
4年前のサマソニで見たLinkin Parkは、間違いなくその日のベストアクトだった。
僕が前回参加したサマソニ大阪2013は、OPアクトのBiSに始まって、奇跡の初来日となったVolbeatからLinkin Park、PerfumeからBABYMETAL、そしてトリのメタリカまで、ほぼほぼメタルフェスと言っていいくらいの神メンツで、そのお陰で猛暑のなか休憩するタイミングがなくてぶっ通しで最後まで見たら、メタリカの途中でリアルにぶっ倒れそうになったという苦い思い出がある・・・という風に、今から4年前のサマソニ大阪を思い出して感傷にふけっている中、久しぶりにサマソニ大阪へ行ってみた。
再びサマソニに行こうと思った理由、それはBAND-MAIDとBABYMETALの初陣が実現したからである。実は、この運命の引かれ合いは、今年1月にリリースされたBAND-MAIDの1stアルバム『Just Bring It』のレビューの中でBAND-MAIDとBABYMETALの比較や違いという部分で暗に示唆していて、もっと言えば、昨年リリースされたBABYMETALの2ndアルバム『METAL RESISTANCE』のレビュー記事で、この初陣を暗に予言していて、つまり去年東京ドーム2デイズにも行った元自称「日本一のベビヲタ」が寝返って、今はBAND-MAIDの「魔彩族」の一員として彩ちゃんTO(トップヲタ)目指してるのって、ちょっと面白すぎない?
ここ最近は、あまり天候がすぐれない日が続いて、だからワンチャン雨は降らない程度の曇を期待した結果、舞洲会場に着いた瞬間「あ、帰りたい」ってなるくらい、それこそ2013年のサマソニ大阪のトラウマを思い出させるような雲一つない猛暑で、彩ちゃんの雨女っぷりはサマソニ大阪にだけは通用しなかった。で、この日の俺的タイテは【PassCode】→【NAMBA】→【BAND-MAID】→【ROYAL BLOOD】→【ホルモン】→【BABYMETAL】→【FF】みたいなタイテを汲んでいて、会場に着いてまず真っ先に向かったのが、ソニックステージのOPアクトとして登場するPassCodeだ。
PassCodeといえば、先月にBAND-MAIDと対バンする予定だったのが、彩ちゃんのポリープ発覚によりその対バンは残念ながらキャンセルになった経緯がある。PassCodeの評判は前々からよく耳にしていて、特にアイドルなのに男勝りにスクリームする子がヤバイと。そういった意味でも、ずっと気になっていた存在で、つい先日リリースされた1stアルバム『ZENITH』をSpotifyで予習バッチシの絶妙なタイミングでライブが観れるなんて願ってもない出来事だった。自分はスタンドから観戦したのだけど、開演時間前から既にアリーナはOPアクトがには思えない数のヲタが集結していて(これはPassCodeが大阪出身のアイドルだからかもしれない)、そしてメンバーと生バンドが登場すると、これまたOPアクトという品書きが失礼なほどの爆発的な盛り上がりを見せる。そして、個人的にこのライブで最も期待していたのが、他ならぬ「スクリームするアイドル」で、それはもう凄かった。音源で聴くよりもライブの方が迫力が増すし、ありがちな「胡散臭いスクリーム」じゃなくてガチなやつのスクリームで笑った。PassCodeのライブで特に凄いと思ったのは、ヲタの士気を上げるメンバーの「煽り方」が本当に上手いというか、それこそ「大阪っ子の気質」とでも言うんだろうか、別に関西弁を使って煽るわけではないけれど、その突出した「煽りの上手さ」がPassCodeが「ライブアイドル」として高く評価される大きな起因となっているんじゃあないかって。なんだろう、単純に「これは売れるわ」としか言いようがないライブパフォーマンスを展開していた。ヘタしたら来年はオーシャンステージに昇格してるんじゃねぇ? とにかく、この「煽りの上手さ」はBAND-MAIDが最も学ぶべき部分でもあるし、このままだとBAND-MAIDは一生PassCodeに追いつけないだろう。
PassCodeが終わると、次のお目当てのNAMBA69まで時間が開くので、そもそもファッキンホット(クソ暑い)な外に出たくないから昼ごろまでそのままソニックステージに引きこもることにした。で、OPアクトのPassCodeに次いで、ソニックステージの一発目を担うSWMRSのライブを観たのだけど、音楽性以前にフロントマンが何故かワンピースを着て演奏しているというネタ部分で注目を浴びていた。あと途中のMCで急に「六甲おろし」を歌い始めて(大阪だから)、「おいおい彩ちゃん歓喜じゃん」ってなった。
