
オーストラリアはブリスベン出身のオルタナティブ・ロックバンド DEAD LETTER CIRCUS の1stフルレンス・デビュー作「This Is the Warning」を紹介。
01. Here We Divide ★★★★★
02. One Step ★★★★★
03. Big ★★★★
04. The Space On The Wall ★★★★
05. This Long Hour ★★★★☆
06. Cage ★★★★
07. Reaction ★★★★☆
08. The Drum ★★★★☆
09. The Design ★★★☆
10. Next In Line ★★★★★
11. Walk ★★★☆
12. This Is The Warning ★★★☆
2007年にリリースされたセルフタイトルのEP「Dead Letter Circus」でデビューを飾った、オーストラリア生まれの4人組 DEAD LETTER CIRCUSのデビューアルバム「This Is the Warning」なんだけど、彼らDead Letter Circus(略してDLC)の音楽性というのは、同郷のKARNIVOOL やThe Butterfly Effect 、USのdredg やCirca Survive 、イタリアのKLIMT 1918 などの「エモ」&「モダン/ネオ・プログレッシブ」な感性を持ち合わせたバンドを想起させる「オルタナ」で、U2 を思わせる独特な浮遊感を持ったカッティング・ギターの爽快感やダンスロック的な電子サウンドを取り入れたアレンジやポスト・ロックにも通じるクリーンな空気感を漂わせた、適度にグルーヴィでノレるロックを聴かせます。
同じ若手で同郷のKARNIVOOLほどではないけど、いわゆる「オルタナ・メタル」的な感覚でそれなりにハード/ヘヴィネスを聴かすラウドな場面や、ネオ「プログレ」的に聴かせる感覚やToolっぽいダークネスかつ幻想的な雰囲気をさり気なく匂わせる所も、俄然KARNIVOOLを想起させるポイントです。しかし、いわゆる「プログレ」的と言っても、前文に名前を出したバンドと比べると、このDead Letter Circusは比較的オーソドックスなオルタナ・ロックしてるバンドだし、一般的な「プログレ」という小難しいイメージは皆無で、特に複雑な事をやっているという訳ではないです。DLCはあくまで「ロック」なサウンドを基調としている印象。タイムリーなネタだけど、UKのTHE PINEAPPLE THIEF (通称パイナップル泥棒)の新作「Someone Here Is Missing」でも電子サウンドを積極的に取り入れたオルタナをやってたよねー、って。
微妙にハスキーな声質でエモーショナルに歌うボーカルがキャッチーにアピールするし、楽器隊の中でも特にベースが際立っているのもこのバンドの大きな特徴で、その個々の技量やバンド全体の総合力は早くも「大物感」を漂わせており、この1stからしてデビュー作とは思えないほどのクオリティの高さで、現時点で既に「DLCのサウンド」というものが確立されちゃってるんだから驚き。個人的に、2010年度の最重要なホープと言っても過言じゃないかも。KARNIVOOLと同じように2ndで今以上に「化ける」事を期待したい・・・!!正直、8.0付けてもいい出来なんだけど、次作で「やってくれる」という期待を込めて-0.5で7.5にしときました。・・・しかしながら、この「技巧派プログレ・メタル」っぽい雰囲気があるジャケットはどうにかならんかったのかな・・・(笑
特に序盤の流れがインパクト大で、U2ばりのカッティング・ギターがカッケー!!1の”Here We Divide”は若々しさと力強いエネルギーに満ちたキラートラックから、エモーショナルなボーカルがフックに富んだ2の”One Step”、まずはこの2曲でツカミは完璧。Tool的な幻想的かつダークな雰囲気でプログレスに聴かせる4の”The Space On The Wall”、エピックなカティングギターとダンスロック的な電子音が絡む5の”This Long Hour”、5の流れを汲んだノリにノレる電子音がグルーヴィに聴かす6の”Cage”、1曲目に近いストレートなロックチューンの7”Reaction”、dredgやKLIMT 1918っぽいポスト・シューゲイザーな8の”The Drum”、ザクザクにキレまくりなギターがカッコ良過ぎる10の”Next In Line”は今作で一番「メタル」的~。
聴き始めは前半の印象が強く残ったけど、聴き重ねるうちに中~後半の曲の印象がだんだんと良くなっていった。つまりは、噛めば噛むほど味が出る、いわゆる「スルメ」なアルバムって事なのかも。うん、多分そうだ。特に中盤の曲が非常に味わい深かったりするんだ。
という事で、近頃熱気を帯びてきているオーストラリア産のバンドの中でも、特にこのDead Letter Circusは「将来有望」と呼べそうな若手なんで、いわゆる「Porcupine Tree とその周辺の仲間達」系の「オルタナ/プログレ/モダン」な音楽が好きな人は、今のうちにチェックしとくべきマスト・バンドなんじゃないかなーって。
7.5 / 10 点
This Is the Warning
posted with amazlet
at 11.01.16
Dead Letter Circus
Warner Australia (2010-05-18)
売り上げランキング: 182756
Warner Australia (2010-05-18)
売り上げランキング: 182756