Welcome To My ”俺の感性”

墓っ地・ざ・ろっく!

2011年11月

WHIRR 『Distressor』 レビュー

Artist Whirr
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EP 
Distressor
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Track List
01. Preface
02. Leave
03. Blue
04. Ghost
05. Meaningless
06. Child
07. Sandy
 
Daymare Recordingsから国内盤のリリースがメデタく決まった、USカルフォルニア州はサンフランシスコ出身のハイブリットUSBMことDeafheavenの(Gt)ニックが在籍する、同じくカルフォルニア州はオークランド生まれのシューゲイザーバンド、その名もWhirr(前Whirl)の昨年リリースされたEP『Distressor』が、この界隈の二強であるマイブラとSlowdive直系の王道シューゲ・ポップをやってて結構ツボなんだけど、そのスタイルとしては、Voビアンカ・ムニョス嬢の儚くもキュートでkawaii甘声と、ノイジーな歪み具合がまさにdeafheaven譲りなギターの轟音ノイズが雪崩のように聴き手のカラダに押し寄せ、その温もりに溢れた音の結晶を一度でも浴びてしまったら最後、胸キュンした俺たちの心は猛吹雪の中で永久に遭難信号を発し続ける・・・。

 イントロちっくな#1に始まり、ヒンヤリと気持ちのいい仄かな荒涼感がメランコリックな青春ポップ世界へと誘う#2”Leave”、初っ端から肉厚の轟音ノイズが耳に襲いかかる#3”Blue”、その儚さに心奪われ胸キュンしてしまう事ウケアイな#4”Ghost”、トレモロ・リフとパンクを掛け合いながらの#5”Meaningless”、再び轟音ノイズと肌寒い儚さに心を焦がす#6”Child”、まったりとした雰囲気で終わる#7”Sandy”、といった感じ。で、WhirrのBandcampでは本EPの他に新曲の”Junebouvier”が聴けるんだけど、この新曲のが俄然deafheaven的なパンク/ハードコア寄りのアプローチがあってなかなか面白い。ブレイクダウン的な所のメロとかデフヘヴンっぽいし。本作でいうと#5みたいな曲ですね。この曲もパンクからの~トレモロみたいな感じで。

 ・・・というわけなんだけど、ありがたい事に、本作品は彼らのBandcampの他にオフィシャルHPでも音源を(しかもFlacで)無料配布してるので是非とも。当然にdeafheavenのデビュー作に衝撃を受けた人は絶対に聴いとくべきだし、AmesoeursやAlcestを筆頭とするポストブラック好きにもオススメです。今は人気急上昇中のdeafheavenの活動が忙しくてそれどころじゃないかもしれないが、できるだけ早いところこちらのフルレンスを出していただきたい(切実)。そんなわけで、おいら、先に待ち受ける魔のクリスマスシーズンはコレを聴いて乗り切ろうと思う(迫真)。これもBEST行きあるで。

Distressor
Distressor
posted with amazlet at 12.06.24
Whirr
Graveface (2012-06-19)
売り上げランキング: 320699

Nickelback 『Here and Now』 レビュー

Artist Nickelback
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Album 『Here and Now』
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Ttack List
1. This Means War
2. Bottoms Up
3. When we Stand Together
4. Midnight Queen
5. Gotta get me Some
6. Lullaby
7. Kiss it Goodbye
8. Trying not to Love You
9. Holding on to Heaven
10. Everything I Wanna Do
11. Don't Ever Let it End

カナダが誇るモンスターロックバンド、Nickelbackの約3年ぶりの通算7作目『Here and Now』なんだけど、その年の俺的BESTにも入れた前作のDark Horseは、マット・ラングをプロデューサーに迎えたことによりデフレパライクな80sHRテイストとニッケルらしいグルーヴィな骨太ロックが絶妙な相性で調和した、いわゆるカーS◯X・ミュージック界の傑作だったけど、本作の#1”This Means War”と#2”Bottoms Up”からしてそのグルーヴィで骨太でダイナミックな極上ロックは健在で、バックスっぽいゲイコーラスを擁したアコースティックバラードの#3”When We Stand Together”、小刻みなGリフが気持ちいい勢いに溢れた#4”Midnight Queen”・・・と、とりあえずココまでの流れは前作ほどではないものの確かにイイんだが、しかし名馬だったDHの対抗馬となりうる曲は#1くらいで、如何せんそれ以降はDHの馬フンにもならないような残念な印象。しかし#1だけはGリフがグルーヴ・メタルばりにカッコイイです。

 ・・・要するに、丼→『前作が凄すぎただけなんや・・・』、マシへ→『前作が凄すぎただけなんや・・・』、ニッケル→『ゼンサクガーゼンサクガー』、というわけですね。それにしても今年のRR系のハズレっぷりは・・・どういうことだってばよ!

