Artist Textures

Album 『Dualism』

Track List
Djent界隈の幹部を担うオランダ出身の6人組、Texturesの約3年ぶり通算四作目『Dualism』は、新メンバーにボーカルのDaniël de JonghとキーボードのUri Dijkが加入してからは初のフルレンスで、この手の最王手であるNuclear Blastからリリースされた最新作。で、前作『Silhouettes』や前々作『Drawing Circles』からのGojiraやMeshuggahを長とする”Groove×Djent×Technical”ライクなエクストリーム・メタルとは一味違ったアプローチを持つ本作品は、近年のThe Oceanを彷彿とせざるを得ない、一段とメロディアスでキャッチーなプログレ・メタルへと大きく歩み寄っている。特に筆頭すべきは、前作の名曲”Awake”と同じ役割を担う三曲目の”Reaching Home”で、ディスカバリーチェンネルばりの映像美で魅せるMVのように”この広大な太平洋と合体したいッ!”・・・そんな昂揚した気分にさせる美しくナチュラルなメロディとハイセンスッなPost-DjentリフがEpicッ!!にまぐあう確かな一曲を書けるあたり、やっぱコイツら”持ってるわぁ”って本作でも思わせてくれる。と同時にジェントルメン幹部の地位はまだまだ揺るぎないなぁと。
前任ボーカルのエリックが在籍していた前作や前々作みたいな”骨太ガチムチCore”な作風ではなく、ドラマーのステフが在籍するExiviousやCynic直系のexperimentalismを理解ッし尽くした美メロを多く擁したり、新Voのダニエルがクリーンで歌うパートが過去作と比べると俄然増えていたり、特にクリーンVoメインのオルタナ・メタルな#5や#8、インストの#6や#9辺りではExivious譲りの知的なメロウネスが露骨に表面化し、GojiraやMeshuggahの亜種というイメージを完全に払拭する、本作を語る上で欠かせない大きなポイントとなっている。過去作と比べてクリーンの比率が逆転しているとこは好みが分かれそうだし、美しすぎるメロディを作品全体にアプローチしている一方で、彼らの持ち味であるポスト・スラッシュ的なキザミやCoreなアグレッション、そしてマスいテクニカル度は減退している。正直、漢くさく逞しい歌声を披露していたエリック兄貴のパフォーマンスに一切文句がなかっただけに、まさかの脱退にはホント残念としか。。。けれども、本作を耳に馴染ませていく内にダニエルの(エリックを意識した)歌に違和感がなく聴けるようになってくるし、個性の面ではどうしてもエリックに見劣りするが、決して役不足というわけじゃあないです。・・・と、本作で生じたあらゆる面での変化を好意的に受け止めれば、まず一番に一般受けが良くなったという事と、Texturesらしいダイナミズムとグルーヴ感を失わずに、大衆受けしそうなメロが増えた・・・っつーこの感覚はあれだ、最近のThe Oceanにソックリなんだ。要するに”俺の界隈”へのアプローチ(ry・・・いやぁそれにしても、USはMastodon,スウェーデンはCult of Luna,フィンランドはGhost Brigade,ドイツはThe Ocean,ポーランドはRiverside,そしてオランダにはTextures・・・と、ここ最近はこの手のオルタナ系プログレ・メタル界隈の中堅勢が熱すぎてヤバいですね。
新生Texturesの幕開けであり、まさしく”Texturesそのもの”なプログレッシヴ×グルーヴネスをGojiraバリにバンッ!バンッ!!バンッ!!!っと放出する#1”Arms Of The Sea”、ダーク・メタルっぽいリフを擁した#2”Black Horses Stampede”は中盤にメロウなクリーン・パートを挟んで展開。美しすぎるMVが見所の#3”Reaching Home”はPost-DjentリフとEpicッ!!な美メロをセンスよく融合させた名曲。で、再びプログレッシヴに展開し、鬼グルーヴのスクラムをガチ組む中盤のブレイク・パートがパない#4”Sanguine Draws The Oath”、ダニエルのAtmosphericなクリーンVoをメインに進む#5、一面に広がる美メロの太平洋に溺れるインストの#6”Burning The Midnight Oil”、ポスト・スラッシュ的Gリフを擁したアグレッシヴな前半、一転してユメロゥな後半という感じに展開する#7”Singularity”、お次もスラッシーな#8と#9、再びExiviousライクなインストの#10から、前作を彷彿させる激しく重いヘヴィネスで複雑に展開する#11でドラマティックに〆る。てな感じで、前半と中盤の曲が良すぎる分、後半は少し質を落とすが、#10~#11の流れはカッケーです。
という感じで、ゴリゴリな音の破壊力や作品のインパクトという点では過去作に劣るかもしれないが、この手のメロディアスなプログレ・メタルになった事により、コア層だけじゃなく幅広いリスナーにアピールできる良作となってるんじゃないかな。モロにThe Oceanや丼ライクなブックレットのデザインやジャケもCoolだし、あらゆる面で”俺の界隈”に侵入してきた本作品は敬意ッと共にオススメしたい一枚。
B

