Artist LOVEBITES

EP 『THE LOVEBITES EP』

Tracklist
01. Don’t Bite The Dust
02. The Apocalypse
03. Scream For Me
04. Bravehearted
先日、ビクターエンタテインメントから3000枚限定(限定とは言ってない)となるデビュー作『THE LOVEBITES EP』をリリースしたLOVEBITESは、VAMPSやUVERworldをはじめとする人気アーティストのツアーにコーラスとして参加してきたボーカルのasami、ベーシスト兼リーダーのmiho、そのmihoとかつて別のバンドでリズム隊を組んでいたドラムのharuna、激情☆めたりっちぇのギタリストでお馴染みのmidori、そしてSIAM SHADEのベーシストのバンド21gに在籍するサポート・メンバーのmi-yaからなる実力派の五人組で、昨今、大いに盛り上がりを見せるガールズ・メタル界の未来を背負って立つであろう最重要バンドの一つだ。

EP 『THE LOVEBITES EP』

Tracklist
01. Don’t Bite The Dust
02. The Apocalypse
03. Scream For Me
04. Bravehearted
BAND-MAIDの時代は終わった(終わんの早ぇ)
これからはLOVEBITESの時代だ!
これからはLOVEBITESの時代だ!
先日、ビクターエンタテインメントから3000枚限定(限定とは言ってない)となるデビュー作『THE LOVEBITES EP』をリリースしたLOVEBITESは、VAMPSやUVERworldをはじめとする人気アーティストのツアーにコーラスとして参加してきたボーカルのasami、ベーシスト兼リーダーのmiho、そのmihoとかつて別のバンドでリズム隊を組んでいたドラムのharuna、激情☆めたりっちぇのギタリストでお馴染みのmidori、そしてSIAM SHADEのベーシストのバンド21gに在籍するサポート・メンバーのmi-yaからなる実力派の五人組で、昨今、大いに盛り上がりを見せるガールズ・メタル界の未来を背負って立つであろう最重要バンドの一つだ。
まず、いわゆる「嬢メタル」とも呼称される場合もあるガールズ・メタルやBAND-MAIDをはじめとしたガールズ・ロックバンドとLOVEBITESには、決定的な大きな違いがある。それは、このLOVEBITESは徹底した「海外メタル志向」を強く謳っている所で、それを裏付ける証拠の一つとして、今作にはNightwishやChildren of Bodom、StratovariusやAmorphisをはじめとしたフィランドのメタルレジェンドの作品を数多く手がけてきた重鎮ミッコ・カルミラをミキシングに、マスタリングにはミカ・ユッシラを迎えて、老舗スタジオのFinnvox Studiosで作業されたことを大々的にセールスポイントとしている。個人的な思い入れとして、ミッコ・カルミラといえばフィンランドのバンドと言うよりNovembreの『The Blue』一択なんだが、とにかくメタルの聖地とされるフィンランドのエンジニア・チームと伝統のスタジオが制作に関わってるところを見れば、だてに「海外志向」を謳ってない、海外メタルに対する憧れ(リスペクト)と徹底した「こだわり」を感じさせる。つまり、いわゆる凡百の嬢メタルでも凡百のラウドロックでもない、本当の意味でのガールズ・メタルを信念に掲げるLOVEBITESだが、ここからはタイプの違うBAND-MAIDを比較対象にLOVEBITESの楽曲、そのバンドの魅力を紐解いていこうと思う。
LOVEBITESの「海外志向」はそれだけではない。国内で活動するメタルバンドってどうしても何かしら日本的というか、いわゆる歌謡メタルっぽくなったりしがちだが、このLOVEBITESの楽曲はその”日本風”の要素をほとんど感じさせない。その「海外志向」に対する「こだわり」は、全編英詞で挑まれた今作のリードトラックとなる一曲目の”Don’t Bite The Dust”から十二分に伝わってくる。この曲は、リーダーのmihoとLIGHT BRINGERのキーボード奏者Maoによる共作で、イントロからIron Maidenリスペクトなツインリードのハモリをフィーチャーした、デンデケデンデンと音を立てて滑るような疾走感に溢れた伝統的なヘヴィ・メタルナンバーだ。しかし、その王道的なヘヴィ・メタルを聴かせる楽器隊以上に驚かされるのは、他ならぬボーカルのasamiの存在だ。
『asami VS. 彩ちゃん』
