Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

2017年04月

MONDO GROSSOの『ラビリンス』が凄いという話

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おいらが国内で唯一認めてる女優って満島ひかりちゃんと今はなき能年玲奈(この二人を引き合わせなかった業界の罪は重い)、そんなおいらが満島ひかりちゃんのことを明確に認知し始めたのって、他ならぬ奇才園子温監督の最高傑作である『愛のむきだし』のヒロイン役で、そのバブみの深い存在感と体を張った凄みのある演技をひと目見た瞬間に、年下ながら「この子は間違いなく大物になる」とドヤ顔したのを覚えている。元々はフォルダー5とかいうダンスグループで一人だけ異質な存在感を放っていて、しかしその時は女優に転身するなんて、しかもまさか国内屈指の大物女優に化けるなんて思いもよらなかったのだけど、最近では江戸川乱歩ドラマシリーズの明智役他をはじめ、火曜ドラマ『カルテット』では椎名林檎が提供した主題歌で松たか子らとのデュエットを披露したりと、その存在感はCM界やドラマ界を中心に日に日に増すばかりで、更には名作映画『川の底からこんにちは』の某監督との離婚ですら「大物女優」としての箔付けにしかなってなくて、俄然惚れ直したというか、「やっぱ俺って見る目あるわ」ってなった。

ところで、一体なんでこんな話をしているのかというと、大沢伸一氏のソロプロジェクトMONDO GROSSOの約14年ぶりとなる新曲に、他ならぬ満島ひかりちゃんがボーカルとして参加してるからであって、しかもその曲がトンデモナイくらいイイ曲でサイコーなのだ。



今流行の水曜日のカンパネラをはじめとした、クラブ/ハウスミュージック系のダンサブルなトラックと満島ちゃんのほのかに幼さを残す透明感のある甘い歌声が織りなすアトモスフェリックなトリップ空間にソッと身を委ねたくなる、それこそ同郷である往年の安室奈美恵を彷彿させる、それこそ小室哲哉全盛だった90年代のエイベックスサウンドを彷彿させる懐かしのサウンドを展開する。"ラビリンス "の歌詞を手掛けたのは、東京スカパラダイスオーケストラの谷中氏で、2曲目にはサックスをフィーチャーしたレゲエ調の(DUBFORCE Mix)を収録し、3曲目の(Acoustic Mix)では文字通りアコギをフィーチャーしたハワイアンな曲調で、より満島ひかりちゃんのピュアでラブリーな歌声が癒し系に作用してて最高。この曲で毎日満島ひかりちゃんの歌声が聴けるってだけで嬉しみが深い。そして、こんなイイ曲を満島ちゃんに与えてくれた大沢伸一氏およびモンド・グロッソに感謝。

ポルカドットスティングレイ 『大正義』

02. ミドリ
03. シンクロニシカ
04. ベニクラゲ
05. 本日未明
06. 夜明けのオレンジ (大正義 ver.)

ポルカってよく見りゃブス、もとい「上坂すみれさん方式」で右斜45°からなら椎名林檎レベルの典型的な福岡女顔になるんだけど、そんな椎名林檎リスペクトな福岡女顔からオラついた巻き舌歌唱と、カッティングを駆使したトリッキーでリズミックな、ゲス以降のいわゆる「踊れるギターロック」を聴かせるテレキャスター・ストライプのMVが公開されると瞬く間に話題を呼んだ、マルチな分野で活躍するギタボの率いる超絶ハイカラギターロックバンド、ポルカドットスティングレイの1stミニアルバム『大正義』がもはや「売れる」予感しかしない件。



