北欧スウェーデンのプログレッシヴ・メタルバンドSEVENTH WONDERの3作目「Mercy Falls」を紹介。
1. A New Beginning 03:05 ☆☆☆☆
車が事故るSEから強烈なインパクトを放ち、今作のコンセプトとなる世界観に一気に聴き手を引きずり込むはじまりから、劇的かつドラマティックでミッドテンポに、プログレッシヴで壮大なパートを中盤で聴かせ、終盤に人の会話のSEを入れてコンセプト的に終わるイントロ的ナンバー。
2. There And Back 03:02 ☆☆☆☆
ダイナミックで壮大にはじまるイントロから明るくはじまる、壮大でプログレッシヴなインストナンバー。
3. Welcome To Mercy Falls 05:11 ☆☆☆☆☆
ダダダっとはじまり、ズンズンなリフとキーボードの明るいメロディでミッドテンポに進み、Seventh Wonderらしいリズミカルで明るいサビへ繋がるプログレ・メタルナンバー。ムード溢れるギターソロとキーボードソロの掛け合いも良い。
4. Unbreakable 07:18 ☆☆☆☆☆
Queensrycheっぽく進み、メロディアス・ハード並にキャッチーでフックの備わったサビが強烈なプログレ・ハード的ナンバー。中盤のテクニカルなギターソロから静寂的なピアノの音色とヴォーカルで展開するドラマティックなパートも印象的だ。
5. Tears For A Father 01:58 ☆☆☆☆
アコースティックな音色と胸に迫るヴォーカルで心地良く切なく展開する曲。
6. A Day Away 03:43 ☆☆☆☆☆
リズミカルで明るく美しいキーボードのメロディでダイナミックにはじまるイントロからアップテンポに展開するプログレ・メタルナンバー。テクニカルでスリリングなギターソロパートも良い。
7. Tears For A Son 01:43 ☆☆☆☆
悲壮感漂うピアノの音色と繊細に歌い上げるヴォーカルで展開する曲。FFっぽい怪しいkeyの音色が印象的だ。
8. Paradise 05:44 ☆☆☆☆☆
壮大な雰囲気漂わせるダイナミックでプログレッシヴなはじまりから、華麗で美しいピアノのメロディを交えて進み、テンポを上げてスピーディにはじまる軽快でキャッチーなサビがSeventh Wonderらしく印象的なテクニカル・プログレ・メタルナンバー。キーボードソロとギターソロもテクニカルで聴き応えがある。
9. Fall In Line 06:09 ☆☆☆☆☆
劇的な雰囲気と泣きのギターから疾走感を漂わせるイントロではじまり、ミッドテンポに進んでスピーディにはじまるサビが印象的なプログレ・メタルナンバー。クラシカルを交えたテクニカルなギターとキーボードのテクニカルなソロパートも良い。
10. Break The Silence 09:29 ☆☆☆☆☆
前の曲から繋がってはじまるドラマティックな大作プログレ・メタルナンバー。メランコリックなギターとヴォーカルの繊細な歌声で心地良くはじまり、その後ダイナミックかつ劇的に展開していく。中盤から終盤にかけての、ギターとキーボードが絡み合うインストパートは、劇的かつスリリングで聴き応えありまくり。特にギターが凄くテクニカルだ。
11. Hide And Seek 07:46 ☆☆☆☆☆
ギターのヘヴィネスがスリリングなイントロからダークかつ幻想的でスピーディにはじまり、リズミカルなキーボードの音色を交えながらミッドテンポに展開するプログレ・メタルナンバー。リズミカルなヴォーカルラインも印象的だ。
12. Destiny Calls 06:17 ☆☆☆☆☆
イントロから変調子しまくりな、プログレスで超絶テクニカルなプレイを魅せる曲で、ピアノの音色で華麗にミッドテンポで進み、テンポを上げてスピーディにはじまるサビがSeventh Wonderらしくキャッチーでドラマティックなプログレ・メタルナンバー。インストパートの叙情的な部分はDream Theaterっぽい印象も受ける。
13. One Last Goodbye 04:21 ☆☆☆☆☆
女性ヴォーカルを交えて心地良く劇的に進むアコースティックなバラードナンバー。終盤に会話のSEを交えるのもドラマティックに演出する。ラストは心臓が停止するMRIの音で締める。
14. Back In Time 01:14 ☆☆