Album 『Dualism』

Track List
01. Arms Of The Sea
02. Black Horses Stampede
03. Reaching Home
04. Sanguine Draws The Oath
05. Consonant Hemispheres
06. Burning The Midnight Oil
07. Singularity
08. Minor Earth, Major Skies
09. Stoic Resignation
10. Foreclosure
11. Sketches From A Motionless Statue
Djent界隈の幹部を担うオランダ出身の6人組、Texturesの約3年ぶり通算四作目『Dualism』は、新メンバーにボーカルのDaniël de JonghとキーボードのUri Dijkが加入してからは初のフルレンスで、この手の最王手であるNuclear Blastからリリースされた最新作。で、前作『Silhouettes』や前々作『Drawing Circles』からのGojiraやMeshuggahを長とする”Groove×Djent×Technical”ライクなエクストリーム・メタルとは一味違ったアプローチを持つ本作品は、近年のThe Oceanを彷彿とせざるを得ない、一段とメロディアスでキャッチーなプログレ・メタルへと大きく歩み寄っている。特に筆頭すべきは、前作の名曲”Awake”と同じ役割を担う三曲目の”Reaching Home”で、ディスカバリーチェンネルばりの映像美で魅せるMVのように”この広大な太平洋と合体したいッ!”・・・そんな昂揚した気分にさせる美しくナチュラルなメロディとハイセンスッなPost-DjentリフがEpicッ!!にまぐあう確かな一曲を書けるあたり、やっぱコイツら”持ってるわぁ”って本作でも思わせてくれる。と同時にジェントルメン幹部の地位はまだまだ揺るぎないなぁと。
前任ボーカルのエリックが在籍していた前作や前々作みたいな”骨太ガチムチCore”な作風ではなく、ドラマーのステフが在籍するExiviousやCynic直系のexperimentalismを理解ッし尽くした美メロを多く擁したり、新Voのダニエルがクリーンで歌うパートが過去作と比べると俄然増えていたり、特にクリーンVoメインのオルタナ・メタルな#5や#8、インストの#6や#9辺りではExivious譲りの知的なメロウネスが露骨に表面化し、GojiraやMeshuggahの亜種というイメージを完全に払拭する、本作を語る上で欠かせない大きなポイントとなっている。過去作と比べてクリーンの比率が逆転しているとこは好みが分かれそうだし、美しすぎるメロディを作品全体にアプローチしている一方で、彼らの持ち味であるポスト・スラッシュ的なキザミやCoreなアグレッション、そしてマスいテクニカル度は減退している。正直、漢くさく逞しい歌声を披露していたエリック兄貴のパフォーマンスに一切文句がなかっただけに、まさかの脱退にはホント残念としか。。。けれども、本作を耳に馴染ませていく内にダニエルの(エリックを意識した)歌に違和感がなく聴けるようになってくるし、個性の面ではどうしてもエリックに見劣りするが、決して役不足というわけじゃあないです。・・・と、本作で生じたあらゆる面での変化を好意的に受け止めれば、まず一番に一般受けが良くなったという事と、Texturesらしいダイナミズムとグルーヴ感を失わずに、大衆受けしそうなメロが増えた・・・っつーこの感覚はあれだ、最近のThe Oceanにソックリなんだ。要するに”俺の界隈”へのアプローチ(ry・・・いやぁそれにしても、USはMastodon,スウェーデンはCult of Luna,フィンランドはGhost Brigade,ドイツはThe Ocean,ポーランドはRiverside,そしてオランダにはTextures・・・と、ここ最近はこの手のオルタナ系プログレ・メタル界隈の中堅勢が熱すぎてヤバいですね。
新生Texturesの幕開けであり、まさしく”Texturesそのもの”なプログレッシヴ×グルーヴネスをGojiraバリにバンッ!バンッ!!バンッ!!!っと放出する#1”Arms Of The Sea”、ダーク・メタルっぽいリフを擁した#2”Black Horses Stampede”は中盤にメロウなクリーン・パートを挟んで展開。美しすぎるMVが見所の#3”Reaching Home”はPost-DjentリフとEpicッ!!な美メロをセンスよく融合させた名曲。で、再びプログレッシヴに展開し、鬼グルーヴのスクラムをガチ組む中盤のブレイク・パートがパない#4”Sanguine Draws The Oath”、ダニエルのAtmosphericなクリーンVoをメインに進む#5、一面に広がる美メロの太平洋に溺れるインストの#6”Burning The Midnight Oil”、ポスト・スラッシュ的Gリフを擁したアグレッシヴな前半、一転してユメロゥな後半という感じに展開する#7”Singularity”、お次もスラッシーな#8と#9、再びExiviousライクなインストの#10から、前作を彷彿させる激しく重いヘヴィネスで複雑に展開する#11でドラマティックに〆る。てな感じで、前半と中盤の曲が良すぎる分、後半は少し質を落とすが、#10~#11の流れはカッケーです。
という感じで、ゴリゴリな音の破壊力や作品のインパクトという点では過去作に劣るかもしれないが、この手のメロディアスなプログレ・メタルになった事により、コア層だけじゃなく幅広いリスナーにアピールできる良作となってるんじゃないかな。モロにThe Oceanや丼ライクなブックレットのデザインやジャケもCoolだし、あらゆる面で”俺の界隈”に侵入してきた本作品は敬意ッと共にオススメしたい一枚。
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