Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

2016年03月

CHON 『Grow』

Artist CHON
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Album 『Grow』
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Tracklist

01. Drift
02. Story
03. Fall
04. Book
05. Can’t Wait
06. Suda
07. Knot
08. Moon
09. Splash
10. Perfect Pillow
11. Echo
12. But

ハルヒ「キョーーーーーーーーン!!」 011404

「・・・呼んだ?」
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キョン ・・・正直このネタやりたかっただけ、みたいな所ある。まぁ、それは兎も角として→近頃賑わいを見せはじめているインスト界隈、いわゆる"オシャの会"に新しく入門してきた、カルフォルニア州はオーシャンサイドを拠点に活動するサンディアゴ出身の三人組、キョンSumerian Recordsからリリースされた1stアルバム『Grow』がメチャクチャオシャい件。
 
ポストtoe ・・・自分の中で、インストって聞いて真っ先にイメージするのは、USのScale the Summitみたいな、いわゆる"プログレ・メタル"をベースにしたインストバンドが多い中で、このキョンがやってる音楽性っつーのは、その手のメタル系のインストとは一線を画した、日本を代表するインストバンドtoeの影響下にあるマスロック然としたインテリジェンスな変拍子を組み込んだインストで、いわゆるオシャ会の中では最もオシャンティなインストバンドと言える。

インスト界のホープ ・・・まずオープニングを飾る#1を皮切りに、まるでオシャ化したProtest the Heroばりのオシャピロな幕開けから始まる#2”Story”は、まるで傷心した心の傷跡を小指で上からなぞるような、少しくすぐったい甘味な胸きゅんメロディとマスロック然としたリズム感が心地よい音空間を形成し、途中にジャズ/フュージョンライクなソロワークを織り込みながら、そしてシャシャシャシャーンというシンバルからの中盤以降のインプロ感溢れるポストロッキンなパートは日本のtoeさながらのリリカルな展開力を披露。イントロからマスロック然とした変拍子を駆使したグルーヴを弾ませる#3”Fall”は、転調以降のCynicExiviousばりに瞑想不可避なオシャ夢想に癒やされる。それ以降もジャズ/フュージョン志向のオシャンティなマスロックが続くのだけど、その中でも特に目を見張るものは、やっぱりハイライトを飾る#5”Can't Wait”や#11”Echo”などのボーカル入りの楽曲で、特に#5はサンディアゴ自慢の西海岸のビーチに吹き込む浜風を運んでくるかのような、toeの山崎氏リスペクトなボーカル主体の甘酸っぱくてちょっと切ない、新しい学園生活に馴染めないでいるティーンエージャーの刹那的かつ純真無垢なキモチを謳った青春オルタナソング。#10の”Perfect Pillow”は、今作で一番エッジの立ったScale the Summit系のインストで後半の絶妙なアクセントを施している。 初期toeの魂を受け継ぐかのような無垢で繊細で素朴なメロディセンスは、彼らキョンの最もたる魅力の一つで、そらスメリアンも黙っちゃあいないよなって『納得』させるほど、とにかくインスト界のホープと呼ぶに相応しい一枚となっている。
 
Grow
Grow
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Chon
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Intervals 『The Shape of Colour』

Artist Intervals
バルス

Album 『The Shape of Colour』
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Tracklist
01. I'm Awake
02. Sure Shot
03. Fable
04. Sweet Tooth
05. Black Box
06. Slight Of Hand
07. Meridian
08. Libra

バルス! ・・・カナディアンジェント、Intervalsの2ndアルバム『The Shape of Colour』。2014年に発表したデビュー作A Voice Withinは、現Raunchyのボーカリストでex-The Haarp Machineで知られるマイクのUKメロコア然としたハスキーでエモーショナルなボーカル・パフォーマンスと、ジャズ/フュージョンやPost-系をはじめ多彩なアレンジを効かせたオシャンティなプログレッシブ系ジェントが高次元で融和した、それこそ2015年に解散を発表したUKエモ/ポストハードコア界のレジェンドFuneral for a Friendをジェント化したような、すこぶる良質なジェントコア作品だった。