BAND-MAIDの彩ちゃんも成長著しいボーカリストだが、LOVEBITESのasamiはデビュー作の初音源の一曲目にして、その類まれなる歌唱力と持ち前の超絶的なハイトーンボイスを披露している。特に、曲終盤で見せる天を貫きどこまでも伸びていくような高音シャウトは、それこそX JAPANの出山ホームオブハート利三ことToshiやHalloweenのマイケル・キスクをはじめとした、ハイトーンボイスを特徴とするメタルレジェンドたちに匹敵するレベルだ。確かに、以前までの彩ちゃんは決して上手いと呼べるボーカリストではなく、BAND-MAIDは楽器隊を中心に引っ張っていくタイプのバンドだった。しかし、今年の初めにリリースされた1stフルアルバム『Just Bring It』では、その「楽器隊主導」というバンドのイメージを覆すような、むしろ逆に彩ちゃんが楽器隊を引っ張っていくくらいの勢いで「ボーカリスト」としての「成長」を垣間見せていた。一方でLOVEBITESのasamiは、現時点で既にメタル界のハイトーン系レジェンドを比較対象にせざるを得ないレベルのスキルフルな実力派ボーカリストで、それこそ楽器隊が奏でる海外仕様のヘヴィなメタル・サウンドに埋もれることのない、むしろそれを凌駕する圧倒的なボーカルパフォーマンスを見せつけている。ここでもう一つ、LOVEBITESが掲げる「海外志向」への「こだわり」を語る上で欠かせない部分があって、それは今作の4曲中3曲が英詞で書かれているという点で、ただでさえ「メタル」という強靭なフィジカルを要求される音楽ジャンルに難なく適応しながら、かつ「こだわり」の英詞もネイティブレベルに歌いこなす事ができる、それもこれも全てアメリカ帰りのasamiだからこそ成せるワザと言えるだろう。端的に言ってしまえば、BAND-MAIDの彩ちゃんはSHOW-YAの寺田恵子姐さんリスペクトな80年代のハードロックから安室奈美恵リスペクトな今のJ-Popにまで幅広く精通する、言うなれば汎用的かつ柔軟性の高い「ロックボーカリスト」だとすると、このLOVEBITESのasamiは「メタル一本」に焦点を絞った実に理想的な「メタルボーカリスト」だ。・・・は?asamiと比べて彩ちゃんの英語の発音が酷いって?それは「意図的」だから・・・安室ちゃんリスペクトだから・・・小鳩ミクに「X JAPANのオマージュしたいから出山みたいに発音酷くてもいいっぽw」って指示されてるだけだから・・・だよね彩ちゃん?
「ギタリスト対決」
LOVEBITESの魅力はasamiのボーカルだけじゃあない、ギタリストmidoriとmi-yaが織りなすツインリードおよびGソロもLOVEBITESの大きな武器として、今作の全ての楽曲でその絶対的な存在感を示している。正規メンバーの中でも一番の実績を持つex-激情☆めたりっちぇのmidori、片割れのmi-yaともに実績のある実力派のギターコンビだ。確かに、mi-yaは現状サポート・メンバーという形だが、比較対象となるBAND-MAIDのギタリスト歌波、そして小鳩ミクは実質サポートギターみたいなもんだからフェア、というよりむしろ小鳩ミクは「サポートされる側」なので、この「ギタリスト対決」は戦う前から既に決着していると言っても過言じゃあない。
「メタルといえばギター」「メタル=ギター」「メタル=ベースいらなくね」みたいなジョークが飛ばされるくらい、メタル・サウンドを構成する上で最も大事な音がギターだ。確かに、インディーズ時代のBAND-MAIDは、80年代の伝統的なハードロックやクラシック・ロックに精通する「リフ重視」のハードロックを展開していたが、新作の『Just Bring It』ではタイトでモダンなヘヴィロックあるいはラウドロックをベースとしたサウンド・スタイルへと変化していた。一方でLOVEBITESのギター組は、そのメタルメタルしたリフとドラフォばりのピロピロ系ツインリードやギターソロを全面にフィーチャーしたコテコテのメタルギターを披露しており、特にGソロではBAND-MAIDの歌波との違いが顕著に現れる。LOVEBITESのGソロは、ツインギターならではの掛け合いやハモリを駆使したピロピロギュイーン系の典型的なヘヴィ・メタルのソロを特徴としているが、一方で歌波はBAND-MAIDというバンドのコンセプトおよび世界観を崩さないように、あくまでも楽曲に華を添えるワンポイントとして、あくまでもバンドの脇役に徹しながらも、サンタナリスペクトな泣きが込められた情感重視のソロや彼女のインテリジェンスが凝縮されたフレーズで聴かせるタイプのソロを持ち味として聴かせる。確かに、BAND-MAIDの中には”alone”というGソロが際立った曲も存在しないわけではないが、このLOVEBITESはその比じゃないくらいGソロがガチってて、このEPにも3曲目の”Scream For Me”という「ギターソロが主役」みたいな曲も当然のように収録されている。