勿論、個人的に一番のお目当てがBAND-MAIDであることは今さらの話で、となるとBAND-MAIDの前に演るバンドが重要になってくるのだが、そのバンドがまさかのNAMBA69で、ハイスタの難波さん率いるNAMBA69といえば、僕が初めてBAND-MAIDのお給仕を観た今年の3月に豊橋で開催されたパンクイベント以来、ここで会ったが約5ヶ月ぶりで、あの3月の時点ではこの数ヶ月後に両者とも初サマソニで再び同じステージで共演するなんて思ってもみなかった。これ以上ないお膳立てというか、むしろ3月のイベントで見た時以上のパンク/ハードア魂を炸裂させるライブを披露してて、こんなん見せられた後にBAND-MAIDとかハードル高すぎでしょ難波はん・・・ってなった。
その妙な不安は、BAND-MAIDのサウンドチェックの時点で、つまり小鳩ミクが「くるっぽ!」と言った時のオーディエンスの反応が鈍すぎる時点で、小鳩は既に察知していたのかもしれない。そう、今このホワイトマッシブの会場にいる観客の9割がBABYMETALを目当てにサマソニに来ている、つまりBAND-MAIDにとって今まで経験したことのない「完全アウェー」なお給仕となることを。そして、小鳩と同じく、バンドメイド軍の中でも特に気性の荒いエリート「魔彩族」である僕は、既に会場=戦場一帯がロリコン・ベビメタ軍に制圧された状態、つまり前線に点在する約1割規模のバンドメイド軍が孤立無援の窮地に陥っていることを自覚していた。まるで気分は漫画『キングダム』の敵地で孤立した飛信隊だ。

これは「負け戦」だ。当然、未来への『勝利』に結びつける「負け戦」だ。バンドメイド軍の先鋒隊である「魔彩族」の僕は、まずはギターの歌波がいる上手前方4列目から戦況を伺っていた。周囲にはバンメTシャツを着た友軍とベビメタTシャツを着た敵軍が入り乱れた状態で、この状態で戦(お給仕)が始まったら一体どうなってしまうんだ・・・?まるで戦況が読めなかった。そして、お馴染みのSEとともにバンドメイド軍の姫と三将軍、そして一匹の鳩が登場すると、先制攻撃として”REAL EXISTENCE”をブチかます。「ファーストコンタクト」としてはこれ以上ない選曲だ。これにはエリート「魔彩族」の僕も「勝ったな」と余裕をかましていた。しかし、その「勝機」は一転して「恐怖」に変わった。
あまりにも盛り上がりに欠けていた。前線はもとより、上手側のバンメTシャツを着た友軍すら棒立ち人間で、この一種異様な光景を見た僕は「えっ・・・えっ?」って現実を受け入れられないでいた。この時点で、ステージ上で指揮するバンドメイド軍の姫と三将軍、そして一匹の鳩はこの緊急事態を全て把握していたはずだ。その何とも言えない流れのまま、2弾目の矢として最新シングルから”Choose me”を披露する。そして、ここで窮地のバンドメイド軍に救世主が登場する。それは、最新シングルの”Choose me”をフルで歌いながら戦場中央付近で暴れ回る一人のキッズの姿だった。「これはイケる」、しばらく上手側で孤軍奮闘していた僕はそう確信し、そのまま中央の友軍に合流した。そして第3弾目の攻撃として”Don't you tell ME”を放つと、その救世主のキッズを中心に「オイオイ」コールが巻き起こる。僕はここぞとばかり、そのキッズを利用して、つまり「俺を姫まで押し上げろ!」とばかりワザと僕に体当りさせて姫に届くようなコールをブチかました。
再びサマソニに行こうと思った理由、それはBAND-MAIDとBABYMETALの初陣が実現したからである。実は、この運命の引かれ合いは、今年1月にリリースされたBAND-MAIDの1stアルバム『Just Bring It』のレビューの中でBAND-MAIDとBABYMETALの比較や違いという部分で暗に示唆していて、もっと言えば、昨年リリースされたBABYMETALの2ndアルバム『METAL RESISTANCE』のレビュー記事で、この初陣を暗に予言していて、つまり去年東京ドーム2デイズにも行った元自称「日本一のベビヲタ」が寝返って、今はBAND-MAIDの「魔彩族」の一員として彩ちゃんTO(トップヲタ)目指してるのって、ちょっと面白すぎない?