が尊敬してやまないトリコットのベーシストヒロミ・ヒロヒロがゲスト参加している今作は、アルバムのリードトラックとなる一曲目のエレクトリック・パブリックから、前作でポルカテレキャス】という自覚が芽生えたポルカ節全開の縦ノリを誘発するカッティングを主体に、しかしクラップを交えることでよりライブ感を意識したトリッキーなリフやギュンギュンなギターソロ、そして「脱椎名林檎」を図ろうかというような、ポルカのライバルとなるthe peggies的な大衆性(メインストリーム)とメジャー感を内包したの言葉遊びに富んだポップなボーカルやトリコット中嶋イッキュウリスペクトな脱力系のあゝコーラスワークまで、全ての音がエネルギッシュかつキレッキレで、この短い尺の中で緩急を効かせながら目まぐるしく展開していく。あの元メガデスのマーティ・フリードマンも激推しする”テレキャス”と比較して大きく違うのは、半ば強制的に椎名林檎の存在を意識させる一種の「クセ」を徹底的に排除し、よりメジャーシーンを的確に捉えた「ポップバンド」としての存在感をマシマシにアピールしている所だ。

ポルカって実はフロントマンのよりも、ギタリストエジマハルシ君が繰り出すメタル耳にも馴染む超絶怒涛のギタープレイが生命線だと思うのだけど、それを証明するかのような2曲目の”ミドリ”は、あらためてトリコットイッキュウ中嶋リスペクトなのぶっきら棒な一種の喜劇役者の如しボーカルワークを披露しつつも、エジマ君によるイントロの雨の日のように内相的なシティポップ感溢れるリフとサビのスリリングなバッキング、そして「お前はJanne Da Arcのyouちゃんかよ」とツッコミ不可避な流麗なソロワークまで、とにかくポストハードコア界のレジェンドThe Fall of Troyをはじめ、CHONSithu Aye、そしてPliniをはじめとした今流行の海外インスト勢にも精通するギターの音像や音のトーンというのが絶妙で、これだけで彼のギタリストとしての類まれなる才能を垣間見ることができるし、それこそマーティ・フリードマンがこのポルカに注目する主な理由って、他ならぬ彼のギターセンスにある。

一曲目と双璧をなすアルバムのリード曲となる3曲目の”シンクロニシカ”は、ポストハードコア然とした轟音をカチ鳴らすイントロから、ポルカらしいトリッキーなカッティングでスピーディに展開し、センチメンタルでありながらも衝動的なのボーカルとリヴァーヴを効かせたバッキングのギターが絡み合うサビ、そしてフュージョン/プログレ界隈のレジェンドギタリストばりにシブみの深いソロワークやヒロミ・ヒロヒロのキレッキレなベースラインを最大限に活かしたダイナミックでプログレスな展開力まで、その刹那的な世界観や音作りまで全てが凛として時雨リスペクトなキラーチューンで、正直ポルカの王道とは全く異なるタイプの曲調も書けるなんて思ってなかったから、これには意表を突かれたというか、初めて聴いた時は2秒で「はい推せる」ってなった。とにかく、この曲は一種の「ポストV系メタル」と言っても過言じゃあないし、それくらいエジマ君のギターが完全にメタルだし、特にアウトロのギターソロとか「どんだけソロ弾くんじゃコイツ最高かよ」ってなったし、ますますエジマくんの「ギターヒーロー」およびギタリストとしての「こだわり」や「ルーツ」が誰に、そしてドコにあるのか俄然興味が湧いた。正直、現時点で凛として時雨のサポートできる実力はあります。こんなん絶対にピエール歓喜するわ。どうせならヒロミ・ヒロヒロ345みたいに歌わせたらネタ的に面白かったかもしれないw

