Artist Klimt 1918
Album 『Just In Case We'll Never Meet Again』
1. Breathtaking Days (Via Lactea)
2. Skygazer
3. Ghost of a Tape Listener
4. Graduate
5. Just an Interlude in Your Life
6. Just in Case We'll Never Meet Again
7. Suspense Music
8. Disco Awayness
9. Atget
10. All Summer Long
11. True Love Is the Oldest Fear
イタリアはローマ出身の4人組、Klimt 1918の約三年ぶりとなる通算3作目『Just In Case We'll Never Meet Again』なんだけど、彼らの音楽性は、オルタナやインディ、ポストロックやシューゲイザーやニューウェーブなどの影響下にあるロックを展開してて、独特の浮遊感とイタリア半島特有の温もりと郷愁に溢れた哀愁が香り漂う爽やかな音世界は、一度ハマるとなかなか抜け出すことができない。イタリア出身のバンドだし、全体的に爽快で心地がイイ、浮遊感のあるメランコリックなサウンドとプロダクションが、僕の大好きなイタリアのゴシック・ドゥーム・メタルバンドのNOVEMBREっぽくもあるなぁ、と思ってたら、どうやらマジにNOVEMBREのドラマージュゼッペが今作のエンジニア&ミックスで参加してるらしく、これは正直かなりビビッタ(笑)。これはかなりのラッキーというか嬉しい出会いでもあった。案の定、このバンドの音楽性は僕のツボを刺激しまくる哀愁サウンドと楽曲を展開しているんだ、が、しかし、実際今作を聴いてみた全体的な印象は、前半の曲は「おおお、イイジャンイイジャン^^」と、比較的好印象なのだが、中盤から後半の曲は、雰囲気やノリが大体同じ感じでチョット単調に進むんで、全体的にインパクトが弱い印象を受け、飛びぬけたキラーチューンとかが見つけ辛いような気もするし、曲調の幅の狭さからか、終盤に飽きが来てしまうような気がしないでもないんだ。
ヴォーカルとギターを担当するフロントマン、マルコの声質もイイ感じにエモーショナルかつ爽やかで潤いがあり、聞いていて気持ちが良く心地が良いね。歌メロのフックはそこまで強くないが、全体的に「キャッチー」と呼べる、哀愁ポップ・ロックが楽しめる。ヴォーカルのマルコが「哀愁」を醸し出し、浮遊感のあるギターサウンドが「メランコリック」なサウンドを作り出すサウンドスタイルだね。あと、Klimt 1918のサウンドを例えるのに、北欧スウェーデンのゴシック・メタルバンドKATATONIAを例に出してるサイトが結構あったりするけど、今作を聴く限りでは、KATATONIAっぽい所は非常に薄いというか、あまりそういうのは感じなかった。まぁ鬱っぽいメランコリック・ゴシックサウンドという共通の点から見れば、KATATONIAと近いっちゃ近いと言えるかもね。
まず1の「The Breathtaking Days [Via Lactea]」は、インストのような序章的で爽やかな曲で、2の「Skygazer」は、空を気持ちよく舞うかのごとくな、ダイナミックかつ爽やかで、哀愁とメランコリーが共存する心地良いナンバー、3の「Ghost of a Tape Listener」は、エモーショナルかつメランコリックな曲で、気持ちよく痛烈に盛り上がるダイナミックなサビがたまらないキラーチューンだ。夢心地なメロディが眠気を誘いそうな、大人しく展開する4の「Graduate」、日本人受けしそうな「THE哀愁」的なメランコリック・メロディが悶絶級な、5曲目の「Just an Interlude in Your Life」、とりあえずこの1~5までの流れが素晴らしく、彼らの爽快かつメランコリーな世界観に存分に浸れる事ができる。その後も、爽やかな浮遊感がアップテンポに展開する、哀愁漂う6の「Just in Case We'll Never Meet Again」や、同じくアップテンポでノリが良く、尚且つ哀愁も持ち合わせた7の「Suspense Music」や、力強さのある11の「True Love is tHe Oldest Fear」等の佳曲は、2,3,5の名曲に劣らずな内容を聞かせる。メランコリーな楽曲は、「秋」の季節が物凄い似合いそうな雰囲気を持っているね。
僕は未聴だが、どうやら1st,2ndの方が評価が高いらしいんで(特に2nd)、初めてこのバンドを聴く人は1stか2ndを先に聞いた方がいいかも。