
ポーランド屈指のデス・メタルバンド VADER の元ギタリスト、マウザー率いるゴシック/オルタナティブ・メタルバンド、UNSUN の約2年ぶりとなる2作目「Clinic For Dolls」を紹介。
01. The Lost Way ★★★★★
02. Clinic For Dolls ★★★★☆
03. Time ★★★★
04. Mockers ★★★☆
05. Not Enough ★★★★☆
06. The Last Tear ★★★☆
07. Home ★★★
08. I Ceased ★★★★☆
09. A Single Touch ★★★☆
10. Why ★★★
2008年にリリースされたデビューアルバムの「The End Of Life」がここ日本でもちょっとだけ話題になった、紅一点のボーカリストのアヤ嬢と元VADERのギタリストのマウザー率いるポーランド出身のゴシック・メタルバンド、UNSUNの2年振りの2作目「Clinic For Dolls」なんだけど、・・っとその前に・・・なんとッ!!Voのアヤ嬢とマウザーがいつの間にか婚約してたよーめでたいよー。けど、それが原因かは分からないけど、Indukti のドラマー VaaverとベーシストのHeinrichが脱退してたよー困るよーそれだけは困るよー。。。
さて、仕切りなおして本作についての感想なんだけど、結論から言っちゃえば前作のが良いです。・・・で終わっちゃったら何も書くことがなくなるから、、、言うて、そこまで悪い内容じゃないよう!!むしろ良い内容してるよ!!っていう体で話を進めていこうかな。
今回、UNSUNの持ち味であるゴシック/インダストリアルなサウンドやポリッシュらしいエキゾチックな要素がだいぶ薄くなって、今作はフィメール系オルタナティブ・メタル色が強くなったっつーか、アバウトな例えだけど、そんな感覚がまずあるんだな。このバンドの目玉であるVoアヤ嬢の歌い方や歌メロについても、悪く言えば個性を失っているし、声に張りを出した歌い方には、誤解を恐れずいうと「パワーメタル」的な意識を聴き手に与えたりもするんだ。(てかアヤ嬢の声、前作の時とちょっと変わってない?気のせいかな) UNSUNの一つの特徴だったモダンなサウンドも若干影を潜め、やはり所々に「オルタナ・メタル的だなぁ」ってツクヅクと感じさせる音楽性に微妙に変化しているんだ。けど、このブログでも数多くの「オルタナ・メタル」を推奨しているオイラからすれば、今回の作風の微変化は余裕で許容範囲内だし、むしろ全然イケる作品なわけで、先ほどの「前作のが良い」という意見は変わらないけど、なんだかんだ「本作も良い」という感想でとりあえず落ち着く事ができた。
持ち味であり特徴でもあったゴシック/インダストリアル色が薄くなった事により、自然現象として「メタル色」が強くなり、前作よりも俄然アグレッシブ&ヘヴィなサウンドになってます。つまり本作はギタリストのマウザーが主導権を強く握っている作品という事が分かります。つまりマウザーが亭主関白だったという事も分かります。(メンバー2人が脱退した理由も自ずとわかります)
ちゅーか、そもそもこのバンドってそこまで話題になるような音楽をやってるわけでもなかったし、「フィメール界の新星だ!!」的な扱いしちゃって、なに勘違いしてんだろうな俺。これでUNSUNの神格化から目が覚める事ができたから、逆に良かったのかも。・・・・・いかん、本物=The Birthday Massacre の後だと、どうしてもネガティブな意見しか出てこねぇわ(笑 別に特別ネガティブってわけでもないと思うけど。
個人的に今作で一番好きな曲で、オープニングを飾る1の”The Lost Way”は可憐なkeyとヘヴィでウネり気味なGリフで展開し、アヤ嬢の哀愁を含んだ力強い歌声にフックを感じさせるキラーチューン。激しくヘヴィに刻むアグレッシブなGリフがハンパないタイトル曲の”Clinic For Dolls”、華麗なkeyと「メタル」なGリフでミドルテンポに進む3の”Time”、ザクザクなGリフとメロディアスなサビがビューティフルな5の”Not Enough”、ピアノ系バラードの6”The Last Tear”、ゆったりとしたピアノで始まり、後に疾走感を増していく8の”I Ceased”、「あにゅ~♪」な9の”A Single Touch”。
1,2,5,8などの、前作並みのクオリティを持った曲はあるにはあるんだけど、如何せん8の”I Ceased”以外の後半の曲には面白みが感じられないんだ。後半はクソといわれてもしゃーないレベル。バリエーション不足なインダストリアルな音はオマケ程度だし、マウザーのGソロも前作のソロの方が刺激があったような気がするなぁ。
結論としては「前作のが良い」わけだけど、今作「も」それなりに聴けるアルバムであるのは確かなんで、前作が気に入ったって人は十分に聴く価値あると思う。なんだかんだで良い曲あるしね。つー事で次作に期待・・・!!
7.0 / 10 点
Clinic for Dolls
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Unsun
Eagle Records (2010-10-12)
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