一曲目で「脱椎名林檎」と言ったな?ありゃ嘘だ。そもそも、このポルカをはじめ、トリコット赤い公園きのこ帝国を筆頭に、いわゆるガールズ系バンドで椎名林檎の影響を受けていないバンドを探すほうが逆に難しいくらい、その椎名林檎と同郷のポルカが影響を受けていないわけがなくて、むしろ逆に椎名林檎愛が暴走する4曲目の”ベニクラゲ”は、あざといくらいに林檎リスペクトなジャジーでアダルティなアレンジで聴かせるバラードで、雨のSEをバックにのアカペラで始まるメンヘラ感全開の導入部から、全体的に黒盤の頃の初期赤い公園を彷彿させるリフレインでゆったりとほの暗いムードで展開し、それこそ「#椎名林檎の後継者なの佐藤千亜妃やイッキュウ中嶋じゃなくて私だ」とツイッターにハッシュタグ付けてツイートしてそうな、まるで全盛期の鬼束ちひろばりに凄んだ歌唱法で不幸な女を演じきるからは、それこそ福岡出身の伝説のメンヘラSSWことYUIの存在、そのトラウマをデジャブさせ、つまり椎名林檎→YUIに次ぐ福岡女の系譜、福岡女特有の「メンへリズム」という名の伝統芸能を受け継ぐ現代のアイコンこそポルカだ。少なくとも、現状ではフロントマンとしての魅力や才能はイッキュウ中嶋を余裕で超えちゃってます。

ポルカのことを「ポップバンド」だと強調する。その言葉に未曾有の説得力を植え付ける5曲目の”本日未明”は、ファンキーなギターやイマドキな感じの零のボーカルまで、それこそ「これがメジャーだ!」みたいな爽やかなドポップチューンで、さっきの曲との振り幅がもの凄いし、ポルカだけにポルカリスエットのCMタイアップ取ってこれそうなレベル。しかし、ここまで色んなことやってきて、最後にこのポップソングを持ってこれるのはバンドの強みか、はたまた弱みか。6曲目には2015年の限定シングル”夜明けのオレンジ”の大正義版を収録し、6曲6色のポルカワールドを繰り広げている。

基本的な音は一昔前に流行ったマスロックをベースにしているんだけど、いわゆるマスロックというジャンルからイメージされるような変拍子を駆使した変態的な要素は皆無で、あくまでのバンドの最前提には「ポップス」があって、極端に例えるならトリコットから変拍子とメンヘラ臭い毒素をぶっこ抜いて、その代わりに「ポップス」の要素をブチ込んだようなバンドで、特にこのミニアルバムではYUKI矢井田瞳などメジャーな「J-POP」をしっかりと勉強してきたのが凄く伝わってくる内容で、前作のEPとは比べ物にならないアレンジ力の高さと個々のスキルアップとともに、とにかくサウンド面のメジャー感がグッと増している。初のミニアルバムだからと言って初期衝動的な特別なナニカがあるというわけではなくて、そこには綿密に計算された成熟感すら漂っている。これが「メジャー感」とやらなのか?

椎名林檎以降のJ-POP、凛として時雨以降のポストハードコア/マスロック、ゲス以降の「踊れるギターロック」を経由して、そして今のメジャーで活躍するポップ・ミュージックの中にパッケージングした、露骨に「売れ線」を狙ったぐうの音も出ない「ザ・売れ線」なのを頭で理解していながらも、「正義と踊れ」と命令されたら踊らざるをえない、その謎の説得力ったらない。伊達に2017年の「ネクストブレイク」とメディアから激推しされてない、その確かな才能に裏打ちされた高濃度の楽曲陣は、まさに「大正義」としか他に例えようがない。これは売れるわ。これは右斜45°からライブが観たい。

危惧することは、このままポルカが更にメジャー化しいていくにつれて、本当に「ただのポップバンド」になってしまわないかという事で、何度も言うけどポルカの魅力って、見せかけの「ただのポップバンド」かと思いきや、無駄にというか想像以上にギターがガチってたり、バッキングのリフがやけにカッコ良かったり、そして何よりもギターソロがメタル臭かったりする所で、確かに今後ポルカがどの方向性に進んでいくのか現状未知数ではあるが、そのバンドの生命線であるエジマくんのギターを蔑ろにしない限りは、最低限レベルでポルカの作品を聴き続けることはできそう。まぁ、その辺の「超えちゃいけないライン」は零もよく理解していると思うので心配ご無用か。

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【第4回】マーティ・フリードマン、Spotifyを更新する【ポルカ】