雇われ ・・・オワコンと囁かれる昨今のジェント界を盛り上げるウレピー出来事といえば→界隈を牽引するUKのTesseracTが”ジェントは雇われ”というオキテを忠実に守り、目出度くダニエル・トンプキンス君が復帰したことだ。そんな追い風を受けて、そのジェント界で引っ張りダコの雇われ系男子ことMichael "Mike" Semesky擁するIntervalsの新作には俄然期待がかかる。まず1曲目の”I'm Awake”から、現代のギターヒーロートシン・アバシ率いるAnimals As Leadersをソフト&カジュアルにしたような、スタイリッシュなリフ回しで聴かせる爽やかなインストで、次の曲に期待がかかる。2曲目の”Sure Shot”は、前作でも垣間見せた静と動のコントラストを効かせたソリッドなインストで、次の曲に俄然期待がかかる。3曲目の”Fable”は、いわゆる「3度目の正直」ということで、今度こそマイクの歌声が入ってきた思ったらケニー・Gもビックリのサックスだった。4曲目の”Sweet Tooth”は、バケツ野郎ことBuckethead顔負けのユニークなギターの中にアコースティックなアレンジが光るインストで、次の曲に期待がかかる。5曲目の”Black Box”は、メロデスばりのハモリを見せる叙情的なツインギターが聴きどころのインストで、次の曲に期待がかかる。6曲目の”Slight of Hand”は、再び音のメリハリとアコギを取り入れた、そして見せ場のGソロからのアウトロの美メロという繋ぎの展開が見所のインストで、次の曲に期待がかかる。7曲目の”Meridian”は、まるで真っ白なキャンパスにアー写のようにカラフルな絵の具をぶち撒けたようなドチャクソエピカルなインストで、次こそはボーカル入の曲に期待がかかる。ラストを飾る”Libra”は、中盤のアトモスフェリックな音響パート以降の展開が素晴らしいインストで・・・

「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」

バルス

オシャの会 ・・・気づくのおせーよって?へへへ。とにかく、またしてもジェントのボーカルは雇われの身であることを裏付けるような脱退劇で、しかもボーカルのマイクだけに留まらず他のメンバーも脱退し、残るは中心人物であるギタリストのアーロンただ独り。今作は、そのアーロンによるインストアルバムで、言うなればScale the Summitをはじめ、ジャニーズ系インストのPolyphiaPomegranate Tiger、今作にもゲスト参加しているPliniSithu Aye、そしてCHONなど、近頃賑わいを見せ始めているこの手のインスト集団、すなわち"オシャ会"の仲間入りを果たした一枚であると同時に、歌なしのインストでもイケちゃうバルス!のポテンシャルを垣間見せた一枚でもある。まるで十人十色ならぬの百人百色な図形が積み重なって、シャープなデザインと現代的な音像をもってカラフルなモダンアートを、それはまるで希望の虹を白いキャンパスに描き出し、そして万華鏡の如し無限に輝き放つ。とにかく純粋で前向きなメロディ、とにかく明るい安村ばりのメロディ重視のメロコア系インストで、確かにジェント成分は控えめだが、オシャフレーズや前作で随所に垣間見せていた流麗なソロワークを織り交ぜながら、約34分一気に駆け抜ける様は爽快感しかない。それもそもはず、Protest The Heroで知られるベーシストとex-Periphery現Darkest Hourのドラマーという実績のあるメンツをスタジオメンバーとして迎えているだけあって、音のグルーヴやアンサンブル、キレと疾走感を生み落とすその演奏技術にはぐうの音も出ない。正直なところ、ジェント界の良作請負人またの名をジェントクラッシャーことマイクがバンドを去って、一時はどうなるかと思ったけど、いざ蓋を開けてみると「安心してください、普通にカッコええインストやってますよ」。

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