ここ最近は、あまり天候がすぐれない日が続いて、だからワンチャン雨は降らない程度の曇を期待した結果、舞洲会場に着いた瞬間「あ、帰りたい」ってなるくらい、それこそ2013年のサマソニ大阪のトラウマを思い出させるような雲一つない猛暑で、彩ちゃんの雨女っぷりはサマソニ大阪にだけは通用しなかった。で、この日の俺的タイテは【PassCode】→【NAMBA】→【BAND-MAID】→【ROYAL BLOOD】→【ホルモン】→【BABYMETAL】→【FF】みたいなタイテを汲んでいて、会場に着いてまず真っ先に向かったのが、ソニックステージのOPアクトとして登場するPassCodeだ。
PassCodeといえば、先月にBAND-MAIDと対バンする予定だったのが、彩ちゃんのポリープ発覚によりその対バンは残念ながらキャンセルになった経緯がある。PassCodeの評判は前々からよく耳にしていて、特にアイドルなのに男勝りにスクリームする子がヤバイと。そういった意味でも、ずっと気になっていた存在で、つい先日リリースされた1stアルバム『ZENITH』をSpotifyで予習バッチシの絶妙なタイミングでライブが観れるなんて願ってもない出来事だった。自分はスタンドから観戦したのだけど、開演時間前から既にアリーナはOPアクトがには思えない数のヲタが集結していて(これはPassCodeが大阪出身のアイドルだからかもしれない)、そしてメンバーと生バンドが登場すると、これまたOPアクトという品書きが失礼なほどの爆発的な盛り上がりを見せる。そして、個人的にこのライブで最も期待していたのが、他ならぬ「スクリームするアイドル」で、それはもう凄かった。音源で聴くよりもライブの方が迫力が増すし、ありがちな「胡散臭いスクリーム」じゃなくてガチなやつのスクリームで笑った。PassCodeのライブで特に凄いと思ったのは、ヲタの士気を上げるメンバーの「煽り方」が本当に上手いというか、それこそ「大阪っ子の気質」とでも言うんだろうか、別に関西弁を使って煽るわけではないけれど、その突出した「煽りの上手さ」がPassCodeが「ライブアイドル」として高く評価される大きな起因となっているんじゃあないかって。なんだろう、単純に「これは売れるわ」としか言いようがないライブパフォーマンスを展開していた。ヘタしたら来年はオーシャンステージに昇格してるんじゃねぇ? とにかく、この「煽りの上手さ」はBAND-MAIDが最も学ぶべき部分でもあるし、このままだとBAND-MAIDは一生PassCodeに追いつけないだろう。
PassCodeが終わると、次のお目当てのNAMBA69まで時間が開くので、そもそもファッキンホット(クソ暑い)な外に出たくないから昼ごろまでそのままソニックステージに引きこもることにした。で、OPアクトのPassCodeに次いで、ソニックステージの一発目を担うSWMRSのライブを観たのだけど、音楽性以前にフロントマンが何故かワンピースを着て演奏しているというネタ部分で注目を浴びていた。あと途中のMCで急に「六甲おろし」を歌い始めて(大阪だから)、「おいおい彩ちゃん歓喜じゃん」ってなった。
勿論、個人的に一番のお目当てがBAND-MAIDであることは今さらの話で、となるとBAND-MAIDの前に演るバンドが重要になってくるのだが、そのバンドがまさかのNAMBA69で、ハイスタの難波さん率いるNAMBA69といえば、僕が初めてBAND-MAIDのお給仕を観た今年の3月に豊橋で開催されたパンクイベント以来、ここで会ったが約5ヶ月ぶりで、あの3月の時点ではこの数ヶ月後に両者とも初サマソニで再び同じステージで共演するなんて思ってもみなかった。これ以上ないお膳立てというか、むしろ3月のイベントで見た時以上のパンク/ハードア魂を炸裂させるライブを披露してて、こんなん見せられた後にBAND-MAIDとかハードル高すぎでしょ難波はん・・・ってなった。