元メガデスのギタリストマーティ・フリードマンSpotifyによるメタルジュークボックス企画の第四弾となるプレイリストが更新された。

マーティってこう見えて自分で作った曲が大好きな人で、今回も一曲目から自身の最新アルバム『Inferno』からSkyharborKeshav Dharとフィーチャリングした”Steriodhead”で幕を開け、続けて二度目の来日公演を控えるイケメン軍団Polyphiaと来日経験のあるPliniというモダンなインスト勢を立て続けに聴かせる「ギター推し」の流れは、今回のプレイリストの目玉でありマーティらしい「ブッコミ」が炸裂する伏線となっていることを、あの日見た名前を僕達はまだ知らない。

以降は、マーティの「オリジン弁当じゃいですけど」とかいうダジャレが炸裂するOriginやイタリアのHour of Penanceという恒例の隙きあらばテクデスぶっ込みつつ、入国拒否を食らって話題のラウドネスや台湾の国民的メタルバンドソニックに対しては→マーティ「ドリスたんたまんない」。そのアジア勢以降は、徐々に邦楽色の割合が強くなっていき、The Birthdayやエレカシ、MIYAVIやVersaillesのV系勢、松田聖子などの国内勢の中で、今回のプレイリストの幕開けの「ギター推し」の伏線を回収するのが、他ならぬポルカドットスティングレイだ。



このポルカドットスティングレイは、2017年の「ネクストブレイク」に最も近い存在として各メディアから猛プッシュされている超絶ハイカラギターロックバンドで、しかし全開のブンブンサテライツといいい、1stミニアルバム『大正義』が発売される絶妙なタイミングでブッ込んでくるマーティの先見性ったらないし、今回海外ギターインスト勢から始めることで国産ギターロックのポルカを違和感なくプレイリストに馴染ませるマーティの粋なDJセンスに脱帽する。ギターロックはギターロックでも、トリコットじゃなくてポルカなのがミソ。そんなマーティも激推しのポルカは今年ブレイク間違いなしです。自分も本日リリースされたアルバムをフラゲして聴いてるけど、予想以上にいい感じです。特に3曲目は延々リピートできる。

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Darkest Hour 『Godless Prophets & The Migrant Flora』

Artist Darkest Hour
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Album 『Godless Prophets & The Migrant Flora』
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Tracklist

01. Knife in the Safe Room
02. This Is the Truth
03. Timeless Numbers
04. None of This Is the Truth
05. The Flesh & the Flowers of Death
06. Those Who Survived
07. Another Headless Ruler of the Used
08. Widowed
09. Enter Oblivion
10. The Last of the Monuments
11. In the Name of Us All
12. Beneath It Sleeps

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現代メタル界を代表する「秋葉系男子」と言えば、今をトキめくDEAFHEAVENのギタリストことケリー・マッコイだが、その「秋葉系男子」の先駆者的な存在である「元祖秋葉系キモロンゲメガネ」ことジョン・ヘンリー率いる、1995年に結成されたワシントンDC出身のDarkest Hourは、初期の頃こそデスラッシュ系のバンドとして活動するが、2005年作の4thアルバム『Undoing Ruin』と2007年作の5thアルバム『Deliver Us』では、「秋葉系DT男子」だけにdtことDark Tranquillityなど北欧メロデスからの影響を色濃く受けた、いわゆる「メロディック系メタルコア」の金字塔となる作品を立て続けにドロップし、As I Lay DyingKillswitch Engageと並んで00年代のメタルコア繁忙期を支えたバンドとしてその地位を確立する。しかし、2013年にアズアイのボーカリストことランベシスが元嫁に対する殺人教唆罪で逮捕されて以降、メタルコアというジャンルはメタル界の黒歴史として闇へと葬り去られ、その煽りを受けたメタルコアバンドたちは露頭に迷うこととなる。メタルコア全盛を支えたこのDHも例外ではなく、代表作となる4thと5th以降はアルバムを出す毎に、ジョンのトレードマークだったメガネやキモロンゲやオタファッションをやめて徐々に「脱オタ」していく。それに伴って、バンドの音も脱メタルコアを図るようにして徐々に垢抜けていき、そして2014年にSumerian Recordsから発表されたバンド名を冠した表題作のDarkest Hourでは、「ポスト・メタルコア」として10年代のメタルシーンにムーブメントを起こした「Djent」とかいう、それこそPeripheryを代表とするスメリアン仕様のエモくてモダンな流行りのスタイルへと様変わりしてみせ、つまり「メタルコアバンドとしてのプライド」を捨てて、逆に開き直って「流行り」に媚を売ることで、一時期の迷走期間から「脱童」することに成功する。