これまでの曲の部分部分のパートが頭の中を駆け巡るイントロ的ナンバー。1曲目と同じような事故る劇的なSEで締める。
15. The Black Parade 06:57 ☆☆☆☆
重々しくヘヴィなイントロからコンセプト的な雰囲気を漂わせ、ミッドテンポに力強く劇的に展開するナンバー。テクニカルなギターソロも良い。
北欧スウェーデンのプログレッシヴ・メタルバンドSEVENTH WONDERの3作目。傑作と言える前作の「Waiting in the Wings」も強烈でハイレベルなプログレッシヴ・メタルアルバムだったが、それにより期待が広がり、待ちに待った待望の新作「Mercy Falls」は、前作同等、もしくは前作を越える重厚で濃密なプログレ・メタルアルバムで、SEを挟んだり、2分以内のヴォーカルメインの曲を入れたりとドラマティックにコンセプトらしく盛り上げ、Dream Theaterの「Metropolis Pt.2: Scenes From A Memory」やQueensrycheの「Operation-Mindcrime」に肩を並べる事ができそうな、全15曲という大作指向が強いトータル70分越えとなる壮大で超絶ドラマティックなコンセプトアルバムに仕上がっている。コンセプトアルバムとなった今作の雰囲気は、同じくDTの「Images And Words」のように、取っ付きやすい明るくアップテンポなプログレメタルで、「Images And Words」時代のDream Theaterがコンセプトアルバムを作ってたらこうなっていただろうなぁ的な、プログレ・メタル界の傑作アルバムかな今作は。すごい分かりずらい言い方だけど^^;DTよりキーボードのメロディが前面に出ている印象を受ける。しかし、コンセプトと言っても、SEやイントロ曲や短い曲などを除けば、いたって普通に高品質なSeventh Wonderのドラマティックなプログレッシヴ・パワー・メタルナンバーが楽しめる内容なので、前作が気に入っている人でも、取っ付きやすい手軽さがあるアルバムでもあるし、これまで以上に聴き込みがいがある作品だ。それと、今作もサウンドプロダクションが非常に良いのもポイントです。
Seventh Wonderの持ち味といえば、ヴォーカルTommyの柔らかく伸びやかな歌声で、フックのあるリズミカルでキャッチーなヴォーカルラインがバンドの中でも特に印象的で、今作でもそのフックのある、そして上手いヴォーカルが強烈な印象を耳に残す。テクニカルなパートを担う、ギターのJohanとキーボーディストのAndreas、この2人の楽器の手数が、これまで以上にテクニカルかつプログレッシヴなプレイを生み出しており、インストパートなどでは、特に濃密で聴き応えがありまくる。
それと言い忘れていたが、Seventh Wonderの音楽性は、Dream Theaterの王道プログレ・メタルをベースに、それにメロディック・パワー・メタルの要素を入れ込んだ、キャッチーでメロディックなプログ・パワー・メタルをプレイしている。コンセプトアルバムとなった今作でも、その基本的なベースは変わらず、ヴォーカルラインはキャッチー・メロディアスに、テクニカルなギターとキーボードがインストパートでプログレスに暴れまくる、ドラマティックな戦法は、この大作コンセプトアルバムの中で、より一層、これまで以上に、思う存分個々の高いそれぞれの能力を十二分に発揮している。個々の能力が高いからこそ、このようなコンセプトとなる大作アルバムが作れるわけだぁ(^~^)。
今作は、前作が気にいった人は勿論の事、プログレメタルが好きな人に大オススメの傑作アルバムだ!!10分以上の曲は無いし、基本5,6分の尺で、非常に聴きやすいので、メロパワ好きにもオススメできそうな内容。それにしても北欧のプログレ・メタルバンドってイイバンド多いよなぁって。Dream Theater系の王道プログレ・メタルバンドでは、Circus Maximusと並ぶ若手バンドの期待の星だと思う。
90点
3. Welcome To Mercy Falls http://www.youtube.com/watch?v=mwg58wfB798
6. A Day Away http://www.youtube.com/watch?v=tqErmiySfo0