その妙な不安は、BAND-MAIDのサウンドチェックの時点で、つまり小鳩ミクが「くるっぽ!」と言った時のオーディエンスの反応が鈍すぎる時点で、小鳩は既に察知していたのかもしれない。そう、今このホワイトマッシブの会場にいる観客の9割がBABYMETALを目当てにサマソニに来ている、つまりBAND-MAIDにとって今まで経験したことのない「完全アウェー」なお給仕となることを。そして、小鳩と同じく、バンドメイド軍の中でも特に気性の荒いエリート「魔彩族」である僕は、既に会場=戦場一帯がロリコン・ベビメタ軍に制圧された状態、つまり前線に点在する約1割規模のバンドメイド軍が孤立無援の窮地に陥っていることを自覚していた。まるで気分は漫画『キングダム』の敵地で孤立した飛信隊だ。
「魔彩族よッ!30分だッ!30分耐えきれば実質我々の『勝利』だッ!」

これは「負け戦」だ。当然、未来への『勝利』に結びつける「負け戦」だ。バンドメイド軍の先鋒隊である「魔彩族」の僕は、まずはギターの歌波がいる上手前方4列目から戦況を伺っていた。周囲にはバンメTシャツを着た友軍とベビメタTシャツを着た敵軍が入り乱れた状態で、この状態で戦(お給仕)が始まったら一体どうなってしまうんだ・・・?まるで戦況が読めなかった。そして、お馴染みのSEとともにバンドメイド軍の姫と三将軍、そして一匹の鳩が登場すると、先制攻撃として”REAL EXISTENCE”をブチかます。「ファーストコンタクト」としてはこれ以上ない選曲だ。これにはエリート「魔彩族」の僕も「勝ったな」と余裕をかましていた。しかし、その「勝機」は一転して「恐怖」に変わった。
あまりにも盛り上がりに欠けていた。前線はもとより、上手側のバンメTシャツを着た友軍すら棒立ち人間で、この一種異様な光景を見た僕は「えっ・・・えっ?」って現実を受け入れられないでいた。この時点で、ステージ上で指揮するバンドメイド軍の姫と三将軍、そして一匹の鳩はこの緊急事態を全て把握していたはずだ。その何とも言えない流れのまま、2弾目の矢として最新シングルから”Choose me”を披露する。そして、ここで窮地のバンドメイド軍に救世主が登場する。それは、最新シングルの”Choose me”をフルで歌いながら戦場中央付近で暴れ回る一人のキッズの姿だった。「これはイケる」、しばらく上手側で孤軍奮闘していた僕はそう確信し、そのまま中央の友軍に合流した。そして第3弾目の攻撃として”Don't you tell ME”を放つと、その救世主のキッズを中心に「オイオイ」コールが巻き起こる。僕はここぞとばかり、そのキッズを利用して、つまり「俺を姫まで押し上げろ!」とばかりワザと僕に体当りさせて姫に届くようなコールをブチかました。
「一気に畳みかけるぞ」とばかり、バンドメイド軍の姫と三将軍は4弾目の矢として”FREEDOM”でトドメを刺しに来る。今のベビメタに不満を持っている奴を、一人でも多く我らがバンドメイド軍に引き入れることを最大の目的としたこの戦いは、この”FREEDOM”であっけなく幕を閉じた。何故なら、俺たち「魔彩族」は戦場で姫を守護するために組織された精鋭部隊であり、同時に「魔彩族」は姫からのレスというご褒美を貰うため戦場で暗躍する部隊でもあるのだ。「ここが勝機!」とばかり、代々「魔彩族」に伝わる秘伝の奥義「魔彩ジャンプ」を”FREEDOM”のサビで決行した。サビで自分以外ジャンプしてなくて「ふぇぇ・・・」って、「これもう俺がニワカみたいじゃん」ってなったけど、周囲のベビメタ軍に「あ、こいつガチ勢だ」と思わせただけでも今回の「魔彩ジャンプ」は成功したと言っていい。そしてそして、お給仕の序盤で姫も盛り上がりに欠けると察していたお陰か、この「完全アウェー」な戦況の中で「魔彩ジャンプ」というガチ勢アピールをしたお陰か、ガチで本当に姫と数秒間目があった気がしたけど、恐らくはいつもの勘違いだろうと思うと泣ける。でも逆に、バンメガチ勢が明らかに少ない現場だからこそ、姫からレスを貰うチャンスが通常のお給仕よりも格段にアップするわけで、そのチャンスとタイミングを逃さず、それを逆手に取った彩ちゃんTO(トップヲタ)を目指す僕の勝ちです。