アルバムを出す毎に変化していく彼らの多彩な音楽性、その幅広さに習って、ここ最近は1作ごとに違うレーベルから作品を発表してきた彼らが、約三年ぶり通算9作目となるアルバムをリリースするにあたって選んだレーベルこそ、アンダーグラウンド界の名門レーベルで知られるSouthern Lordだった。そのSouthern Lordといえば、レーベル創設者であるグレッグ・アンダーソン率いるSunn O)))をはじめ、最近では新世代スラッシュのPower Tripが在籍している事でも有名だが、それというのも、実はPower TripのフロントマンRiley Galeの歌い方を初めて耳にした時に真っ先に思い出したのが、他ならぬDarkest Hourのキモロンゲで、まさかこのタイミング、こんな形で両者が繋がるなんて思いもよらなかった。

その作風も、約17年前のデビュー当時に立ち返ったようなハードコア路線へと回帰するかの如く、エモいクリーンボイス中心だった前作に対して今作は極悪なスクリーム中心、かつ北欧メロデス特有の叙情的なフレーズも皆無に近く、あくまでもオーガニックなアメリカン・ハードコアを最後まで貫き通している。それは幕開けを飾る一曲目の”Knife in the Safe Room”から顕著で、キモロンゲによるブラッケンド・ハードコア直系の極悪ボイスを筆頭に、同じくSouthern Lord所属のBlack BreathTrap Themを連想させるクラスト/ハードコア・パンク直系のカオティックなサウンドを展開し、挨拶がてら咆哮高らかにサザンロード入りを宣言する。そして、後半のハイライトを飾る9曲目の”Enter Oblivion”では、それこそサザンロードの専売特許であるドローンドゥーム然としたダーティかつヘヴィな、実にアンダーグラウンドな本格サウンドを繰り広げる。

流行りのオーバーグラウンドな作風から一転して、今作では流行りとは程遠いアンダーグラウンドな作風に様変わりする、こんな落差あり過ぎな事やっちゃう、やっても許されるのはDHの特権だし、そのあらゆる音楽ジャンルに精通し適合(適応)する柔軟性こそDHの真骨頂だし面白さでもあり、とにかく今作でも毎作違った目線(アプローチ)から曲作りする「オタク」ならではの繊細さと器用さを垣間見せている。メタルコアブームが去って、メタルコアという過去のジャンルに囚われることなく、自らの音と真意に向き合い、プライドを捨ててバンドの可能性と未来を探求し続け、数々の修羅場をくぐってきたベテランとしての貫禄を帯びた今のDHの格好良さったらない。今の彼らには、童貞だった「秋葉系男子」の面影はない。
 
GODLESS PROPHETS & THE MIGRANT FLORA (ゴッドレス・プロフェッツ & ザ・マイグラント・フローラ: +2 bonus tracks)
DARKEST HOUR (ダーケスト・アワー)
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【4/9】 ンアルセストゥ 『いいにおいのするALCEST JAPAN TOUR 2017』@名古屋Rad Seven

「ANATHEMAの新譜に伴うツアーに抜擢されたAlcestすごい」
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「そんなAlcestと対バンするVampilliaすごい」 
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「そんなVampilliaのライブを3回観る俺すごい」