例えば、ギタリストとしてBAND-MAIDの歌波が影響を受けているギターヒーローがサンタナならば、それではmidoriやmi-yaが影響を受けたギターヒーローは誰なのかって考えてみた結果→もしかしてX JAPANの影響があるんじゃあないかって。いや、さっきまで「海外志向ガー」って散々言ってたのに即矛盾してて申し訳ないのだけど、ナゼそのX JAPANからの影響、その可能性を感じたのか、それは2曲目の”The Apocalypse”を聴けば顕著で、この曲はKreatorをはじめとした往年のジャーマン・スラッシュを彷彿させるスラッシーなキザミ主体に展開し、サビではHalloween(キスケ期)の名曲”Eagle Fly Free”を彷彿させる、隙きあらば超絶ハイトーンをブッ込んでくるasamiの叙情的な歌をフィーチャーした、絶妙なストリングス・アレンジを効かせた王道的なジャーマン・メタルで、そしてこの曲の最後にツインギターでスリリングに弾き倒す場面があって、それが完全にX JAPANの”Silent Jealousy”の今はなきhideと今はなきPATAによる伝説のツインリードをフラッシュバックさせる。確かに、確かに小鳩ミクがせめて「サポートされる側」ではなく「サポートする側」としてギターを弾けるようになれば、さすがにツインリードまでやれとは言わないが、少なくとももっと違ったアプローチからBAND-MAIDの楽曲を彩る事が出来るんじゃあないかと思う。とは言え、現状の役割でも十二分にいい曲が書けているし、それこそバンメはLOVEBITESと違って「ギター重視」のバンドやジャンルでもないので、今さら無理にナニかを変える必要性は微塵もない。
「リズム隊対決」
ここまでは「ボーカル」と「ギター」の違いについて書いたが、実はBAND-MAIDとLOVEBITESを比較した時に最も大きな違いが現れるパートが「リズム隊」である。まずBAND-MAIDの魅力を語る上で欠かせないのが、ベースのMISAとドラムの茜のリズム隊の存在で、バンメはBPMの速い曲でもこのリズム隊主導のグルーヴ感やタイト感を押し出した、スピード感よりもあくまで「リズム重視」のバンド・サウンドを持ち味としている。一方でLOVEBITESのベーシスト兼リーダーのmihoとドラムのharunaのリズム隊は、以前まで一緒にバンドを組んでいただけあってその相性は言うまでもなく、mihoの指弾きベースが奏でるバインバインに力強い低音とharunaのクリス・アドラーさながらのパワフルなドラミングが織りなす、もはや「グルーヴ?知るかハゲ」みたいなヘヴィ・メタルならではのゴリゴリのスピード感を重視した、これぞメタルな「速さ」を全面的に押し出した、メタル・サウンドを作るうえで必要不可欠な強靭な土台で他を支えている。一見、フロントマンasamiの超絶的なハイトーンと歌唱力に依存しているように見えるLOVEBITESだが、その縁の下の力持ちとしてリズム隊の存在があることを忘れちゃあならない。確かに、BAND-MAIDは「ベースいるくね」の音楽だが、だからと言ってLOVEBITESは「ベースいらなくね」の音楽では決してない。
「おっぱい対決」
正直、全くタイプの違うバンドを比べること自体おかしな事だし、途中から自分でも「これ比較する意味ある?」とか疑問に思いながらも、ここまでの比較をまとめると、某メタル雑誌の某編集長や某セーソクや某キャプテンのオキニにされるのがLOVEBITESで、某メタル雑誌にスルーされるのがBAND-MAID、今年の国内最大の某メタルフェスのOPアクトに指名されそうなのがLOVEBITESで、某メタルフェスに呼ばれそうにないのがBAND-MAID、そして各パートの色んなところがバインバインに張り出しているLOVEBITESに対して、BAND-MAIDは誰かが突出するのではなく各パートが均衡したバランスタイプのバンドだと言うこと。で、これが最後に僕が導き出した「LOVEBITESにあってBAND-MAIDにないもの」であり、これまでの「ボーカル」や「ギター」や「リズム隊」の違い以上に両者を隔てる最も大きな違い...それが「おっぱい」だ。