秘伝の奥義「魔彩ジャンプ」を放ったことで、それプラスこの猛暑で体力が限界に達した。第5弾目の矢として”Play”を放つが、新曲ということもあってかイマイチ盛り上がりに欠けたのも事実で、ここまでの盛り上がりの欠け具合を何とかして改善しようと、姫は「腕を上げて腕はそのまま」みたいな感じに煽ってから第6弾目の矢として”モラトリアム”を放つ。が、この曲のキーポイントとなる小鳩のバッキングのギターの音がショボくて、今日は最後まで鳩が足を引っ張っていた感満載だった。そして、最後の矢として”the non-fiction days”を放つと、自分の直ぐ後ろでサークルが発生したりと、先ほどの姫による「煽り」が効いたのか、そこには序盤のイマイチ「盛り上がりに欠ける」ような印象は完全に払拭されていた。少なくとも、この「負け戦」の最大の目的である「今のベビメタに不満を持っている奴ら」をバンドメイド軍に引き込むには十分過ぎるパフォーマンスを、この猛暑に負けじとブチ込んでいた。
全7曲、セトリからしても9割がベビメタ軍という「完全アウェー」を見越したセトリで、正直”ドンレミ”がなかったのは「マジか」ってなったけど、いわゆる初見には”ドンレミ”よりも”FREEDOM”のが効果的だから、今日のお給仕はベター&ベターなセトリだと思う。で結局、今日のお給仕を見ても思ったんだけど、バンメのお給仕を一番盛り上げてるのっておっさんじゃなくてキッズなんだよなって。だっておっさん動かねぇんだもん。動かないなら後ろで見るべきじゃねぇ?って。そらバンメも「ヲタ切り」ならぬ「おっさん切り」に走るよ。でも結局ココがPassCodeとの一番の差なんだろうな。だから新陳代謝を促すように積極的に対バンしてるわけで。
そんなことより、今日のお給仕で一番心配だったのは、この猛暑から滲み出しそうな彩ちゃんのワキ汗、もといポリープ除去手術から復帰した彩ちゃんの歌声だ。そもそも、ポリープ除去手術して一ヶ月で復帰って冷静に考えたら異常な早さで、野球で例えるなら術後半年は「ノースロー」と診断されてもおかしくないわけで、でも今日の彩ちゃんの歌声を聴いたら完全復活、とまでは言わないが、少なくとも不安は残さなかったのは流石だと(俺らのせいで発生した砂埃だけは心配になったけど)。例えばポリープ除去手術したら「声が変わる」とか、再発を恐れて歌い方が変わるパティーンは少なくはないと聞くけど、その辺の心配は今のところなさそうなんで安心した。でも無理は禁物。
BAND-MAIDが終わって息つく暇もなく向かったのがオーシャンステージのROYAL BLOOD。2014年にデビューしてから、どう聴いてもギターの音にしか聴こえないベースの音が一躍話題を呼び、いつの間にかLollapaloozaにも出演しちゃうウェイ系オサレハードロックの代名詞になってるROYAL BLOODちゃんだが、実はその年その年のサマソニのメンツを見れば「今イケてるハードロックバンド」の推移というか移り変わりを知ることができる。最近で言えば、2013年のVolbeat、2014年はGhost、そして今年がROYAL BLOODだ。おいら、この手のウェイ系ハードロックにはちょっと距離を置いていて、当然のようにこのROYAL BLOODもスルー決め込んでいたけど、今回のサマソニで予習がてらSpotifyで二枚のアルバムを聴いてみたらクソカッコ良くて、特に今年リリースされたUKバンドらしくオルタナ寄りの作風となった、言うなればハードロック化したミューズみたいな作風で、比較的ブルーズ寄りのハードロックやってたデビュー作よりも好みだった。結局、今日のライブでは個人的に好きな”Look Like You Know”と”Hole In Your Heart”は演ってくれなかったけど、彼らの代表曲を中心にフロントマンのマイク・カーによる「どう聴いてもギターの音にしか聴こえないベースの音」とベン・タッチャーの超絶グルーヴィなドラミングが織りなす業は黙っててもノレる。とにかく、演奏のレベルが段違いすぎるし、間違いなく今日のベストアクトです。