・・・僕はそんな謎理論を展開しつつ、2014年に4月に開催された前回の来日ツアーから約二年ぶり通算三度目となる、フランスの貴公子ンネージュゥ率いるAlcestのジャパンツアーに行ってきた。基本的にAlcestの来日ツアーって、初来日となる2012年のツアーから謎の音楽集団Vampillia主催の「いいにおいのする」シリーズに招待される形で来日公演を行っていて、三度目となる今回のツアーもVampilliaの招待があって実現したツアーだ。

自分の中でのVampilliaって、それこそ新生アイドル研究会BiS戸川純とコラボした『the divine move』と実質1stフルアルバムの『my beautiful twisted nightmares in aurora rainbow darkness』というダブルアルバムを聴いて以降時間が止まってて、ここで僕と同じく「最近のポンピリャ~って何してんの?」と疑問に思ってる人の気持ちを代弁すると、最近のエビフリャ~といえば、派生バンドのVMOを立ち上げたり、二年前に縁があった戸川純と再び本格的なコラボアルバムをリリースしたり、そのコラボがてら漫画『ハンターハンター』の作者で知られる冨樫先生にイラストを描いてもらったりしてて、これには「もっと仕事選べよ富樫、つうか仕事しろ富樫、あっ、仕事してんのか富樫」ってツッコんだ憶えがある。

そんなポンピリャ~の本日の予定は、本来なら意識高い系フェスでお馴染みの『After Hours'17』に誘われて出演する予定だった(きっと、きっとそうに違いない)、そう、きっと誘われている「ハズ」だったその豪華イベントを蹴ってまで、このンアルセストゥを名古屋に連れてきてくれたエビフリャ~には改めて感謝の言葉を贈りたい。

7時に開演すると、まずベースのミッチーがステージに出てきて「漫談でも始めんのか?」って思いきや、「いつもセトリが変わらないヴァンピリアだけど、今日は新しいアルバムに収録される新曲二曲を初披露するよ」とのミッチーによる前説があり、そして竜巻太郎氏と吉田達也氏のツインドラムを携えたエビフリャ~の面々が登場。一発目はお馴染みの曲で、モンゴロイドの咆哮や男の娘の喘ぎ声、ヴァイオリンのお姉さんやピアノの先生、いつものギターとベース、真部(行方不明)そしてツインドラムを駆使した、いわゆる「静と動」のコントラストと緩急を効かせた超絶怒涛のサウンドスケープを展開する。やはり、この日本でンアルセストゥ-スタイルに唯一対抗できるバンドはエビフリャ~しかいないと再確認させられた。

僕自身、ポンピリャ~のライブを観るのは前回のンアルセストゥ来日ツアーの時以来、今回で三度目となる。とは言え、今日のポンピリャ~は全部で6曲か7曲披露したセトリの中で、僕が認識できた曲は一曲目と名曲"endless summer"くらいで、だから僕にとっては知らない曲=新曲みたいなもんで、だからどれが前説でミッチーが言ってた新曲なのか分からなかった。けど、2曲目はモンゴロイドがデフヘヴンっぽくて激しかったし、3曲目はマスロックなアプローチあったりして、とにかく本日披露した全曲良かったから新譜はかなり期待できると思う(適当)。あと、ここまで近い距離でポンピリャ~のライブを観たのは初めてだったから、ヴァイオリン弾きのお姉さんの美しみに惚れたし、いつヴァイオリンの弓がモンゴの頭に突き刺さるかヒヤヒヤしたというか、よくあんな狭い空間でお互いに接触せず激しいパフォーマンスできるな、って妙に感心してしまった。正直、今日のポンピリャ~は過去に観た二度のライブを余裕で超えるくらいのベストライブだった。

