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個人的に、「いま最もライブが見たいアーティスト」の一つであり、シン・サブカルクソ女界の女王ことコムアイ率いる水曜日のカンパネラが11月16日の水曜日(おは水)にZepp名古屋で行ったワンマンツアーを観てきた。

ここ最近の水曜日のカンパネラといえば、「今が売り時(チャンス)や!!」とばかりMステ出演ブーストを皮切りに、遂には女優デビューまで、今やコムアイの顔を見ない日がないってくらい怒涛のメディア攻勢を仕掛けている。そのMステでも垣間見せた、放送事故一歩手前の奇妙奇天烈な演出が単独ライブでどうなっちゃうのか?一種の怖いもの見たさみたいなのがあって、まさにこのタイミングでのライブツアーは個人的にまたとない機会だった。

まずフロアの入り口から「ナニかヤバい予感」を予感させる。開演すると謎の電波系のSEが鳴り響き、そして直ぐにその「ナニかヤバい予感」が的中することとなった。ステージ上の特殊な形状をしたスクリーンにいわゆる中継カメラ的な演出でコムアイの姿を映し出し、「一体ナニが起こっているんだ!?」と不意を突かれているうちに、2階席にモップを担いだコムアイが登場すると、新曲の”アラジン”のトラックが鳴り響くなか会場は一気にドヨメキだつ。コムアイが2階席から姿を消したと思うと、今度はフロアの入り口から1階に登場し、厳重なボディガードを引き連れながらフロアを練り歩き、そして最後はちょうど自分が観ていた左のスピーカー側へと到着し、涼しげな顔で自分の真横を颯爽と通り過ぎていったコムアイを呆然と見つめながら僕は・・・

「そんなに自由かッ!?」

ってツッコんだ。

その全く予想だにしないコムアイの出オチな登場にド肝を抜かれるというより、むしろ唖然とするしかなかった。それ以降も、その直後の”イエティ”では雪男が担ぎ上げられながらフロアに降臨したり、それと同時に巨大なバルーンというか風船もフロアに投げ込まれたり、”チュパカブラ”では犬神家の逆さ足みたいなんが生えた神輿に乗ったコムアイがフロアを練り歩いたり、更にシャッターチャンスとばかりスマホで写メ推奨したり、最後の”桃太郎”ではきび団子と一緒に味噌投げ始めたり、コムアイがジャイアントバルーンに入ってフロアをゴロンゴロンしたり、なんかもう「う~ん・・・そんなに自由かッ!?」とか何回もツッコミ入れながら、とにかく開演から数十分もしないうちに奇想天外摩訶不思議な水カン・ワールドが終始炸裂しっぱなしで、これはもはや「ライブ」というより一つの「ショー」ではない「アトラクション」だと思ったくらい。

こう大掛かりな演出だけでなく、わりとMCもあっったりして、匂いフェチの話から8×4持ちのガチ勢が登場したのはウケた。あと今回のツアータイトルの「SUPERMAN」は、日本あるいは世界を良くする若い人が現れてほしいという願いが込められた、実にコムアイらしいというか、コムアイの意識の高さを垣間見せるMCだった。あとコムアイが業界の話やどこの事務所が怖いみたいな話を名古屋の伍味酉でしてたとか、なんか間接的に「売れた」アピールしてたけど、それはZepp名古屋ソールドアウトさせてから売れた自慢しろよと思った。実際、今日の客入りは多く見積もって七割の集客だったし、来年の武道館公演の宣伝もしてたけど、その「とりあえず武道館」みたいなノリや新曲音源のスパンの短さから浮き彫りになる質の低下をはじめ、今のカンパネラは少し生き急いでるカンは否めない。どうやら武道館前にはアルバム出す予定とかなんとか。正直、今のカンパネラは少し浮足立ってるカンというか、ここ最近のMステブーストをもってしてもZepp名古屋をソールドアウトにできないという事実と向き合って(名古屋マジ魔境)、もう一度地に足をつけて物事を慎重に捉えるべきなんじゃあないかって。

話を戻して→正直聞きたかった曲というか鬼ヶ島厨的に知ってる曲が半分くらいしかなかったセトリなのにも関わらず、つまり初見でも視覚の演出込みでノリノリに楽しませる懐の深いライブ・パフォーマンス、それこそコムアイが初めのMCで女子供にステージが見えるように配慮させた事に集約するというか、そこに水曜日のカンパネラの将来的な「可能性」が秘められている気がしてならない。だから老若男女問わず、一度くらいは見て損はないライブだと思うし、今のコムアイキテるカンの波に乗れたのは本当に良かった。しっかし、間近で見るとコムアイって本当に貧乳ってレベルじゃねぇぞ。

セットリスト
1.アラジン
2.シャクシャイン
3.ディアブロ
4.イエティ
5.ライト兄弟
6.ナポレオン
7.チュパカブラ
8.ツイッギー
9.ウランちゃん
10.ユタ
11.カメハメハ大王
12.ラー
13.ミツコ
14.ユニコ
15.松尾芭蕉
16.桃太郎