そのままオーシャンステージでホルモンを4年ぶりに見る。実は4年前のサマソニ大阪と今年のサマソニ大阪で観るの被ってるバンドってホルモンとベビメタだけで、しかもホルモンも久しぶりのサマソニ出演らしく、しかし全くのブランクを感じさせない、相変わらず面白い(今回は探偵ナイトスクープのOP曲を使った)ネタパフォーマンスを見せつけていた。2013年のサマソニ大阪と違うのは亮君の風貌だけ。そのまま狼ざっと見からのBABYMETAL。
面白いのは、今年のサマソニ大阪でBAND-MAIDが立ったホワイトマッシブは、元々は2013年のBABYMETALが立ったフラワーステージと同じ場所で(違うのは屋根っぽいのが付いただけ)、つまり4年前にサブステージで演ってた奴らが、その4年後に今やホルモンをブチ抜いてメインステージのトリ前に抜擢されるサクセスストーリー感。そのベビメタのサマソニにおけるサクセスストーリーの歴史が紙芝居でスクリーンに映し出され、挨拶がてら”BABYMETAL DEATH”を披露。立て続けに代表曲となる”ギミチョコ”や”メギツネ”を披露し、そして”Road of Resistance”では「Wall of Deathの乱」と題した紙芝居がスクリーンに映し出され、SU-METALの支持に準じて巨大なWoDを作り上げ、他にも巨大なサークルやトドメのWoDまで、去年の東京ドーム2デイズから約一年ぶりに見たベビメタのライブは、もはや貫禄すら感じさせるパフォーマンスと凄みに溢れていた。しかし、唯一気になったのはSU-METALが高域を辛そうに歌ってたことで、昨年の東京ドーム2デイズはパーフェクトなパフォーマンスだっただけに、この一年どれだけ働かせたんだ?と想像もしたくなった。これは皮肉なもんで、今年初めて元フラワーステージことホワイトマッシブに立った、BAND-MAIDの彩ちゃんが喉の手術をして見事に復活し、その一方で2013年に元フラワーステージに立ち、今やメインステージに立つまでになったBABYMETALのSU-METALが喉に不安を残す結果となったのは、何かの因果なのかもしれない。
このベビメタ軍の敵の本拠地に単騎で潜入していた「魔彩族」の僕は、あまりの「恐怖」でその場を離脱した。そして、意識朦朧としながら最後に僕がたどり着いたのが、さっきまでBAND-MAIDが立っていたホワイトマッシブだった。するとそこには、まるで「戦場の女神」とばかり、紅一点の女性の姿があった。
高校生の頃の僕は、主にX JAPANとJanne Da ArcとYUIを聴く毎日を送る、至って健全な高校球児だった。そう、あの曲が発表されるまでは・・・。
「恋しちゃったんだ たぶん 気づいてないでしょ?」
今から約十数年前の僕は、YUIの『FROM ME TO YOU』を聴きながらYUI Radioを毎回楽しみにしつつ、 映画『タイヨウのうた』が観たいのに嫉妬で観ることができなかった健全なYUIガチ恋勢だった。思春期の僕の気持ちを理解してくれたのは世界でYUIだけだと思った。しかし、あの”CHE.R.RY”が発表されて「あっ、大丈夫っす」ってなってからは、自分の中でYUIの存在は記憶の淵に封印されたものとなった。何を隠そう、このサマソニ大阪の最後の最後で僕の目の前に現れたのが、十数年前の僕の「青春」そのものだった。十数年の時を経て、全く予想だにしない形で僕の「青春」が記憶の淵から蘇ってきたのだ。