「ンアルセストゥマジビッグ・イン・ジャパン」

お次はお目当てのンアルセストゥの出番だ。このンアルセストゥもヴァンピリアと同じでライブを観るのは三度目だ。この日は日曜日で、いくら名古屋と言ったってンアルセストゥの出番が始まる前にはスタッフから後ろが詰まってるから前に詰めてください的なアナウンスがあったくらい、フロアはほぼ満員御礼で、俄然「ンアルセストゥマジビッグ・イン・ジャパン」ってなった。

8時半に開演。カーテンが開くと地べたに座ってるネージュの後ろ姿が完全に女形にした見えなかったのと、立ち上がって正面を向いたネージュが手にしているのは、他ならぬ白のフェンダー・ジャズマスターのシングル・コイルだ。そして、新作『Kodama』のエンディングを飾る”Onyx”をライブのオープニングとして幕を開ける。

『会場の僕ら』
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そのオープニングに次いで始まったのが、他ならぬ『Kodama』を象徴する表題曲の”Kodama”だ。なんかもう、白いジャズマス抱えて2:54ばりのガリガリしたダーティなリフを弾き倒すネージュが完全に90年代のオルタナ系のギタリストにしか見えなかったのと、というかもう完全に「オルタナティブ・ロックバンドとしてのAlcest」のソレだった。Winterhalterによる力強いリズムを刻むドラミングをフィーチャーしながらダイナミックに展開しながら、宮﨑駿の最高傑作である『もののけ姫』ばりの崇高な世界観を描き出し、それはやがてシシ神となってステージ上に舞い降り、ほぼ満員の会場にいる僕たちは森の妖精「コダマ」となって「わーい!シシ神様だー!」と狂喜乱舞する。もう完全に俺ら『もののけ姫』に出てくるコダマだったわ。

『Kodama』は、これまでの作品とは違ったアプローチで挑まれた作品で、その中でも特にドラマーのWinterhalterはロック然としたグルーヴ感やポストパンクばりに跳躍感溢れるリズムを刻んでいて、そんな彼の活躍が顕著に現れた2曲目に披露された”Je Suis D'ailleurs”をライブで聴いたら、俄然そのドラムビートとグルーヴ感を体全体で感じることができたし、改めて『Kodama』の中に込められたAlcestの生々しいオーガニックな部分がより立体的に具現化して見えた。

その新譜からの流れで、2ndアルバムの”Écailles de lune - Part 2”へと違和感なく繋いでみせる。やはり、『Kodama』に最も近いイメージを持つ2ndアルバム『Écailles de lune』との相性はグンバツだ。次に3rdアルバムから”Autre Temps”でシンプルかつキャッチーに盛り上げる。

そして再び「オルタナティブ・ロックバンドとしてのAlcest」を垣間見せる、新譜から”Oiseaux de Proie”とライブのハイライトを飾る”Eclosion”を立て続けに披露。こう新譜からネージュのスクリーム連発されると本当にAlcestが帰ってきたんだって感慨深くなる。その後は、再び2ndアルバムから”Là où naissent les couleurs nouvelles”、そして前回のライブから恒例となった4thアルバム『シェルター』から”Délivrance”で一人ずつ退場していく謎の感動を呼ぶ演出を最後に、トータル約70分におよぶライブは幕を閉じた。で、アンコール待ちの時にようやくネージュが出てきたかと思ったら手首の空時計を指差して「ジカンマジヤバイ」みたいなアピールしだして、結局ハコの時間の都合でアンコールは演らずに皆んなで記念撮影して終わった。これは毎回思うんだけど、Alcestのアンコールやりそうやらない雰囲気ほんと苦手。

Alcestの凄いところって、新譜の『Kodama』で往年のンアルセストゥ-スタイルに回帰しているように見えて、実はこれまでにない全く新しいアプローチから曲作りしてる所で、このライブでは往年のンアルセストゥと全く新しいシン・ンアルセストゥが共存する姿を、それこそ『もののけ姫』のテーマのように、人と人が、人と動物が、そして人と自然が共存する、人類が目指すべき社会を訴えかけるようだった。そういった意味でも、過去二回のライブとは間違いなく一線をがしたライブだったと言える。

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