSという名の牢獄に残りの候補者がブチ込まれる形に。更にBiSはJリーグ方式を採用、BiS1stBiS2ndに分裂することがアナウンスされた。そして、ここから更に衝撃の展開を見せる。なんとYUiNA EMPiREBiSに完全移籍することが発表されたのだ。なんだろう、もうそこからのEMPiREが醸し出すエモさが凄くって、もうメンバー皆んなうなだれて当然のように泣いてて、MiDORiKOに至っては中指おっ立てちゃう始末で、もうなんだろう、この時点で「EMPiRE推せる」ってなったというか、ついさっきの(ライブ)まで「絶対に売れない」と思ってたのに、でもヤヤ・トゥーレが加入して、更にこんなエモい光景見せられて、こうなったら「絶対に売れる」って確信した。その「売れない」「売れる」にイメージ反転させちゃうほど、自分の中でちょっとヤヤ・トゥーレは逸材だと思ってて、(いまさっきアイドルになったばっかりの子にプレッシャーを与えるつもりはないけど)今後EMPiREが「売れる」か「売れない」かは全てヤヤ次第と言っても過言じゃあない。とにかく、今回の一件で一番の勝ち組が合宿に参加してないEMPiREだったのは本当に皮肉で、そのエリート集団が泥水をすする、ある意味生まれて初めて「WACKの洗礼」を浴びたことで、BiSの残像を追って泥水すすってた時代からメジャーまで這い上がったBiSHと、エリートコースから転げ落ちて泥水すすってるEMPiREという対比が、また新たなWACK物語を生み出してくれそうな予感と期待しかない。やっぱWACKサイコーだな!(アユニからヤヤに推し変しながら)

ここまで、それらの要素から導き出される答えは・・・「EMPiREは絶対に売れる」ということ。確かに、他のWACKアイドルと比較すると、メンバーの声質に個性が足りない印象もなくはないけど、打ち込み系のトラックと違和感なく馴染んでいるのは好感が持てるし、思った以上にYUKAがエモい声質してて推せる。でもメンバーで一番個性的な声がYUiNAだったから、今回の移籍は本当に惜しい。ここにヤヤ(MAHO EMPiRE)ミチハヤシ(MiKiNA EMPiRE)が入ってどんな化学反応を起こすのか?そういった面でも、グループの将来性および伸び代は今のWACKで一番あると思うし、自分の中でも完全にBiSHが終わったタイミングで、このEMPiREが出てきたのは本当に最高なタイミングだった。

そして運命の5月1日、新メンバーを加えた6人の新生EMPiREがこの世に降り立った。



これは売れる(確信)
つうか売れない要素がねぇわ。
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