Artist Miscreance

Album 『Convergence』

Tracklist
01. Flame of Consciousness
02. Fall Apart
03. Incubo
04. No Empathy
05. The Garden
06. Alchemy
07. My Internment
08. Requiem For Sanity

Album 『Convergence』

Tracklist
01. Flame of Consciousness
02. Fall Apart
03. Incubo
04. No Empathy
05. The Garden
06. Alchemy
07. My Internment
08. Requiem For Sanity
イタリアのスラッシュメタルバンド、Merciless AttackとSofisticatorのメンバーからなるMiscreanceの1stアルバム『Convergence』の何がカッケェって、前身のバンドで培ったVoivodさながらのタイトでソリッドなキザミ成分と、Cynicに代表されるジャズやフュージョンを経由したSF系テクデスならではの転調や変拍子を織り交ぜたプログレッシヴな要素が絶妙な配合率で美しく融合した、理知的なインテリジェンスと小刻みな緩急を効かせたリズミカルなテンポを特徴とするテクニカル・スラッシュメタルやってる事で、少なくとも今年のテクデスの中では頭一つ抜きん出た良盤となっている。
そんな彼らのアイデンティティを司る冒頭の#1“Flame of Consciousness”からして、パッと見では詰め込み教育さながらのミクロなリフと幾多の起点を目まぐるしい展開が一つに凝縮されているが、一方でマクロ視点からだとその理路整然とした楽曲構築力の非凡さに驚かされる。また、ソリッドなキザミ主体の#2“Fall Apart”における、中盤にフェードアウトしてから唐突な泣きのギターソロをブッ込んでくる展開は、もはや意味がわからないというか想定外過ぎて最高でしかない。
なんだろう、テクデスやスラッシュメタルという名のざっくばらんで粗野な音楽ジャンルを潔癖症の完璧主義者が演奏している、それこそ寸分の狂いもない精巧な工芸品を鑑賞しているような感覚、その著しく矛盾したイメージを何食わぬ顔して整然と成立させている気持ちよさがある。とにかく、テクデスの一番美味しいところとスラッシュメタルの一番美味しいところを、ここまで器用な職人さながらの手さばきでクロスオーバーさせた音楽もなかなか珍しい。
なんだろう、テクデスやスラッシュメタルという名のざっくばらんで粗野な音楽ジャンルを潔癖症の完璧主義者が演奏している、それこそ寸分の狂いもない精巧な工芸品を鑑賞しているような感覚、その著しく矛盾したイメージを何食わぬ顔して整然と成立させている気持ちよさがある。とにかく、テクデスの一番美味しいところとスラッシュメタルの一番美味しいところを、ここまで器用な職人さながらの手さばきでクロスオーバーさせた音楽もなかなか珍しい。