これはもう確実に俺たち童貞メタラーを殺りにきてる「トンデモナイおっぱい」だ。まずこのMVを観ればひと目にしてその明確な「違い」が分かるはずだ。もうこれまでの比較なんてどうでもいい、この「おっぱい」こそ全てだ。平均的カップ数で比べる必要性はないくらい、もはやリーダーのmihoとドラムのharunaの「リズム隊」ならぬ「おっぱい隊」のカップ数だけで、既にBAND-MAIDの五人のカップ数を幾倍にも超越しているんだ。これはもう2曲目の”The Apocalypse”よりも殺傷力の高い、そしてどのパートよりも力強くバインバインに張り出している・・・これはもうとんでもない「おっぱい」だ。僕は今、この「おっぱい」に対して猛烈に感動している。でも待ってほしい、僕はこの「おっぱい対決」を通して一つ重大なことに気づいたことがある。それは、他ならぬ小鳩ミクの「セルフプロデュース力」だ。この対決で、小鳩ミクは自身の名前に合わせて「小鳩胸」を貫いていることに、つまりこの「大鳩胸VS.小鳩胸」における自らの立ち位置を理解したキャラ設定、そのLOVEBITESは元より他のバンメンバーですら敵わない、小鳩ミクによる「セルフプロデュース力」に僕は涙を抑えることができなかった。僕は、「小鳩」だからって「小鳩胸」を貫き通す小鳩ミクの営業努力にただただ涙していたんだ。ちなみに、mihoによるセルフライナーノーツによると、一曲目の”Don’t Bite The Dust”というタイトルは、mihoが好きな漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の4部の吉良吉影の能力でお馴染みの「バイツァ・ダスト」が元ネタになっている。まさかメンバーの中にジョジョ好きがいるなんて、しかもライナーノーツでジョジョや吉良吉影の名前を目の当たりにするとは思ってなかったから、素直に驚いたというか、素直に推せるというか、要するに僕は「日本一のジョジョオタ」なので多少の下ネタは許してくれるはずだ(謎理論)。
1~3曲目まではバンドの「こだわり」の一つとなる全編英詞だったが、EPのラストを飾る4曲目の”Bravehearted”だけは、このEPの中で唯一日本語歌詞で挑まれた曲となっていて、ボーカルのasamiはこれまでの超絶ハイトーンをフィーチャーした歌から一転して、それこそ彩ちゃんというかSHOW-YAの寺田姐さんに急接近する低域を効かせた力強い歌を披露する。面白いのは、英語で歌ってる時のasamiとはイメージがガラッと一変するところで、日本語歌詞だけあってEPで最も「日本的」というか典型的なジャパメタっぽさもあって新鮮に聴こえるし、同時に馴染み深い言語だからかどっかのタイアップ取ってこれそうなキャッチーさもある。英詞だけでなく日本語の歌詞もバリバリいけるのは単純にバンドの強みだと思うし、あらためてasamiのボーカリストとしての才能に驚かされる。
ここまで全4曲ともに、伝統的なヘヴィ・メタルやジャーマン・スラッシュなどの古典的なメタル愛に溢れ、その一方で90年代のヌーメタ以降のアメリカンなモダンさを内包した曲や「海外志向」と思いきやX JAPAN顔負けのシンフォニックなジャパメタありーので、とにかく、たった4曲だけなのにその熱量とスピード感溢れるメタル魂が炸裂しまくっている。欲を言えばミドルテンポの曲も聴いてみたかったが、デビュー作から海外エンジニアを迎えて本格志向のヘヴィ・メタルやってのける「ガチ感」は素直に推せるし、これでフルアルバムに期待しないほうが逆におかしいレベル。
1~3曲目まではバンドの「こだわり」の一つとなる全編英詞だったが、EPのラストを飾る4曲目の”Bravehearted”だけは、このEPの中で唯一日本語歌詞で挑まれた曲となっていて、ボーカルのasamiはこれまでの超絶ハイトーンをフィーチャーした歌から一転して、それこそ彩ちゃんというかSHOW-YAの寺田姐さんに急接近する低域を効かせた力強い歌を披露する。面白いのは、英語で歌ってる時のasamiとはイメージがガラッと一変するところで、日本語歌詞だけあってEPで最も「日本的」というか典型的なジャパメタっぽさもあって新鮮に聴こえるし、同時に馴染み深い言語だからかどっかのタイアップ取ってこれそうなキャッチーさもある。英詞だけでなく日本語の歌詞もバリバリいけるのは単純にバンドの強みだと思うし、あらためてasamiのボーカリストとしての才能に驚かされる。
ここまで全4曲ともに、伝統的なヘヴィ・メタルやジャーマン・スラッシュなどの古典的なメタル愛に溢れ、その一方で90年代のヌーメタ以降のアメリカンなモダンさを内包した曲や「海外志向」と思いきやX JAPAN顔負けのシンフォニックなジャパメタありーので、とにかく、たった4曲だけなのにその熱量とスピード感溢れるメタル魂が炸裂しまくっている。欲を言えばミドルテンポの曲も聴いてみたかったが、デビュー作から海外エンジニアを迎えて本格志向のヘヴィ・メタルやってのける「ガチ感」は素直に推せるし、これでフルアルバムに期待しないほうが逆におかしいレベル。
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