当時の健全な高校球児だった僕には、「ライブを見に行く」という感覚が一ミリもなかったので、YUIもTVでの姿やCDから聴こえる歌声しか聴いたことがなかった。しかし今、僕の目の前でサウンドチェックをしながら、そのままほぼ一曲丸々歌ってしまった女性こそ、この変わらぬ声、この変わらぬ姿こそ、僕が昔に聴いてきた「青春」そのものだった。「あのYUIが目の前にいる」なんて信じられなかった。しかし、1stアルバムと2ndアルバム以降のYUIの音楽及び音楽活動は一切知らなかったし聴いてこなかった、というか聴けなかったんだ、怖くて。あのトラウマから逃げ出すようにして、自然と僕の心もYUIから離れていった。
実のところ、YUIが今は【FF】すなわち「FLOWER FLOWER」という名前でバンドをやっているという事は知っていた。でも曲は聴いたことがなかった。そんな、未だに信じられない状況のままFFのライブが始まった。正直、聴くのが怖い反面、しかしそれ以上に「今のYUIがどんな音楽をやってるのか」に対する興味の方が大きかった。エレキギターを抱えたYUIは、十数年前に記憶していたYUIのままで、YUI時代とは一線をがした思いのほか激しい曲からドリーミーな曲まで、ジャズをはじめ様々なジャンルを飲み込んだロックサウンドを繰り広げ、その中にはYUI時代を彷彿させるBメロをさり気なく聴かせる曲もあったりして、それがまた泣けて、歌詞にしてもとても前向きなメッセージを込めたもので、なんだろう、自分が知らない間にYUIは一体どんなことを経験してきたんだと、もはや凡人では想像しきれないYUIの濃過ぎる人生に基づいた一種の悟りにも近いような歌詞世界で、もはやさっきまでの「彩ちゃんと目があった」とか「ベビメタのYUIちゃん」とか、もうどうでもよくなっていた。僕の「青春」の前には、あまりにもちっぽけなものにしかならなかった。驚いたのは、YUI時代よりも歌が上手くなってたのと、声量もYUI時代とは比べ物にならないくらいに成長していたこと。MCでは、「他のステージで演ってる素晴らしいアーティストに負けないように、でも楽しくやろう」と話してたのはとても印象的だった。あと昼間の猛暑が去って、夜間帯だからこそ野外のホワイトマッシブに吹き込んでくる涼しい風が、またFFの音楽と相まって一段と特別な「雰囲気」を彩る演出として機能していた。そして、最後の曲ではYUIは体の一部であるギターを置いて、ステージを降りてフロア側に来たと思ったら、なんと下手側の客の中まで入ってきて、でもYUIは背が小さすぎてファンに埋もれて姿が見えなかったの笑ったけど、僕の目と鼻の先にYUIが存在しているというその事実だけで十分だった。本当に「YUI変わったな」って、もちろん「いい方」に変わったなって。ただそれが嬉しかった。YUIが元気な姿で、YUI時代よりも楽しそうに好きな音楽やってるだけで嬉しかった。そして何故か涙が出てきた。FFはファンのアンコールにも答えて、この「元フラワーステージ」ことホワイトマッシブのトリとして最後までハートフルな空間をファンと共有していた。
今年のサマソニ大阪は想定外過ぎた。当初の目的だったBAND-MAIDとBABYMETALの初陣という「負け戦」に実質『勝利』を飾り、満を持してBABYMETAL本陣に単騎で攻め入るもあまりにも強大な勢力を前にして涙目敗走、そしてうつろな目で戦場を彷徨う僕の前に現れたのが「戦場の女神」ならぬYUIという神展開。ついさっきまで、同じステージで姫直属の精鋭部隊「魔彩族」としてイキってたのに、いつの間にか10代の自分に『時』が巻き戻っていた。なんだこの展開・・・。なんかもう全部YUIが持ってた感じ。こんなん泣くでしょ普通。でも今年のサマソニは僕が絶対に行かなきゃならないと、本当に行ってよかったと心からそう思えた。クソ暑かったけど、とにかくクソ楽しすぎたの一言。
で、最後に運営側に対しての苦言と言うか、「え、そこ間違える?」ってのがあった。

どう見てもサマソニ運営に『時』を巻き戻す「スタンド使い」がいるとしか思えなかった。いや、そこだけは間違えたらダメでしょ。