D

Here & Now
Here & Now
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Nickelback
Roadrunner Records (2011-11-22)
売り上げランキング: 80

Light Bearer 『Lapsus』 レビュー

Artist Light Bearer
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Album 『Lapsus』
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Track List
1. Beyond the Infinite
3. Armoury Choir
4. The Metatron
5. Prelapsus

Fall of EfrafaのメンバーからなるUKはロンドン出身の6人組、Light Bearerのデビュー作『Lapsus』なんだけど、”ニューロシスとシガーロスの融合”という風に例えられている彼らの音楽は、そのシガーロスを思わせる鉄琴やピアノやチェロなどを擁するまるで北欧ポストロック的な優雅なサウンドと、もう一方のニューロシスや近年Cult of Luna君やIsis直系の広大な大地を揺るがす重厚なる”覇道のPost-Metal”リフが産み落とす漆黒のアトモスラッジ世界とのハイブリット化により実現する、怒りの感情と幸福な感情を交錯させながら、ココロとカラダをepicッ!に激情させながらリリカルに一歩一歩力強く地面を踏みしめていくその壮絶なる姿に心揺さぶられ、時にトキメカせること必須。で、チェロを擁し壮麗な幕開けを飾る#1で始まり、ココロ晴れやかな気分にさせるイントロからVoの咆哮と荒れ狂う轟音の渦の中に鉄琴の鮮やかな輝きを瞬かせながら、心の高揚を抑えきれないほどリリカルで感動的な展開を見せる#2”Primum Movens”、凍えるように冷たいトレモロ・リフを擁した内なる哀しみを轟音という名の怒りに変えて激しく展開し、中盤のCoolなドラムパートも聴きどころな#3”Armoury Choir”、これはまるでCult of Lunaの名曲”Leave Me Here”に匹敵するほどのエモーショナルなクリーンVoが織り成す終盤の展開がドラマティック過ぎる#5”Prelapsus”、けたたましく鳴り響く轟音地獄からチェロを擁した壮麗なエンディングまで隙のない展開を魅せる、約17分の超大作タイトルトラック”Lapsus”にて、トータル約一時間という奇跡の轟音体験の幕を閉じ、俺たちの昂揚した熱き魂は絶頂に達する・・・。

 ・・・というわけで、先日記事にしたGrown Belowのデビュー作The Long Nowと並んで、今年のPost界隈で絶対的マストと呼べる衝撃のデビュー作。当然に今年のBEST候補ッ!

B

Lapsus
Lapsus
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Moment of Collapse Records (2011-09-23)

New Rebecca Black Metal

CYNIC 『Carbon-Based Anatomy』 レビュー

Artist Cynic
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EP 『Carbon-Based Anatomy』
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Track List
01. Amidst The Coals
02. Carbon-Based Anatomy
03. Bija!
04. Box Up My Bones
05. Elves Beam Out
06. Hieroglyph

USが生んだプログレッシブ・レジェンド、Cynicの最新EP『Carbon-Based Anatomy』なんだけど、スウェーデンのCarbon Based Lifeformsを彷彿とさせるこのタイトルからして俺的に胸熱なんだが・・・けどそんな事はどうでもよくて、気になるその作風としては、本来のスタイルであるムシムシジュゲジュゲジュクジュク系Gリフで構成されたフュージョン/テクニカル/プログレ・メタル路線とは少々異なり、イメージとしては2nd『Traced In Air』の曲を再レコしたEP『Re-Traced』の流れをそのまま踏襲したような、要はambient/experimental/post-rockの質感を強く含んだ作風となっていて、まぁ実にEPらしいといいますか、EPだからこそできた作風って感じ。で、まさしくCynicな美メロのイントロから~なんともエスニックで民族的な歌声が聴ける#1や#3ら辺でのWorld Music的な民族臭がスゲーLunatic Soulっぽいっつーか、兎に角マリウス・デューダ君的な感性っつーか、仄か~にほとばしる”Post-Progressive臭”・・・そんな作品。で、2ndのCynicに近いスタイルの#2”Carbon-Based Anatomy”や#4”Box Up My Bones”を聴けば分かるとおり、Voポールの歌がよりエモーショナルに変化し、更にはお得意のヴォコーダーを使ってないせいか、孤高の幻想的な世界観へとトリップさせるあの超宇宙ッ!な感覚は至極薄い。これにはさすがのカーズ様もビックリ。んで、小林幸子ライクな2ndのジャケにも思ったが、この『もののけ姫』のタタリ神みたいなアートワークがまたしてもスバラシイですね。#1,#3,#6は実質リスニング・ミュージックみたいなもんで、しっかりと曲として聴けるのは#2,#4#5の計三曲。中でも、ポストロック×SW的なナニかを感じる#2と、ただならぬキッズ臭が超絶エモい#4は新機軸で聴く価値アリだよね。つー感じで、”エスニック×エモ×ポストロック”ライクな本作品は過度に期待しなければそこそこ楽しめます。・・・さてさて、こうなると来年リリースされるであろうフルアルバムの内容がどうなってくるかが、ヒッジョーに気になって仕方が無いんだが・・・!?

Carbon Based Anatomy
Carbon Based Anatomy
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Cynic
Season of Mist (2011-11-15)
売り上げランキング: 901
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